バレーボール部

2018.10.24

秋季関東大学リーグ戦 10月21日 埼玉・大東文化大東松山キャンパス

苦しみの末に成し得た栄冠 『粘り』の早大復活を告げる大金星

 森佳央理主将(スポ4=群馬・高崎女)のスパイクがコートを貫き、ボールが跳ね上がる。その瞬間秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)優勝が決まった。総当たり戦を全勝したものの、先週臨んだ上位リーグ戦でまさかの二連敗を喫した早大。この日も第1セットにミスが散見され流れに乗り切れず落としてしまう。しかし、そこから選手の目の色が変わった。これまでの試合で苦しんだディフェンス面で持ち前の『粘り』を発揮し、それ以降の3セットを連取。セットカウント3ー1(17ー25、25ー20、25ー23、25ー21)で追い上げる江戸川大を振り切り、悲願の1部昇格へ向け歩みを進めた。

  第1セット、先制したのは早大だった。富澤結花(スポ3=東京・文京学院大女)のスパイクが幸先よく決まる。そこから連続得点を奪い、先週の悪い流れを断ち切ったかに思えた矢先、突然の5連続失点。なんとか立て直したい早大だったが、サイドアウトを一発で決めきれない。その後も相手のスパイクを止められず17―25。選手たちの表情が陰りを見せる。しかし、あくまで心は前を向いていた。「第1セット取られたことで振り切れた」。森の言葉通り、第2セット徐々に早大本来の『粘り』が戻って来る。河治えみり(社2=北海道・旭川実業)を中心に先週苦しんだサーブレシーブを的確に橋本美久(社1=福島・郡山女大附)に返し、センターラインを再建。さらにレフトから植松知里(文構2=香川・高松第一)が効果的に得点を決めていき江戸川大を突き放す。後半は終始江戸川大を圧倒し、勢いをつけてこのセットを奪還する。

抜群のレシーブを見せ、ベストリベロ賞に輝いた河治

 第3セットでもその勢いは止むことはない。この秋季リーグ戦を通して早大の武器となった多様な攻撃のバリエーションで敵をあざむく。江戸川大の早いトス回しからくりなされる攻撃に押されかけるもピンチサーバー利根川智緩(スポ3=埼玉・星野)のサービスエースが決まるなど流れを明け渡さない。中盤以降は一点を取り合うシーソーゲームの様相を呈するも森、富澤が互いに点を取り合い逃げ切る。第4セットは圧巻だった。序盤に7連続得点を奪い試合を席巻。秋季リーグ戦でスパイク決定率の高い井上裕利恵(スポ2=岡山・就実)が安定の決定力を見せる。江戸川大の猛追はあったものの最後はこれまでチームを引っ張り続けた主将森が右腕を一閃。苦しんだ末に掴んだ栄光にコート上は歓喜と安堵の入り混じった表情にあふれていた。

歓喜に湧く選手たち

 早大の優勝で幕を閉じた秋季リーグ戦。優秀選手賞、ベストスコアラー賞に森、リベロ賞に河治が選ばれるなど個人の活躍も光った。しかし、それを成し得ることができたのは一人の力ではない。選手全員がバレーと向き合い、自分の役割を全うする中で成長を続けたからこそ個の選手は一層輝きを放った。「チーム全員を褒めたい」。この馬場監督(平8人卒=京都・洛南)の言葉に全員バレーで成し得た栄冠であることが集約される。しかし、この秋に掲げた『全勝優勝、1部昇格、ベストサポート賞獲得』の3つの目標はまだ一つも遂行されていない。残る目標は絶対使命である『1部昇格』。苦しみを乗り越え戴冠を果たした選手たちに死角はない。春に流した悔し涙を歓喜の涙に変えるため、選手たちは誇りを懸け入替戦にいざ臨む。

(記事 遠藤伶 写真 斉藤俊幸)

セットカウント
早大 17-25
25-20
25-23
25-21

江戸川大
スタメン
レフト 富澤結花(スポ3=東京・文京学院大女)
レフト 植松知里(文構2=香川・高松第一)
センター 森佳央理(スポ4=群馬・高崎女)
センター 斎藤友里(スポ1=千葉・敬愛学園)
ライト 井上裕利恵(スポ2=岡山・就実)
セッター 橋本美久(社1=福島・郡山女大附)
リベロ 河治えみり(社2=北海道・旭川実業)
最終結果

優勝 8勝2敗

試合後、優勝の喜びをかみしめる選手たち

個人賞

優秀選手賞 森佳央理主将(スポ4=群馬・高崎女)

