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ラグビー部

2019.05.13

関東大学春季大会 5月12日 対東海大 神奈川・東海大湘南グラウンド

スクラムでのペナルティーが響き、開幕戦を落とす

 早大は昨季の関東大学対抗戦で2位扱いとなり、今年は関東大学春季大会(春季大会)Aグループに参戦。東海大のホームで開幕戦を迎えた。『展開ラグビー』を標榜する早大と屈強なFWを中心にインゴールに迫る東海大。対照的なスタイルを持つ両者の一戦は、トライの取り合いとなった。そして早大が1点のリードを保ち、試合はラストワンプレーに。ここで東海大がスクラムから逆転トライを決めてノーサイド。36-40で初戦を勝利で飾ることはできなかった。

 試合は序盤からシーソーゲームの様相を呈す。前半1分、FB南徹哉(文3=福岡・修猷館)のロングパスからWTB加藤皓己(創理4=北海道・函館ラサール)が左隅に飛び込む。早大が幸先よいスタートを見せたが、東海大もすぐさま反撃。7分、WTB梅津友喜(スポ4=岩手・黒沢尻北)がキックパスの対応にてこずると、そこから右大外に巧みなキックパスを通されてすぐさま同点となる。10分にはゲインラインを突破したCTB中野将伍(スポ4=福岡・東筑)のパスから加藤が本日2本目のトライで加点。18分にスクラムから展開されてトライを許すものの、1分後にはラインアウトモールでフッカー森島大智(教4=東京・早実)がインゴールをこじ開けた。しかしその後は、強力なFW陣を擁する東海大のスクラムに押され、自陣で過ごす時間が多くなり、28分にトライを献上。両者3トライずつ挙げ、17-21で試合を折り返した。

岸岡は相手ディフェンスの隙を逃さなかった

 後半も先手を取ったのは早大であった。3分、フェーズを重ね、SO岸岡智樹(教4=大阪・東海大仰星)が相手ディフェンスのギャップを見逃さず、三度逆転。14分にスクラムのペナルティーから一瞬の隙を突かれトライを奪われるが、19分にラックサイドにできたスペースを抜け出したSH河村謙尚(社2=大阪・常翔学園)から岸岡にパスが渡り5点を積み重ねる。21分には、中野将がインゴールを駆け抜け、36-28とリードをこの日最大の8に広げた。だが、きょうの試合の早大は傾きかけた流れをなかなかつかみ切れない。25分に自陣左のラインアウトモールから押し込まれ、コンバージョンキックも成功し、36-35の1点差に。試合時間も残りわずかとなった36分、フランカー柴田徹(社4=神奈川・桐蔭学園)が自陣で東海大のノットリリースザ・ボールを誘発し、CTB桑山淳生(スポ4=鹿児島実)が、相手を2人なぎ倒し、ゲイン。しかし、相手ディフェンスに阻まれ、タッチを割ってしまう。ここから東海大が攻勢を強め、早大サイドのインゴールにじりじりと近づく。時計の針が40分を回ったところで、東海大はスクラムを選択。コラプシングを繰り返し最後はトライを許して勝負あり。36-40で春季大会は黒星スタートとなった。

 最後までスクラムを立て直すことはできなかった

 「スクラムのペナルティーやノットリリースだったりで自陣に持ってこられた」(フランカー幸重天副将、文構4=大分舞鶴)という言葉通り、スクラムではペナルティーを犯す場面が随所に見られた。オープン戦から安定しているマイボールラインアウトは東海大相手にも全てのボールを確保したことを鑑みれば、取り組むべき課題は明白と言えるだろう。1週間後に控える第2戦の相手の流通経大は外国人選手がスターティングメンバーに名を連ねている。強力なフィジカルを有する相手にどのように立ち向かうことができるか。FW陣の奮闘がカギとなりそうだ。

(記事 石井尚紀 写真 川上夏実、千葉洋介、涌井統矢)

コメント

相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)※囲み取材より抜粋

――今試合のスクラムの精度についてどのように捉えていますか

 よく捉えれば、選手たちはやはりこれでは勝てないなと感じられたかなと。

――スクラムの精度に対してラインアウトは非常に安定していましたが、どのように感じましたか

 いや、でもそれは普通のシーズンと違ってスカウティングとか、そういうのもないので。まぁ、でもラインアウトは現状は色々と重点的に取り組んでいるところもあるので、成果が出たということは1歩成長したのかなとは思いますね。

――今試合の課題でスクラム以外の部分はどこでしょうか

 あとちょっとディフェンスの見極めのところかなと思いますね。ディフェンスでチーム作りを進めたいという思いがあるのですけど、ここまで(得点を)取られてしまうと。スクラムが起因であったり、ペナルティーが起因であったりはしましたがディフェンスについてはこういう相手と試合をしてそれで修正していく。課題をもらったという意味ではよかったと思いますけどね。課題として出た部分を修正し、1試合1試合レベルアップしていきたいと思います。

