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ラグビー部

2019.09.16

関東大学対抗戦 9月15日 対筑波大戦 茨城・ケーズデンキスタジアム水戸

ディフェンスが機能し、前半戦の難敵・筑波大に快勝!

 関東大学対抗戦(対抗戦)第3戦は前節の慶大戦で劇的逆転勝利を収め、勢いに乗る筑波大との対戦となった。試合開始早々、早大が先制点を奪うが、すぐさまペナルティーゴールで3点を返される。その後は自陣側に吹く風に苦しめられ、攻め切れない苦しい時間が続く。しかし、その後3つのトライを奪うと、26-3で前半を折り返す。筑波大の運動量が落ちた後半は早大のBK陣がパスによる好連係を発揮し、トライを重ねる。最終スコアは52-8で快勝し、前半戦のヤマ場を乗り越えた。

 前半2分、早大のラインアウトからボールを展開し、WTB古賀由教(スポ3=東福岡)がインゴールの右サイドに飛び込んだ。幸先よく先制点を獲得し、そのまま勢いに乗りたい早大だったが、その直後、反則を犯すと筑波大はPGを選択。ゴールが決まり、3点を返される。この反撃を機に、筑波大に攻め込まれる時間が続く。「ここで踏ん張ったら絶対流れは来ると話していた」(SH齋藤直人主将、スポ4=神奈川・桐蔭学園)。苦しい時間を耐え抜き、再び試合が動いたのは前半26分。早大はラインアウトからモールを形成すると、そのまま押し込みトライ。さらに、前半終了間際にはFWのタテ突破と細かいパスワークで、立て続けに2トライを奪い、26-3で前半を終えた。

 

ラインアウトからサインプレーで抜け出す古賀

 この試合をものにするために、さらなる追加得点が欲しい早大。後半開始直後、BK陣が見事なパスワークを見せ、最後はFB河瀬諒介(スポ2=大阪・東海大仰星)がインゴールにボールを置き、差を広げる。後半11分には、またも河瀬が相手ディフェンスをステップでラインブレイク。右大外で待っていたWTB安部勇佑(スポ3=東京・国学院久我山)が走り抜け、追加点を挙げる。筑波大も意地の反撃。後半16分、自陣深くに攻め込まれ、ラインアウトモールによりトライを決められてしまう。しかし、それでも早大優位は変わらず。圧巻だったのは、26分。パスを受けた河瀬は目の前の相手ディフェンダー3人を個人技でかわし、今試合2本目となるトライ。その後も得点し、相手を突き放した早大。52-8で圧倒した。

 

ステップでラインブレイクする河瀬。この試合では2トライを挙げ、MOMに選出された!

 シーズン開始当初から力を入れているディフェンスがうまく機能し、攻め込まれる時間が続いても簡単には得点させなかった。タレントがそろう今季の筑波大BK陣の動きを封じ、相手に左右されずに自分たちのプレーを遂行する『早稲田クオリティ』が体現されたかたちとなった。開幕からここまで3戦連続で10点以内の失点にとどめていることは評価できる点だ。ラグビーW杯開催のため、この後対抗戦は約1ヵ月の休止期間に入る。「この先相手もどんどん厳しくなってくるので、まだまだ微修正していかないといけない」(相良南海夫監督、平4政経卒=東京・早大学院)。テーマであるディフェンスのブラッシュアップに加え、攻撃面でも成長し、待ち受ける強豪校との対戦に備えたい。

(記事 加藤千咲 写真 石井尚紀、佐鳥萌美)

  • コメント

    相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)、SH齋藤直人主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)※合同記者会見より抜粋

    ――監督、キャプテンから一言お願いします

    相良監督 太陽生命カップの最中に素晴らしい会場でプレーができてうれしく思います。試合の方は筑波大は先週、慶大に勝ったということで、勢いがあると思っていたんですけど、決して受けずにアグレッシブにいこうと、選手は特にいいディフェンスをしてくれたと思います。

    齋藤主将 素晴らしいスタジアムでたくさんのお客さんの中で試合ができたことに感謝しています。きょうの試合は3時間のバス移動、アウェーでのプレー、そして前半風下ということで、少し戦いづらい条件がそろってはいたんですけど受け身にならず、最初の試合からずっと言っている『早稲田クオリティ』、相手どうこうではなく自分たちのラグビーをしようということで臨みました。前後半通して、特にディフェンスが機能してこういう結果につながったかなと思います。

