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ラグビー部

2019.08.31

関東大学対抗戦 8月31日 対日体大 長野・サニアパークMグラウンド

対抗戦開幕!旅路を照らす白星発進!!

 11季ぶりの『荒ぶる』をつかむために、日本一の頂への旅路が長野県菅平サニアパークにて幕を開けた。「早稲田のスタイル、ペースに持ち込めなかった」とNO・8丸尾崇真(文構3=東京・早実)が語る通り、関東大学対抗戦(対抗戦)初戦ということで硬くなってしまったのか、試合の立ち上がりは低調。確実なゲインを重ねるものの、なかなか得点につながらない時間が続く。前半30分を過ぎるとSO岸岡智樹(教4=大阪・東海大仰星)が2連続トライを挙げるなど体勢を立て直し、35-10で試合を折り返す。後半も、自分たちのミスから思うように得点を取り切れないが、終盤に追い上げを見せ点差を突き放す。終わってみれば68-10と、旅路を照らす白星で飾った。

 前半2分、開始早々に先制点を献上してしまう。ターンオーバーされ、攻守の切り替えが間に合わず被トライ。夏季に培った安定したスクラムやディフェンスは今試合でも好調だったが、目立ったのはミスの多さ。その後もゲインを重ねるものの、「自分たちのミスで自陣にくぎ付けになってしまって、敵陣に入ることができない苦しい時間が続いた」とフランカー幸重天副将(文構4=大分舞鶴)が振り返るように、なかなか主導権を握ることができない。前半11分、18分に2トライを決めるが、PGを決められ14-10とされる。前半30分、スクラムからこぼれたボールを岸岡が拾い、好機を逃さずインゴールを駆け抜けた。ここから流れを引き寄せた早大は、37分にも岸岡がディフェンスラインのギャップを突き、28-10に。最後はロック三浦駿平(スポ4=秋田中央)が自陣から突破、ボールを受けたCTB中野将伍(スポ4=福岡・東筑)がそのまま走り切りゴールポスト横にトライ。35-10で試合を折り返した。

ハンドオフで突破を図る岸岡

 後半も、前半終盤の勢いのまま連続攻撃を重ね、2分にWTB安部勇佑(スポ3=東京・国学院久我山)がトライを奪う。「何が日体大に通用するか、日体大にとって嫌か、ということを考えるとモールだった」(丸尾)という判断によりラインアウトから度々モールを選択。後半7分にはゴール前マイボールラインアウトからモールで押し込みフッカー森島大智(教4=東京・早実)がグラウンディング。得点につなげた。また、メンバー交代により下級生が多く出場したが、スクラムは依然として優位に立つ。後半20分、ゴール前マイボールスクラムから押し込み丸尾がインゴールにボールを抑え、54-10とした。その後も早大ペースで試合は展開し、32分、41分と点を重ねて68-10でノーサイドを迎えた。

後半最初のトライを挙げた安部

 多くの選手が口をそろえて振り返るように、前半の立ち上がりが良くなかった。終盤持ち直すことができただけに、対抗戦初戦で好スタートを切れなかったことに悔いが残る。点差だけ見れば快勝だが、敵陣22メートル付近でのミスや反則などにより点を取り切れない場面も多く、全体としても満足のいく結果ではなかったようだ。安定していた印象のスクラムについても、「後半はメンバーが変わって、そこで押し切ることができないときがあったので、誰が出ても早稲田のスクラムができるようにもっと鍛えていかなければいけない」と幸重副将が語る通り、目指す理想はより高いところにある。日本一への道はまだ始まったばかり。現状に満足せず、さらに上を目指し続けるその先に『荒ぶる』は見えてくるはずだ。進化し続けるこれからの早稲田に、夢は託されている。

    (記事 山口日奈子 写真 石井尚紀、初見香菜子)

  1. コメント

    相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)※記者会見から抜粋

    ――今回の総括をお願い致します

     こういった菅平という素晴らしい環境、大勢の方に足を運んでいただいて栄えある今年本当に初戦を戦えたことを関係者の皆様に感謝を申し上げます。試合につきましては試合の入りの部分。気持ちは選手たちは入っていたと思いますが、初戦の硬さであったり、精度の低さ。自ら苦しめてしまうかたちになってしまいました。そういった中で選手たち自身で立て直すことはできました。最後まで粗さはありましたが、まずは初戦、勝てたということでほっとしています。