ベストスコアラー賞 森佳央理主将(スポ4=群馬・高崎女)

リベロ賞 河治えみり(社2=北海道・旭川実業)

コメント

馬場泰光監督(平8人卒=京都・洛南)

――秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)優勝です。どういうお気持ちですか

やり残したことはいっぱいあるかなという感じです。きょうはなんとか勝ちましたけど、上位リーグが始まってからチームがつまずき負けが続いてしまって、総当たり戦で全勝できたことが慢心につながってしまって、上位リーグに向かうに当たって0スタートができなかった。これは私のマネージメントの課題かなと思っています。

――先週の二敗からどのようにチームをまとめましたか

選手同士がよく話をしてくれて、慢心の部分であったりとかしっかりやるべきことをやりきるだとか、そういったところの切り替えは学生自身がよくやってくれたと思いますし、そこにコーチスタッフ陣も全力でサポートしてくれたこういった結果に繋がりました。

――きょうの試合ではキャッチの精度、フェイントの対処であったりと改善が見られた試合でした

先週の土日の試合でかなりフェイントを落とされて、学生自身はどういうフォーメーションがいいとか対応策に追われていたんですけど、そういった対応策よりかはもともとこの秋季リーグ戦に向けて何をやってきたか。前後の動きだよね。一つ一つ球に食らいつくことだよね。そういうところを見直すことができたからこそ、きょう上手くコートの中で選手たちが表現してくれたんだと思います。

――多くの成長が見られた秋季リーグ戦だったと思います。その中で最も収穫にあげられることはなんですか

みんなの結束力だと思います。1年生から4年生まで学年関係なくみんな思ったことを言い合っているし、やらないといけないと思ったことは自発的に提案しているし、そういった風に学生主体でやってくれた結果じゃないかなと思います。我々スタッフはただ見守っているだけですのでそういった中で学生たちはよくやってくれたと思いますけど、まだ終わってません。目標としていたことは何も達成されていません。全勝優勝しようとかベストサポート賞を取ろうとか何も目標は達成できていないわけで残された目標は1部昇格なので来週の土曜日までに雰囲気を立て直すくらいしかできませんけど、そこを最大限に集中して最後の一戦に臨みたいと思います。

――森選手、河治選手が個人タイトルを獲得しました。個々の選手の活躍をどう評価されていますか

森が最後得点を決めるためには、その前段で拾う人がいます。また河治も拾うためにはフォーメーションが成り立ってみんなの約束事があってその結果だと思うんですね。なので個人としても褒めてあげたいですけどそれ以上にそれを支えたチーム全員を褒めたいと思います。

――来週の入替戦に向けての意気込みをお願いします

あまり結果にこだわらず、今できることをしっかりやりきってもらいたいし、その雰囲気を一週間作っていきたいと思います。頑張ります。

森佳央理主将(スポ4=群馬・高崎女)

――秋季関東大学リーグ戦優勝です。率直なお気持ちをお願いします

それは素直に嬉しいです。リーグ戦始まる前に全勝優勝、一部昇格、ベストサポート賞っていうのを掲げてやって来て、先週二敗してしまい全勝優勝は絶たれてしまったんですけど、優勝することができてひとまず嬉しいです。だけど、自分たちの本当の戦いは来週なのでそこに全員がコンディションを持っていけるように、きょうの試合でみんな出し切って疲労も溜まっているんで、まずはケアをして来週に臨みたいです。

――先週まさかの二敗を喫しました。どのようにチームを立て直しましたか

自分たちの課題を出し始めたらきりがなくて、それは自分たちだけじゃなくてどこもそうだと思いますけど、やっぱりこの一週間で例えば狙われていたライトレシーブが上手くなるかと言われたらそんなにすぐに上手くなる訳ではないし、レシーブ体形を変えてもすぐにできるようになる訳ではないので、それならば入替え戦で負けてからずっとやって来たキャッチの精度であったりブロックフォローの粘りや前後の動きの早さなどにこだわってやっていこうということで特別な練習はせずに今までやって来たことを思い出してそれを出し切ろうということでやってきました。

