ラグビー部
2019.10.31
関東大学ジュニア選手権 対明大B 10月27日 東京・明大八幡山グラウンド
シーソーゲームとなった明大B戦、粘りきれず敗北
前試合、終了間際で失点し敗北してしまった早大Bは、関東大学ジュニア選手権(ジュニア選手権)最終戦である明大B戦に臨んだ。伝統ある早明戦ということもあり、会場には多くの観客が集まる。早大Bは序盤からミスを連発し、前半12分、相手に先制トライを与えてしまう苦しい展開に。しかし、ここで意地を見せた。相手のミスからボールを奪いトライ、さらに2本の PGも決め、1点ビハインドで前半を終える。後半開始早々、またも相手のミスからトライで逆転。これで勢いに乗ったと思われたが、ここから得点の動かない時間となる。しかし、試合終了間際に相手の猛攻に遭うと、ロスタイムで失点。ジュニア選手権最終戦を勝利で締めくくることはできなかった。
緊張感が漂う中、相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)の「勝ちきれよ!」という声が響き、選手たちが花道を駆け抜ける。試合は明大Bのキックオフから始まった。序盤はミスが重なり、なかなか得点につなげることができない。前半12分、タックルミスで明大Bに欲しかった先制点を与えてしまう。早大Bは20分、連続アタックからゴール前中央でペナルティを得ると、PGを選択。SO吉村紘(スポ1=東福岡)が落ち着いて決め、反撃の口火を切る。続く24分、相手の攻撃をなんとか封じ、ボールを奪うとすぐさまパスをつなぎ、左サイドで待っていたFB梅津友喜(スポ4=岩手・黒沢尻北)がインゴールを駆け抜ける。その後もWTB松下怜央(スポ1=神奈川・関東学院六浦)がゴールライン際で明大Bのトライを阻むなど、この得点で流れは一気に早大に。しかし、前半終了間際、SO吉村紘(スポ1=東福岡)のPGで食らいつき、13ー14で前半を終えた。
早大B最初のトライを決めた梅津
後半に入っても押され気味だったが、後半7分、相手のパスを奪い、鮮やかなパス回しで、最後は素早くサポートに入ったCTB中西亮太朗(商2=東京・早実)。この試合2度目となる逆転に成功する。ここから互いに我慢の時間が続く。15分以上点が入らずゲームが静まった。その静寂を破ったのは明大B。後半24分にトライを許し、1点差まで迫られる。だが、このリードを守り切りたいプロップ土田彬洋(スポ3=茨城・茗溪学園)らFWの渾身のタックル。相手に一瞬の隙も与えないまま、吉村がこの試合3本目となるPGを確実に決めて4点差と突き放す。観客席からも歓声が上がり、勝利を手にしたかのように見えた。しかし、ロスタイム自陣でプレーされる時間が長くなると、今度は早大B反則を連発。踏ん張り切ることができず、スクラムから明大Bに左隅にトライを許してしまい、目前にあった勝利をつかむことはできなかった。
FWの粘り強いアタックが得点につながった
前試合に引き続き、粘りきれず勝ちきれなかった。しかし、「80分の中で70分まではよかった」とSH小西泰聖(スポ1=神奈川・桐蔭学園)が話すように、中盤のスピードのある整ったアタックと要所を押さえたディフェンスは明大Bにしっかりと対抗できていた。「Bチームの押し上げがAチームの戦力にもつながると思う」(プロップ阿部対我、社2=東京・早実)。来月関東大学対抗戦(対抗戦)が再開される。この大会に出場した選手たちの成長がチームの成長でもあるが、選手たちはどのように対抗戦のメンバーに食い込んでくるのか。ひと回り強くなった早大のチーム力に注目だ。
(記事 内海ひより、写真 千葉洋介、山口日奈子)
※掲載が遅くなり、申し訳ありません
コメント
フランカー柴田徹(社4=神奈川・桐蔭学園)
――試合の流れを振り返っていかがですか
ディフェンスからプレッシャーをかけていこうと話してたんですけど。不用意な自分たちの反則から苦しい展開になってしまいました。最後も自分たちのミスで自陣に釘付けにされて負け越したので、自分たちの反則が課題だと思います。
――個人的な、プレーでの反省は
前半少し、ゴールライン前で相手のプレーヤーに(タックルを)外されてしまったところがあったので、そういったところですかね。あと、抜かれたところに追いかけてタックルするようなシーンがいくつかありました。止めきれなかったというところが反省です。
