合気道部

2018.10.31

第49回全日本学生競技大会 10月28日 東京・早大柔道場

4年生が躍動!名門ワセダの意地見せる

 早慶定期競技会から二週間経った10月28日、全日本学生競技大会が早大柔道場で開催された。4年生の引退試合となった今大会。早大は全種目優勝とはならなかったが、乱取個人戦では小池雄登主将(先理4=東京・巣鴨)、夛田実代女子主将(教4=埼玉・川越女)が2年連続のアベック優勝を果たすなど、富木合気道発祥の地・ワセダの意地を見せた一戦となった。

 乱取個人戦では早大の誇る4年生が躍動した。3人が出場した男子において準決勝に駒を進めたのは小池ただ一人。小池は昨年もこの大会の乱取個人戦を制しており、その肩書きを背負ってこの大会に臨んでいた。準決勝も2-1で勝利した小池は決勝で長谷川允重(明大)との勝負に。お互いに突有を決める接戦となり、前後半を終え4-4の同点で、勝敗は延長戦に持ち込まれることになった。昨年も延長戦を制していた小池はその経験を生かし冷静かつ積極的なプレーを見せる。短刀側の前半戦で相手の隙を狙い開始12秒で突有を三度決めた。ここで点差をつけた小池はそのまま逃げ切り、2年連続の優勝を果たした。足にテーピングを巻き万全な状態ではない中でつかんだタイトルだった。女子は夛田が実力を遺憾なく発揮し、圧倒的な差を付け決勝へ。「一試合一試合丁寧にやること」を意識してきた夛田は大内裕美子(明大)から多くの得点を奪うことはできずも、1-0で勝利。小池と同様に2年連続での優勝という結果に「仕事がちゃんとできてよかった」(夛田)と安堵の表情を見せた。

主将として一年間部をけん引してきた小池

 早大は演武競技でも見せ場をつくった。今大会は予選で4組を選出し決勝が行われた。男子は4組が出場し、そのうちの3組が決勝に進出。各組が座技、立技、自由技を披露し、白石尚之(法4=東京・巣鴨)・迫本和也(創理3=東京・早大学院)組が優勝を飾った。お互いの思うことを正直に伝え合うことでコミュニケーションを図ってきた二人は「練習が他のペアより積めていた」(白石)とその勝因を挙げた。女子は夛田・岡本珠紀(政経2=愛知・一宮)組が出場。結成してわずか1カ月程だという新生ペアは『綺麗さ』を求め練習してきた成果を発揮し、見事3位に入賞した。この好成績に「まさか入賞できるとは思っていなかった」と夛田は笑顔を見せた。

夛田は四年間道場に通い続け、自らの技術を磨き上げた

 対して、乱取団体戦は男女で明暗が分かれた。男子は早大は7年連続でこの部門を制しており、今年も好結果が期待された。優勝を意気込み、決勝まで順当に進む。決勝戦で迎えたのは38大会ぶりの団体戦勝利を目指す明大。先鋒・久木山翔吾(商4=東京・成蹊)が5-6と黒星を献上すると、続く次鋒・山浦良弘(文3=千葉・専大松戸)もなかなか技を決められず3-5で敗れてしまう。優勝に向け後がなくなった早大は4年生の中堅・金丸駿(文4=群馬・中央中教校)が冷静な短刀捌きを見せて白星を挙げ、反撃ののろしを上げる。しかし、続く副将の白石はなかなか攻め込むことが出来ず、指導を重ねて得点を許してしまう。逆転かなわずこの一戦を終え、早大の優勝は潰えてしまった。その後、小池が大将戦で勝利するも2-3で明大に王座を譲り、この結果に小池は「部員を引っ張りきれなかった自分の責任です」と唇を噛んだ。対する女子はケガ人が続出するという万全でない状況の中だったが戦い抜き、堂々の2位入賞を果たした。