    ――「粗さ」があった部分は具体的にどのような部分でしょうか

     見て分かる通りのハンドリングエラーの部分ですね。つなぐのかつなぐないのか。連係が取れていませんでした。ブレイクダウンのところもこだわっていたのですが、我々としては細かいところをこだわろうと言っていたことが原因は分かりませんが上手くできませんでした。

    ――今試合気持ちの面ではいかがでしたか

     事実上の合宿最終日ということで多分心身共に疲労が溜まっていたと思います。次の試合も大事ですが、全国大学選手権に入ったらそういうタフな状況という必ずあると思うので、そこに対するシミュレーションかなという位置づけにしようという話をしました。そのため、あえてコンディション調整をすることはしませんでした。

    SH齋藤直人主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)※記者会見から抜粋

    ――今回の総括をお願い致します

     このようなかたちで関係者の皆様ありがとうございました。早稲田の中でも初戦、対抗戦の中でも初戦ということで気持ちは入っていましたが、監督もおしゃっていた通り、「入りの部分」に課題が残った試合であったかなと思います。多くの点数を取ることができましたが、取った点数より取られた点数を突き詰めて青学大戦に向かっていきたいと思います。

    ――対抗戦を主将として迎える勝利はいかがでしたか

     (時間が経つのが)早く感じましたね。国内で端っこで校歌歌うのは初めてだったので、新鮮でした。特別な感じでしたね。

    フランカー幸重天副将(文構4=大分舞鶴)

    ――ラストイヤーの関東大学対抗戦(対抗戦)が始まりました。試合前のお気持ちはいかがでしたか

     緊張とワクワクが両方あるような感じでした。ある程度自信がついてきたところでどういう入りができるかという中で、やっぱり初戦なので硬くなるところもありました。

    ――チームとしてこの試合で意識されたことはありましたか

     対抗戦が7試合あるんですけど、大事な初戦ということで入りは意識していました。

    ――日体大は外国人選手を擁していました

     外国人選手対策というよりは、自分たちがやってきたことをどれだけ発揮できるかということにフォーカスしてやっていたので、そういった意味ではいいところも悪いところも出ました。

    ――立ち上がりは守勢に回る時間が長くなりましたが、きょうの試合でディフェンス面はいかがでしたか

     自分たちのミスで自陣にくぎ付けになってしまって、敵陣に入ることができない苦しい時間が続いたので、途中からはシンプルなプレーでゲインを取りに行こうとして、テンポが出てきました。1本トランジッションのところでトライを取られたので、そこは改善しなければいけないと思います。

    ――前半はペナルティーを取られてしまうシーンも目立っていました

     アタックをしたら自分たちで取ることができる自信はあったんですけど、きょうは慣れているところで精彩を欠いて、苦しい展開に自分たちからなってしまいました。

    ――スクラムからトライを奪いました。こちらは取り組んできている成果が出てきていますか

     前半は良かったんですけど、後半はメンバーが変わって、そこで押し切ることができないときがあったので、誰が出ても早稲田のスクラムができるようにもっと鍛えていかなければいけないと思います。

    ――きょうのご自身のプレーはどのように評価されていますか

     ミスもあったんですけど、ディフェンスはアグレッシブにいけました。これからどんどんレベルが上がっていくと思うので、パフォーマンスを上げていけるようにしたいと思います。

    ――後半には下級生の選手が出場されました。きょうの試合を次戦以降にどのように生かしていきたいですか

     早稲田はタレント集団と言われている明治などと比べて選手層が薄いので、どんどんいろいろな選手が経験を積んで、早稲田として強くなっていきたいです。

    NO・8丸尾崇真(文構3=東京・早実)

    ――きょうの試合を振り返っていかがですか

     気持ちが入っていないわけではないのですが、初戦の難しさというものがあって、そういうものに飲まれたかな、というのはあります。早稲田のスタイル、ペースに持ち込めなかったかなと思います。

    ―ディフェンスについて、手応えなどはありますか

     FWはディフェンスで前に出ることができていたのですが、外国人選手とかに一発で抜かれるところとかがあったので、まあ抜かれることはあると思うのですが、きちんとカバーしてミスを広げないというところを意識していきたいと思います。

