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競走部

2018.12.31

早稲田大学長距離競技会 埼玉・織田幹雄記念陸上競技場

今年の『漢』は4年生・西田の手に!

  第95回東京箱根間往復大学駅伝(箱根)まで2日と迫ったこの日、織田幹雄記念陸上競技場で早大長距離競技会が開催された。この大会は通称『漢祭り』と呼ばれ、1万メートルで部内1位の選手が今年の『漢』を手にする。冬らしい冷たい風の吹く中で行われた今大会で今年の『漢』をつかんだのは4年生の西田稜(政経4=東京・早大学院)だ。

 実力者たちが集まった1万メートルの2組目には早大から6人が出走した。号砲とともに出発した選手たちは400メートルを68秒前後で通過。その後も一団のまま推移し、1000メートルを2分58秒、2000メートルを5分57秒のラップを刻み、安定して3分ペースを保つ。4000メートルを過ぎると徐々に集団が縦長の形になり、ふるい落としが始まる。14分58秒で通過した5000メートルの時点では遠藤宏夢(商3=東京・国学院久我山)と西田の二人が落ち着いた表情で先頭集団の中で影を潜めていた。6000メートルを過ぎには遠藤が先頭に立ちレースをつくるが、徐々に苦しい表情を見せ始める。すると7600メートルで西田が満を持してトップに躍り出た。遠藤を突き放し、吉里駿(駿河台大)との先頭争いを繰り広げる。

一時は先頭に出た遠藤

 しかし、残り1000メートルで吉里が猛烈なスパートをかけると、西田はこれについていけない。それでも大きくペースを落とすことなくピッチを刻み、部内トップの2着でゴール。見事に『漢』を初めて獲得した。西田は自己記録には約4秒及ばなかったが、歴代の『漢祭り』でも最高タイムに相当する30分6秒73をマーク。また「諦めて弱い姿を見せたくなかった」という遠藤が、西田から離された後も必死の走りで走破し、西田の16秒後にフィニッシュ。さらにルーキーの佐藤皓星(人1=千葉・幕張総合)は1万メートル初挑戦ながら、先頭集団から離れた後も第二集団で粘りの走りを見せ、チーム内3番手の30分47秒03でゴールした。「離れてはいけないところで集団から離れてしまった」と反省点を口にしたが、新たなホープが出てくるのもこの『漢祭り』の一つと言えるだろう。

西田は4年生にして『漢』の称号を手に入れた

 長距離ブロックの選手だけでなく、今年度主将の古谷拓夢(スポ4=神奈川・相洋)などの他ブロック、さらにはOBも見守る中で多数の声援が選手に掛けられ、盛り上がりを見せた今回の早大長距離競技会。箱根も二日後に迫った。「僕や他のメンバーのきょうの走りを励みにしつつ、たくさんの人に注目されるので最高のパフォーマンスを出してほしい」と西田は出走する選手にエールを送る。この好走は必ずやエントリーメンバーに勇気を与えただろう。『漢祭り』から箱根へ、タスキはもうつながっている。

(記事 岡部稜、写真 岡田静穂、佐藤詩織)

★マネジャーたちの1000メートル

1位でゴールした武士マネジャー

 『漢祭り』終了後に、エキシビションとして各校のマネジャーらによる1000メートルが行われた。レースは早大のマネジャー陣が率いるかたちとなり、そのなかでも最後までスピードを落とさなかった武士文哉マネジャー(文2=群馬・高崎)が優勝。レース中は普段応援される側である選手らが応援する立場となり、選手らからも笑顔がこぼれるひと時となった。いよいよ2日後に迫った箱根。マネジャーらも最後の追い込みに入る。

(記事 平松史帆、写真 斉藤俊幸)

結果

▽男子5000メートル
久保広季(人1=早稲田佐賀) 15分54秒4(30着)
的場寛人(政経1=埼玉・早大本庄) 16分07秒8(33着)
二井輝(国教1=米国・プレイノーウェスト) 16分52秒8(34着)
車田颯(スポ4=福島・学法石川) DNS

▽男子1万メートル1組
河合陽平(スポ1=愛知・時習館) 31分07秒7(6着)
黒田賢(スポ2=東京・早実) 31分20秒0(10着)
茂原將悟(法1=群馬・高崎) 31分55秒3(16着)
茂木凜平(スポ1=東京・早実) DNS

