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ハンドボール部

2019.11.09

全日本学生選手権 11月8日 カメイアリーナ仙台

高かった女王の壁 貫いた早稲田らしさ 堂々の初戦敗退/1回戦 対大体大

 試合終了のブザーとともに、早稲田の『日本一』への挑戦が終わった。13-40、今季最多の27点差をつけられての敗戦。スコアボードに映った数字は、全日本学生選手権(インカレ)6連覇中の大体大の強さ、そして圧倒的な力の差を十分すぎるまでに表していた。

 試合開始直後、大体大の強烈なシュートが早稲田ゴールのポストに直撃する。この挨拶代わりの一撃は、この日の大体大の圧倒的な攻撃力を象徴するものだった。相手の強力な攻撃陣に対して、早稲田は積極的なディフェンスで対抗。3-3ディフェンス気味のフォーメーションを採用し、相手オフェンスに圧力をかける。だが、序盤こそ効果的に機能したこの戦術も、大体大の圧倒的なオフェンスの前に無力化されてしまう。前半4分にカットインから先制を許すと、それを皮切りに3連続失点。前半6分までに4点差をつけられてしまい、早大ベンチはたまらずタイムアウトを要請し修正をもくろむ。すると直後の前半8分、大沢アビ直美(スポ4=東京・佼成学園女)が相手のワンマン速攻をセーブすると、阿部美幸(スポ2=東京・佼成学園女)がカットインからチーム初得点奪い、反撃の狼煙を上げる。しかし直後にまたもや4連続失点。流れを奪うことができない。その後も杉山瑞樹主将(社4=神奈川・横浜創英)のサイドシュートや、紅林詩乃(スポ2=東京・佼成学園女)のパスカットを起点とした阿部の速攻などで得点を奪うが、連続得点にはつながらず、確実にシュートを決めてくる相手に点差を広げられてしまう。選手交代や配置転換で流れを変えようとするも、変えることはできなかった。結局、6-21で前半終了。攻守に圧倒され、15点という絶望的な点差で前半を終えた。

チームを牽引し続けたこの人の背中は大きく見えた

 ハーフタイムに「楽しく笑顔で30分やろう」(杉山主将)、「最後まで楽しんで、やってきたことをやろう」(大沢)と話した早大は、後半開始から積極的に仕掛ける。後半1分に杉山主将のサイドシュートがゴールに突き刺さり息を吹き返すと、今度はこの日厳しいマークの前に沈黙していた吉田瑞萌(スポ3=東京・佼成学園女)の強引な突破から7メートルスローを獲得。これを岡崎麗(教3=埼玉・浦和実)が落ち着いて決め、この日初めて、連続得点に成功する。その後は前掛かりになった裏を突かれて失点を重ねてしまうが、佐藤優花(スポ1=東京・佼成学園女)のカットインからのゴールなどで諦めずに食らいついていく。そして後半25分、この日一番の盛り上がりが訪れる。退場で1人少ない大体大はキーパーを下げコートプレイヤー6人で攻撃を仕掛けるが、そのボールを大沢が奪取。すると大沢はすぐさま相手ゴールにロングシュート。ボールは無人の相手ゴールに吸い込まれた。「人生で初めて決めた」(大沢)というこのゴールは、大差でも諦めず、早稲田らしさを貫いたチームにハンドボールの神様が微笑んだものではないだろうか。終了直前には杉山主将がこの日3点目となるサイドシュートを突き刺して試合終了。13-40の大差で敗れ、早稲田のインカレは1回戦で幕を下ろした。

先輩の悔しさを晴らすことができるのは、残された後輩たちだけだ

 集大成の舞台で勝利することができなかった早稲田。試合後、選手たちは悔しさをにじませた。だが、北村早紀(スポ4=群馬・富岡東)の「最後に大体大と当たれて幸せだった」という言葉にも表れるように、女王・大体大に真っ向勝負を挑んだ経験は、何にも代えがたい財産となったであろう。引退・卒業する4年生には、この財産をそれぞれの次のステージでも活かしてほしい。

