ラグビー部
2018.11.03
関東大学対抗戦 11月4日 対帝京大 東京・秩父宮ラグビー場
帝京大戦展望
今年もまた、勝負の時がやってきた。関東大学対抗戦(対抗戦)4試合を終え、全勝の早大。次戦は、いよいよ帝京大戦である。全国大学選手権10連覇を懸けるシーズンを迎えている王者・帝京大。早大は2010年を最後に、対抗戦での帝京大戦の白星から遠ざかっている。しかし、今夏の菅平でのオープン戦では、早大が帝京大に勝利しており、両者の地力の差は決して大きいものではない。王者に土をつけ、悲願の頂点へ向かうために、早大に求められることとは何か。
帝京大にとって、前節の慶大戦は薄氷の勝利だったと言えるだろう。慶大に先制トライを許し、立ち上がりの不安を露呈。後半はまさかの無得点に終わり、慶大に5点差まで迫られた。しかし、本調子とは言えない中でも、競った展開で勝ちきれる強さが、帝京大にはある。相手のわずかな隙を見逃さず、スピードと忠実なパス回しでチャンスをものにできるのが、王者たるゆえん。慶大戦では、前半の短いアタックの時間に一気にトライを奪ったことが、結果的に勝因となった。FB竹山晃暉主将(4年)のプレーは目立つが、CTB尾崎泰雅(3年)など他のBK陣も引けを取らない。さらに、帝京大の強みは決してBK陣だけに留まらず、突破力のあるフォワード陣が名を連ねていることだ。竹山の正確なプレースキックも、帝京大のしたたかな試合運びを支える。
強力なフィジカルでアタックをけん引するCTB中野将伍(スポ3=福岡・東筑)
早大が試合を優位に進めるためには――。やはり、是が非でも開始10分までに先制トライを奪いたいところだ。帝京大の立ち上がりの不安を突き、王者の牙城を崩したい。前節の日体大戦でマンオブザマッチに輝くなど、調子を上げてきたSH齋藤直人(スポ3=神奈川・桐蔭学園)を起点に、リズミカルなアタックでフェーズを重ねられれば、帝京大のディフェンスラインにもスペースが開いてくるはずだ。また、ペナルティーは可能な限り避けたい。日体大戦では、序盤にペナルティーを多発させ苦しんだ早大。勝利を収めた夏の帝京大戦でも、後半はペナルティーが連続し、長時間にわたり自陣でのプレーを迫られた。規律を保ち、マイボールポゼッションを高めたいところだ。さらに、敵陣ゴール前でのセットプレーも大きな分水嶺となる。慶大は帝京大戦、終盤に何度もゴールラインへと迫ったが、マイボールラインアウトを立て続けにスチールされるなど、不安定なセットプレーで流れをつかみきれなかった。一方、早大は前節で、安定したラインアウトからモール攻撃に持ち込みトライにつなげている。王者への挑戦でも、さらなる確実性が求められる。
夏の歓喜の再現、なるか
終盤にリードを奪っていれば、帝京大は小刻みにつなぎボールを保持し続ける。そうした落ち着き、試合展開を見て最適な選択ができる点が、王者・帝京大の強さだ。とはいえ、早大との力の差は、確実に縮まってきている。序盤からペースをつかみ、終盤に王者を焦らせる展開とできるか。100周年を迎えるワセダラグビー。長らく続く『帝京一強』時代に待ったをかけ、新時代への扉を開きたい。
(記事 元田蒼、写真 石塚ひなの、石名遥)
早大メンバー | |||||||||
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背番号 | 名前 | 学部学年 | 出身校 | ||||||
1 | 鶴川 達彦 | 文構4 | 神奈川・桐蔭学園中教校 | ||||||
2 | 宮里 侑樹 | スポ4 | 沖縄・名護商工 | ||||||
3 | 小林 賢太 | スポ1 | 東福岡 | ||||||
4 | 三浦 駿平 | スポ3 | 秋田中央 | ||||||
5 | 下川 甲嗣 | スポ2 | 福岡・修猷館 | ||||||
6 | ◎佐藤 真吾 | スポ4 | 東京・本郷 | ||||||
7 | 幸重 天 | 文構3 | 大分舞鶴 | ||||||
8 | 丸尾 崇真 | 文構2 | 東京・早実 | ||||||
9 | 齋藤 直人 | スポ3 | 神奈川・桐蔭学園 | ||||||
10 | 岸岡 智樹 | 教3 | 大阪・東海大仰星 | ||||||
11 | 古賀 由教 | スポ2 | 東福岡 | ||||||
12 | 中野 将伍 | スポ3 | 福岡・東筑 | ||||||
13 | 長田 智希 | スポ1 | 大阪・東海大仰星 | ||||||
14 | 桑山 聖生 | スポ4 | 鹿児島実 | ||||||
15 | 河瀬 諒介 | スポ1 | 大阪・東海大仰星 | ||||||
