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ラグビー部

2019.06.10

招待試合 6月9日 対明大 大分市営陸上競技場

スクラムを制圧され…春の早明戦は黒星に終わる

 ラグビーワールドカップ日本大会の開幕が迫り、「開幕100日前イベント」の一環として大分県ラグビー祭「早明招待ラグビー」が開催された。会場はフランカー幸重天副将(文構4=大分舞鶴)、明大のWTB矢野湧大両名の母校とほど近い大分市営陸上競技場。試合前には同会場で現役の早大、明大部員によるラグビー教室も開かれ、未来の赤黒、紫紺の選手たちに対し熱い指導が行われた。招待試合とはいえ伝統の一戦である早明戦。大勢の観客が詰めかけ、独特の緊張感が漂う中試合が開始。直近の試合で課題としていたディフェンスには改善が見られ、ゴールを粘り強く守り切ったが、相手ボールスクラムを起点とした連続攻撃に押されて終始自陣でのプレーが続く。WTB加藤皓己(創理4=北海道・函館ラサール)が2トライを挙げ健闘するものの、終わってみれば14-29と、昨年度の学生王者に圧倒され敗戦を喫した。

 前半1分、明大が動いた。テンポよくフェーズを重ねると、ラックサイドを突破され失トライ。早々に先制点を奪われ、早大が7点を追う展開となった。13分、さらに1トライを許すが、17分にCTB中野将伍(スポ4=福岡・東筑)からのオフロードパスを受けた加藤が中央から抜け出し、そのままインゴールを駆け抜けて今試合初の得点。その後もSO吉村紘(スポ1=東福岡)が追い風を利用したキックで陣地回復を試みるものの、相手ボールスクラムを起点として何度も自陣深くまで攻め込まれてしまう。だが、「(得点を)取られはしましたけど、粘れたのかな」と相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)が評価するように、改善されたディフェンスで追加点を許さず、7-12のまま試合を折り返した。

オフロードパスを受け、抜け出す加藤

 後半も終始自陣でのプレーを強いられ、試合の主導権は明大に。7分にはスクラムから展開し、FWで押し込まれてトライを許す。しかし25分、加藤が相手のパスをインターセプトすると、自陣から70メートル近くを一気に走り抜け、そのまま勢いよくグラウンディング。観客を沸かせる独走トライを決め、14-19とした。このまま追い上げを図りたい早大だったが、点差を詰められると突き放す明大。ディフェンスが間に合わず29分、31分と連続で点を重ねられ、14-29でノーサイドを迎えた。

明大の強烈なタテ突破に苦戦を強いられた

 フィジカルの強い明大との対戦に向け、スクラムとディフェンスにフォーカスして臨んだ今試合。明大の強烈なスクラムに圧倒され、コンタクトの中でミスを誘われた結果前進を許す、というネガティブなサイクルに入ってしまった点に反省が残る。マイボールスクラムについても、「苦しまぎれにフッキングを使って出している感じなので、合格点には程遠い」とロック中山匠(教4=東京・成城学園)が語る通り、改善の余地は大いにある。ディフェンスに関しては、自陣ゴール前での攻防を我慢強く守り切った印象が強く、近場のディフェンスに大幅な改善が見られた。ただ、ゴール前まで攻め込まれてしまったことは事実。今シーズンのテーマである『Defence』を体現するためには、中盤のディフェンスをさらに強化する必要があるだろう。

 現在のチームは、大東大戦に続いてSH齋藤直人主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)やSO岸岡智樹(教4=大阪・東海大仰星)など昨年度からAチームでの出場経験が多くあるメンバーが不在だ。さらに今試合中にもけが人が多数出てしまい、万全の状態とは決して言えない。しかし、「ディフェンスはどんなメンバーであっても不変で、止めなければいけない」。秋シーズンに向けてどのような布陣でも戦うことができるよう、「チームの総合力を今のうちに鍛えておくという意味ではこういうことになることにも意味があると思っている」と中山。次戦の相手は、一昨年までの大学選手権を連覇してきた強豪、帝京大である。春季大会最終戦を有終の美で飾れるか、チーム力に期待したい。