    ――最初トライを取った後、停滞した時間がありましたが、修正をした点はありますか

    齋藤主将 特に修正したところはないですけど、前半風下でエリア的にも不利で、フィットネスには自信を持っているので、ここで踏ん張ったら絶対流れは来るという話はしていました。停滞というよりはあそこは我慢の時間でしっかり自分たちのディフェンスをしたことで、前半後半走り勝てたのではないかと思います。ハーフタイムではラインの高さやディフェンスの立ち位置などコーチから少し修正があって、修正して後半臨みました。

    ――ハイパントを使う場面が多かったですが、どのような意図でしたか

    齋藤主将 前半の2本は風下だったので、蹴り勝つのは難しいと考えて、中盤コンテストボールを蹴って敵陣に入ろうという意図はありました。後半の1本はエリア的に中盤だったので、長いものよりはコンテストボールの方が確定できる、そういった条件を考えて蹴りました。

    ――MOMを獲得した河瀬選手(FB河瀬諒介、スポ2=大阪・東海大仰星)に関して一言ずついただければなと思います

    相良監督 前半ももう少し走れる場面もあったかなと思いますが、しっかりと持ち味を出してくれて良かったかなと思います。

    齋藤主将 後半のきつい時間帯にトライを取ってくれるとチームとしての流れになりますし、感謝してます。

    ――いいディフェンスがあったとおっしゃっていましたが、3試合を通して10失点以内に抑えられていることについてどう捉えていますか

    相良監督 ディフェンスでチームをつくってきているつもりなので、そういった面では結果が出ていることは素直にうれしく思っていますけれども、この先相手もどんどん厳しくなってくるので、まだまだ微修正しないといけないですし、ステップアップしていかないといけないので、これから休止期間でもう一回底上げできるようにしていきたいです。

    フランカー幸重天副将(文構4=大分舞鶴)

    ――前節に筑波大は慶大から白星を挙げました。どのような点を警戒されていましたか

     ブレイクダウンのところでしつこくくるという点と、キーマンとして杉山選手(SH杉山優平主将)、松永選手(FB松永貫汰)、仁熊選手(WTB仁熊秀斗)、島田選手(WTB島田悠平)がいるので、そこをしっかりと抑えることを意識していました。

    ――その点は遂行できましたか

     そうですね。しっかりとノミネートして準備もできたので、そこに関しては良かったです。

    ――相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)からディフェンスが安定しているというお話がありましたが、振り返っていかがですか

     最初に苦しい時間帯もあったんですけど、しっかりとしのぎ切ったのは良かったと思います。でもゴール前でFWにトライを取られてしまったのは課題なので、まだまだだと思います。

    ――随所で幸重選手のタックルが決まっていました。パフォーマンスは上がってきていますか

     先週に比べると、タックルの回数だったり運動量のところでは良かったです。でも足をつってしまったので、しっかりと中断期間で鍛えて臨みたいです。

    ――流れの中でSH齋藤直人主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)へのアシストも生まれました

     足が遅いので、直人に早く託してしまおうと思いました(笑)。

    ――10失点以内で3連勝を飾られたことはいかがですか

     最初の3試合は自分たちにフォーカスして臨むということで、ディフェンスのところで成果が出たので良かったです。

    ――中断期間はチームとして、個人としてどのように過ごしていきたいですか

     チームとしてはもう一回セットプレーとフィットネスの強化です。自分はそこが課題だと思っているので、有効に中断期間を使って、中断明け以降いいプレーができるようにしたいです。

    CTB桑山淳生(スポ4=鹿児島実)

    ――きょうはどのような対策をして試合に臨まれましたか

     キーマンとなるプレイヤーに対するノミネート、コールという部分を特にやって、チームとしてはアタック、ディフェンスともにこの間の試合と一緒で仕掛けと仕留めの部分を意識することをテーマにして試合に臨みました。

    ――実際やってみていかがでしたか

     相手のブレイクダウンの強さに対して自分らが少し負けてる部分があって、もう少しスコアできるタイミングがあったんじゃないかなって思います。

    ――前半に1トライ決めたと思うんですがそのシーンを振り返っていただけますか

     外が余っている状況で、深さを意識してFWがしっかり前に出てくれたんで(うまくいけました)。深さを意識して外に立っているだけだったんですけど、もらったときは必ず取り切るっていう気持ちでいました。