1年間、感動を与え続けてくれたチーム。夢の続きが見たかった

 人数が少なく、紅白戦もままならない状況からスタートした今年のチーム。人数が少ないからこそ学年を超えて意見を出し合い、よりよいチームを作り上げてきた姿は、目指していた『全員が当事者意識を持ってハンドボールと向き合えるチーム』そのものであった。1年を通じて目標としていた結果を残すことをできなかったが、大差をつけられても食らいつき、1プレー1プレーに盛り上がる選手たちの『早稲田らしさ』を体現する姿は美しく、多くの人の心に刻み込まれただろう。しかし、杉山主将が後輩に残したのは「勝つことでしか味わえない楽しさがあると思うので、常に勝ちを求めてほしい」という言葉。最上級生として、キャプテンとして1年間結果を求められながらも応えることができなかった悔しさは、後輩たちがきっと晴らしてくれるはずだ。絶対女王に正面から立ち向かった早稲田。堂々の初戦敗退だ。

(記事 稲葉侑也 写真 栗林真子)

関東学生秋季リーグ
早大 13 6-21
7-19
40 大体大
GK 大沢アビ直美(スポ4=東京・佼成学園女)
LW 杉山瑞樹(社4=神奈川・横浜創英)
LB 吉田瑞萌(スポ3=東京・佼成学園女)
CB 佐藤優花(スポ1=東京・佼成学園女)
PV 紅林詩乃(スポ2=東京・佼成学園女)
RB 阿部美幸(スポ2=東京・佼成学園女)
RW 衣川直緒(社3=愛知・星城)
コメント

杉山瑞樹主将(社4=神奈川・横浜創英)

――率直な今の心境をお願いします

悔しいです。

――試合前はどのようなことを話しましたか

まずは気持ちを前面に出していこうというのと、勝ちたい気持ちが強い方が勝つから、死ぬ気で60分間戦い切ろうという話はしていました。

――序盤から苦しい試合展開でしたが、いかがでしたか

きのうのミーティングでも、オフェンスのミスがあると厳しくなるとは話していたのですが、そのミスをしてしまって自分たちの弱さが出てしまった前半だったと思います。

――後半の出だしは良い流れでしたが、ハーフタイムにどのようなことを話しましたか

戦術の話もしたんですけど、残された時間が30分という中で、戦術どうこうではなく気持ちを出して、楽しく笑顔で30分やろうと話していました。

――点差がついた状況でも、1プレー1プレーで盛り上がる早稲田らしさを感じられました

前半から点差が離れてしまっていたのですが、点差は関係なく盛り上がることができていたので、よかったかなと思います。

――主将として戦ってきた一年間はいかがでしたか

うまくいかないことの方が多くて、このチームでリーグでもインカレでも勝つことの楽しさをみんなに示してあげたかったのですが、なかなかできなくて自分のキャプテンとしての力不足と、プレーでの力不足を痛感した1年間でした。

――開幕前に言っていた『全員が当事者意識を持ってハンドボールと向き合えるチーム』になることができましたか

そこが一番昨年と変わったところだと思います。ミーティングでも学年関係なくみんなが意見を出してくれるし、練習についてもメニューについて意見を出してくれたので、全員で当事者意識を持つことはこれまで以上にできたのかなと思います。

――今年のチームはどのようなチームでしたか

4年生のチームというよりは、みんなで作りあげてきたチームなのかなと思います。その分後輩の負担が大きくなってしまうこともあったのですが、支えられてここまでやってこれたと思います。

――後輩に向けて一言お願いします

勝つことでしか味わえない楽しさっていうのがあると思うので、常に勝ちを求めて、きょうの悔しさを糧にしていってほしいと思います。

――最後に一言お願いします

早稲田にきて、先輩、後輩、スタッフ、OBOGの方々、周りの方々に支えてもらっているということを本当に実感できました。その方々に結果で恩返しができなかったことに関して申し訳なく思っているのと、みなさんの支えかあったから1年間やってこれたと思います。ありがとうございました。

