ラグビー部
2019.04.14
東日本大学セブンズ 4月14日 東京・秩父宮ラグビー場
修正力を示し、ベスト8で大会を終える
大学セブンズ東日本一を決める大会、東日本大学セブンズ(東日本セブンズ)が東京・秩父宮ラグビー場で行われた。昨年のこの大会では、CHAPIONSHIPベスト4。15大会ぶりの優勝を目指して挑んだ。初戦、法大を31-17で退け、好スタートを切る。準決勝進出をかけた試合では東海大と激突。粘りのディフェンスを展開するが、及ばず。ベスト8で大会を終えた。
1回戦は法大と対戦。先制点を奪われるものの、前半3分。河村 謙尚(社2=大阪・常翔学園)が華麗なステップで3人を抜きさり、同点に追いつく。すると、相手のタックルをうまくかわし、米田圭佑(政経2=島根・石見智翠館)がゲイン。そのまま走り切り、勝ち越しのトライを決める。その後も点数を重ね続ける。後半河村がチップキックでディフェンスの裏にボールを運ぶと、そのままインゴールで抑えた。終盤に相手の反撃をあびるが寄せ付けず。31-17で勝利を収めた。
チームを統率した宇野明彦主務・ゲームキャプテン(スポ4=神奈川・横須賀)
CHAPIONSHIP準々決勝では優勝候補の一角である東海大と激突。相手の強烈な連続攻撃から失トライ。すぐさま早大も反撃。キックオフから河村が圧巻のステップを披露し、3人をかわし、インゴールを駆け抜ける。その後は相手にオフロードパスを許し、失点。その後も1トライを加えられる。竹下日向(教2=神奈川・桐蔭学園)が終盤抜け出し、チャンスをつかみかけるが、相手の好タックルに阻まれてしまう。そうして迎えた後半、連続攻撃から前進。相手陣奥深くまで攻め込む。しかし、相手のディフェンスに苦しめられ、ターンオーバー。そのまま、失点してしまう。さらにもう5点を加えられ、5-28でノーサイド。
再三ゲインラインを突破した河村
Y.C.&A.C. SEVENSに比べ、「練習でやってきたことが出せた」(宇野)と語る通り、今大会は随所に改善することができた点が見られた。特筆すべきは1対1の部分だろう。常に相手のパワフルなランナーに対して一人一人がマークをし、後手を踏むことが少なかった。1週間で大幅に修正することができた修正力の高さは選手たちの自信につながることだろう。その自信を15人制でのプレーにつなぐことができるか。それぞれがレギュラー奪取に向けた春シーズンはまだまだ始まったばかりだ。
(記事 小田真史、写真 本野日向子、川上夏実)
結果
1回戦 ○早大31-17法大
CHAPIONSHIP 準々決勝 ●早大5-28東海大
早大登録メンバー | |||
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名前 | 学部学年 | 出身校 | |
◎宇野 明彦 | スポ4 | 神奈川・横須賀 | |
沖野 玄 | 商4 | 北海道・函館ラサール | |
増原 龍之介 | 教4 | 広島・崇徳 | |
松本 悠汰 | スポ4 | 大阪・天王寺 | |
島田 雄大 | 商3 | 東京・早大学院 | |
池本 暖 | 人2 | 愛知・千種 | |
河村 謙尚 | 社2 | 大阪・常翔学園 | |
小柳 圭輝 | 社2 | 東京・国学院久我山 | |
竹下 日向 | 教2 | 神奈川・桐蔭学園 | |
堀尾 健太 | スポ2 | 茨城・茗溪学園 | |
米田 圭佑 | 政経2 | 島根・石見智翠館 | |
遠山 拓 | 教2 | 東京・国学院久我山 | |
※◎はゲームキャプテン、監督は相良南海夫(平4政経卒=東京・早大学院) |
宇野明彦主務・ゲームキャプテン(スポ4=神奈川・横須賀)
――今の率直な気持ちは
やはり勝負事なので悔しいですね。1勝できたにしても最終的に負けて終わっているので、相手がどこであれ勝ちたかったなというのが率直な気持ちです。
――今大会のテーマは
前回の反省として「1対1で勝負できていない」というところがありました。今回のテーマとしても臨んだ部分だったのですが、「1対1で勝負する」というところをすごく大事にしていました。
