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バレーボール部

2018.11.26

全日本大学選手権 11月26日~12月2日 墨田区総合体育館ほか

全日本大学選手権展望

 いよいよあすから、全日本大学選手権(全日本インカレ)が始まる。早大は連覇を狙う優勝候補の筆頭だ。『日本一』になるまでに必要な、6つの勝利。センターコートへとたどり着くためにどのような試練が待ち受けているのか。そして優勝へのカギは。今季の早大を振り返るとともに、順を追って見ていこう。

 昨年の全日本大学選手権で優勝を飾り、早大は『学生王者』として今シーズンを迎えることとなった。春季関東大学リーグ戦が始まり、早大は順調な滑り出しを切った。第2戦の順大戦以降7試合連続のストレート勝利。リーグ途中で行われた黒鷲旗全日本男女選抜(黒鷲旗)ではV・プレミアリーグ(現V.LEAGUE1)に所属する格上チームを幾度となく追い詰め、観客を魅了する大熱戦を繰り広げた。再開したリーグ戦でも勝利を積み重ね、最終戦では昨年度全日本インカレ準優勝の筑波大とのフルセットの激戦を制し、見事に全勝優勝を飾った。そして、藤中優斗主将(スポ4=山口・宇部商)、小林光輝副将(スポ4=長野・創造学園)ら主力メンバーが教育実習などで不在となり、なかなかチーム練習ができない中で臨んだ東日本大学選手権(東日本インカレ)。しかし、他の4年生や武藤鉄也(スポ3=東京・東亜学園)ら3年生がしっかりチームを取りまとめて順調に勝ち進むと、準決勝の相手は春季リーグ戦でも苦戦した日体大。勝負はフルセットにまでもつれ込んだ。ファイナルセット、13-12と拮抗する場面で鵜野幸也(スポ4=東京・早実)が値千金のサービスエースを放ち勝負を決めた。迎えた中大との決勝戦、攻めたサーブと中大のセンターへの厚いマークで自由な攻撃をさせなかった。3-1で勝利し、東日本インカレのタイトルも勝ち取った。

鵜野のサービスエースで喜ぶ選手たち

 そして、試練となった秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)。「勝ちはするものの、自分たちの納得のいくバレーボールができない」というもどかしい時間が続いた。その原因は「連勝が続いてしまったこと」。勝たなければならない、絶対に負けてはいけないというプレッシャーに何度も襲われ、思い通りにバレーボールができない。勝てば勝つだけ重圧が募り、苦しい試合となってしまうというジレンマの中、ついにその時はやって来た。日体大に敗れたのだ。ただただ涙を流すしかなかった。しかし、その敗北を選手は力に変えた。ミーティングや基礎練習を重ね、早大がやりたいバレーボールを必死に追求。妥協は一切許さなかった。今まで選手を縛り続けてきたプレッシャーから解放され、2週間後から再開した試合では伸び伸びしたプレーで順大に快勝。続いて中大にも勝利し、早大は強さを取り戻した。優勝決定戦となった最終戦では、筑波大を圧倒。見事に逆転優勝をつかみ取り、選手たちに笑顔が戻ってきた。

筑波大戦では、選手たちに何度も笑顔が見られた

 今年度主将を務める藤中は、『安定感』という言葉が最もよく似合う。ディグやサーブレシーブの安定性はもちろん、コースを狙ったスパイクでも高い決定率を残している。後輩や同期へのフォローも怠らないキャプテンシーも際立っている。今年度のセッター賞を総なめにしている副将の小林はスパイカーが打ちやすいトスを常に供給し、司令塔としての冷静な判断力が磨かれた。昨年度から唯一変更となったスタメンが鵜野幸也(スポ4=東京・早実)は、シーズン序盤はサーブで狙われて思うような攻撃ができないことも多かったが、春秋を通じて500本以上のサーブを受けたことにより守備力も向上。パスを返してから攻撃に参加することが当たり前になった。昨年から高い決定率を残し続けている武藤は上級生として後輩への気遣いも多く見せてきた。「身長が他のセンターに比べて無い分、筋力や技でカバーしている」という言葉の通り、コートの穴をねらったスパイクで得点を量産している。堀江友裕(スポ3=和歌山・開智)の代わりに秋から正リベロとしてコートに立つ村本涼平(法3=京都・洛南)は、持ち前のセンスに加えてディグの精度が向上。不動のライトとして活躍を見せる宮浦健人(スポ2=熊本・鎮西)は昨年よりも力強さが増し、スパイクでは轟音を響かせる。村山豪(スポ2=東京・駿台学園)はサーブ、ブロック、スパイクとどのプレーをとっても申し分のない活躍を見せた。そしてリザーブメンバーの中野博貴(教4=東京・早実)、前田真治(政経4=京都・洛南)は常にチームに気を配り、ピンチサーバーとして出場する宮下諒大(社4=東京・早実)はこれまで何本も流れを変えるサーブポイントを奪ってきた。中村駿介(スポ2=大阪・大塚)、上條レイモンド(スポ1=千葉・習志野)、吉田悠眞(スポ1=京都・洛南)や北川諒(教1=東京・早実)といった下級生の層も厚く、いつでもコートに立つ準備はできている。忘れてはならないのが、スタッフ陣。熊野秀人主務(スポ4=大阪・河南)や正本和(社4=岡山・就実)などの徹底されたマネジメントやデータ分析も早大の強力な武器だ。まさに『全員バレー』でこの全日本インカレに挑む。

 初戦では札幌大と対戦し、順調に進めば準々決勝で近大と戦うことになりそうだ。関西特有の速いバレーと思い切りの良さに注意して、近大に主導権を握らせない展開に期待したい。そして決勝戦では筑波大や日体大を含む山の勝者と対戦することになる。筑波大は樋口裕希(4年)、日体大は高梨健太(4年)を中心とした手堅いバレーボールを展開してくる。しかし、どの大学が相手になろうともやることは変わらない。与えられた役割をこなすこと。チームで決めたやるべきことを果たすこと。昨年の秋から今年の秋まで、1年間負けなかったチームの強さはここにある。6つの勝利を積み重ねた先に待っている栄冠を、今年もつかみ取るのは覇者・ワセダだ。

(記事 松谷果林、写真 松谷果林、杉山睦美)