(記事 山口日奈子 写真 石井尚紀、石名遥、新藤綾佳、成澤理帆、安岡菜月)

コメント

相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)※囲み取材より抜粋

――今試合を振り返っていただけますか

感想としては選手が80分間戦うマインドを持って、やり続けてくれたということはすごく評価できるポイントかなと思いますね。

――ディフェンスで粘ることができていた印象を受けましたが、いかがでしょうか

ここ3週間ぐらいずっとテーマを「defence」ということでやっていました。(得点を)取られはしましたけど、粘れたのかなというのはありますし、きょう初めて出たメンバーもいる中で、本当によく戦ったんじゃないかなと思います。

――WTB加藤皓己(創理4=北海道・函館ラサール)のトライで一時は追い上げました

そうですね。結局何が差だったかというと、ミスの数。自分たちでコンタクトの中でぽろっとボールを落としてしまっただとか、簡単なノックオンがあるだとか、変な言い方ですけど、相手ボールスクラムになると苦しいという。そういう言い方は選手にはあまりしてないですけどね。やっぱり、ああいう自分たちで手放すということは結局相手のやりたいスクラムでペナライズされて、前進されてというネガティブなサイクルに入ってしまいました。そこはもったいなかったなと思います。でも、そういった意味じゃ、体感できた。練習の中から選手がどれだけ意識して、次につなけられるかということと思います。

――1年生を今回スタメンに抜てきしたことについてはいかがですか

抜てきも何も選手がいなかったこともあるんですが、本当に落ち着いてよくやってくれましたね。自分なりに考えて苦しい時間帯しっかりエリア取ろうとかいう意図したプレーをしてくれたので。本当に及第点というか、思いのほか良かったです。あそこまでやってくれると計算ができますね。吉村(SO吉村紘、スポ1=東福岡)は、ここ(早明戦)を目標にしてますと言っていたので。1つクリアしたねという話をしましたね。

――今回反則についてはスクラムの部分以外では少なかったですが、どのように捉えていますか

そこはでもやっぱり、ずっとフォーカスし続けないといけないと思いますので。最初の相手ゴール前にいった時の明治ボールでのラインアウト。あそこで無理して空中で絡んで反則する必要がないので、エリアから逃げ出させなければいいだけなので、ああいう余計なことをしない。そこは学習すべき点かなと思います。

――関東大学春季大会最終戦どのような意気込みで挑みますか

去年とかの今頃と比べると代わりに出た選手が上を狙うというか、そういったマインドでプレーしてくれてる部分は大分見えるような気がするので。試合に出るやつが1本目だという自覚で、チャレンジしていきたいです。

フランカー幸重天副将(文構4=大分舞鶴)※囲み取材より抜粋

――故郷・大分での試合でした

 自分としては思い入れがあって、気持ちが入っていたんですけど、十分にプレーできなかったので、個人的には悔しい思いで、チームに迷惑をかけてしまったと思います。

――幸重副将とWTB矢野湧大(明大)選手に対して地元の声援が大きかったです

 注目されているなと思いましたし、地元で試合できることはありがたいです。

――ゲームキャプテンとしてきょうの試合で課題であると感じた部分は

 やはりディフェンスの一対一のところでどんどん食い込まれて、相手のやりたいテンポでアタックをやらせてしまったのが一番の反省です。

――秋に向けてどのように修正していきたいですか

 まずは一対一のところで当たり負けないフィジカル面の強化があるんですけど、それを鍛えた上で自分たちのディフェンスシステムをもっと激しく厳しくやっていけるように、これから夏に向けて積み上げていきたいです。

――矢野選手とマッチアップする機会がありませんでした

あいつが出るまで出たかったんですけど、秋の早明戦では一緒にグラウンドに出られるように頑張りたいと思います。

――粘りのディフェンスができていたと思いますがいかがでしょうか

 ゴール前で粘れていたところがあったんですけど、そこまで持ってくる明治さんの力があるので、中盤のディフェンスが課題だなと思います。

――インターセプトでトライを取った後に先に得点することができればという展開でした

 トライを取った後のキックオフとかが重要だったと思うので、そこで向こうにいいようにプレーをされてしまいました。

――早明戦ということで気合が入りましたか

 やっぱり去年の最後明治に負けていますし、ただの早明戦ではないので、そういった意味ではみんな気持ちが入っていたと思います。

――通用するなと感じた部分は

 粘り切るところがありましたし、アタックの接点で負けていない部分がありました。ただ明治さんの一対一の強さだったりは素直に見習わないといけないですし、秋同じようにやっていては勝てないですし、期間はあるのでしっかりと準備していきたいです。

