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相撲部

2019.07.22

第46回東日本学生相撲個人体重別選手権 7月21日 東京・靖国神社相撲場

長谷川が歓喜の初優勝!4選手がいざ全国へ

 「めちゃめちゃうれしいです」。長谷川聖記(スポ3=愛知・愛工大名電)は終始笑みを浮かべながらこう語った。普段はあまり感情を表に出すことのない寡黙な男もこの日ばかりは喜びを隠しきれなかった。それもそのはず。長谷川は初戦から6連勝を飾り、見事135㌔未満級で東日本王者に輝いたのだ。

安定感のある相撲で優勝を果たした長谷川

 初戦から危なげのない相撲だった。立ち合いで頭から当たっていった長谷川は得意の右四つに。自分よりも上背(うわぜい)のある相手を豪快に吊り上げた。続く2回戦は不戦勝とし、ベスト8入りを懸けて臨んだ相手はチョイジルスレン(日体大)。新人戦で2位となった期待の1年生だ。立ち合いの当たりは悪くなかったが、相手に左下手を許してしまい苦手な左四つに。しかし、長谷川は慌てなかった。右を抱え込んで寄りをこらえると、最後は右からの小手投げで勝負を決めた。その後も落ち着いて自分のペースで相撲を取り切った長谷川はとうとう決勝にまで駒を進めた。そして迎えた決勝戦。勝てば優勝という期待がかかる中、「勝っても負けても自分の相撲が取れればいいかな」とあくまで自然体で臨んだ。注目の立ち合い。以前は立ち合いで受け身になることもあったがこの日は違った。自分からしっかりと当たり、右差し左上手に。すると、迷わず一気の出足で前へ。非の付けどころのない完璧な相撲で見事優勝を果たした。仲間からの祝福を背に浴びながら、土俵に向かって深々と礼をした長谷川。土俵を下りると、室伏渉監督(平7人卒=東京・明大中野)に笑顔で迎えられ、固く握手を交わした。

優勝決定後、室伏監督と握手を交わす長谷川

 大会前日、室伏監督はこれまで正攻法で戦ってきた長谷川に「もう少し余裕を持ったほうが良いよ」というアドバイスを送ったという。余裕とは対戦相手によって相撲内容を変えたりすることだ。このアドバイスのかいがあってか、この日の長谷川は準決勝で珍しく立ち合いの変化を見せた。全ての取り組みで真っ向勝負をするのでなく、時として冷静に勝負に出る。それが結果として勝利に結びついたのだ。室伏監督は長谷川の相撲内容を振り返り、「相撲に幅が広がった」と評価した。

 また、今大会で健闘したのは長谷川だけではない。佐藤太一(社4=大分・楊志館)、鳥居邦隆(社1=愛知・愛工大名電)、さらには相撲同好会所属の勝山烈(文構2=兵庫・葺合)も自身の持ち味を生かした相撲で全国学生相撲個人体重別選手権(全国体重別)への切符を手にした。特に鳥居は3位入賞という好成績。初戦では変わり気味の立ち合いを見せた一方で、一気の出足が光る相撲も見られた。「自分のスタイルがうまくはまった」。鳥居はそう語り、確かな手応えをのぞかせた。

3位入賞を果たした鳥居

 室伏監督は今大会を「上出来だった」と振り返った。エースの橋本侑京(スポ4=東京・足立新田)がハイレベルの無差別級の舞台で苦戦をし、全国体重別への切符を逃したのは残念ではあるが、4選手が全国体重別出場を果たしたのは喜ばしいことだ。東日本学生選手権で10位という結果に沈んだ直後、室伏監督は「橋本に頼っていたと分かったので、だったらみんなで強くなろう。」と語っていた。監督のこの思いは今、少しずつかたちとなっているだろう。これまで全国体重別に出場できなかった部員や下級生の活躍は今後のチームに勢いを与えるはずだ。佐藤は「お互いに刺激し合うことでチームとして良くなっていければ」と話す。選手個人個人の活躍がチームの勝利へと結びつくその日を早大相撲部ファンは心待ちにしている。

(記事 望月清香、写真 大貫潤太)

結果

▽65㎏未満級

松田凌人(基理3=愛媛・宇和島東)

一回戦 ●対髙木弐段(日体大)寄り切り

※敗者復活戦へ

一回戦 ◯対江田選手(東北大)下手投げ

二回戦 ●対福島初段(日体大)押し出し

▽75㎏未満級

勝山烈(文構2=兵庫・葺合)

一回戦 ◯対飯島選手(日本医科大)上手投げ

二回戦 ◯対渡辺初段(慶大)上手投げ

※8強入りで全国大会出場が決定

三回戦 ●対廣川初段(日体大)寄り切り

▽115㎏未満級

佐藤太一(社4=大分・楊志館)