――セブンズの練習はどのくらいしていたのでしょうか
15人制の方も並行してやっていたので、ユニットの時間で1日に30分くらいやっていました。短い時間でやっていました。
――その練習の中で、最もフォーカスしていた部分はどこでしたか
やはり1対1で仕掛けるところですね。やはりそこで勝負しようという部分にチームとしてはフォーカスしていました。
――1対1の部分について、先週に比べてかなり改善されているような印象を受けました
ディフェンスもアタックも、最終的には1対1のコンタクトがラグビーだと思っています。そのコンタクトでしっかり気持ちを出せて、体を張りにいけたというのが、今回の結果につながったのかなと思います。
――法大戦はいい展開だったのではないでしょうか
自分たちの中で、前回負けているのでやはり自信がなくて。その中で、YC&AC後の初めての試合だったので、そこでしっかり自分たちの力を出して勝負できて、いい流れで持っていけたのはよかったと思います。
ーー東海大戦についてお聞きします。前半は5−12というスコアで折り返しました
最初のマイボールキックオフで綺麗に取られてしまいトライされてしまったのは、チームとして入りが良くなかったのは大きな課題だと思います。ただ、その中で1本取り返して、本当はもう1本取れるチャンスはありましたが、巻き返してそこまでいけたというのはよかったと思います。
――後半も含めて振り返っていかがですか
1対1で負けているのと、疲れたときにコミュニケーションが取れなくなった中で、トライを取られたり個人のタックルミスが出てきたりしてしまいました。疲れてきたときの個人の能力や、能力を維持し続けるというところが課題だなと感じました。
――先週のインタビューで、多くの選手がコミュニケーションについて言及していました。コミュニケーションについては今回どうでしたか
すごくよかったと思います。前回は練習からすごく静かでしたが、今回は練習から声を出すことを意識していました。今回は、試合前のアップもすごくいい雰囲気で入れていたのですごくよかったと思いますし、それが試合でできているなと実感できました。
――前回は「練習してきたことができなかった」と言っていました。今回はどうでしたか
今回は出せていたと思いますし、その「出せている部分」が多かったのだと思います。ただやはり、マインドは持てても東海大戦の最後はトライを押されて終わってしまいました。疲れてきて自信がなくなってしまったところで、戦えるマインドや1対1のマインドがなくなってしまったというか、弱気になってしまいました。そこが問題かなと思いました。
――先ほどから何度か「自信」という言葉が出ていますが、これからさらに「自信」をつけていくためにはどうしたらいいのでしょうか
成功体験が全てなのかなと思います。今回セブンズに出たメンバーは、他のメンバーより一足先にシーズンをスタートさせて勝負できているので、この課題を今のうちに練習して、15人制が始まる段階では課題を克服した上で望められればよりいいレベルに行くと思います。自信につながっていくのではないかと思います。
――セブンズの2大会を終えていかがですか
最初は、試合経験ができるということですごくプラスだなと思いました。しかし、自分の特性が向いているかどうか考えたときに、どうなんだろうと思う部分もありました。ただ、その中で、自分たちが前回に引き続きセブンズ2回目のこの大会で「成長したな」と思えました。そういう経験を得たことと、1対1の勝負など、15人制につながってくる部分が短い期間で成長できたのはよかったと思います。
――これからも続く春シーズンの意気込みや抱負を教えてください
15人制ではCTBをやるつもりです。激戦区とも言われていますし、人も多いのですが、その中で自分が上にいくために必要なことをこのセブンズを通して感じました。そこを出して15人制のAチームに絡んで、チームに貢献していきたいです。勝ちにこだわる組織なので、勝ちにこだわっていきたいなというふうに思います。