――FW全体の課題はどういった点でしょうか
オフサイドや、そういった細かい部分でのプレッシャーをかけようかけようと思いすぎて、起こってしまった反則ですね。そういったところがFWの課題だと思います。
――ディフェンス面での反省ですが、どのように改善したいですか
具体的にはあと1メートル下がって、ポジションするというところですかね。ディテールこだわろうという風に、チームでも言ってやってます。
――ハーフタイムで何かお話しをされましたか
やろうとしてることはうまくいっている中で、そういった反則がありました。ですので、細かいところ気をつけようという風に短く話して臨みました。
――明大Bのプレーはハーフタイム後変化はありましたか
大きくはなかったかなと思いますが、相手の方が一枚上手だったというところですかね。
――早大Bには何か変化がありましたか
細かいところでのミスが、最後まで失点につながってしまったというところ。また、前半後半通して相手陣の深いところまで行ってミスで終わってしまったので、反省点かなと思います。
――PGを多用されていました。何か戦略的な意図があったのでしょうか
最低でも点は取って(自陣に)帰ろうということで、1トライとったら逆転できる圏内にいたかったというのが意図です。
――今季のジュニア選手権ではゲームキャプテンとして務められることが多かったと思います。振り返ってみていかがですか
慶大B戦しか勝ちはなかったと思うんですけど。惜敗してしまう試合も多かったので。ちょっとゲームキャプテンとしては至らない点が多かったかなという風に思うんですけど。こういったジュニアの頑張りが、上のチームへ。個人としてもチームとしてもという風に影響していけばと思います。
プロップ阿部対我(社2=東京・早実)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
アタックは通用するところもありましたが、1人目のタックルの入り方で相手に抜けられて、ボールをつながれてしまうシーンが多くありました。そういうところの1人目のタックルの質があまり良くなく、後々の失点につながったかなと思います。
――ファーストスクラムについては
いつもとグラウンドが違っていて、それをアップで合わせたつもりだったのですが、コミュニケーションが上手くいきませんでした。1番最初のヒットの後で僕の腰が高くなってしまって、押されてしまったかなと思います。2回目からは後ろと連係して、話したので、コミュニケーションをとって、押せたかなという感じです。
――個人のアタックを振り返っていかがですか
普段からチームで全員オプションと言っていて、例えば誰か1人がボールを持った時にちょっとでも前進したら、すぐ次の人がボールをもらうというような意識が多々見られて、実際それがトライにつながったので、そういうところでうまくいっていたと思います。
――後半のスクラムを外から見てどう感じられましたか
相手はかなりバインドの時点でかけていたので、そこでくらってしまって、自分たちのスクラムが組めていなかったのかなというように僕は見えました。
――FWの課題は
やはりセットプレー。セットプレーで球がきれいに出せれば、うちのBKがトライとってくれるので。それと、ゲーム中盤の運動量ですかね。負けてるつもりはないのですが、もっと動いて相手よりいっぱい動かないと勝てないので。
――関東大学ジュニア選手権を振り返っていかがですか
たくさん試合をやったのですが、結局1回しか勝てていなくて、Bチームの押し上げがAチームの戦力にもつながると思うので、1回しか勝てなかったというのはジュニア選手権という大会としてあまり良くなかったのかなと思います。
――対抗戦も再開されますが
自分的には普段の練習から、出場できるようにアピールするというのと、出場したらチームの代表となるわけで、あまり恥ずかしいプレーはできないので、もっとディティールで勝負の差が出ると思うので、ディティールにこだわっていきたいです。
SH小西泰聖(スポ1=神奈川・桐蔭学園)
――惜敗という結果でしたが、心境としてはいかがでしょうか