一回戦 ◯対川田参段(日大)押し出し

二回戦 ◯対神谷初段(東洋大)押し出し

※8強入りで全国大会出場が決定

三回戦 ●対萩原参段(拓大)寄り切り

浅田大介(社3=石川・金沢学院)

一回戦 ●対斉藤参段(拓大)押し出し

二見颯騎(スポ2=東京・足立新田)

一回戦 ◯対山本弐段(専大)突き落とし

二回戦 ◯対大藤初段(東北大)寄り切り

三回戦 ●対山市参段(拓大)とったり

※敗者復活戦へ

一回戦 ◯対赤間選手(明大)浴びせ倒し

二回戦 ●対有瀬弐段(東農大)上手投げ

鳥居邦隆(社1=愛知・愛工大名電)

一回戦 ◯対吉田初段(専大)下手投げ

二回戦 ◯対日下弐段(日体大)押し出し

三回戦 ◯対赤間選手(明大)寄り倒し

※8強入りで全国大会出場が決定

四回戦 ◯対土居弐段(中大)寄り倒し

準決勝 ●萩原参段(拓大)上手投げ

▽135㎏未満級

長谷川聖記(スポ3=愛知・愛工大名電)

一回戦 ◯対バルダンダワー参段(日大)吊り出し

二回戦 ◯対山科弐段(拓大)不戦勝

三回戦 ◯対チョイジルスレン弐段(日体大)小手投げ

※8強入りで全国大会出場が決定

四回戦 ◯対望月弐段(法大)寄り切り

準決勝 ◯対石岡参段(日大)叩き込み

決勝  ◯対伊波弐段(日大)寄り切り

田太隆靖(スポ1=東京・足立新田)

一回戦 ●対長谷川貴弐段(慶大)押し出し

▽無差別級
橋本侑京(スポ4=東京・足立新田)

一回戦 ●対日下参段(東農大)押し倒し

※敗者復活戦へ

一回戦 ●沢田参段(日大)押し出し

コメント

室伏渉監督(平7人卒=東京・明大中野)

――今大会の率直な感想をお聞かせください

全国に4人出られるということで本当に上出来だと思います。橋本(侑京主将、スポ4=東京・足立新田)が負けてしまったのは残念でしたけど。

――全体的には好成績、好内容の相撲が多い印象でしたが、いかがですか

まだ全日本大学選抜相撲金沢大会から一週間しか経っていないのですけど、やはりそれぞれ課題を見つけて、どうすれば次のステップにいけるかということを考えた結果だと思います。あと一歩のところまでいった選手もいました。長谷川(聖記、スポ3=愛知・愛工大名電)は大学の舞台で初めてタイトルを取ったので非常に喜ばしいことだと思います。

――今大会に向けて選手たちには、どのようなアドバイスをしましたか

個人なので自分たちの相撲、自分たちのパフォーマンスがどこまで出せるかです。土俵に出て、それができるかどうかということは常に言っています。

――長谷川選手のきょうの相撲内容を振り返っていかがでしたか

聖記(長谷川)は正攻法なので、もう少し余裕を持った方が良いよというアドバイスを実は前日にしていました。準決勝で(立ち合いで)変わったりだとか、ベスト8決まるときは本人は本当は右四つなのに、左四つになってしまったけれど慌てないで勝ったりだとかです。最後の決勝は自分の四つになって勝ったのですけど、対戦相手によって(相撲を)変えることができたので、相撲に幅が広がったかなと思います。

――長谷川選手が優勝を決めた瞬間、監督と握手を交わしていたり、選手と声を掛け合ったりしていました

やはりああいうのがうちのチームの良さです。人数が少ない中でどうやって考えて、稽古をして、それぞれを高め合っていくかということは常に意識しているので、みんながああいうふうに「良かったね」と言うかたちになったのだと思います。

――最後に、全国体重別に向けた意気込みをお願いします

とにかく1番でも2番でも多く勝って上位にいけるように。長谷川は優勝しているのでシードにはなるでしょうし、本来の力が出せればいけると思うのでやはり全国で優勝を狙って欲しいですね。

佐藤太一(社4=大分・楊志館)

――全国体重別出場おめでとうございます。今のお気持ちをお聞かせください

当たりも悪くなくて、しっかり全国(体重別)まで決められたので良かったと思います。

――勝った相撲を振り返っていかがでしたか

あんまり気負わずに、プレッシャーを感じることもなく自分の相撲が取れたのかなと思います。

――全日本大学選抜相撲金沢大会に引き続き、好調に見えましたが、ご自身としてはいかがでしたか

足も動いていて相手の動きも見えている感じはあるので、もっと上のレベルの人にも勝てるように稽古を積みながら調子を維持できたらなと思います。

――4人が全国に出場が決まりました。チームとしていい雰囲気なのではないでしょうか

今までは橋本(侑京)と長谷川(聖記)が引っ張っていく感じだったのですけど、それ以外の人が活躍することでお互いに刺激し合いながらチームとして良くなっていければなと思います。

