ラグビー部
2019.04.07
YC&AC JAPAN SEVENS 4月7日 神奈川・YC&ACグラウンド
連係噛み合わず、大敗喫す。初陣ははかなく散る
早大ラグビー蹴球部の初戦は、毎年桜とともに迎える。今年で60回目の開催となるYC&AC JAPAN SEVENSで、101年目は幕を開けた。また、昨年度から引き続き早大では毎試合ごとにテーマを掲げており、今回の試合のテーマは、「コミュニケーション」と「ディフェンスでの横の連係」。しかし、2試合とも相手に主導権を握られてしまい、逆にそこが課題として浮き彫りとなるかたちとなってしまった。
1回戦の青学大戦では、序盤からタックルミスで相手に抜かれるなど全体的に粗さが目立つ。空中戦でも競り勝つことができずに5点を先取されると、相手の勢いそのまま一気に2トライを献上してしまう。前半の最後に河村謙尚(社2=大阪・常翔学園)がこぼれ球に反応しゲインを重ね、最後は沖野玄(商4=北海道・函館ラ・サール)が駆け抜け5−17に。後半は相手に3回の独走トライを許し12−38で完敗した。
キックオフでのプレッシャーが強くボールを保持できなかった
1回戦の敗者同士で戦うCONSOLATION1回戦は、神奈川県選抜との対戦だった。0−12とリードされるが、6分でパスを左から展開し米田圭佑(政経2=島根・石見智翠館)が右大外にトライを決め、7−12で試合を折り返す。後半の先取点で巻き返したいところだったがそれもかなわず、開始1分で相手のアタックに苦戦し、12点ビハインドになる。その後も加点され、残り2分で遠山拓(教2=東京・國學院久我山)、小柳圭輝(社2=東京・國學院久我山)が加点したが逆転することはできず、1勝も上げることなくグラウンドを去ることになった。
反撃のきっかけとなった堀尾健太(スポ2=茨城・茗溪学園)のアタック
今大会の敗因は、タックルとコミュニケーションのミスの多さだろう。また、相手のキックオフからボールを確実に獲得することができなかった。そのため、ボールを保持する時間が必然的に短くなり、結果的に自分たちのプレーが出せず不完全燃焼に終わったのだろう。練習期間が1週間弱と短かったこともあるかもしれないが、コミュニケーション不足から起こるミスも多々あり、先行きが危ぶまれる。課題は来週に行われる東日本大学セブンズ(東日本セブンズ)へ持ち越された。「早大は勝たなくてはいけないチーム」と宇野は語ったが、ほろ苦い初陣に選手たちの表情も心なしか明るさにかけていた。1週間でどこまで修正できるかに注目だ。
今大会のメンバーは、昨年Aチームで出ている選手が多いわけではない。しかし、松本悠汰(スポ4=大阪・天王寺)が言うように、「アピールを求められている」ことは確かだ。チームとしても「勝ちにこだわりたい」と話す春シーズン。悲願である『荒ぶる』のためには、部内での競争が不可欠だろう。その火付け役となる存在が出てくるかどうかが、今年の早大を左右すると言っても過言ではない。
(記事 石名遥、写真 青柳香穂、涌井統矢)
結果
1回戦 ●早大12-38青学大
CONSOLATION 1回戦 ●早大19-26神奈川選抜
早大登録メンバー | |||
---|---|---|---|
名前 | 学部学年 | 出身校 | |
◎宇野 明彦 | スポ4 | 神奈川・横須賀 | |
沖野 玄 | 商4 | 北海道・函館ラサール | |
増原 龍之介 | 教4 | 広島・崇徳 | |
松本 悠汰 | スポ4 | 大阪・天王寺 | |
島田 雄大 | 商3 | 東京・早大学院 | |
星谷 俊輔 | スポ3 | 東京・国学院久我山 | |
池本 暖 | 人2 | 愛知・千種 | |
河村 謙尚 | 社2 | 大阪・常翔学園 | |
小柳 圭輝 | 社2 | 東京・国学院久我山 | |
竹下 日向 | 教2 | 神奈川・桐蔭学園 | |
堀尾 健太 | スポ2 | 茨城・茗溪学園 | |
米田 圭佑 | 政経2 | 島根・石見智翠館 | |
遠山 拓 | 教2 | 東京・国学院久我山 | |
※◎はゲームキャプテン、監督は相良南海夫(平4政経卒=東京・早大学院) |
宇野明彦主務・ゲームキャプテン(スポ4=神奈川・横須賀)
――結果についてどのように感じていますか
悔しいですね。やっぱり勝負事なので。早大は勝たなければいけないチーム。どんなメンバーであろうと勝つことが宿命とされたチームなのでその代表で1勝もできなかったのは悔しいです。
――今大会どのような気持ちで挑みましたか
プレーで引っ張るというよりは皆で7分しかない時間を過ごすことが必要なので。キャプテンとして特に心がけていたことはないですね。常にチームでテーマを意識づけることだけは意識してました。
――その「テーマ」とは何ですか
アタックもディフェンスもコミュニケーションを意識する。特にディフェンスでは横のつながりを意識することですね。あとはもう1点は横の幅をしっかりとつながり続けるということを大事にしていました。
――ディフェンスではそのお話にあった「横のつながり」が薄いように感じましたが、いかがでしょうか
そうですね。つながりが弱いと感じる部分は本当にあったので。その弱さと1ON1で負けていたら7人対7人。1人に任せられている範囲も広いので、そこができていないと勝てるものも勝てないなと思います。
――今大会通しての成果は何かありますか
試合を経験したというぐらいですかね。
――練習していた部分は今大会出せましたか
いやもう、全然ですね。その練習した部分が結果は良かったと思うので。そこに対して自分たちが出し切れなかったということが問題だったと思います。
――次の大会に向けての意気込みをお願いします
