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スケート部

2019.09.26

東京選手権 9月23日 ダイドードリンコアイスアリーナ

永井が完全優勝!石塚PB更新、小室も幸先良く演技

 東京のスケーターたちが照準を合わせ、見応えたっぷりの演技で競う今大会。最終日となるきょう、早大勢の出場したシニア男女ではフリースケーティング(FS)が行われた。永井優香(社3=東京・駒場学園)はFS1位に輝き、きのうのショートプログラム(SP)と合わせて完全優勝を遂げた。石塚玲雄(スポ2=東京・駒場学園)もSP、FSともにパーソナルベストを更新し、115.24点を叩きだして3位入賞。小室笑凜(スポ1=東京・開智日本橋学園)はSPから順位を3つ上げ、20位でフィニッシュした。

上半身を伸びやかに使った石塚の滑り出し

 第3グループ第1滑走で登場した石塚はSPから1つ順位を上げて待望の表彰台に上った。上半身を大きく使い、天を仰ぐような振り付けから始まったFS『POETA』。自身でも「気持ちよく決まったと思う」と語ったトリプルフリップ-トリプルトーループの連続ジャンプを美しく着氷すると観客から大きな歓声が上がった。今回は1本だったが、今後トリプルの連続ジャンプを2本組み込むつもりだ。「いつもできることが本番で出来なかった」と話すように回転不足や転倒のジャンプがあったものの、決まったジャンプは高さ、幅ともに素晴らしく、加点のつくものだった。続くフライングキャメルスピンでは、柔軟性を活かしたポジションや安定感のある回転スピードで最高評価のレベル4を獲得。手を打ち鳴らしたり足を踏み鳴らしたりと印象的に残るコレオシークエンスでジャッジ、観客にアピールした。ひと蹴りでよく伸びるスケーティングや力強く気迫の感じられるステップシークエンスでも会場を引き込んだ。チェンジフットコンビネーションスピンで拍手が湧き起こると、大きな盛り上がりの中、ラストのポーズを決めた。先月に行われた東京夏季大会よりもさらにキレがあり緩急のメリハリのついた演技を披露した。1試合ごとに進化していく石塚の、2年連続全日本選手権出場に向けて、大きな一歩を踏み出す大会となった。

(記事 中島美穂、写真 犬飼朋花)

雰囲気よく表現した小室

 女子FSでは、全体1番目に小室が登場。ラベンダー色の衣装を身にまとい、リンク中央でポーズをとった。『Bridge to Terabithia』の音楽が始まると、かかとで円を描くような振り付けから演技を開始した。以前「そういうわからない世界に自ら入っていくっていうちょっと難しい表現なんですけど、それをイメージして滑りたい」と語ったこの曲の世界を、細かいターンが美しい滑り出しで開いていく。まず1つ目のトリプルサルコーを流れよく着氷し、勢いに乗る。視線を上に向けて、広々と滑った。アクセルジャンプが抜けるミスがあったが気持ちを切らさず演技し、スパイラルでは2種類のポジションを披露した。大会までの間にジャンプを課題に練習を積んできたという小室は、トリプルトーループ-ダブルトーループやダブルルッツからの3連続ジャンプなどをしっかりと入れてプログラムを演じた。観客の応援にもどんどん熱が入っていく。「動き自体にすごい悪いものはなくてよかったかな」とうなずいた。ステップでは、落ち着いた曲調の中の盛り上がりを繊細に感じ取り、壮大な動きで舞う。スピンを回りきって演技を終え、会場の拍手に応えた。きのう、「(FSは)2週間くらい全然練習できていなくてすごい心配」と不安をにじませた小室だったが、このことをプラスに利用。集中力を発揮して、綺麗に滑りをまとめた。好感触のFSで順位を更新し、総合20位につけた。

美しい姿勢の永井のスパイラル

 そして永井は最終滑走での演技。「久しぶりだったのもあって緊張が出てしまった」と振り返った。場内の期待が高まる中、音を捉えたキレのある動きで滑り出した。曲は『アディオス・ノニーノ』。優美でありながら艶やかな表現で、観客を引き込んでいく。冒頭のルッツジャンプを抜かしてしまうが、ダブルアクセル-トリプルトーループの連続ジャンプは圧倒的な大きさを誇った。スピンや踊りを流れるように組み込んで、密度の高い滑りを披露する。脚を後方に上げたスパイラルや膝をついた叙情的なスライドを含むコレオシークエンスは、出場選手の中でもトップレベルの加点評価を受けた。最後のトーループは回転が抜けたことにより、同種ジャンプの回数制限を超えてしまい0点扱いに。しかし、しっかりと演技に没入して表現を続ける。スピードを保ちながら、手足を長く使ってステップを踏んだ。しゃがみこんだり上に伸びたりと、メリハリをつけて舞う。腕の使い方には、会場の空気を一気にさらって動かすようなダイナミックさがあった。「ショートに比べると音が強い部分が多いので動きをはっきりと撮るように意識しています」と曲の雰囲気を掴んで演じる。スピンの余韻を残して演技を締めくくると、悔しそうなそぶりを見せた。SPに続きFSでもトップに立って完全優勝を果たしたが、目指すところはさらなる高みだ。

