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馬術部

2019.03.27

第72回東京六大学大会 3月22日~3月24日 東京競馬場馬術センター

優勝目指すも3位 本領発揮難しく

 本番での勝負強さが試される試合だった。今年で72回目を迎える東京六大学大会が東京競馬場乗馬センターで3日間にわたり開催された。伝統のあるこの大会は、各競技で個人が獲得したポイントの合計により団体順位が競われる。新体制の早大は総力を挙げて悲願の団体優勝を目指すも3位という不本意な結果に終わり、選手たちは馬とのコミュニケーションについて振り返った。

 この大会の王者の座はここ5年間明大が独占しており、早大は6年前の優勝以降、辛酸をなめている。蒔苗知紀主将(国教4=東京・玉川学園)は強い思い入れを持ち、団体優勝を目標に掲げた。その指針の下で石山晴茄副将(スポ4=茨城・つくば秀英)はメンバーの編成を熟考する。蒔苗が選手や馬の調整を促す中で、選手たちは結果を出すイメージとして「馬を邪魔しないように」(石山)、「馬の持っている力をそのまま出してあげられるように」(山下大輝、スポ3=宮城・東北)という意識を抱いていた。

 大会1日目、2日目で行われた馬場馬術競技の最中では、蒔苗、石山が待機馬場で調子の良かった馬の実力を発揮できない状態が見られた。しかし、新人馬場馬術競技(新人馬場)では大沢暁音(スポ2=茨城・真壁)とカプチーノAが活躍し、萬田雛乃(人4=東京・東学大付)や木村澪(国教4=神奈川・サンモールインターナショナルスクール)が健闘する。学生賞典馬場馬術競技(学生賞典馬場)では下愛理彩(社4=東京・早実)とエーデルシュタインが落ち着いた演技を見せ2位。早大は2位の慶大とわずか2ポイント差でトップにつき、最終日を迎えた。

学生賞典馬場の下とエーデルシュタイン

 最終日、早大は明大、慶大に逆転されていく。平行して行われていた複合馬術競技(複合)を7位で終えた山下は、後に複合について事前の準備が不十分だった可能性にも触れた。新人障害馬術競技(新人障害)では、10番目に出場したコンビとなって日の浅い蒔苗とタニノマティーニが54秒88で走行し暫定1位。最終的に3位になった一方で他2選手は失権する。中障害馬術競技(中障害)では、蒔苗、大沢の失権を経て、石山とけがから復帰直後のジョルジオアルマーニは、タイム、障害共に減点なしで終えた。決着は4選手によるジャンプオフに持ち越される。最初に走行した石山は残り一つの障害で落とし3位。同じく決戦に残った山下は自身が「能力がある」と評する稲嵐と賭けに出たが障害の落下により4位となった。

新人障害の蒔苗とタニノマティーニ

 早大は72.5ポイントで総合3位という結果になった。「自分の詰めがまだ甘かった」(蒔苗)、「ふがいないのと馬に迷惑をかけてしまったかなと」(石山)、「もう少し馬のかたちやまとめ方を考えてから挑めば良かったかな」(山下)。試合前に馬の力を出せるよう気を配っていた選手たちが試合後に共通して口にしたのは、馬への感謝と自身の馬とのかかわり方の課題、次の戦いでの勝利への思いだ。「人と馬とのコミュニケーションをしっかりとって、ベースを積み上げていって、次の試合に向けて万全の体制で抜かりなくやっていきたい」と主将・蒔苗は語る。対して副将・石山は異なる視点から全体を振り返り、自身が大きくかかわったメンバー編成の影響を疑った。それぞれの課題と真剣に向き合い、チームとしての勝利に貪欲な選手たちから今年度も目が離せない。

(記事 日野遙、写真 宇根加菜葉)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

表彰された選手たち

結果

▽六大学総合順位

優勝 明大

2位 慶大

3位 早大

▽新人馬場馬術競技

2位 大沢・カプチーノA

6位 萬田・稲彩

8位 木村・稲俊

11位 蒔苗・稲隆

▽学生章典馬場馬術競技

2位 下・エーデルシュタイン

5位 大沢・カプチーノA

14位 石山・稲隆

▽複合馬術競技

7位 山下・稲太郎

11位 下・稲帥

2反E 大沢・ゾビオン

▽新人障害馬術競技

3位 蒔苗・タニノマティーニ

11位 大沢・稲帥

2反E 下・稲純

2反E 武井・稲翼

▽中障害馬術競技

3位 石山・ジョルジオアルマーニ

4位 山下・稲嵐

2反E 蒔苗・タニノマティーニ

2反E 大沢・ゾビオン

コメント

蒔苗知紀主将(国教4=東京・玉川学園)

――今大会の目標は何でしたか

もちろん遠ざかっていた優勝というのは、絶対果たしたかった目標でした。選手、馬共に時間をかけてしっかり調整はしてきて、みんな一丸となって優勝というのは目指していた目標です。