――次戦は流通経大との対戦ですが、どういった準備をしていきますか

 (スクラムに関しては)そんなに時間をかけることができないので。きょう出た課題をフロントローとかコーチとかと合わせて微修正しつつ、アタックはだいぶ積極的にできているので。いいところを伸ばしつつ、ディフェンスも課題点を整理してそこを修正して臨みたいなと思います。

フランカー幸重天副将(文構4=大分舞鶴)

――FW陣はどのようなプレーを心掛けましたか

東海大の強みはFWで、22に入ったら、FWでくるのは分かっていたので、そこで自分たちが対抗できるかというところでした。耐えられたところはあったんですけど、あそこに持ってこられることが多過ぎたので、そこのセットプレーも問題ですけど、それまでの展開も課題と感じています。

――最後のプレーで逆転を許してしまった心境は

あそこは悔しいですし、たらればを言えば早めに終わらせられるチャンスがあったので、そこも悔しいです。

――フィジカルコンタクトの面で押されてしまったことは

ゴール前とか向こうの強みのところに対抗し切れなかったのは、BKに申し訳ないです。

――スクラムも課題ということでしょうか

最初はいいかなと思ったんですけど、後半徐々に向こうの圧を受けて、スクラムのペナルティーやノットリリースだったりで自陣に持ってこられて、FWでゴリゴリこられてしまって、向こうのやりたい展開をやられてしまいました。

――モールディフェンスは耐えることができている印象でした

まだまだ足りないところはあるんですけど、気持ちの部分とかで対抗できたところがあると思いますし、ゴール前のモールも取れたので、そこは自信にしていいかなと思います。

――安定していたラインアウトはいかがですか

向こうがミラーディフェンスをしてきて、テンポ良く飛んだら取ることができたので、そこは課題に感じていないです。

――きょうの試合で良かった点はありましたか

アタックの部分で連係が取れて、一人一人が前に出る意識があって、そこが裏目に出て、ノットリリースとかはあったんですけど、自分たちのやりたいアタックなラグビーができてきたかなと思います。

――次戦で戦う流通経大にはどのようなイメージをお持ちですか

外国人選手がパワフルで、結構自由なラグビーをしてくるイメージがあるので、そこに対して外国人のところをしっかり止めるのと、自分たちのやりたいアタックができるようにブレイクダウンや接点にこだわっていきたいです。

SO岸岡智樹(教4=大阪・東海大仰星)

――春季大会の初戦でしたが、どのような意気込みで臨まれましたか

 東海大戦へ向けたテーマとして『勝つ』という、勝利にこだわることが一つあったので。惜敗と言っていいのか分からないんですけど、負けという結果に対しては正直悔しく思います。意気込みとしては『勝つ』というマインドをきょうの試合に臨みました。

―流れの中での2トライされましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

 僕自身のランに関しては結果的にトライにつながったので、自分でいくところとサポートしていくところの判断ができていたので良かったかなと思います。

――キックオフのキックの弾道を高く蹴る場面が多かったのですが、どのような意図がありましたか

自分たちのスクラムがちょっと押され気味だったんですけど、流れの中のディフェンスとしては今年1年間で自分たちが築き上げていきたいものだったので。キックオフのキックに関しては、敵陣でプレーをしたいというのが1番のモットーだったので、キックオフでは真ん中から蹴ることができて相手を奥深くの敵陣に相手を押し込むという意図で蹴りました。

――戦うリーグが別の事もあり、あまり対戦のない東海大との一戦でしたが、印象はいかがでしたか

そうですね。僕は(東海大)仰星出身なので顔を知ってるメンバーが多くいるんですけど、東海大学さんの印象としては15人全員が頭を使ってやってきてるなという印象がありました。僕個人として困ったことといえば、いつも使ってるボールと種類が違ったので変なミスを3つくらいしてしまって、慣れない部分でアウエーな感じもあったので違和感というか、そういうのは少し感じましたね。

――コンバージョンキックの際、キックティーを使わずドロップキックでキックを蹴られていました

 今週1週間早稲田のグラウンドでも同じボールでも練習していたのですけど、種類が同じでも大きさや感覚がちょっと違うかなというのを感じたので。まあ、得点差でいうとゴールキックの差で負けてしまった試合にはなるので。いつもは9番の齋藤直人(主将、スポ4=神奈川・桐蔭学園)くんが蹴るんですけど、こういう場面で僕が蹴るシーンもあると思うので。(ゴールキックは)入ればいいっていうのが結論なのできょうは途中で諦めてドロップキックにしたんですけど、1年間の僕の課題として、ゴールキックというところはあると思うので、頑張らないといけないところかなと思っています。