 3選手ともSPでの勢いをうまくつかみ、FSでも出来の良い演技を披露した今大会。深まっていくシーズンを見据え、幸先の良いスタートとなった。今後、まずやって来るのは東日本学生選手権。全員が出場を予定し、「今日以上の演技をできるようにしてしっかりインカレ(全日本学生選手権)出場を決めて、先輩方と出場したいなと思っています(小室)」と積極的に挑む。そして次に、東日本選手権だ。石塚、永井が出場権を獲得し、「(目標は)たった1つ、絶対東日本を通過して全日本に行きます(石塚)」「今度こそは全部揃えられるようにしたいです(永井)」と強い意志を見せた。選手たちの活躍を心待ちにしたい。

(記事 犬飼朋花、写真 中島美穂)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

結果

▽シニア女子


永井優香 1位 155.15点(FS 98.08点)


小室笑凜 20位 106.97点(FS 70.90点)


▽シニア男子


石塚玲雄 3位 176.89点(FS 115.24点)


コメント

石塚玲雄(スポ2=東京・駒場学園)

――きょうの演技を振り返っていかかですか

簡単なトリプルサルコーとトリプルループがああいう形で2回転になってしまって今、本当にすごく悔しくて。いつもできることが本番でできなかったということがすごい悔しいので、この悔しい気持ちを忘れずに東日本に必ず繋げたいと思いました。

――3回転3回転はすごく綺麗に決まったと思うのですが、ジャンプについてはいかかですか

本当に自分の中でもそこは気持ちよく決まったと思うんですけど、普段から結構スピードを出してジャンプを跳びにいく練習をしているので、これからもそういったジャンプがたくさん跳べるように頑張りたいと思います。

――終盤のジャンプはリカバリーでしたか

構成通りなんですけど、もしもフリップトーループとループトーループと両方とも3回転が入っていた場合には最後はダブルフリップにしようかなと思っていました。

――表現についてはいかがですか。

こんだけたくさんお客さんが入ってるので、たくさんのお客さんに見てもらおうって気持ちで力強く演技をしました。

――点数発表の際に会場が湧きましたがご自身ではいかがですか

フリーでは自己ベストかどうか分からないですけど、ミスがあった割にはいい点数が出たのでミスがあってこの点数ってことはもっと上げていけるってことなのでどんどん点数も演技も上げていけたらと思います。

――東京夏季大会と比べて今回の出来はご自身でいかがですか

よく身体も動いていましたし、前回の夏季フィギュアよりも地に足がついた状態で自信を持って演技ができたと思うので、自信を持って臨めるようにしたいです。

――今後試合が続くと思うのですが、最後に意気込みをお願いします

本当に(目標は)たった1つで絶対東日本を通過して全日本に行きますということです。

永井優香(社3=東京・駒場学園)※囲み取材より抜粋

――演技を終えていかがですか

最終滑走が久しぶりだったのもあって緊張が出てしまったんですけど最初のジャンプ失敗してから大崩れはすることなく終えられたのでまだ良かったなと思う反面、やはり悔しいです。

――最初のルッツジャンプをパンクしてから落ち着いているなと思いましたが

すごく緊張はしていたんですけど練習でどれも降りているジャンプだったので、何も考えずやりました。

――終わったあと、振り付けの宮本賢二先生から声をかけられていました

「綺麗に滑ってたよ、嘘だけど」って言われました(笑)。

――SPとは違った曲調でしたがどうでしたか

賢二先生がきていることも試合の前の気づいたので、「あっやばい」と思って、ほんのちょっとは意識できたんじゃないかなっていう風に思います。

――滑り込んできたと思いますがプログラムの手応えはいまどうですか

ジャンプを毎回降りるっていうのをまずメインに練習してきたんですけど、それは結構できるようになってきて、でもこうやって本番で滑ってみると実際できないっていうのがまた判明したので、もっと積み重ねようと思います。