――ご自身の新人馬場を振り返っていかがですか

待機馬場ではすごく良かったというのは、後の言い訳というか、詰めが甘かったというか。しっかり馬のことを理解して待機馬場でやっていけたら良かったなと、初日から足を引っ張って申し訳ないなと思っています。

――新人障害は減点0でした

マティーニ(タニノマティーニ)にすごく助けてもらって。ひやっとして危ないところもあったんですけど馬がしっかり飛んでくれたので、あとは人がしっかりついて邪魔をしないことだけ心掛けてゴールを決めました。

――いつ頃からタニノマティーニと組んでいますか

去年の末頃から本格的に乗り始めてまだ浅いコンビではあるんですけど、なんとかここまで来ることができました。

――中障害は2反抗で失権となりました

あれは完全に人が油断してしまって、マティーニは悪くないので。6番障害のリバプールなどは自分がすごく苦手なものだったので、あそこで反抗を取られたのは自分の詰めがまだ甘かったなと。ただ今後の課題が明確に分かった試合だったので、次の関東(関東学生大会)では帰ってこられるように調整したいと思います。

――チームとして今後はどのように戦っていきたいですか

馬とのコミュニケーションが大事なので、一くら一くら、メインで乗っている人と馬とのコミュニケーションをしっかりとって、ベースを積み上げていって、次の試合に向けて万全の体制で抜かりなくやっていきたいなと思います。

石山晴茄副将(スポ4=茨城・つくば秀英)

――今大会、個人としてはどのような目標で挑んでいましたか

馬は勝てる馬だったので勝つということを目標にしていたんですけど、ちょうど1週間前にけがをしてしまって出られるか出られないかが微妙だったので。馬を邪魔しないようにすれば余裕で入賞はできると思っていたので、そういうふうな目標は持っていました。

――学生賞典馬場の演技を振り返っていかがですか

この六大に向けて部活での練習をしっかりとしていたんですけど、東京競馬場だと朝に乗ったりするのができないので、そこの対策はできていなかったかなという気はします。待機馬場ではすごく良くて、入賞できるくらいのいい馬だと思うので、場所への対策がし切れていなかったかなと思います。

――ジョルジオアルマーニの足の調子が悪かったということですが

アルマーニは打撲程度のけがなんですけど全身だったので、回復が間に合うか間に合わないかが前日まで分からなかったので、間に合って良かったなとは思います。

――その中で1回目の走行では減点0でしたね

馬に1番(障害)から最後の10番まで全部助けられているような感じだったので、ふがいないのと馬に迷惑をかけてしまったなというのは思っています。

――最上級生になり副将に就任されて、意識として変化した部分はありますか

今回のエントリーは私が結構考えさせていただいたんですけど。六大学は今年勝てれば久しぶりの優勝だったので勝てるメンバーで組んだつもりだったので、自分も全く成績を出せなかったことも含めみんなを優勝メンバーにできなかったということは、自分が副将としてきちんと仕事ができなかったというふうに思っています。

――関東学生女子選手権に向けての目標は何ですか

他の試合は必ず勝つというふうに思っています。今年は最後の試合なので、全部抜かりなく勝てるようにやっていけたらと思っています。

山下大輝(スポ3=宮城・東北)

――個人としてはどのような目標を持っていましたか

監督(児玉彰、昭59法卒=東京・早大学院)が「普通にやれば勝てる」とおっしゃっていて、僕もそう思っていて。普段通りやれば、特に障害(障害飛越競技)は絶対勝てるというふうに思っていました。特に力んだり意気込んだりということはせず、普段通りしっかり、馬の持っている力をそのまま出してあげられるようにと思っていましたね。

――複合の馬場馬術競技(馬場)を振り返っていかがですか

複合の馬場はビリなんですけど、あれは仕方ないと思います。もう少し準備の段階ではできることはありますけど、本番は実際あの程度です。

――複合の障害はいかがですか

1個落としたのは余計だったなと思います。あいつは満点でいける馬なので。あれも試合内容というよりは、準備段階でもう少し馬のかたちやまとめ方を考えてから挑めば良かったかなと思います。きょうだけではなくて、もっと前の段階からもう少し調整はできたかなと思います。

――中障害の1回目走行は減点0でしたね

あれは思った通りというか、馬の能力があるから満点で帰ってこられたという。普通にそういう感じです。

――ジャンプオフでは後半に障害の落下が見られましたが

ああいう状況で置きにいっても仕方ないので、しっかり勝負してしっかり負けたという(笑)、まさしくそういう感じだなと思っていますね。今はもっとどうしたら良かったというのは具体的に出てこないので、もう少し振り返ってまた次に対策をします。

――関東学生選手権も控えていますが、意気込みはありますか

また今回の競技とは違った感じなので、気持ちを新たに早稲田大学として勝ちに近づけるような存在になれるように頑張ります。