――マイボールのスクラムは確保できていた印象です

 明治さんがスクラムが強いのは分かっていて、自分たちがどこまでやれるかということで、対応はできたと思うんですけど、結果として試合ではスクラムでやられてしまって、あれでは勝てないので、まだまだ積み重ねていかないといけないと思います。

――関東大学春季大会は残りは帝京戦のみとなりました

 帝京はこれまでチャンピオンチームでしたし、自分たちの目指すところでもあって、明治さんは勝っていますし、帝京に勝ち切れるように準備していきたいと思います。

ロック中山匠(教4=東京・成城学園)

――きょうの試合でテーマは設定されましたか

 絶対に強いアタックでくると思っていたので、ディフェンスのところにフォーカスしてやりました。

――実際に対戦してみていかがでしたか

 これだけトライを取られているので、当然駄目でした。どこが細かく悪かったかというのは、帰ってもう一回見ないといけないですけど、個々のタックルのところでタックルに入った後にボールをフリックして持っていかれるシーンがありました。チームのシステムもそうですけど、一人一人のタックルの精度、離さない意地みたいなところがちょっと弱かったなと思います。

――スクラムを組んでみて感触は

 組み方が独特なこともありますし、ヒットした後のプレッシャーというのも他のチームにはないものがあるので、早稲田は元々スクラムが弱いですし、そこは課題かなと思います。

――マイボールスクラムに関しては

 苦しまぎれにフッキングを使って出している感じなので、合格点には程遠いスクラムでした。

――試合中にけが人が出てしまい、途中からゲームキャプテンを務められましたが

 最近の試合でけが人が増えていますし、いい状態で臨めているかと言ったら、そうではないですけど、秋シーズンに何が起こるか分からないので、チームの総合力を今のうちに鍛えておくという意味ではこういうことになることにも意味があると思っているので、ネガティブに捉えていないです。

――主力を担っている4年生がいない中でご自身が引っ張ることを意識されていますか

 元々僕は引っ張っていくタイプではないですけど、甘いことは言ってられないので、やるしかないです。

――来週の帝京大戦はどのように戦っていきたいですか

 メンバーがどうなるか分からないですけど、ディフェンスはどんなメンバーであっても不変で、止めなければいけないと思うので、きょうの悪かったところを洗い出して、そこを一週間フォーカスしてやっていこうと思います。

SH河村謙尚(社2=大阪・常翔学園)

――きょうの試合に向けてどのような準備をしてきたか

 チームとしては今週ディフェンスにフォーカスして練習していました。でも、明治さんの強いフィジカルに前に出られた感じがしてたので、改善しないの勝てないのかな…と思いました。個人としては、いつもと変わりなく自分からゲームを作っていこうという気持ちで、それができた部分もあったんですけど、できなかった部分もあるのでこれからまた修正しないとな、と思います。

――フィジカルの強い明治を相手に、どのように攻撃を展開しましたか

 攻撃はいつもやっているようにFWの細かいパスだったりとか、チームとしては全員オプションを掲げているんですけど、全員がパスを貰えるようにポジショニングをするということを意識してやっていました。

――ディフェンスの面で粘りが出てきたように感じましたが、いかがでしょうか

 粘りはよかったと思うんですけど、この点差になってしまったのは自分たちのディフェンスが原因かなと思います。もう少し突き詰めてやっていかないと明治さんには勝てないと思うので、これからもずっと意識してやっていきたいと思います。