東海大B戦に続いて僅差で負けてしまったということは悔しいです。前回の試合で規律、ペナルティのところで自分たちのチャンスを失って、チャンスを相手に与えてしまうことがありました。前回の試合も課題は「ディシプリン」というところで準備してきましたが、最後の最後に守り切れませんでした。
――今試合どのような心境で臨まれましたか
この一週間特に、勝ちたいという気持ちを持って試合に臨みました。
――相手を意識する部分はありましたか
対明大Bを意識させられることはなかったですが、選手たちの中では意識してしまうという気持ちはありました。どちらかというと前回の試合で出た課題の修正であったり、明大Bというよりは次の試合への準備であったりですね。自分たちにフォーカスして練習していました。
――前半を振り返っていただけますか
リードして折り返すことがベストでしたが、負けててもずっと追いつける位置にいたいということでPGを狙うということを考えながらプレーしていました。割とそういう部分に関しては紘(SO吉村紘、スポ1=東福岡)とは話をしていました。そういう意味で言うと前半の終え方はよかったかなと思います。ですが、ゴール前で取り切れない場面が何回かあったのでそこが次の修正点ですね。
――最初の得点はPGでしたが、そのプレーを選択した意図はどういったものだったのでしょうか
何回かラインアウトをやっていてその部分で少し劣勢だと感じました。そこで、点が欲しい状況。1トライで逆転できる点差に詰めるため、PGを選択しました。
――後半を振り返っていただけますか
後半もアタックというよりどちらかというとディフェンスの時間が多かったように感じます。我慢の40分だったなという印象ですね。そこで我慢できて相手のミスボールに反応できたので、その部分はすごくよかったかなと思います。ですが、ラスト10分で負けてしまいました。80分の中で70分まではよかったです。最後の10分間が課題です。
――今試合の個人として反省点はどういった点でしょうか
前に出よう、前に出ように意識が強いことはいいことで、前に出て強いタックルができています。やぱりコントロールする身としてはレフリーとコミュニケーションをしっかりと取ってFWに「立ち位置一歩下がろう」というような声掛けができなかった。そういった部分が僕の課題かなと思います
――「ディフェンスの時間が多かった」とおしゃってましたが、その少ない時間で点を取ることができました
アタックで点を取ることができたという部分もありますが、どちらかというと「もっと点数を取ることができたな」とアタックをコントロールする身としては思いますね。要所、要所でミスがあって点を奪えませんでした。
――ご自身のパフォーマンスを振り返ってみていかがですか
まだまだ改善、修正しないといけない部分もいっぱいありますが、できることはやったかなという感じです。後は1つ1つパスの精度であったり、キックの精度であったりを高めていくこと。次の関東大学対抗戦に向けてメンバー入りするのに大事かなと思います。
――ご自身の強みを出すことはできましたか
そうですね。サポートであったり、サポートで1本トライアシストだったり、最後の追いついたりする部分ではスピードを生かしてプレーすることはできていたと思うので。後は最近練習しているキックも上手く混ぜながらプレーできたらもっと楽に試合を進めれるかなと思います。SHとしてもっとパス、キック、ラン。バランスよく使えるようになりたいです。
――これからに向けて意気込みをお願いします
前半の対抗戦では全部メンバー外という結果ですごい悔しい思いをしながら見ていました。昌彦(フランカー相良昌彦、社1=東京・早実)や1年生がすごい頑張ってるので、下からしっかりと突き上げていきたいですね。また、次の対抗戦はメンバーは入れるように、21番ではなく、9番を狙っていけるように練習を頑張っていきたいです。
FB梅津友喜(スポ4=岩手・黒沢尻北)
――試合を振り返っていかがですか
入りこそちょっと規律の部分で乱れてしまったものの、あとは守ったりとか規律の部分で声を掛けたりとか、集中してゲームに臨めたのかなと思います。
――ご自身のパフォーマンスを振り返っていかがですか