(早大は)勝たなければいけないチームですし、それが宿命なので。新シーズン始まってチームに第1試合目で勢いをもってこれなかったということもそうですし、次チームとして齋藤主将(直人、スポ4=神奈川・桐蔭学園)の元やっていく中で、これからの春シーズン、日本一に向けて勢いづけていくためにもきっかけとなる。日本一につながる試合にしたいと思います。
沖野玄(商4=北海道・函館ラ・サール)
――きょうの結果振り返っていかがでしたか
きのうファーストミーティングがあってどんな試合でも勝ちにこだわろうと言っていた中で、1つも勝てなかったというのはチームの最初としてはまずかったのかなと思いました
――新チームの雰囲気というのは
そんなに変わっていなくて、監督もそうなんですけどしっかり選手主導というか、あくまで僕らが主役というか、それをしっかりサポートしてくれるという感じだと思います。まだそんなに練習していないのでこれからどうなるかはわかりませんが。
――キックオフでボールがとれなかった場面が少し目立ちました
まず僕の立ち位置とかが悪くて、あとしっかりもっと攻める、ボールの落下点に早く入るとかはもっと工夫できたと思うので、そこはまた来週につなげていきたいです。
――トライも決めましたね
余っていたので僕が置くだけという感じでしたね
――ディフェンスについては全体としていかがでしたか
ずっと内側の人間と切れないようにっていうことを言われてきたんですけど、1試合目は特に1ON1で負けちゃっててそれでどんどん打ち切られちゃっててっていう感じですごく悪循環になってしまったんですけど、2試合目は1試合目よりかは1ON1を意識してできたのでまあまあだったかなと思います。
――来週の東日本大学セブンズ(東日本セブンズ)に向けて意気込みをお願いします
結果が全てなのでしっかり挽回するじゃないですけど、今日の結果は超えなきゃいけないのでまずは勝利を目指して頑張りたいと思います。
松本悠汰(スポ4=大阪・天王寺)
――セブンズをするのは何回目になりますか
僕自身は高3以来ですね。4年ぶりでした。
――この大会にあたり、練習はどのくらいしたのでしょうか
今週の火曜日から始めました。5日間くらいですね。そこまでずっとウエイトとかをやる期間だったのでラグビーをするのは久しぶりでした。最初は少し体が重く感じましたが、フィットネス期間で体力がついたので、動きの中でそれが生きている実感は少しありました。でも試合があれだったので・・・。
――きょうの試合を振り返っていかがですか
2試合とも後半から出たのですが、タックルミスや、つなぎの安易なプレーなどの簡単なミスが敗因かなと思います。
――試合の中で、互いが譲り合ってしまう場面がありました。コミュニケーションの部分はいかがでしたか
僕もそういう場面が1回ありました。練習中から内側がしっかり入れるとかはやっていましたが、実戦のところでまだできませんでした。コミュニケーションに加えて、1対1のタックルもできていなかったのかなと思います。
――チームの雰囲気はどうでしたか
選ばれたメンバーで、火曜日から練習してきたことを出そうということと、チームの初戦を勝ちにこだわろうという意気込みはありました。ですが、それが実現できてはいないので、次の東日本セブンズでリベンジしたいと思います。
――15人制に対して、セブンズはどのようなものですか
15人制に比べて、一人一人が動いたり守ったりする幅が広いので、15人制でも大事なコミュニケーションの部分がもっと大事になってくるのかなと思っています。そこはまだ突き詰められていないのかなという印象です。ここでいいものができれば絶対15人制に生きてくると思うので、そこは次への改善点かなと思います。
――メンバーについてお聞きします。今年のレギュラー争いに関わってきそうなメンバーが今回出場しているのかなと感じました
去年のこの試合よりは、現時点でのAチームの選手は少ないと思います。これは多分アピールを求められている立場だと思いますし、それを全員が自覚していると思います。チームとしてのプレーももちろん大事なのですが、個人の「ここから上にのし上がっていくんだ」という気持ちがもっと出てもいいのかなと僕自身も思いました。
――1週間後には東日本があります。そこでフォーカスしたい部分はどこでしょうか
きょう課題だったのが、1対1のタックルの場面でした。そこでまず引かずに絶対に前に出て倒すことです。また、特にディフェンスにおけるコミュニケーションですね。
竹下日向(教2=神奈川・桐蔭学園)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
ディフェンスで自分たちがボールを持ってない時に自分たちのボールを持っている時間が少ないというのが一番でしたね。キックオフでボールを失って負けたという印象ですね。
――チーム全体としてタックルミスが目立ちました
1対1で振り切られる場面もあったんですけど、タックルを15人制と同じように、仕留めにいく感じでみんないってしまっていたので、余裕を持って待ち構える意識でタックルするべきでしたね。1試合目を終えて2試合目の前にそう話し合ったので、2試合目は少しはそういう意識も出てきて良くはなったのかなと思います。
――1試合目のご自身のタックルを振り返っていかがでしたか
スペースがあれば勝負を仕掛けていこうと強い気持ちで試合に入っていたので、あの場面は良かったかなと思います。
――セブンズ特有の難しさはありましたか
そうですね。セブンズは1人が守るスペースが大きいので、よりコミュニケーションを取ってやらなきゃいけないというのが15人制との違いかなと思います。
――東日本セブンズへの意気込みをお願いします
きょうはボールを持つ機会が少なかったので、来週はもうちょっと自分たちでボールを持つ時間を増やして、パスをしっかり回して、ランでも勝負を仕掛けて行きたいと思います。