――色っぽいプログラムですが意識していることは

最初と最後のステップは特に魅せることを意識してやっているんですけど、間はまだジャンプに夢中になっている部分があるのでこれから練習を積み重ねていきたいです。

――東日本についてはいかがですか

(今回は)今までの試合で降りていたところをミスしてしまったので、今度こそは全部揃えられるようにしたいです。

――東京夏季大会の際、練習でできているループを失敗してものすごく悔しいとのことでしたが、そこは今回改善できたところですか

6分間練習で割と何回も跳んだので、きょうはループに集中しすぎたかなという感じです。なかなか全部まとめるのは難しいなと思いました。

――ループ2つ目を降りて安心して、次のジャンプに影響があったのでしょうか

安心はしていなかったんですけど、「あぁ疲れたな」と思っていました(笑)。練習より疲れます。

――全体的には順調にきているのかなと思うんですが、自分ではどうですか

練習でノーミスできる回数も増えてきたので、その調子でと思っていたんですけど、やっぱり本番は難しかったので、メンタル面だったり、そういうのも大事になってくるかなっていう風に思いました。

――メンタル面が大事というのは今後どうやって改善していこうと思っていますか

やっぱり日々の練習の積み重ねっていうのが本番での自信に繋がると思うので、普段の練習は厳しくやって、本番では楽しめるぐらいの気持ちでできるようにしていきたいです。

――結構練習はハードにやっていらっしゃるわけですもんね

多分そう、ですね(笑)。いつもヘトヘトなので。

――自分を追い込むタイプですか

やるときはやるって決めています。

――このプログラムが色っぽいというお話もありましたが、永井さんが思う色っぽさのイメージは

自分と真逆な感じなので(笑)、違う自分を見せられたらと思っています。

――映画や音楽、色など参考にするものはありますか

考えたことないですけど、タンゴとかそういうかっこいい系のを滑っている人たちの演技はよく見ています。

――大人っぽさを出すために気をつけている部分は

振り付けをしていただいた賢二先生の動きを見て少しでも近づくようにと思って基本的には真似しているんですけど、ショートに比べると音が強い部分が多いので動きをはっきりと撮るように意識しています。

――賢二先生からの具体的なアドバイスはあるのですか

例えば自分は全体的に動きが小さくなってしまうので、手を伸ばすにしてもあと何センチか伸ばすとか首をもっと反るとか、具体的に指導してもらいました。

小室笑凜(スポ1=東京・開智日本橋学園)

――演技を振り返っていかがですか

自分が課題にしてる動きに近い動きがジャンプすべてでできたかなと思うので、回転不足はいくつかあったと思うんですけど、動き自体にすごい悪いものはなくてよかったかなと思います。

――ジャンプの感触について教えてください

冒頭のサルコーと、フリップとルッツのコンビネーションとかは普通に悪くなかったと思います。ですがそれ以外のトーループとアクセルとかは回転不足とかを取られてしまっていると思うのでそこが悪かった点かなっていうのは思っています。

――練習不足で不安とおっしゃっていましたが、どう調整しましたか

きょうの公式練習で、自分で試合の感覚をある程度掴むしかないと思ってやったんですけど、逆に練習していないぶん、練習してきたっていうプレッシャーがあんまりないまま演技できたので、昨日のショートよりはプレッシャーを感じずできたかなと思います。

――回転する動きが魅力的でしたが、表現についてはいかがですか

この曲自体がずっと静かな感じで、最後のステップでちょっと盛り上がるぐらいなんです。静かだからこそ、逆にちょっとの曲の変化っていうのを自分で感じ取ってそこで強弱をつけなきゃいけないっていうのがこの曲の1番のポイントなので、そこを意識してやるようにしています。

――精神的にも落ち着いて見えましたが、先ほどのプレッシャーのお話につながりますか

今回のフリーは特にそうかなと思っています。今回のブロックは結構ショートが自分の中では鍵になるかなと思っていて、ショートメインでずっとやってきていて、フリーはあまりできなかった部分もあったんですけど、あまりできなかったからこそ本番で「とりあえず自分が集中してやるしかない」っていう1つのことだけ考えて演技に取り組むことができました。だからフリーの方が精神的には安定していたかなっていう風に思います。

――今後について意気込みをお願いします

次10月にいくつか試合があって、1番早いと東インカレがあります。東インカレではインカレ予選も兼ねているので、そこで今日以上の演技をできるようにしてしっかりインカレ出場を決めて、先輩方と出場したいなと思っています。