監督やコーチから、いっぱいボールに絡むようにというお題が出されていたので、その点では自分がボールを持ってキャリーするシーンが多かったので結構良かったのかなと思います。得点にも絡むことができたので良かったんじゃないですかね。
――BKのアタックについてはいかがでしたか
一次アタックの次のフェーズで、ボールを運ぶ場所を自分たちで決めてしっかりそこにボールを運べていたので、そこは良かったと思います。ですが、最後に失点が重なったのもBKのミスからだったので、一次のフェーズアタックをもっと精度を高くやっていけたら良かったなと思っています。
――この試合にはどのような意気込みで臨まれましたか
やっぱり早大でラグビーをするにあたって明大とか慶大というのは特別な相手で、どの一戦よりも熱が入って、自分も結構声を出して味方を鼓舞するようにしていたのですが、最終的には明治に取られてしまいました。自分たちも規律良くハードワークしていたのですが、それを明治さんに上回られてしまったので、次まだA戦が残っているのでそこでリベンジしたいなと思っています。
――ジュニア選手権を振り返って全体としていかがですか
きょうの試合もそうですが、どこか勝ちきれないところというのがジュニアにはあって、そこが課題だなとずっと思っていました。きょうも逆転負けというかたちだったので、それがAチームに上がれていない要因のひとつなのだとひとりひとりが自覚しないとAには上がれないなという風に思いました。
――関東大学対抗戦が再び始まりますが、そこに向けての思いはありますか
1年生の時から出させてもらっていて、でも2年3年とけがで出られなかったので、今年は早明戦という伝統ある試合に臨めるのも最後のチャンスなので、絶対にスタメンを獲得して今回のリベンジを果たしたいなと思います。
関東大学ジュニア選手権 | ||||
---|---|---|---|---|
早大B | スコア | 明大B | ||
前半 | 後半 | 得点 | 前半 | 後半 |
1 | 3 | T | 2 | 3 |
1 | 1 | G | 2 | 1 |
2 | 1 | P | 0 | 0 |
0 | 0 | D | 0 | 0 |
13 | 10 | 計 | 14 | 12 |
23 | 合計 | 26 | ||
【得点】▽トライ 中西、梅津 ▽ゴール 吉村(3PG、2G) |
早大Bメンバー | |||
---|---|---|---|
背番号 | 名前 | 学部学年 | 出身校 |
1 | 横山 太一 | スポ2 | 東京・国学院久我山 |
後半15分交代→17木下 | |||
2 | 中野 幸英 | 文構4 | 東京・本郷 |
後半28分交代→16宮武 | |||
3 | 阿部 対我 | 社2 | 東京・早実 |
後半12分交代→18土田 | |||
4 | 桑田 陽介 | スポ2 | 愛知・明和 |
5 | 星谷 俊輔 | スポ3 | 東京・国学院久我山 |
後半40分交代→19中尾 | |||
7 | ◎柴田 徹 | 社4 | 神奈川・桐蔭学園 |
8 | 沖野 玄 | 商4 | 北海道・函館ラサール |
9 | 小西 泰聖 | スポ1 | 神奈川・桐蔭学園 |
後半34分交代→21河村 | |||
10 | 吉村 紘 | スポ1 | 東福岡 |
11 | 加藤 皓己 | 創理4 | 北海道・函館ラサール |
前半17分交代→23南 | |||
12 | 平井 亮佑 | スポ3 | 福岡・修猷館 |
13 | 中西 亮太朗 | 商2 | 東京・早実 |
14 | 松下 怜央 | スポ1 | 神奈川・関東学院六浦 |
後半34分交代→22高木 | |||
15 | 梅津 友喜 | スポ4 |
岩手・黒沢尻北 |
リザーブ | |||
16 | 宮武 海人 | 政経2 | 東京・早大学院 |
17 | 木下 隆介 | 文構3 | 東京・本郷 |
18 | 土田 彬洋 | スポ3 | 茨城・茗渓学園 |
19 | 中尾 悟 | スポ4 | 神奈川・桐蔭学園 |
20 | 田中 智幸 | 政経2 | 東京・早大学院 |
21 | 河村 謙尚 | 社2 | 大阪・常翔学園 |
22 | 高木 樹 | 法3 | 大阪・早稲田摂陵 |
23 | 南 徹哉 | 文3 | 福岡・修猷館 |
※◎はゲームキャプテン、監督は相良南海夫(平4政経卒=東京・早大学院) |