    ――敵陣ラインアウトでボールを取ると必ずモールを組んでいた印象がありましたが、それはチームとしての決め事だったのでしょうか

     ミスも続いていたので、何が日体大に通用するか、日体大にとって嫌か、ということを考えるとモールだったので、一番有効なモールを使ったということですね。

    ――早実の後輩であるフランカー相良昌彦(社1=東京・早実)選手が出場していましたが、プレーを振り返っていかがですか

     まあ堂々とプレーしていたと思います(笑)。

    ――次戦への意気込みをお願いします

     まずは入りから自分たちのペースに持っていくということですかね。相手がどうであっても自分たちのやることは変わらないと思うので、頑張ります。

    SO岸岡智樹(教4=大阪・東海大仰星)

    ――きょうの試合を10点満点で表すとしたら何点ですか

     2点ですかね。なんでかと言われたらまだ振り返りができていないのでなんとも言えませんが、あまり良くなかったことだけ伝わればと思います。

    ――立ち上がりの部分については

     正直にいうと焦りましたね(笑)。夏合宿で開幕するということであったりとか、初戦ということであったりとかがあって、こういうことが全然起こりうるということが改めてわかりました。でもそれに対して対処はできたので、仕方ない部分といってはいけませんが、それを深く反省するよりかは前向きに次どうするかということができました。

    ――取られた後もきちんと修正ができたのですね

     そうですね。10点以降は取られていないということから、改善が見えたことを示していると思います。

    ――試合を通して、ボールを保持しているしボールも前に進んでいるのに取りきれない場面が続いた印象です

     みんなの焦りなのか疲労なのかはわかりませんが、あまりいいアタックはできなかった印象はあります。プレーでいうと、スクラムやラインアウト、モールが相手の弱みかなと思っていて、FWがそこに対してやってくれたので、FWの消耗が見えたのかなとは思います。

    ――FWのスクラムやモールが強みになっているように案じました

     そうですね、スクラムに関しては、相手のNO・8が外国人留学生でスクラムが強みでしたが、まず早稲田がしっかりスクラムで押すことによってフランカーもブレイクができるという場面がありました。相手がしたいことは止められたのかなと思います。

    ――相手ディフェンスが左右に寄っていました

     そうですね、(真ん中のギャップが)見えていたという感じです。自分の前が空いたということに関しては、今年の目標ではないのですが、去年より自分のランを若干増やせたらなと思っていたので、きょうも行く場面は行けてトライを取れたのでよかったかなと思います。

    ――アタックの練習はあまりせず、ディフェンス中心にしていたと伺いました

     そうですね。最初の1本はポーンと取られてしまいましたが、それ以外はディフェンスが崩される場面がなかったので、そこは自分たちの強みというか、やってきたことがしっかり出せたかなと思います。

    ――練習していなかったアタックを公式戦でやった感想は

     初歩的なミスがあったので、要改善というか。これからの伸びしろかなと思います。

    ――1週間後にはまた試合ですが、重視していきたいところは

     僕が影響を及ぼせない部分の、プレーではなく判断のミスというか。そういうミスが今回はいくつかありました。僕がゲームのコントロールをしていくので、チームとして「もうちょっとこうしてほしい」とか「ここはこうするべきだよ」と15人がしっかり理解してやることが大事だと思います。その部分が改善できるところかなと思います。

関東大学対抗戦
早大 スコア 日体大
前半 後半 得点 前半 後半
35 33 10
68 合計 10
【得点】▽トライ 岸岡2、森島2、安部、長田、桑山、小林、中野将、中山 ▽ゴール 齋藤(7G)、河瀬(1G)、岸岡(1G) 
※得点者は早大のみ記載

  

 
     

 