――Aチームとして出場する初めての早明戦でしたが

 そこもあまり気負わずいつもと変わりなく自分のプレーを出し切ろうと思ってました。

――スタメンでの試合が続くなかで、ご自身成長を感じている点はどこですか

 周りをみる力だとか、そういった部分はだんだんレベルアップしていってるかなとは思います。

――次戦、帝京戦に向けての意気込みをお願いします

 自分がしっかりゲームを作らないといけないポジションなのでしっかり前をみて、相手がどんな相手なのかをゲーム中に考えながら、FWとBKのつなぎ目として、コミュニケーションを取れるようにやっていきたいなと思います。

SO吉村絋(スポ1=東福岡)※囲み取材より抜粋

――メンバー入りは今週知ったのですか

 今週最初の練習でメンバー表で、一列目のところに僕の名前があったので、その時から試合に出る準備は意識してやっていました。

――早明戦に出場することが最初の目標でしたね

 早明戦に憧れて入学したというのもありますし、憧れの早明戦を地元・九州で行えるということなので、九州出身としてその舞台に立ちたいと思いました。

――きょうの試合はそこそこ評価していますか

 まだ余裕をもってプレーをできていない部分があります。SOとしてゲームを組み立てる上で他の人より、ゆとりのあるプレーができないといいゲームメイクができないと思うので。その課題として後半の最初の方自陣釘付けでした。あのようなところでエリアマネジメントをしっかりできることが重要になってくると思います。

――1年生試合に出たいという気持ちはありますか

 僕はこの試合にでることを短期的な目標として立てていたので、こっちのメンバーに選んでいただいてすごく感謝していますし、しっかりパフォーマンスで恩返ししていかないとなと思っています。

――1年生で10番を背負いましたが、プレッシャーなどはありましたか

 周りの先輩たちが助けてくれていましたし、そんなに感じませんでした。自分のやることにフォーカスして80分間戦えました。

――課題は何でしょうか

 もっとキャリーを増やしていかないといけないなと思います。大きなフォワードが目の前に立たれると圧を感じたところがあるので、パスも必要ですが自分で仕掛ける部分も増やしていけたらと。

――きょうの試合には明大に1年生が2人帝京戦にも出て東福岡の同期も出場していましたが意識しているのですか

 そこまで意識していないです。自分のペースでやっていけたらいいと思いました。周りを意識するよりは早稲田に貢献できることに集中してやっていきたいと思います。

――来週は帝京戦ですね

 まず、メンバーに入れるように頑張ります。帝京にもチャレンジしていきたいなと思います。

招待試合
早大 スコア 明大
前半 後半 得点 前半 後半
12 17
14 合計 29
【得点】▽トライ 加藤2 ▽ゴール 梅津(2G)

   

 
    

    

早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
久保 優 スポ3 福岡・筑紫
後半32分交代→16木下
森島 大智 教4 東京・早実
後半1分交代→17中野幸
阿部 対我 社2 東京・早実
前半31分交代→18土田
中山 匠 教4 東京・成城学園
星谷 俊輔 スポ3 東京・国学院久我山
沖野 玄 商4 北海道・函館ラサール
後半17分交代→19桑田
◎幸重 天 文構4 大分舞鶴
前半16分交代→20増原
丸尾 崇真 文構3 東京・早実
河村 謙尚 社2 大阪・常翔学園
後半37分交代→21藤浪
10 吉村 紘 スポ1 東福岡
11 加藤 皓己 創理4 北海道・函館ラサール
12 平井 亮佑 スポ3 福岡・修猷館
13 中野 将伍 スポ4 福岡・東筑
前半26分交代→22高木
14 安部 勇佑 スポ3 東京・国学院久我山
15 梅津 友喜 スポ4 岩手・黒沢尻北
リザーブ
16 木下 隆介 文構3 東京・本郷
17 中野 幸英 文構4 東京・本郷
18 土田 彬洋 スポ3 茨城・茗溪学園
19 桑田 陽介 スポ2 愛知・明和
20 増原 龍之介 教4 広島・崇徳
21 藤浪 魁 基理4 東京・本郷
22 高木 樹 法3 大阪・早稲田摂陵
23 南 徹哉 文3 福岡・修猷館
※◎はゲームキャプテン監督は相良南海夫(平4政経卒=東京・早大学院)