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スケート部

2019.11.13

都民体育大会 11月10日(日) ダイドードリンコアイスアリーナ

またもW表彰台を達成 全日本に向け飛躍誓う

 きのうのSPをうけ、10日のシニアシングル競技フリースケーティング(FS)には永井優香(社3=東京・駒場学園)、石塚玲雄(スポ2=東京・駒場学園)が出場した。全日本選手権前の大切な実戦の機会となった今大会を、永井が総合2位、石塚が総合3位のW表彰台で終えた。

手を叩く印象的な振り付けを披露する石塚

 きのうのSPで、思うような演技とはならなかった石塚。しかし、競技終了後には「あすのフリーは大丈夫だと思います」と語った。そして迎えたきょうのFSは、その言葉通りの頼もしい滑りだった。シニア男子4番滑走で登場した石塚は、詰めかけた観客の歓声に包まれながらスタート位置につく。音楽、『POETA』の情緒を体現しながら演技を開始した。冒頭2つのジャンプでミスがあったが、以降の滑りはそれを忘れさせる迫真の出来だった。トリプルサルコーからの3連続ジャンプ、後半会場を沸かせたトリプルループ-トリプルトーループ、前半のリカバリーとなるトリプルフリップ-ダブルトーループなど、高い集中力で残りのジャンプを着氷。スピンでは、スムーズなポジション変更はもちろん、回転の速さと軸の強さが際立っていた。この日の演技で目立ったのは、すっきりと鋭く、よりクリアになった印象を与えるスケーティングだ。東日本選手権からの2週間、模索した「自分のスケート」。調子が落ちることもあったが、負けずに向き合ってきた。そして今回、「自分のセンスや感覚に自信を持ってできた」と一段と洗練された滑りを披露。ジャンプやステップといった1つ1つの要素が、その中で力強く輝いた。最後まで感情を切らさずに演じ終えた石塚を、観客は大きな拍手で迎える。114.94点と良い感触の点数を獲得し、総合3位で表彰台に上った。スピード感のある滑りの中に技を溶け込ませ、没入感を持ったこの演技に、「全日本選手権に繋がる演技だったと思います」と頷いた。思い出した「自分のスケート」を信じ、次に迫る全日本選手権に向けて滑りだす。

(記事、写真 犬飼朋花)

シャープな滑り出しの永井

 SP首位で迎えたFSで、永井優香は『アディオス・ノニーノ』を演じた。6分間練習や演技直前にもジャンプを入念に確認し、大歓声の中リンク中央に登場した。「集中しきれなかったなという印象です」と語る今日の演技。曲が流れ始め、まずは1本目、自身の代名詞トリプルルッツを無事成功させる。続く、ダブルアクセル-トリプルトーループの連続ジャンプでは、2本目の着氷で詰まり手をついてしまう。次のジャンプはしっかりと決め、芯が強く美しい振り付けで観客を引き込んでいく。しかし、その後のジャンプがパンクし、シングルループに。「途中から体力の面が心配になってしまって、上手くできなかったと思います」と表現の面で語る後半。ジャンプの面でも調子が上がらず、「きょうはジャンプを飛びに行くことに集中できていなかったので、とりあえずダブルで良い感覚が掴めるように最後まで粘っていました」と納得のいく結果ではないながらも屈せず挑んだ。しかし、洗練されたスピンの数々は最高難易度のレベル4を獲得するなど、安定感も見せた。演技終了後は悔しく、どこか暗い表情を浮かべていた。100.53点で演技直後の時点では1位につけたが、すべての演技が終了し、結果は2位。「試合は普段の練習より緊張しますし、力を使うので疲れるのですが、その中でも一生懸命最後まで滑れるように体力面を強化していきたいです」と意気込んだ。次の試合は全日本選手権。自身も納得できるような演技と明るい笑顔が見られることを楽しみにしたい。

 満足のいく出来ではない中でも、2日間を通してほぼ全てのスピンをレベル4で揃えるなど技量の高さを発揮した両者。表彰台に乗る強さとともに、ここからの伸びしろが明確になった。全日本選手権に向けて、最後までプログラムに磨きをかける。今大会を糧にした2人は、さらなる美しさで代々木の銀盤に輝くだろう。

(記事 岡すなを、写真 犬飼朋花)

結果

▽シニア女子


永井優香 2位 159.52点(FS 100.53点)


▽シニア男子


石塚玲雄 3位 165.89点(FS 114.94点)


コメント

石塚玲雄(スポ2=東京・駒場学園)