    ――終始攻め込むシーンが続きました

     僕らがペナルティーが少なかったのが要因かなと思います。ブレイクダウンの時に相手のプレッシャーに対して自分らがペナルティーを犯さない上でこちらからプレッシャーをかけ続けるっていうのを80分間通してやれたのがすごく良かった点なのかなと思います。

    ――終盤に少し危ないシーンが見られましたが

     それもスクラムからのペナルティだったり、ブレイクダウンのところのペナルティーがあって、そこの反則の連続が危ないシーンに続いたと思うので、そこは帰ってまたチームで修正していこうと思います。

    ――失点はトライ1つに抑えましたが、これはどのように捉えますか

     トライとしては0本で抑えられるようなゲームだなって思っていたので、そこの1トライを詰めて次の成蹊戦にむけて臨みたいです。

    ――本来14番のポジションですが、13番としてプレーをしてみていかがですか

     きょねんは13番をずっとやっていたので、この間の青学戦の時は少し戸惑う部分があったんですけど、この一週間でしっかり改善して本来の13番としての役割を上手く果たせたのかなと思います。

    ――11月の上旬に帝京戦が行われますが、休止期間中にはどのような部分を修正していきたいですか

     ブレイクダウンの強さの部分だったり、BKとしてはもっとトライを取り切れる部分を増やしていきたいなという風に思います。

    WTB古賀由教(スポ3=東福岡)

    ――前回のインタビューの時に筑波大の友だちとの対戦に触れていましたが、実際に戦ってみていかがでしたか

     そうですね。やっぱりみんなすごくいいプレーヤーで、途中必死になって止められたのは良かったと思います。

    ――筑波大戦では自分の責任を全うしたいという言葉もありましたが

     まあ特にそんなに長いランをさせなかったので良かったかなと。自分の責任は全うできたかなと思います。

    ――古賀選手自身、チームの先制点となるトライをあげていましたが、それを振り返っていかがですか

     もうほんと将伍(CTB中野将伍、スポ4=福岡・東筑)さんのおかげで。ただ僕は空いている道を走るだけだったので、楽でした。

    ――復帰戦2試合連続のスタメンとなっていますが、個人としての調子はいかがですか

     まあだんだんと試合に慣れてきて、フィットネスとかも上がってきたのが良かったと思います。

    ――パスをつないでトライを取るというシーンが多かった印象ですが、それを振り返っていかがでしょうか

     パスに関するところは僕はあまり関わることがないので、みんながやっぱり9(SH齋藤直人主将、スポ4=神奈川・桐蔭学園)10(SO岸岡智樹、教4=大阪・東海大仰星)、12(CTB中野将伍、スポ4=福岡・東筑)、13(CTB桑山淳生、スポ4=鹿児島実)まですごくいいキャッチができていました。僕からしたらすごく上手いなと思います(笑)。

    ――ここからW杯で対抗戦休止期間に入りますが、個人としてどのようなことを修正または取り組んでいきたいですか

     1ヶ月あるので、フィットネス、コンタクト力もみんなのレベルについていけるように上げていきたいです。

  • 関東大学対抗戦
    早大 スコア 筑波大
    前半 後半 得点 前半 後半
    26 26
    52 合計
    【得点】▽トライ 河瀬2、安部、桑山、古賀、齋藤、丸尾、森島 ▽ゴール 齋藤(5G)、岸岡(1G) 
    ※得点者は早大のみ記載

      

     
         

     