 大会のトリとなる男子乱取団体戦こそ勝利を逃した早大だったが、4年生を中心に個人種目で優勝を総なめ。他にも4年生が活躍する場面が随所で見られた。この大会で4年生は引退となる。主将として一年間部をけん引してきた小池は後輩たちに「今後もワセダを勝たせてください」とエールを送った。伝統ある合気道部を今後は下級生が引っ張っていく。4年生の思いを受け継いだ下級生がさらなる結果を残してくれるに違いない。

(記事、写真 岡部稜)

OBも集まっての集合写真。今後は下級生の活躍にも期待がかかる

結果

▽乱取男子個人戦

小池 優勝

久木山 二回戦敗退

桂康洋(基理4=米国・ウォルタージョンソンハイスクール) 一回戦敗退

▽乱取女子個人戦

夛田 優勝

岡本 4位

久保友香(教2=東京・昭和女大昭和) 二回戦敗退

▽乱取男子団体戦

早大 2位

▽乱取女子団体戦

早大 2位

▽男子演武競技

白石・迫本組 優勝

小池・柏﨑組 2位

▽女子演武競技

夛田・岡本組 3位

コメント

小池雄登主将(先理4=東京・巣鴨)

――きょうの大会をどのような思いで臨みましたか

四年間の集大成ということで、全力を出して優勝することを目指していました。

――テーピングを足に巻いていましたが調子はいかがでしたか

万全ではなかったです。

――乱取個人戦では2年連続で優勝を果たしました

終始楽しめました。やはり真剣勝負はいいですね。

――決勝は大激戦となりましたが、相手の動きをどのように分析していましたか

後半の技による大量得点は難しいと考えていたので、前半で大きく点差をつけることを意識していました。狙い通りの試合展開ではありましたが、そのせいで後半の集中力を少し欠いてしまいました。延長に入ったときは昨年を思い出しました。その経験もあってか、相手より冷静にいられたと思います。

――演武では2位でした

1位を狙っていたので本当に悔しかったです。柏﨑(翼、基理2=茨城・清真学園)はよくやってくれました。

――乱取団体戦では優勝を逃してしまいましたが、振り返るといかがですか

対戦相手の方が勝ち対する思いが強かったように思えます。部員を引っ張りきれなかった自分の責任です。

――最後に、後輩に何か伝えたいことはありますか

自分はこの部が大好きでした。この部が勝つことが大きな喜びでした。今後もワセダを勝たせてください。

白石尚之(法4=東京・巣鴨)

――きょうは最後の大会だったと思いますが、どのような思いで迎えましたか

やるべきことはやり切ったかなというふうに思って。きのうの練習でもかなり自分の中で良い動きができていたので、良いイメージを持って大会には臨みました。

――きょうの調子はいかがでしたか

きょうの一戦目で帝京の方と当たったときに、ちょっと浮ついているかなという感じがあって。自分の癖としてそういったところがあったんですけど、その浮ついていることを自分の中で感じていたので、それを修正しなきゃいけないのかなと思いながら競技をしていました。

――演武では優勝を飾りましたが振り返ると

演武に関しては1年生の頃から思い入れがあります。先輩の受けをさせていただいて、自分が徒りをして。2年生の秋頃にうまくいかない時があって、そこからケガもあり、しばらく競技自体できない日が続いたんですけど、その中でもペアの迫本くん(和也、創理3=東京・早大学院)がちゃんと付いてきてくれて。彼がケガをしないので、そういう点で練習をしっかりと他のペアよりも積めていたのかなと思います。

――迫本選手とはどのようにコミュニケーションをとっていたのですか

普段の日常生活でそこまでプライベートまで関わっているわけではないんですけど、思っていることを正直に伝えあうようにしていました。自分が何か違うなと思ったときはそれを迫本に言ってましたし、彼がすごい自分の駄目な所を言ってくれて。「そこは違います」とか「その技は効いていません」というふうに彼がすごく真摯(しんし)に僕に対して向き合ってくれたので、そういった意味でコミュニケーションというか、お互いに正直であった点が、自分たちのコミュニケーションの秘訣だったのかなと思います。