大沢アビ直美(スポ4=東京・佼成学園女)

――今の心境を聞かせてください

終わってしまったかという気持ちです。

――試合前はどのようなことを話しましたか

相手がやってきそうなプレーとか、自分たちの流れが悪くなったときの対応を話していました。

――序盤から厳しい試合展開でした

やっぱり体大は強いなと思いました。やりたいことを封じられていたし、シュートに関してもしっかり決めてくるので、その中で相手のリズムを崩すことができなかったのが悔しいです。

――ハーフタイムはどのようなことを話しましたか

点差も付いていて、雰囲気が落ちていたのですが、最後まで楽しんで、自分たちのやってきたことをやろうと話していました。

――楽しむことはできましたか

1点決めることができたのは楽しかったなと思います。人生で初めて決めたので。

――見事なロングシュートでした

相手キーパーがいないのをしっかりと見れていたので、心に余裕があったなと思います。

――試合を通じて早稲田らしさが感じられました

1点決めることで一気に自分たちの流れに持ってこれるというのは早稲田のいいところだと思うので、そこは楽しかったし、受け継いでいってほしいと思います。

――早稲田での4年間を振り返っていかがでしたか

後悔はしてないですね。でも、もう少し自分の感情を出すことができればよかったかなと思いました。

――後輩に向けて一言お願いします

1本が勝敗に関わってくると思うので、その1本を大事にしてほしいと思います。

――最後に一言お願いします

今まで応援してくださってありがとうございました。私はまだ次のステージがあるので、それに向けて頑張っていきたいと思います。

北村早紀 (スポ4=群馬・富岡東)

――お疲れ様でした。試合を終えた今の心境をお願いします

 悔しいという気持ちが一番大きいと思っていて、自分も出るチャンスを与えていただいたのですが、実力を出しきれなかったのでそこは悔いの残る試合だったかなと思います。

――試合前はどのような話をしていましたか

 大体大が絶対王者で、そもそもレベルが離れていたというのはわかっていたのですが、勝つためには今までやってきたこと全部をやりきろうって話してました。インカレは技術だけじゃなくて、勢いも大事だから、ミスが起きてもみんなで盛り上げながら乗り切ろうというのも話しました。

――どのようなプレーで今回の試合に臨みましたか

相手のセンターと右45がめちゃくちゃ強くて、上から打ち込むのもすごいうまくて、その二人に対してあつく行こうあつく行こうって言ってて。前半はうまくいってたのですが、逆に裏が広くなっちゃってポストに簡単にやられてしまうとか。意識できたからこそ、違うところでやられてしまったというのが勿体なかったと思います。

――4年生として集大成のインカレでしたがいかがでしたか

4年生にならないとわからない気持ちとかプレッシャーとかいっぱいあって、前日からあまり寝れなかったりとかしてたんですけど、最後に大体大にあたれて幸せだったなと思います。

――一緒にプレーしてきた4年生にメッセージをお願いします

みんな良くも悪くも真面目なんだけど、その真面目さにたくさん救われたというか、その真面目さがあったからここまでやってこれたと思ってるので、本当に感謝してます。

――後輩の皆さんに一言お願いします

後輩は私たちの持ってないものをたくさん持ってるので、さらに良いチームを作っていけるかなという期待もあるし、もっと早稲田らしさというのを追求してほしいなという気持ちもあります。

――最後に言いたいことはありますか

 最後は不甲斐ない試合になっちゃったけど、やっぱり早稲田のハンドボール部に入って出会えた人全員に感謝したいです。

山本彩椰 (スポ4=神奈川・川和)