    早大メンバー
    背番号 名前 学部学年 出身校
    久保 優 スポ3 福岡・筑紫
    後半20分交代→17横山太
    森島 大智 教4 東京・早実
    後半20分交代→16原
    小林 賢太 スポ2 東福岡
    後半12分交代→18阿部
    三浦 駿平 スポ4 秋田中央
    後半22分交代→20大崎
    下川 甲嗣 スポ3 福岡・修猷館
    相良 昌彦 社1 東京・早実
    幸重 天 文構4 大分舞鶴
    後半35分交代→19中山
    丸尾 崇真 文構3 東京・早実
    ◎齋藤 直人 スポ4 神奈川・桐蔭学園
    後半32分交代→21河村謙
    10 岸岡 智樹 教4 大阪・東海大仰星
    11 古賀 由教 スポ3 東福岡
    後半27分交代→23松下
    12 中野 将伍 スポ4 福岡・東筑
    13 桑山 淳生 スポ4 鹿児島実
    後半23分交代→22中西
    14 安部 勇佑 スポ3 東京・国学院久我山
    15 河瀬 諒介 スポ2 大阪・東海大仰星
    リザーブ
    16 原 朋輝 スポ2 神奈川・桐蔭学園
    17 横山 太一 スポ2 東京・国学院久我山
    18 阿部 対我 社2 東京・早実
    19 中山 匠 教4 東京・成城学園
    20 大崎 哲徳 文構2 東京・国学院久我山
    21 河村 謙尚 社2 大阪・常翔学園
    22 中西 亮太朗 商2 東京・早実
    23 松下 怜央 スポ1 神奈川・関東学院六浦
    ※◎はゲームキャプテン、監督は相良南海夫(平4政経卒=東京・早大学院)
     
    関東大学対抗戦Aグループ順位表(9月16日現在)
    順位 チーム 試合 得点 失点 得失 トライ
    明大 3 3 0 0 301 38 263 45
    早大 3 3 0 0 212 18 194 32
    帝京大 3 3 0 0 217 44 173 33
    慶大 3 2 0 1 150 20 130 22
    筑波大 3 1 0 2 58 125 ‐67 9
    日体大 2 0 0 3 40 230 ‐190 5
    青学大 3 0 0 3 10 207 ‐197 1
    成蹊大 3 0 0 3 19 293 ‐274 3
    勝ち数の多い大学を上位とし、勝ち数が並んだ場合は同順位とする。
    関東大学対抗戦Aグループ星取表(9月16日現在)
      帝京大 早大 慶大 明大 筑波大 青学大 日体大 成蹊大
    帝京大

    11/10 14:00

    秩父宮

    11/30 11:30

    秩父宮

    11/24 14:00

    秩父宮

    11/4 14:00

    駒沢

    ◯80‐7

    ◯59‐30

    ◯78‐7

    早大

    11/10 14:00

    秩父宮

    11/23 14:00

    秩父宮

    12/1 14:00

    秩父宮

    ◯52‐8

    ◯92‐0

    ◯68‐10

    11/4 11:30

    駒沢

    慶大

    11/30 11:30

    秩父宮

    11/23 14:00

    秩父宮

    11/10 11:30

    秩父宮

    ●14‐17

    ◯35‐3

    11/4 14:00

    上柚木

    ◯101‐0

    明大

    11/24 14:00

    秩父宮

    12/1 14:00

    秩父宮

    11/10 11:30

    秩父宮

    ◯59‐33

    11/4 11:30

    上柚木

    ◯103‐0

    ◯139‐5

    筑波大

    11/4 14:00

    駒沢

    ●8‐52

    ◯17‐14

    ●33‐59

    11/30 14:00

    江戸川

    11/24 14:00

    敷島

    11/10 14:00

    熊谷B

    青学大

    ●7‐80

    ●0‐92

    ●3‐35

    11/4 11:30

    上柚木

    11/30 14:00

    江戸川

    11/10 11:30

    熊谷B

    11/24 11:30

    敷島

    日体大

    ●30‐59

    ●10‐68

    11/4 14:00

    上柚木

    ●0‐103

    11/24 14:00

    敷島

    11/10 11:30

    熊谷B

    11/30 11:30

    江戸川

    成蹊大

    ●7‐78

    11/4 11:30

    駒沢

    ●0‐101

    ●5‐139

    11/10 14:00

    熊谷B

    11/24 11:30

    敷島

    11/30 11:30

    江戸川

    ※秩父宮は秩父宮ラグビー場、熊谷および熊谷Bは熊谷ラグビー場、帝京大Gは帝京大学百草園グラウンド、早大Gは早大上井草グラウンド、足利は足利市総合運動公園陸上競技場、江戸川は江戸川区陸上競技場、秋葉台は秋葉台公園球技場、明大Gは明大八幡山グラウンド、菅平は菅平サニアパークM/C、筑波大Gは筑波大つくばグラウンド、敷島は群馬県立敷島公園サッカー・ラグビー場、上柚木は上柚木公園陸上競技場、たつのこFは茨城たつのこフィールド、ケーズデンキはケーズデンキスタジアム水戸、大和は神奈川大和スポーツセンター競技場、駒沢は駒沢オリンピック公園陸上競技場。