――先週の試合からブロックやフェイントへの対応が大きく改善されていたと思います

本当にそこはこの一週間やってきて良かったと思います。特にライトの植松(知里、文構2=香川・高松第一)のチョロケアとかブロッカーが周りで自分でかけたりとか、それが先週全然できなくて乗り切れないところがあったのですが、そこをしっかり1本目取り切れたし、それを3本目の人が気持ちのこもったスパイクを打ち切れていたなと思います。一番良かったのはキャッチだと思います。今まではAキャッチが差し込まれたサーブが多くてどうしてもアタックライン上くらいに返ってセンター線を使えなかったのですが、きょうはそれをちゃんと白帯まで持って行ってセッターの美久(橋本、社1=福島・郡山女大附)もセットアップを頑張ったので速攻を展開できたのかなと思います。

――攻撃のバリエーションが増えた試合でした。攻撃面を振り返っていただけますか

1セット目はやはり攻撃面で淡白になっていて、ここ4戦ぐらいは裕利恵(井上、スポ2=岡山・就実)の打数が少なくて、すごく決定率も高くていいコースに打つのですが、打数が少ないので相手もそこまでマークしてない選手だったので敢えてきょうは裕利恵を使って行けというのは美久にはずっと言っていて、マークのつく友里(斎藤、社1=千葉・敬愛学園)に対してはなるべく良い形で決めさせようということを話していて、切り返しからのいい形やラリー中の早い展開とかでセンター線を使って、なるべく井上にはノーマークで飛ばせて決めさせようということを本当にみんながやってくれたので素晴らしかったと思います。えみり(河治、社2=北海道・旭川実業)もここぞという時の気迫のあるレシーブがあったし、友里もブロック頑張ってくれたしみんなが頑張ってくれました。

――きょうの最後はやはり森さんの得点でした

そうですね、みんながそれまでやってきてくれていたので私もやらないと、という気持ちでした。

――秋季リーグ戦を振り返っていかがですか

最初の2戦は結花(富澤、スポ3=東京・文京学院大女)が入っていなくてどうなることやら、というところから始まったのですがリーグを通してチーム力が上がっていったなと思います。実際リーグに入る一週間くらい前にこれにしようと決めて、結花も怪我をしてできなくてという感じだったので本当にリーグを通してチームが出来上がっていった感じがあります。先週二敗したことで慢心してしまっていた部分をみんながもう一回自分自身を見つめ直して頑張ろうという気持ちになって、それがチームとして一つになったかなとと思います。その結果がこの優勝につながったと思います。私自身は本当に苦しい時にみんなに助けられました。決めないと決めないとと思っていたところで後輩がここぞというところで決めてくれたり自分は特に前3つしかやらないので。決めるべきところで決めないと行けないというのは4年としてやらないといけないところだと思うのでそこは責任を持ってやっていたのでそこで決め切れたのは良かったです。

――来週の入替戦に向けて抱負をお願いします

7回目の入替戦になるので個人としては帰ってきたなという感じなのですが、今までの集大成をしっかりと出せるように、でもガチガチにならないようになるべく後輩にはいい雰囲気のまま臨んで欲しいのでその環境作りだけは頑張っていこうと思います。

橋本美久(社1=福島・郡山女大附)

――苦しんだ末の優勝ですが今の気持ちを教えてください

全勝優勝をかけて挑んだリーグ戦だったのですがリーグの最後の2戦で負けてしまって、そこから絶対に負ける訳にはいかないということで必死に皆で練習してからのきょうの勝利だったのでほっとした気持ちと嬉しい気持ちがあります。

――2連敗からの1週間、どのように修正してきましたか

勝ち進んでいくに連れてチームとしてどんどん新しい事にチャレンジしようという雰囲気になっていたのですが、そこを初めから徹底してやってきた早く下がるであったり早く構えるであったりフォローなど基本的な所に戻ってもう一度徹底してきました。

――秋のリーグを通してチームとしての成長は感じていますか

佳央理さん(森主将、スポ4=群馬・高崎女)、結花さん(富澤、スポ3=東京・文京学院大女)、友里(斎藤、社1=千葉・敬愛学園)などに頼る事が多かったのですが、他のアタッカーが打つことも増えてより一層チームとして点を取る、勝利を目指すようになってきたと思います。

――攻撃のバリエーションも増えてきたように見えますが

集めてしまうとボールも偏っちゃうので勝つために散らしていこうというのは初めから考えていてそれが少しずつはできていたと思います。

――やはり最後は森主将が決めました

その前のキャッチあたりから「私に持ってきて」と言って下さっていたので安心してトスを上げ続けることができていました。

――入替戦に向けて意気込みをお願いします

挑戦者として挑むための切符を与えてもらうことができたので、あと1週間また全員でこだわるところはしっかりこだわって、皆で勝に行きたいと思います。