――演技を振り返っていかがですか

最初こそ少し、ルッツ、フリップとあまりいいジャンプが跳べなかったのですが、後半にかけてすごく集中して、自分の体の感覚を信じて飛びに行くことができました。今までの中で一番収穫があった試合だったと思います。

――どのような収穫があったのでしょうか

今までの東日本(選手権)とか東京ブロック(東京選手権)もそうだったのですが、(以前は)少しジャンプを決めようと思いすぎて、自分の良さであるスケーティングのスピードというのを抑えて跳びに行ってしまっていました。今回は、とにかく頭で色々考えることなく、思い切りスピードを出して滑っていこうと思って。その中でジャンプを跳んでいこうと思って演技していたので、それが後半にかけてできた、という収穫のある試合でした。

――終盤に向かうにつれてジャンプの調子も良くなっていったということですか

そうですね。2つ目に跳んだ(1本目の)フリップはパンクしたのですが、それをループを跳びにいくぐらいまで忘れてしまっていたぐらい、正直後半にかけてすごく集中ができていたと思います。

――それでも最後にしっかりリカバリーされました

(連続ジャンプを予定していた前半の)フリップのパンクというのは、本当にフリップをどう跳んだかも忘れてしまっていました。最後2本目のフリップを跳びにいく前に思い出して、ちゃんとコンビネーションをつけることができました。

――きのうメンタルの調整はもう大丈夫そうとおっしゃっていました。その辺りはどうでしたか

色々悩んで考えすぎてしまうところもあったのですが、やはり僕は考えすぎるとダメなタイプなので。とにかく、練習はちゃんと積んできているので体も覚えているはずです。それを本番で緊張があったり色々と考えてしまったりすると、その体の感覚を邪魔してしまうと思います。だからとにかくメンタルというよりは本当に今回は自分の演技やジャンプの感覚に自信を持って滑りました。

――ジャンプ以外の面についてはいかがでしたか

今まで、東日本とか東京ブロックもそうだったのですが、とにかく見てもらいたいという欲を出していきたいということを言っていました。ですが、そうやって言っていたらそればかり意識してしまっている自分がいて、本来の自分のスケートの良さを忘れてしまっている部分もありました。今回はもちろん見てもらいたいということもあったのですが、それ以上に自分がなぜスケートをやっているかというのをはっきりさせたかったので、正直に言うと「見て見て」という気持ちよりも演技やスピード、ジャンプなどに自信を持ってそれを出すという風に意識して挑んだ試合でした。

――滑りがさらに洗練された印象です。そうした意識が関係しているのでしょうか

それも少しはあると思いますし、今回自分のセンスや感覚に自信を持ってできたということが一番大きいのかなと思っています。だからこそ今までの試合の中では一番集中ができた試合でしたし、ちゃんと演技の中に入り込むことができていました。全日本選手権に繋がる演技だったと思います。

――点数についてはいかがですか

114点なのでそこそこだと思います。ですがトリプルループ-トリプルトーループの回転不足を取られていたり、フリップジャンプもエッジエラーがあったりしたので、まだまだ伸ばせると思います。その中でもステップに関してはレベル3がしっかり取れたので、そこは自信を持ってこれからもやりたいと思います。

――全日本選手権に向けて意気込みをお願いします

やっと自分のスケートを思い出すことができて、一旦は勢いを失っていたものを今回取り戻せました。東日本から全日本に向けて、今回の試合もそうですが、学ぶことが色々あります。全日本に向けてこれからしっかり練習を積んでいって、練習を積んでいったものを自信にして、それをしっかり全日本で発揮できるようにしたいと思います。

永井優香(社3=東京・駒場学園)

――きょうの演技を振り返ってどうですか

集中しきれなかったなという印象です。

――6分間練習、また演技直前でもジャンプを確認しているように見えましたが

きょうはジャンプを飛びに行くことに集中できていなかったので、とりあえずダブルで良い感覚が掴めるように最後まで粘っていました。

――表現など意識した部分はありますか

きょう、最初の方は割とできたのですが、途中から体力の面が心配になってしまって、上手くできなかったと思います。

――今回の試合に向けて取り組んできたことは

今回はSPをメインに取り組んでいたので、そこが出てしまったかなと思います。

――全日本に向けて目標は

本当に体力がないので、やはり、試合は普段の練習より緊張しますし、力を使うので疲れるのですが、その中でも一生懸命最後まで滑れるように体力面を強化していきたいです。

――最後に意気込みをお願いします

今回は気持ちがあまり乗らない中での試合になってしまったのですが、全日本はそんな事を言っていられないので、きちんとキッティングできるように頑張ります。