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野球部

2020.08.14

東京六大学春季リーグ戦 8月15日 神宮球場

好調の宿敵をこの手で沈め、歴史に残る1勝を/早慶戦展望

 いよいよ明日15日、東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)は華の早慶戦を迎える。今季は日程上の都合により、早慶戦がリーグ戦の最後を締めくくるわけではない。しかし、伝統の一戦に懸ける思いは両校共に変わらないだろう。また、この一戦は優勝を占う上でも非常に大きな意味を持つ。早大は敗北すれば優勝の可能性が消滅するため絶対に負けられず、逆に慶大は勝利すれば優勝が近づく重要な試合だ。令和2年春、一発勝負の早慶戦。歴史に残る戦いが幕を開ける。

 早大の投手陣は、ここまで登板した4人(中止となった東大戦も合わせれば5人)全員が防御率1.00以下と抜群の安定感がある。早慶戦の先発はエースの早川隆久主将(スポ4=千葉・木更津総合)が濃厚だ。前回登板の明大戦では自己最速の155キロを記録するなど好調さを見せ、9回1失点12奪三振で自身初の完投勝利を挙げた。それから中4日で迎える大一番、疲労も癒えてきていると予想されるため、早川らしい圧倒的な投球が期待できそうだ。救援では山下拓馬(法3=埼玉・早大本庄)柴田迅(社4=東京・早大学院)が鍵。山下は力強い速球を軸に緩急をつける投球が持ち味で、リーグ戦初登板となった法大戦では4者連続三振を奪うなどその力を遺憾なく発揮した。昨年のオータムフレッシュリーグでは慶大戦で先発して負け投手となっており、この試合には期するものがある。一方の柴田は言わずと知れた早大のクローザー。前回登板ではタイブレークで法大にサヨナラを許したものの、打たれたのは三ゴロ、中犠飛と決して内容は悪くなかった。今年から背負うエースナンバー『11』にふさわしく、試合の最後をきっちりと締めてほしい。

エース早川の圧倒的な投球に期待だ

 その投手陣が対する慶大打線は、前回の明大戦で16安打11得点を挙げるなど調子が上向きだ。初戦の東大戦こそ4安打と苦戦したものの、9回逆転サヨナラで辛勝を収めると続く立大戦では11安打を放ってこれも逆転勝利。そして明大戦は圧勝と、試合を追うごとに勢いが増している。それをけん引しているのは2番の瀬戸西純主将だ。東大戦では自身初となる本塁打を放つと、立大戦では2安打、明大戦では4安打を記録。ここまで合計14打数7安打で堂々の打率ランキング1位に君臨している。早川も開幕前から「瀬戸西が得点に絡んでくると慶応のリズムも良くなってくる」と警戒していた相手なだけに、瀬戸西をいかに抑えるかが試合の展開を左右するだろう。またその他にも正木智也、新美貫太といった慶應義塾高出身選手の活躍が光っており、明大戦では同校出身者だけで13本の安打を記録。上位から下位まで好打者が並ぶ強力打線を、早川ら早大投手陣がどう料理するかが見どころの一つだ。

好調の瀬戸西をどれだけ抑えられるか

 一方の慶大投手陣、こちらも好選手がそろっている。今季先発は関根智輝、木澤尚文、森田晃介の3人が務めているが、登板間隔や日程面を考えると早慶戦は関根でくるだろうか。関根は1年春から開幕投手を任された経歴のある好投手。だが2年春の早慶2回戦でひじを負傷し、長期離脱を余儀なくされていた。トミージョン手術や長いリハビリを経て、ラストイヤーの今季神宮の舞台に復帰。久々の登板となった東大戦では5回までを1安打に抑える好投を見せ、6回に2失点して降板したものの確かな実力を示した。またエースの木澤や、ここまで温存されている151キロ左腕・佐藤宏樹が先発する可能性もある。誰が登板したとしても実力があり、簡単に得点を奪うことはできないだろう。また救援では増居翔太に要注意だ。東大戦では8回2死二塁のピンチで救援し、見事切り抜けて味方の逆転を呼び込む活躍。続く立大戦でも8回無死一、二塁のピンチで登板し、この回を犠飛による2点で抑えた。明大戦ではベンチを外れており、休息も取れている模様。早慶戦でもターニングポイントでの登板が予想されるため、増居対策が一つの重要なポイントとなるだろう。

慶大救援陣の軸である増居

 

 これを迎え撃つ早大打線だが、直近の試合では雲行きが怪しい。初戦こそ蛭間拓哉(スポ2=埼玉・浦和学院)が2本塁打を放つなど12安打5得点を記録したが、それ以降はチャンスで『あと一本』がなかなか出ないのだ。法大戦ではタイブレークを含めた10回中7回で得点圏に走者を置いたものの、得点はわずかに1。翌日の東大戦でも中止となる前の5回までに2安打しか打てず、犠飛による1得点にとどまった。慶大の強力な投手陣からは得られる好機も限られると予想されるため、打撃の改善が急務となっている。そんな中、キーマンとなる可能性を秘めているのは7番の鈴木萌斗(スポ3=栃木・作新学院)だ。鈴木萌の持ち味は50メートル5.9秒の俊足。法大戦までの2試合で3安打を放つなど打撃も好調で、打率はリーグ7位タイの3割7分5厘を記録している。東大戦(記録には残らない)では安打と死球で2度出塁し、その両方で盗塁を決めた。鈴木萌が足でかき回して下位打線から好機をつくり、チーム打率トップの1番・金子銀佑(教4=東京・早実)に回したい。

鈴木萌が下位打線から好機を演出する

 

 前の試合までの戦いを見れば、慶大有利と受け取れるかもしれない。しかし、そのような下馬評に意味のないことは早慶戦の歴史が証明している。60年前の秋には、慶大有利の下馬評を徳武定之主将(現定祐コーチ、昭36商卒=東京・早実)率いる早大ナインが覆し、伝説の『早慶6連戦』の末に賜杯を手にした。今回の早慶戦は1試合のみの一発勝負であり、『早慶6連戦』と同様に歴史に名が残る一戦となるだろう。早川ワセダはその歴史に、必ずや『早大勝利』の文字を刻んでくれるはずだ。

(記事 池田有輝 写真 池田有輝、望月優樹氏)

東京六大学春季リーグ戦星取表
順位   慶 大 法 大 立 大 早 大 明 大 東 大 勝率
慶 大   ◯6-4   ◯11-2 ◯5x-4 1.00
法 大     ◯2x-1 ◯3-2 ◯6-3 1.00
立 大 ●4-6     ◯4-3 ◯12-2 .667
早 大   ●1-2x   ◯5-1   .500
明 大 ●2-11 ●2-3 ●3-4 ●1-5   .000
東 大 ●4-5x ●3-6 ●2-12     .000
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