――それは団体戦にもつながるのではないでしょうか

団体戦にもつながるし、上も下を意識してやっていけばお互いにいい感じになるのかなと思います。

――最後に、全国体重別への意気込みをお願いします

西日本(の選手たち)も加わって、もっと強い人も入ってくるのですけど、そんなに力負けするような感じとは自分は考えていないので、しっかり自分の相撲を取って、今度はメダルが取れたらいいなと思います。

長谷川聖記(スポ3=愛知・愛工大名電)

――優勝おめでとうございます。まずは率直なお気持ちを教えてください

初めての優勝なのでめちゃめちゃうれしいです。

――今大会の目標は。その目標のためにどのような稽古をしてきましたか

目標は全国に行くことでしたが、優勝できてよかったです。稽古はいつも通りでしたが、けがをしていてあまり稽古ができなかったので、基本練習をしっかりして体が落ちないように意識してやっていました。

――けがというのは

稽古でちょっと右ひじをけがして、そんなに悪くはないんですけど、力が入らないのでテーピングをしていていました。

――それでも右からの小手投げを決めていましたね

そんなに力が入らないわけではないので。そんなに大きなけがではないので大丈夫です。

――とくに状態の不安はなかったということですか

そうですね。不安はなかったです。逆に楽しんでできればいいかなと思っていたので、それが良かったのかもしれないです。

――終始自分のかたち、ペースで相撲を取れているように見えました。その点をご自身で振り返ってみていかがですか

勝った相撲は投げにいったりということが多かったんですけど、東日本(学生選手権)の反省である立ち合いしっかり当たるということを意識して、それができていたので自分のペースに持ち込めたのかなと思ってます。

――勝ち進むにつれて、または決勝に向けて特に意識したことはありますか

特に緊張とかもなく、いつも通り楽しんで。勝っても負けても自分の相撲が取れればいいかなというぐらいの気持ちで臨めて、勝てたので良かったです。

――優勝が決まり土俵から降りて、まずは監督と握手をし、仲間からは声をかけられていましたね。その時どのような思いでしたか

そうですね。あんまり覚えていないんですけど、自分だけではなく、みんながいたから優勝できたというのもあるので、感謝しかないです。

――今後の全国体重別に向けた意気込みを教えてください

まだ東日本体重別で優勝しただけなので、本当の試合は全国(体重別)だと思っているので、全国でも優勝できるようにしっかり稽古していきたいと思います。

鳥居邦隆(社1=愛知・愛工大名電)

――入賞おめでとうございます。今のお気持ちをお聞かせください

自分のスタイルが、うまくはまったのかなと思います。

――きょうに向けてどのような稽古をしてきましたか

いろんなバリエーションの立ち合いだとか技とかを研究して、いろんな取り口ができるようにしました。

――初戦では、左に動くような立ち合いが見られました

そうですね。それも練習というか遊びの中で使えたので、今回使ってみました。

――その一方で、立ち合いからの一気の出足が光る相撲もありました

相撲って出ることばかりが注目されるんですけど、引くっていうことも一つの技で、引くことができるから相手が出てこずに自分の立ち合いができるというか前に出ることができます。なので、引きということも一つの技です。

――最後に、全国体重別への意気込みをお願いします

入賞ですね。今回もベスト8で止まるかなとか思ったんですけど、もう一つ勝つということが大事なのでベスト4に向けて頑張ります。

勝山烈(文構2=兵庫・葺合)

――全国体重別出場おめでとうございます。今のお気持ちをお聞かせください

全国(体重別)に出られるとは正直思っていなかったのですが、試合自体は自分の最善を尽くそうと思って頑張りました。

――きょうに向けてどのような準備をしてきましたか

最近予定があって、あまり稽古ができていなかったのですけど、筋トレとかは継続的にやっていたのでそれは良かったと思います。

――現在は相撲同好会に所属しているとのことですが、同好会ではどのような稽古をしているのですか

基礎運動の四股とかすり足をやっています。押したり、相撲を取ったりという内容です。

――勝った相撲はいずれも左からの上手投げでしたが、ご自身で振り返っていかがですか

僕自身左の上手を取りたいというのがあったので、その通りに勝てたのは良かったです。

――最後に、全国体重別への意気込みをお願いします

貴重な機会なので、出たいです。出られるとしたら、きょうの勝った相撲みたいにできたら自分にもチャンスがあるのかなと思います。頑張ります。