早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
久保 優 スポ3 福岡・筑紫
後半7分交代→16横山太
森島 大智 教4 東京・早実
後半7分交代→17原
小林 賢太 スポ2 東福岡
後半7分交代→18阿部
三浦 駿平 スポ4 秋田中央
後半14分交代→20相良昌
下川 甲嗣 スポ3 福岡・修猷館
大崎 哲徳 文構2 東京・国学院久我山
幸重 天 文構4 大分舞鶴
丸尾 崇真 文構3 東京・早実
後半27分交代→19中山
◎齋藤 直人 スポ4 神奈川・桐蔭学園
後半20分交代→21河村謙
10 岸岡 智樹 教4 大阪・東海大仰星
11 安部 勇佑 スポ3 東京・国学院久我山
後半14分交代→23河瀬
12 中野 将伍 スポ4 福岡・東筑
後半33分交代→22中西
13 長田 智希 スポ2 大阪・東海大仰星
後半35分交代→交代要員なし
14 桑山 淳生 スポ4 鹿児島実
15 南 徹哉 文3 福岡・修猷館
リザーブ
16 横山 太一 スポ2 東京・国学院久我山
17 原 朋輝 スポ2 神奈川・桐蔭学園
18 阿部 対我 社2 東京・早実
19 中山 匠 教4 東京・成城学園
20 相良 昌彦 社1 東京・早実
21 河村 謙尚 社2 大阪・常翔学園
22 中西 亮太朗 商2 東京・早実
23 河瀬 諒介 スポ2 大阪・東海大仰星
※◎はゲームキャプテン、監督は相良南海夫(平4政経卒=東京・早大学院)
 
関東大学対抗戦Aグループ順位表(9月8日現在)
順位 チーム 試合 得点 失点 得失 トライ
帝京大 1 1 0 0 78 7 71 12
早大 1 1 0 0 68 10 58 10
慶大 1 1 0 0 35 3 33 5
明大 1 1 0 0 59 33 26 9
筑波大 1 0 0 1 33 59 ‐26 5
青学大 1 0 0 1 3 35 ‐32 0
日体大 1 0 0 1 10 68 ‐58 1
成蹊大 1 0 0 1 7 78 ‐71 1
勝ち数の多い大学を上位とし、勝ち数が並んだ場合は同順位とする。
関東大学対抗戦Aグループ星取表
  帝京大 早大 慶大 明大 筑波大 青学大 日体大 成蹊大
帝京大

11/10 14:00

秩父宮

11/30 11:30

秩父宮

11/24 14:00

秩父宮

11/4 14:00

駒沢

9/14 15:00

大和

9/8 15:00

帝京大G

◯78‐7

早大

11/10 14:00

秩父宮

11/23 14:00

秩父宮

12/1 14:00

秩父宮

9/15 16:00

ケーズデンキ

9/8 16:00

早大G

◯68‐10

11/4 11:30

駒沢

慶大

11/30 11:30

秩父宮

11/23 14:00

秩父宮

11/10 11:30

秩父宮

9/8 11:00

たつのこF

◯35‐3

11/4 14:00

上柚木

9/14 11:30

秋葉台

明大

11/24 14:00

秩父宮

12/1 14:00

秩父宮

11/10 11:30

秩父宮

◯59‐33

11/4 11:30

上柚木

9/15 15:00

足利

9/8 15:00

明大G

筑波大

11/4 14:00

駒沢

9/15 16:00

ケーズデンキ

9/8 11:00

たつのこF

●33‐59

11/30 14:00

江戸川

11/24 14:00

敷島

11/10 14:00

熊谷B

青学大

9/14 15:00

大和

9/8 16:00

早大G

●3‐35

11/4 11:30

上柚木

11/30 14:00

江戸川

11/10 11:30

熊谷B

11/24 11:30

敷島

日体大

9/8 15:00

帝京大G

●10‐68

11/4 14:00

上柚木

9/15 15:00

足利

11/24 14:00

敷島

11/10 11:30

熊谷B

11/30 11:30

江戸川

成蹊大

●7‐78

11/4 11:30

駒沢

9/14 15:00

秋葉台

9/8 15:00

明大G

11/10 14:00

熊谷B

11/24 11:30

敷島

11/30 11:30

江戸川

※秩父宮は秩父宮ラグビー場、熊谷および熊谷Bは熊谷ラグビー場、帝京大Gは帝京大学百草園グラウンド、早大Gは早大上井草グラウンド、足利は足利市総合運動公園陸上競技場、江戸川は江戸川区陸上競技場、秋葉台は秋葉台公園球技場、明大Gは明大八幡山グラウンド、菅平は菅平サニアパークM/C、筑波大Gは筑波大つくばグラウンド、敷島は群馬県立敷島公園サッカー・ラグビー場、上柚木は上柚木公園陸上競技場、たつのこFは茨城たつのこフィールド、ケーズデンキはケーズデンキスタジアム水戸、大和は神奈川大和スポーツセンター競技場、駒沢は駒沢オリンピック公園陸上競技場。