メニュー

スケート部

2019.12.23

全日本選手権 12月21日 代々木第一体育館

久々笑顔の全日本 永井、好演技で復活の9位

 全日本フィギュアスケート選手権は早くも3日目。ペアと女子のフリースケーティング(FS)が行われた。早大からは永井優香(社3=東京・駒場学園)が出場。ショートプログラム(SP)に続き好演技を披露し、FS109.10点とまずまずの点数を記録。総合では173.88点で9位に入った。

強さと美しさを兼ね備えた永井のFS

 SPで会心の演技を披露し8位につけた永井。その結果FSは久しぶりの後半グループでの滑走となった。やや緊張した面持ちで滑り始めた永井だったが、冒頭のトリプルルッツ、ダブルアクセル-トリプルトーループはしっかり決める。続くトリプルサルコーは回転不足の判定を受け、やや着氷も乱れかけたがツイズルで出たことが功を奏したか、GOEについては軽微な減点に留めた。曲想をよく捉えたレイバックスピンはエレメンツそのものの点数だけでなく、演技構成点(PCS)の曲の解釈(IN)での評価も期待したい出来だった。中盤のトリプルループはディレイのかかった回転(十分に跳び上がってから回転を始めること)でしっかり回りきり、美しく決める。しかし2本目のループは腕を締めるタイミングを逃し、回転が途中で開いてダブルとなる珍しいミスが出てしまった。最後は足が重くなってしまったのだろうか。それともSPでのスピンへの厳しいジャッジを気にしてレベルのために回転数を確実視したのだろうか。コンビネーションスピンをいつもより長く回り、演技時間オーバーの減点を受けてしまった。

大勢のファンの期待とともに演技した

 高校生のときから滑りたいと思っていたという『アディオス・ノニーノ』。どちらかというと綺麗な音楽を使うことが多かった永井が、初めて挑んだタンゴで、今までとは全く違った雰囲気を求められるプログラム。「最初は振りひとつひとつがみんなに笑われるくらい悲惨な感じだった」と言うが、その言葉が信じられるだろうか。タンゴに求められる妖艶さと強さに、永井がかねてから強みにしてきた可憐な美しさが加わり、気高く艶やかなプログラムへと変貌を遂げてきている。コレオシークエンスでは少しつまずき苦笑いする瞬間もあったが、良い表情で伸びやかなスケーティングを披露。演技終盤のステップシークエンスでは雄大、且つしなやかな舞を見せ、持ち味を存分に発揮した。

 今季はここ数年の中で最も好調なシーズンを送っており、東日本選手権の優勝者として期待も高まる中で迎えていた今大会。6年連続で全日本選手権に出場している永井が初めて迎えた地元、東京開催の全日本選手権には、家族や友人がたくさん応援に駆けつけてくれたという。「今まで支えてくださった方達に少しでも感謝の気持ちを伝えられるように」。多くの観客が見つめる中でようやく納得のいくSPを滑った。これまではジャンプの回転が抜けてしまう印象も強かったが、今大会回転が抜けてしまったジャンプは両プログラムでわずかに1つ。4年ぶりとなる1桁順位でのフィニッシュを達成し、日本スケート連盟が指定する強化選手に来年度再び選ばれる可能性が高くなった。「本当に夢にも思っていなかったこと」。ライバルのミスに助けられた部分もあるが、ここ数年の全日本選手権の中で1番の演技を見せたことは確か。「まだまだできていないところはたくさんあるのでもっとパワーアップできれば良いなと思います」と永井は語る。来年はどんな姿でこの大舞台に立っているだろうか。別れを告げる全日本選手権までのカウントダウンが最高の形で始まった。

(記事 青柳香穂、写真 犬飼朋花)

結果

▽女子


永井優香 9位 173.88点


コメント

永井優香(社3=東京・駒場学園)※囲み取材より抜粋

――シーズンベストの演技でしたがいかがでしたか

全体的にガチガチだったのでもう少し勇気を振り絞って足を踏み出せば良かったかなと思うところはあるんですけれども、すごくたくさんのお客さんが観ている中で演技できたことはとても幸せでした。

――素晴らしいSPの演技の後のFSとなりました

SPのことはあまり考えずに、きょうは今まで支えてくださった方達に少しでも感謝の気持ちを伝えられるようにただ滑るだけだと思って滑りました。ジャンプを降りる降りないではなくて、気持ちを込めたいと思いました。

――きょうのジャンプの出来はいかがでしたか

全体的にきょうのジャンプは詰まり気味だったのでもっと勇気を出して跳べたら良かったかなと思います。少し悔しいです。

――サルコーを何度も確認しているように見受けられましたがいかがでしたか

サルコーはこちらに来てからそこまで苦手意識はなかったので普通に入れたかなという感じです。欲を言えばもう少し綺麗に降りれたと思うのでそれは悔しいです。

――ルッツの苦手意識はなくなりましたか

まだそんなに自信を持って跳べている訳じゃないんですけど、今シーズンのFSは滑りやすく流れに乗って跳ぶだけという感じで跳びました。

――大人っぽい曲ですが選曲したのはどなたですか

自分で選びました。

――前から滑りたいと思っていたんでしょうか

高校生くらいのときからちょっと気に入っている曲です。エリザベータ・トゥクタミシェワ選手(ロシア)が昔SPで滑っていたんですけど、それを見て曲の盛り上がるところがすごく素敵だなと思って使いたいと言っていたんですけど、当時はまだダメと言われていて。今シーズンなんとなく「この曲をやっても良いですか」と聞いたら「良いよ」と言ってもらえたので使うことになりました。

――今までとは違った雰囲気のプログラムですがどのような挑戦がありましたか

最初は振りひとつひとつがみんなに笑われるくらい悲惨な感じだったんですけど、振り付けをしてくださった(宮本)賢二先生の動きとかをビデオで何回もチェックしたりとかしてなんとかこの形になりました。でもきょうの演技ではちょっとまだ先生に顔向けできないなという感じです。

――SPとFSで対極的なプログラムですが演じ分けるという点で難しいことはありますか

そこまで演じ切れているのかも分からないのでなんとも言えないんですけど、両方違う雰囲気なので滑っていてすごく楽しいです。

――2019年最後の試合になりましたが今年はどんな1年になりましたか

インフルエンザに始まった年だったんですけど、そんなに悪い年ではなかったかなという感じですね。去年最後にすごく落ち込んだからこそいつも以上に頑張れた年だったかなと思うので、2020年は気を緩めずにまだまだできていないところはたくさんあるのでもっとパワーアップできれば良いなと思います。

――強化選手に復帰できる可能性の高い成績だと思いますが、その辺りに関してはいかがですか

本当に夢にも思っていなかったことで、中京のあの滑りやすいリンクではもう一生滑れないと思っていなかったので、もし選ばれたとしたらめちゃくちゃ嬉しいです。ラッキーって感じです(笑)。