――次戦、流通経大戦への意気込みをお願いします

東海大さんは外国人選手が1人だったんですが、流通経大さんの場合は2、3人出てくると思います。それでも自分たちのやることは変わらないので、ディフェンスを強みにして。きょうもアタックで得点を取ることがいくつかできたので、そこの精度を高く、より良く突き詰められればなと思います。

関東大学春季大会
早大 スコア 東海大
前半 後半 得点 前半 後半
17 19 21 19
36 合計 40
【得点】▽トライ 加藤2、岸岡2、中野将、森島 ▽ゴール 齋藤(1G)、岸岡(2G) 
※得点者は早大のみ記載

   

 
     

早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
久保 優 スポ3 福岡・筑紫
後半46分交代→16横山太
森島 大智 教4 東京・早実
後半0分交代→17中野幸
阿部 対我 社2 東京・早実
後半46分交代→18土田
中山 匠 教4 東京・早実
後半39分交代→20沖野
大崎 哲徳 文構2 東京・国学院久我山
後半34分交代→19星谷
柴田 徹 社4 神奈川・桐蔭学園
幸重 天 文構4 大分舞鶴
下川 甲嗣 スポ3 福岡・修猷館
◎齋藤 直人 スポ4 神奈川・桐蔭学園
後半0分交代→21河村謙
10 岸岡 智樹 教4 大阪・東海大仰星
後半43分交代→22平井
11 加藤 皓己 創理4 北海道・函館ラサール
12 中野 将伍 スポ4 福岡・東筑
後半25分交代→23桑山
13 中西 亮太郎 商2 東京・早実
14 梅津 友喜 スポ4 岩手・黒沢尻北
15 南 徹哉 文3 福岡・修猷館
リザーブ
16 横山 太一 スポ2 東京・国学院久我山
17 中野 幸英 文構4 東京・本郷
18 土田 彬洋 スポ3 茨城・茗溪学園
19 星谷 俊輔 スポ3 東京・国学院久我山
20 沖野 玄 商4 北海道・函館ラサール
21 河村 謙尚 社2 大阪・常翔学園
22 平井 亮佑 スポ3 福岡・修猷館
23 桑山 淳生 スポ4 鹿児島実
※◎はゲームキャプテン、監督は相良南海夫(平4政経卒=東京・早大学院)
関東大学春季大会Aグループ星取表
帝京大 早大 慶大 東海大 大東大 流経大
帝京大

6/16 13:00

帝京大G

5/19 13:00

帝京大G

5/26 13:00

山梨・中銀スタ

◯60-7

◯50-19

早大

6/16 13:00

帝京大G

5/26 12:30

長野U

●38-40

6/2 13:00

熊谷

5/19 14:00

早大G

慶大

5/19 13:00

帝京大G

5/26 12:30

長野U

6/16 13:00

東海大G

6/9 13:00

慶大G

●12-38

東海大

5/26 13:00

山梨・中銀スタ

◯40-36

6/16 13:00

東海大G

◯33-29

6/9 13:00

東海大G

大東大

●7-60

6/2 13:00

熊谷

6/9 13:00

慶大G

●29-33

6/16 13:00

大東大G

流経大

●19-50

5/19 14:00

早大G

◯38-12

6/9 13:00

東海大G

6/16 13:00

大東大G

※熊谷は埼玉・熊谷ラグビー場、帝京大Gは東京・帝京大学百草園グラウンド、山梨・中銀スタは山梨県小瀬スポーツ公園、慶大Gは神奈川・慶大日吉グラウンド、早大Gは早大上井草グラウンド、長野Uは南長野運動公園総合球技場、東海大Gは神奈川・東海大湘南グラウンド、大東大Gは埼玉・大東大東松山グラウンド、茨城・流経大Gは龍ヶ崎グラウンド

 ■順位決定方法
①順位の決定に当たり、勝ち点制を採用し、全試合終了時点で、勝ち点の多い順に順位決定を行う。
②勝ち5点、負け0点、引き分け2点とする。
③またボーナス点として、以下の勝ち点を与える。
 1)勝敗に関係なく、4トライ以上獲得したチームに、勝ち点1を追加
 2)負けても7点差以内ならば、勝ち点1を追加
④全試合終了時点で勝ち点が同じ場合、次の各号により順位を決定する。
 但し、3チーム以上が並び、各号において2チームが並んだ場合は、並んだ2チームについてそれぞれ次号により決定する。
 1)全試合の得失点差の多いチーム
 2)全試合でのトライ数が多いチーム
 3)全試合でのコンバージョンゴール数の多いチーム
 4)当該チームでの抽選