河村謙尚(社2=大阪・常翔学園)
――法大戦では2トライ挙げましたが振り返っていかがですか
先週出た課題から、自分から積極的に仕掛けようと思っていました。ボール持ったらとりあえず抜きに行こうと考えていて、その結果トライが取れて良かったと思っています。
――今大会は、自分からボールを持って走るプレーが多く見られましたが、作戦だったのでしょうか
そうですね。
――東海大戦での1トライは振り返っていかがですか
それも同様で、自分から仕掛けて行こうと思っていました。相手に1本を取られたんですけど、すぐに取り返して、チームの士気が上がったと思うので、良かったかなと思っています。
――YC&AC JAPAN SEVENSと比べて、ディフェンス面で改善されたことはありましたか
前回のディフェンスの傾向として、前に出ずに、あまり相手にプレッシャーをかけられていなかったので、そこをもう少し前に出て相手にプレッシャーをかけて、タックルをしようと話していました。
――セブンズの公式戦は終わりましたが、2大会を振り返っていかがでしたか
自分なりに課題が見つかって、ある程度通用するところも自分なりに分かってきて、課題を克服して、通用してきたところは伸ばして、自分の強みにしていきたいと思います。
――通用してきた部分というのは具体的にどのようなことですか
ランです。自分はボール持って走るのが得意で、そこは十分通用してると思うので、もっと伸ばしていきたいと思います。
――今後の抱負を教えてください
自分の強みを生かして、日本一に貢献したいと思います。
竹下日向(教2=神奈川・桐蔭学園)
――今大会の試合での、チームでの目標は何ですか
やるからには優勝って言ってたんですけど…。
――先週の試合からどのように修正してきましたか
先週はキックオフのところでボールを失っていたので、まずはボールキープするってことと、1人1人が強気で仕掛ける、その意識、マインドセットの部分を変えていこうって話をしてて、そこに関しては今週、先週よりも個人の精度が高く、1対1でみんな強気で勝負できてたな、と思います。
――15人制との練習バランスは
15人制の練習をやって最後にポジション別に合わせる練習の時間をセブンズに合てる感じでした。
――先週の試合とは、かなり内容が違っていたと思うのですが、1番意識していたことは何ですか
先週も強気強気でというのは自分の中では意識していたのですが、今日はあまりボールを持って仕掛けるシーンがなかったです。しかし、アタックではしっかりと仕掛けて勝負していくっていうのを意識しました。ディフェンスで、先週は結構1回抜かれてしまったらそのまま抜けられてしまうことが多かったのですが、今週はそこを集中して守りが崩れないということを意識してやっていました。
――今大会での収穫、課題を教えてください
収穫は、普段試合とか出てない人やこういう舞台でやったことないメンバーとかが多い中で、相手からプレッシャーやタックルを受け、それでもこういう舞台でやり切れたというのが収穫だと思っています。これから15人制が始まるのでこの経験を生かしていきたいです。課題は1対1です。身体の大きさとかが理由で勝てなくて、1対1で負けると試合にも勝てないので、分かってはいましたが、試合に出てより強く実感しました。
――セブンズでの経験を今後どういう風に生かしていきたいですか
僕はセブンズを意外とやってきたんですけど、今回初めて周りを見て、周りを生かしてプレーをすることが出来たので、15人制でも周りを見ながら、プレーに余裕を持ちながら、やっていきたいです。
――今季のシーズンでAチームに入っていくために、どのようなことを意識していきたいですか
アタックは相手に通用する部分があるっていうのが今回やって分かったので、後は、自分はまだ身体が小さい方なので、大きい相手にディフェンスとかで負けないというところを意識して、1軍に絡めていけたらなと思います。