リザーブ | |||||||||
16 | 千野 健斗 | 人4 | 東京・成蹊 | ||||||
17 | 峨家 直也 | 商4 | 兵庫・報徳学園 | ||||||
18 | 土田 彬洋 | スポ2 | 茨城・茗渓学園 | ||||||
19 | 中山 匠 | 教3 | 東京・成城学園 | ||||||
20 | 沖野 玄 | 商3 | 北海道・函館ラサール | ||||||
21 | 貝塚 陸 | スポ4 | 東京・本郷 | ||||||
22 | 船越 明義 | 社4 | 東京・早大学院 | ||||||
23 | 佐々木 尚 | 社4 | 神奈川・桐蔭学園 | ||||||
◎はゲームキャプテン、※監督は相良南海夫(平4政経卒=東京・早大学院) |
関東大学対抗戦Aグループ星取表 | ||||||||
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帝京大 | 明大 | 慶大 | 早大 | 筑波大 | 日体大 | 青学大 | 成蹊大 | |
帝京大 | * |
11/18 14:00 秩父宮 |
11/4 14:00 秩父宮 |
12/1 14:00 熊谷 |
〇90-7 |
〇141-7 |
〇113-7 |
|
明大 |
11/18 14:00 秩父宮 |
* |
11/4 11:30 秩父宮 |
12/2 14:00 秩父宮 |
||||
慶大 |
11/4 11:30 秩父宮 |
* |
11/23 14:00 秩父宮 |
〇84-17 |
12/1 11:30 熊谷 |
〇68-14 | ||
早大 |
11/4 14:00 秩父宮 |
12/2 14:00 秩父宮 |
11/23 14:00 秩父宮 |
* | 〇55-10 | 〇68-10 | 〇123-0 | 〇99-5 |
筑波大 |
12/1 14:00 熊谷 |
●21-66 | ●24-35 | ●10-55 | * | 11/18 14:00
敷島 |
○73-31 | 11/3 14:00
上柚木 |
日体大 |
●7-90 |
●17-31 |
11/18 14:00 敷島 |
* |
11/3 11:30 上柚木 |
12/2 14:00 熊谷B |
||
青学大 |
●7-141 |
12/1 11:30 熊谷 |
●31-73 |
11/3 11:30 上柚木 |
* |
11/18 11:30 敷島 |
||
成蹊大 |
●7-113 |
●5-99 |
11/3 14:00 上柚木 |
12/2 14:00 熊谷B |
11/18 11:30 敷島 |
* | ||
※秩父宮は秩父宮ラグビー場、熊谷および熊谷Bは熊谷ラグビー場、帝京大Gは帝京大学百草園グラウンド、足利は足利市総合運動公園陸上競技場、江戸川は江戸川区陸上競技場、秋葉台は秋葉台公園球技場、明大Gは明大八幡山グラウンド、慶大Gは慶大日吉グラウンド、三郷はセナリオハウスフィールド三郷(三郷市陸上競技場)、筑波大Gは筑波大つくばグラウンド、敷島は群馬県立敷島公園サッカー・ラグビー場、味スタ西は味の素スタジアム西競技場、上柚木は上柚木公園陸上競技場。 |
関東大学対抗戦Aグループ順位表(11月2日現在) | |||||||||
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順位 | チーム | 試合 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失 | トライ |
1 | 帝京大 | 4 | 4 | 0 | 0 | 368 | 40 | 328 | 53 |
1 | 早大 | 4 | 4 | 0 | 0 | 345 | 25 | 320 | 52 |
1 | 明大 | 4 | 4 | 0 | 0 | 295 | 38 | 257 | 44 |
4 | 慶大 | 4 | 3 | 0 | 1 | 206 | 79 | 127 | 30 |
5 | 筑波大 | 4 | 1 | 0 | 3 | 128 | 187 | -59 | 19 |
6 | 日体大 | 4 | 0 | 0 | 4 | 51 | 273 | -222 | 7 |
6 | 成蹊大 | 4 | 0 | 0 | 4 | 26 | 390 | -364 | 4 |
6 | 青学大 | 4 | 0 | 0 | 4 | 38 | 423 | -385 | 6 |
勝ち数の多い大学を上位とし、勝ち数が並んだ場合は同順位とする。 |