――乱取団体戦では副将として臨みましたが、プレッシャー等はありましたか

そうですね。みんなの思いを背負って、自分が絶対に勝たなきゃいけない場面、例えば自分たちがなかなか経験したことがなくて、とにかくみんなの顔を見て、平常心であるように努めたんですけど、小池(雄登主将、先理4=東京・巣鴨)がすごく笑顔で話しかけてきてくれたので、そこでどうにか平常心を保とうとはしていました。

――先程「うわついた部分があった」と仰っていましたが、団体戦での動きはいかがでしたか

前半戦に関しては、短刀が捌けてはいたので、そういった点で前半は修正ができていたとは思うんですけど、後半戦になって、どうしても逃げに行ったというか……。攻める思考ができなかったというか、守りに入り過ぎたのがあって、そういった点で差が出たのかなと思います。

――白石選手の四年間を振り返るといかがですか

本当に自分自身良い経験をさせていただいていて。それは脈々と受け継がれてきた伝統に自分が身を置けたのが、喜ばしいことかなと思います。その流れを自分も継いでいけるように、何が残せるのかわからないですけれども、これから関わり続けたいなと思います。

夛田実代女子主将(教4=埼玉・川越女)

――早慶定期競技会から二週間でこの大会を迎えましたが、調子はいかがでしたか

早慶戦の4日前ほどに肩を脱臼してしまって、全然調子が良くなくて大変でしたね。

――その状態の中で今大会の目標は

勝ち負けが全てじゃないと思っていたので、一試合一試合丁寧にやっていきたいなというのが目標でした。

――乱取では早慶戦の際に体捌きに課題があると仰っていましたが、きょうの動きはいかがでしたか

捌けていたかなというように思います。当て身などはまだ捌き切れていなかった感じがあるんですけど、短刀はよく捌けていたと思うので、課題は克服したような気がします。

――優勝して今どのようなお気持ちですか

終わったなというか、ホッとした感情があります。勝たなきゃいけないというか、私の仕事はそれだと思っていたので、仕事がちゃんと出来てよかったという感じがしています。でも自分としては勝ち負けとか何位とかよりも、自分の合気道ができたらいいなと思っていたので、それが出来ただけでよかったです。優勝という順位に対する感想はそんなにないです。

――乱取団体戦ではギリギリのメンバーの中で2位に入りました

2年生にはすごく感謝していて、4年は自分ひとり、3年生もケガをして出られない状況だったので、2年生にはすごく負担をかけてしまったんですけど、そういう中でも最後までコートに立ち続けてくれたので、それは本当にありがたいと思っていて。もう2位とか、悔しいとかそういうものではなく、純粋にありがたいなと思っています。

――演武は岡本珠紀選手(政経2=愛知・一宮)と組んで3位に入賞しましたが振り返ると

まさか入賞できると思っていなくて、結成してから一カ月くらいしか練習する時間がなかったので、(岡本は)2年生ですし、受け身もまだそこまでレベルに達していない時期だと思うので、まさか入賞できるとは思っていなかったです。今回はコンセプトを変えてみて、速さなどではなくて、綺麗さを求めようと思って二人で一緒にやってきたので、それがよく表現できたかなと思っていて、よかったと思います。

――きょうで最後の大会だったと思いますが、四年間を振り返るといかがでしたか

合気道は好きなんですけど、合気道部に対しては好きとか嫌いとか、そういうものではなくて、大変なことやつらい思いをしたこともたくさんあるんですけど、それでも道場に通い続けることを決めたので、部にいたということで、それを四年間全うできてよかったなと思います。

――女子選手には後輩がたくさんいますが、何か伝えたいことはありますか

ちょっと女子選手は気持ちが折れちゃう人が多いかなと思っているので、つらいこともあるんですけど、振り返ってみれば大したしたことないので(笑)。めげずにコツコツ頑張ってくれたらいいなと思っています。1、2、3位とか、汚い勝ち方をしようと思えば、すぐ取れると思うんですけど、そこじゃなくて良いものを見せてほしいなという気持ちがあるので、それを追求していってほしいですし、その結果負けたとしても構わないということを後輩には言いたいです。