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スケート部

2019.08.25

東京夏季競技大会 8月24日 東京・ダイドードリンコアイスアリーナ

永井、石塚が好発進!小室も実りある演技を披露

東京を拠点とする選手にとって、ブロック大会前最後の実戦となるのが東京夏季大会だ。早大からはシニア女子ショートプログラム(SP)に永井優香(社3=東京・駒場学園)と小室笑凜(スポ1=東京・開智日本橋学園)が出場。永井はSP1位で好スタートを切った。小室はミスが響いて23位となり、フリースケーティング(FS)進出は叶わず。シニア男子SPに出場した石塚玲雄(スポ2=東京・駒場学園)はパーソナルベストを更新し3位。明日のFSへ駒を進めた。

しっとりと会場を包んだ永井の演技

 

今までよりも大人っぽい印象を与える、ブルーグレーの衣装に身を包んで登場した永井。冒頭はトリプルトーループ―トリプルトーループの連続ジャンプを予定していたが、回転が抜け1回転の単独トーループとなった。しかしその後、代名詞であるトリプルルッツにダブルトーループを付けコンビネーションにするという冷静なリカバリーを見せ、後半のダブルアクセルも余裕たっぷりに着氷した。今大会がシーズン4戦目となった永井。試合を重ねるごとにプログラムの情感は豊かさを増す。特にステップでは、上半身を柔らかく使った振付や正確なターンで、『白夜行』の切なくも優しいメロディーを一音たりとも余すことなく捉えて表現してみせた。「お客さんに魅せるっていうのを意識した」と言う通り、見る者の心に届く、胸を打つ演技。最後は今シーズンから構成を変更したチェンジフットコンビネーションスピン、そしてレイバックスピンで締めくくった。1位という結果に慢心せず、練習を積んできたジャンプでのミスに対し「めちゃめちゃ悔しい」と振り返った永井。FSは「自信を持って臨みたい」と意気込んだ。

長い手足を活かして表現する小室

 

シニア女子の最終滑走者としてリンクインした小室。今季のSPは自身でも今までで一番合うと感じるという『O』。鳥を連想させる振付で、曲が持つ独特な世界観を描き出す。最初のジャンプは連続ジャンプを予定していたものの、回転が抜けてシングルトーループに。続くトリプルサルコーは両足着氷、後半のダブルアクセルはシングルアクセルと、全てのジャンプでミスが出てしまう。それでも表現は諦めず、曲の盛り上がりに合わせて身体全体を大きく使った踊りを見せた。しかし、ステップの途中で氷に足を取られ転倒。相次ぐミスにより技術点が伸びず、FS進出を逃した。演技後、「練習でやったことが何1つ出せず、情けない気持ちでいっぱい」と振り返った小室。次戦ではこの悔しさをバネに飛翔する姿に期待したい。

(記事 小出萌々香、写真 望月清香)

新たな表情を見せた石塚

 石塚玲雄は今季、新SPとして『ロシュフォールの恋人たち』を披露する。「僕の中では、映画とはちょっと別でイメージしてる主人公があって」と話し、自らアイディアを出したというこだわりの詰まった衣装に身を包んだ石塚は、笑顔でリンクに登場した。曲が掛かって滑り出すと、持ち味の伸びやかなスケーティングで気持ちの良いスピード感をみせた。冒頭、ジャッジ席の目の前で跳ぶダブルアクセルを無事に着氷。続くトリプルトーループ-トリプルトーループの連続ジャンプも美しく決めた。演技の随所に、手を使った振り付けなどが細かく入る。直前練習の段階から観客の注目を集めていたスピンは、音楽に乗って一層美しく映えた。残るトリプルフリップも難なく降り、ジャンプ要素全てを成功させる。ステップでは体を大きく使ったポジションを豊かに組み込み、余裕のある表情で演じた。途中、少し乱れて転倒する場面もあったが、全体をしっかりとまとめ上げてフィニッシュポーズをとった。演技終了後、「ステップの中でああやってこけてしまったことが一番悔しい」と口にしたが、得点は自身初となる60点台をマーク。「自分が通過点として出せればいいなと思っていた60点、一応クリアできた」と明るく話した。要素の繋ぎ目を感じさせない、流れるようなプログラム。会場をあっという間に飲み込み、たちまち演技の空気感で満たしてしまう。ジャンプもステップも、全てが溶けあって1つの作品を作り上げている。シーズンの深まりとともにどんな成熟を見せてくれるのか、楽しみを募らせるSPとなった。

 FSに駒を進めたのは永井、石塚の2名となった。ブロック大会までの貴重な実戦となる今大会、まずはあすのFSでの演技を大切にしたい。無論、小室もこのままでは終わらない。明らかにした課題を分析し、今後の練習に生かしていく。

(記事 犬飼朋花、写真 望月清香)

結果

▽シニア女子SP


永井優香 1位 51.59点


小室笑凜 23位 24.38点


▽シニア男子SP


石塚玲雄 3位 61.60点


コメント

永井優香(社3=東京・駒場学園)

――きょうの演技を振り返っての感想をお願いします

練習はまあまあしてきたつもりだったんですけど、やっぱり1本目のジャンプで緊張して(抜けて)しまったので、そこはめちゃめちゃ悔しいんですけど、その後に冷静にリカバリーできたのはよかったかなと思います。