――お疲れ様でした。試合を終えた今の心境をお願いします。

めちゃくちゃ悔しいという気持ちが一番かなと思います。一年ここを目指してやってきて、日本一を目標にしていたので、それが達成できなかったということをみると、やっぱり悔しさしかないです。個人的には最後出させてもらって、その時に周りの人たちもいいパス出そうとしてくれてて、最後にシュートを決めたいなという部分はあったんですけど、決めきれなかったのは悔しいかなと思います。

――チームとして今回の試合に向けてどのような話をしてきましたか

誰も勝つとは思ってないし、失うものもなくて恐れるものもないから、思いっきりぶつかってやりきろうって話はずっとしてきました。

――どのようなプレーで今回の試合に臨みましたか

 監督からも思いっきり力強いプレーで行こうって事前に言われていたので、あまり細かいことは考えずにガツガツ強気で行く姿勢をプレーで表せるように頑張ってました。

――最後の舞台であるインカレでの試合でしたがでしたか

個人的にもチーム的にも悔しさはあったんですけど、インカレ前にも『やり切る』というのを言っていて、それには後悔はないです。

――一緒にプレーしてきた四年生にむけてメッセージをお願いします

コートに立つ人数が限られてるし、キャプテンの瑞樹やGKのアビがフィールドに立ってる時間が長くて、すごい苦しい思いもさせてしまったかなとは思うんですけど、ものすごく信頼できる仲間だし、一緒にできて本当に良かったです。本当にありがとうございましたって伝えたいです。

――後輩の皆さんにもメッセージをお願いします

本当に頼りになるし、私が4年生としてどんな影響を与えられたかはわからないんですけど、沢山経験を積んで楽しんでもらって、来年以降自分たちにできなかったところをもう一回目指して、結果を出して欲しいです。

――最後に言っておきたいことはありますか

やっぱり応援されるいいチームを作るのは大変だと思うんですけど、それを追い求めることが結果につながると思います。もちろん簡単にはいかないことだし、早稲田っていうチームはやっぱり環境的にも良いところもあれば難しいこともあるけど、しっかり悩み抜いてやり切って1年後、ここで勝って喜んでるチームであって欲しいなと思います。

加藤凪紗(スポ4=東京・豊多摩)

――率直な今の心境を聞かせてください

私は楽しかったなと思います。試合内容は別として、試合後4年生はみんな泣いていたのですが、そのあとに写真を撮ったりして、すっきりした顔をしてたいのでよかったかなと思います。試合でもいいプレーを見ることができて、最後キャプテンのシュートで終われたり、アビのロングシュートも見れたり、よかったなと思います。

――試合前にはどのようなことを話しましたか

試合前にきのう、きょうと「今日の一言」でキャプテンに一言を書いたのですが、きょうは「4年間の全てを出し切ってください」というメッセージを書いて、逆に毎年キャプテンが全員に手紙を書くのですが、私にはキャプテンから「きょうの試合のガッツポーズは凪紗に向けてするよ」と言ってくれていたので、
「待ってるよ」というやり取りをして、とりあえず頑張れよという言葉をかけました。

――試合中、点差が開いても1点1点に盛り上がる早稲田の選手をベンチから見ていていかがでしたか

それが早稲田らしいなと思って。1点決まったらベンチのみんなも立ち上がって喜ぶところなどが早稲田らしさだと思うので、ベンチにいて応援していても楽しかったし、みんなが盛り上がっている姿を見てこのチームでよかったなと思えたので、感慨深かったです。

――トレーナーという、選手とは違う立場での4年間はいかがでしたか

すごく楽しかったなと思います。たくさんの素敵な人たちと出会えて、色々な経験をさせてもらって、特に4年生の1年間はトレーナーとしても良い仕事ができたと思うので、トレーナー人生はここで終わりですが、悔いなく終われたのでよかったです。

――後輩に向けて一言お願いします

きっと、どの代も新チームの初めはまとまらないことがあるけど、そのような時でも今の3年生が引っ張っていって、1,2年生はそれについていって、みんなで作り上げてほしいと思います。

――最後に一言お願いします

ありがとうございましたの一言です。お世話になりました。