▽男子1万メートル2組
西田稜(政経4=東京・早大学院) 30分06分73(2着)
遠藤宏夢(商3 =東京・国学院久我山) 30分22秒43(6着)
佐藤晧星(人1=千葉・幕張総合) 30分47秒03(14着)
三上多聞(商3=東京・早実) 31分02秒35(19着)
森田将平(スポ2=広島・修道) 31分08秒35(21着)
岡田望(商4=東京・国学院久我山) 31分56秒92(25着)
尼子風斗(スポ3=神奈川・鎌倉学園) DNS
住吉宙樹(政経2=東京・早大学院) DNS
室伏祐吾(商1=東京・早実) DNS

コメント

西田稜(政経4=東京・早大学院)

――きょうの目標は

タイムももちろんなんですけど、一番は勝負にこだわることでした。

――東京箱根間往復大学駅伝(箱根)のエントリーが発表されて以降、どんなモチベーションで練習してきましたか

小学校の頃から箱根を見据えてやってきたので…。メンバー発表の前、12月の頭くらいにはもう出走はないということが決まってからかなり苦しい思いはしたんですけど、チームに何ができるかと考えたときに、最後まで高いパフォーマンスを目指して背中で見せることだと思っていました。そういったところから気持ちを立て直して練習をしてきました。

――脚のケガの状態はいかがでしたか

復帰してからは無事にできています。12月の頭くらいにポイント練習に復帰したのですけど、それからは予定通りに練習を積めたと思います。

――きょうのレースを振り返るといかがでしたか

勝負するところをつくるというのは常に頭に入れていたので、レース展開としては狙い通りに行ったかなと思います。

――レース中に周りからたくさんの声が掛けられていました

そうですね。高校の同期だったり家族だったり、もちろん競走部でやってきた同期や先輩だったり、いろいろな人から声援をいただきました。でも頭によぎったのは箱根は何倍も声援があるのかなと思いました。もちろんここで応援していただいたのは励みになりましたし、すごい自分の力になったんですけど、やはりそこが頭をよぎったのはありました。

――その中で今年の『漢』を獲得したことについてはいかがですか

自分自身、勝負どころで決めるという思いでやってきて、かつ情けないレースはしたくないと思っていました。僕のような思いを後輩には絶対にしてほしくないということをレース後に後輩に伝えたんですけど、僕自身としては良い終わり方ができたのかなと思います。

――早大での4年間を振り返るといかがでしたか

いろいろな壁にぶつかってきて、それを乗り越えてきて、という4年間だったと思います。やはりこの1カ月で箱根というものがなくなった中で、自分がどれだけ頑張れるかという面での成長もあったと思いますし、それは社会に出て新たな目標を見つけるときに大事な力になってくると思うので、この4年間での経験は大きなものだったと思います。

――箱根に出るメンバーに向けて何と声を掛けますか

僕よりも質の高いポイント練習や練習を積んできた16人がメンバーで選ばれていると思うので、僕や他のメンバーのきょうの走りを励みにしつつ、たくさんの人に注目されるので最高のパフォーマンスを出してほしいと思います。

遠藤宏夢(商3=東京・国学院久我山)

――今の気持ちはいかがですか

組トップもチーム内トップも取れなかったので、結果を見れば全然ダメだなという感じです。

――きょうのコンディションはいかがでしたか

走り出しは引っ張ってもらって6000メートルまでは余裕だったので、コンディション自体は問題なかったかなと思います。

――レースプランはどのように考えていましたか

ラスト3000メートルで逃げようと思っていたんですけど、なかなか体から動かなくてそこから大きくずれてしまいました。

――3500メートル過ぎから上に上がっていきました

力めずに前半は前の方を走れていたので、レースの進め方自体は良かったかなと思います。

――西田さんと並走している時の気持ちはいかがでしたか

西田さんは4年生のラストレースということでしっかり準備してくるだろうなと思っていて。自分もそれに負けないように2人で頑張ろうというふうに思っていました。

――並走している時は苦しそうでしたね

めちゃくちゃきつかったですね。

――離されてしまった時の気持ちはどうでしたか

本当にしんどかったんですけど、こういうレースなので、しっかり最後まで諦めないで走り切ろうと思って頑張りました。

――レース終盤はどのような気持ちで走ってましたか

諦めて弱い姿を選手とかにも見せたくないので、必死になって最後まで走ろうと思っていました。

――今年1年を振り返っていかがですか

Aチームで練習して、関東インカレ(関東学生対校選手権)全日本(全日本大学駅伝対校選手権)に出させてもらって1、2年よりも成長したと思える一方こういうふうなレースでは結果を出せないことが多く見られたので、まだまだそういう課題があると思います。自分を見つめて来年また活躍できるように頑張りたいと思います。