――トリプルルッツ―ダブルトーループというリカバリーは練習していたのですか

練習ではわりと1本目入ってたので、あまりやってなかったんですけど、ダブルジャンプを付けるくらいだったらできるので。とりあえずトリプルルッツの方をちゃんと回るっていうのを意識してやりました。

――今大会に向けてはどこに力を入れて練習してきましたか

やっぱり(ジャンプが)1回転になりやすいので、ならないように練習を重ねてきたんですけど、このような結果になってしまったので、まだ足りないかなと思います。

――今年も飯塚杯、げんさんサマーカップ(サマーカップ)に続けて連戦となりましたが、その間の調整はいかがでしたか

そうですね、飯塚とサマーカップの間は1週間しかなかったのであまり氷に乗る時間がとれなかったんですけど、でもサマーカップからここまでは結構練習できたので、今回はわりと自信を持っていったつもりだったんですけど難しかったです。

――前回と比べ、表現面はどうでしたか

今日はちゃんとお客さんに魅せるっていうのを意識しながら演技を始めたんですけど、演技始まってすぐにつまずいたのでちょっとびっくりしちゃって(笑)。でもこの間の試合よりは視線とかスケートを滑らせることとか意識できたかなと思います。

――FSに向けて意気込みをお願いします

明日は気持ちを切り替えて、フリーの方が練習してきたので自信を持って臨みたいと思います。

小室笑凜(スポ1=東京・開智日本橋学園)

――きょうの演技を振り返った感想をお願いします

そうですね、まあ悔しいとか、練習でやったことが何1つ出せず、情けない気持ちでいっぱいです。

――全体の最終滑走でしたが、それは影響しましたか

あんまり最終滑走っていう意識は持たずに、今できることをきちんとやるっていう意識を持って取り組むことはできたと思います。ですが、やっぱり自分結構普段の曲かけ(練習)から曲をかけると緊張しちゃってどうしても体が硬くなっちゃうんですけど、多分それが出てしまったかなと思います。

――サマーカップからはどのような練習をしてきましたか

やっと春関の次の試合がサマーカップだったんですけど、そのときにあのトーループはきちんと降りることができたので、この夏季ジュニアの試合でノーミスを目指して練習してきてました。結構自分は、やっぱり試合は練習通りにしかできないので、ジャンプをつなげてやったりとか色々工夫して、練習時間も多く取って来るようにしました。

――このプログラムを披露するのは3回目だそうですが、表現面での成長したところはありますか

特にステップの部分で、体の動かし方を工夫できるようになったかなと思ってます。ただジャッジにアピールするだけじゃなくて、音の特徴を捉えて動くっていうのを意識できるようになったかなって思います。

――次に向けての課題を教えてください

本当に3回目にも関わらず、まだ1回もノーミスできていないどころか今日は本当にステップもできなかったので、すごく課題はいっぱいあります。特に自分はジャンプの安定感がないので。ブロックまであと1ヶ月切ってしまっていて、今までの練習通りじゃ多分ブロックには間に合わないと思うので、ジャンプを安定してちゃんといつでも跳べるようにすることを意識して練習できればなと思います。

石塚玲雄(スポ2=東京・駒場学園)

――きょうの演技を振り返っていかがですか

やっぱりステップの中でああやってこけてしまったことが一番悔しいですし、ちょっと、せっかくそれまでいい流れで来ていたので少しもったいなかったなと思いました。

――ジャンプの調子は良さそうでしたが

少し6分間で気持ちが焦ってしまっていたんですけど、しっかり普段練習ができているので本番では落ち着いていこうと思って、自分の中でペースを一旦落ち着けて試合に望みました。

――表現する際に意識したことは

もちろん小平渓介さんの振り付けで、本当に小平くんの振り付けをとても尊敬しているので、少しでもそこに近づければいいなと思ってるんですけど、まあ演技の中で自分が意識してることといえばいろんな人に見てもらうということです。本当にお客さんたくさんいるので、その人たち全員に見てもらおうという気持ちで滑りました。

――点数についてはいかがですか

ステップでああいう風にこけてしまったので点数はかなり減ってると思うんですけど、一応自分が通過点として出せればいいなと思っていた60点、一応クリアできたのでこれからさらに上げていきたいと思います。

――パーソナルベスト更新でしょうか

はい、60点に乗ったのが初めてでした。

――衣装についてのこだわりは

以前からお願いしている伊藤聡美さんの衣装です。『ロシュフォールの恋人たち』の映画は主人公は水兵さんなんですけど、僕の中では、映画とはちょっと別でイメージしてる主人公があって。その主人公をもとに、少しアイディア出して、その伊藤さんに衣装お願いして、あとは伊藤さんのセンスとかアイディアをさらに足してもらって完成した衣装です。

――先日のサマーカップと比べて、今回の出来はいかがですか

出来はやっぱり、もっとジャンプもそうですけど、これから難易度上げていければいいなと思っています。でもそれ以上に、いつも練習してるリンクが東伏見で、今日も東伏見だったので、地元の方とかいつも僕の練習を見てくれてる人にこの演技を見てもらえるっていうのがまず一番嬉しくて。その気持ちを持って滑りました。

――最後にFSへの意気込みをお願いします

フリーこそ体力勝負なところもありますし、普段の練習が試されるのがフリーだと思うので、本当に普段の練習してきたことを信じて、しっかりそれを出せるように頑張りたいと思います。