森田将平(スポ2=広島・修道)

――レースプランはどのようなものでしたか

僕自身、まだ1万メートルに不慣れなので、ペースメーカーがいるということで前の方についていって、最後や、スピードは他の選手よりあると思うので、自分の持ち味を出したレースができればいいのかなと思っていました。

――目標のタイムは

29分台を目標にしていました。

――実際のレース展開を振り返っていかがですか

僕自身に実力がなかったのもそうなんですけど、最初から一番後ろにいってしまったり、うまく乗り切れなかったかなというのがあります。

――課題や収穫はありますか

昨年1年間何もできずに、今年もちょっとずつは練習してたんですけど、ちょっとずつ虫食いというか、穴はありました。その詰めの甘さがレースにも出て、つきたいところでつけないであったり、ラストも全然上がらないだったり、1年の積み重ねが出たレースだったと思います。

――周りの声援が大きかったです

普通のトラックレースに比べて、距離も近くて観ている人も多くて、観ている人も自分の知っている人という状態で、アットホームなレースでした。良い意味でも悪い意味でもリラックスできたレースかなと思います。

――今年1年間を振り返っていかがですか

今年1年間は、体調不良や故障でうまく走れない1年になってしまいました。今年は夏合宿もみんなが練習している中、僕は何もできなくて。夏合宿をまだ一回もできていないので、夏合宿から集中練習まで何もできなかった1年間だと思います。

――今後の目標をお願いします。

来年は1つでも多くエンジを着たいです。レースに出ないといる意味もなくて、ただ記録会に出るだけだったらどこでもできると思うので、ワセダにいる意味を少しでも出せればいいかなと思います。

佐藤晧星(人1=千葉・幕張総合)

――初の1万メートルのレースでした

初めの5千メートルは先頭集団についていって狙い通り14分台で入りたいと思っていたので、そこまでは想定通りでしたが、そこから先頭集団につけなくなってしまい粘れなかったということが一番の反省点です。

――目標にしていたタイムはありましたか

走るからには29分台で走りたいと考えていました。

――何を考えて走りましたか

とにかくレース中はリラックスして走ることを心がけていました。

――初めての1万メートルで30分台でしたがタイムについてはどう考えていますか

率直にこれが今の自分の実力なのかなと感じました。昨日まではあまり調子は良くないかなと感じていましたが、いざ今日になってみるとアップの段階で調子の良い感じがしていて、レースの最中もかなりいい感覚で走ることができていました。でもその比較的コンデションの良い中でも離れてはいけないところで離れてしまったり、このタイムしか出せなかったというところで残念というか、これが現状の力だと感じました。

――今年1年の競技を振り返ってみていかがでしたか

自分は1年浪人して入学しているので、初めの頃は全然体力が戻らなくて、練習自体もポイント練習に入れない状況が続いていたのですが6月頃にポイント練習を初めてできて、7月には5千メートルでセカンドベストを出すところまできたので、自分が思っていた以上に高校時代の自分を取り戻せたて、さらにその上に行けたのではないかと思っています。

――浪人中に練習はどの程度できていたのでしょうか

浪人時代はあまり走ることができていませんでした。

――その1年を考えると今年はかなり色々な面で大きく変化があったと思います

12月に入ってからは何度か集中練習のメニューにも混ぜてもらって練習をしたのですがやはり力の差は感じました。1年間のブランクはありますが、それは競技の世界では言い訳にしかならないというのは理解した上で、それでも早稲田で走りたくて入部したので、まだ上のレベルまで行かなかければいけないと思いました。集中練習で刺激を受け、より強くそう思うようになりました。

――今年1年で成長したと感じるポイントはありますか

距離を踏めるようになったということは確実に成長していると思います。集中練習でも長い距離の練習はしっかりとこなすことができました。しかしまだそこにスピードが伴って走ることができていないのでそこが今後の課題だと思います。

――来年の目標はどういうことを考えていますか

やはり来年は箱根のメンバー争いに加わりたいという思いがあります。そのためにはこのままではダメですし、人一倍努力をしなければいけないと思います。そこの目標は今後もブレずにコツコツとやっていきたいと思っています。