準硬式野球部

2018.10.16

東京六大学秋季リーグ戦 10月15日 早大東伏見グラウンド

悲劇の延長12回。2点本塁打を打たれ、優勝を決められず/慶大2回戦

慶大2回戦 10 11 12
慶大
早大
(早)大津、前田、●江藤-吉田

  打球が大きな弧を描き、右翼スタンドへと吸い込まれていく。慶大側からは歓声が上がり、マウンドの江藤健太(教3=早稲田佐賀)はがっくりと肩を落とし、膝に手を付く。「まだ終わってないから」と応援席のチームメートからの激励の声が響く。優勝を懸けた慶大2回戦延長12回表。もう日没か、という暗さの中、慶大・市野沢文太(3年)にきょう2本目となる2点本塁打を放たれ、自力優勝の可能性は散っていった。

  初回、相手投手は不安定な立ち上がりとなったが、そこを攻めきれず無失点に終わる。先制したのは3回。無死満塁のチャンスを作り中軸に回すと、3番・永井隆太(スポ4=石川・七尾)と4番・関大輝(基理1=茨城・江戸川学園取手)の犠飛などで2点の先生の成功。しかし5回、2死走者無しの状況から出塁を許すと、続く市野沢に2点本塁打を打たれ、逆転を許してしまう。打たれた先発の大津杜都(文構2=東京・宝仙学園)はマウンドにしゃがみ込み、顔を伏せてしまった。それでもその後を変わった前田直輝(スポ3=熊本)が無失点で抑えると、6回に犠飛で同点に追い付き、そのまま両校無得点で延長戦へと突入した。

打たれた大津

  サヨナラ勝ちの絶好のチャンスが到来したのは11回。先頭で今季は不振に苦しむ池上倫平副将(政経4=東京・早実)が出塁すると、次打者も安打でつなぎ、無死一、二塁に。ここで、慶大は投手をエースの村石就昭(4年)にスイッチ。それに応じて、早大は徳島有樹(スポ4=早稲田佐賀)に代え、好調だという曽我光(法4=東京・早大学院)を送る。犠打も考えられる場面だったが、ここで早大ベンチは強行。しかし、三振に倒れてしまう。それでも続く吉田龍平(スポ3=東京・小山台)が安打でつなぎ、1死満塁というサヨナラ勝ちの絶好のチャンスが到来する。ここで、打席には代打・渡部椋雅(商1=神奈川・桐光学園)。初球をとらえ、いい当たりが飛んだが、惜しくも遊撃手の正面に。慶大のエース村石の意地もあり、勝ち越せずにこの回を終えると、次の12回に決勝打となる2点本塁打を許し、そのまま敗戦した。

決勝点となる2点本塁打を打たれた江藤

 「あと少しずれていれば」(池田訓久監督、昭60教卒=静岡・浜松商)。野球の神様は意地悪だ。11回の渡部の一打はあと少しずれていれば勝ち越し打となり、優勝が決まっていただろう。それでも、その小さな差で勝敗が左右されてしまうほど、きょうの両校は競り合っていたのだ。もちろん、守備のミスから生まれてしまった失点もあり、反省点もあるに違いない。あの時違った選択をしていれば、と思うこともあるだろう。市野沢との勝負に関して明確な指示を出していれば、二本目の本塁打は四球で済んだかもしれない、と監督は試合後に後悔を口にしたが、それもすべて結果論でしか語ることはできない。打たれた江藤や監督に責任を求めるのは酷だろう。きょうは適時打も長打も1本もなし。無失点で粘り続けた投手陣を援護できなかったことも敗因の一つであり、まさにチームの負け、という事だろう。これで自力優勝の可能性は散ってしまったが、あすは勝ち点を収め、次週の法大の結果を待ちたい。

(記事 金澤麻由、写真 岡秀樹、望月優樹)

コメント

池田訓久監督(昭60教卒=静岡・浜松商)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

うーん・・・悔しいなという一言に尽きますね。勝てた可能性もあったな、と。ただ、市野沢くん(文太、慶大3年)一人にやられてしまったという感じだったので。彼をどうしようかという話は事前にベンチでしていたんです。1本目(の2点本塁打)を打たれたときに、次からはランナーがいたらとにかく歩かせようと。(塁が)詰まっていても、場合によって敬遠もありだなという話もしていたんですけど、(決勝2点本塁打を放たれた打席は)ちょうどピッチャーも代わったところでしたし、江藤(健太、教3=早稲田佐賀)の気持ちも含めてというところだったんですけど。ただ私が、もう少しきちっと「くさいところで歩かせてもいい」という話をしていればフォアボールで済んだかもしれないです。後のバッターがどうなったかは分からないですけど、指示を徹底しておけば、というのが今の反省です。

――5回で登板した前田投手が11回まで投げました。途中でピッチャーを代えるという選択肢はありましたか

なかったですね。前田も調子が良かったので。この春から彼はすごく成長していて、清瀬杯(清瀬杯全日本大学選抜)でも彼の頑張りで優勝できたというのもありましたので。その意味で中継ぎ、抑えとしてはチームの中で信頼感が一番で、球数も多くは投げていたんですけど、まだボールに勢いもあるという印象を持っていたので、代える選択肢はなかったですね。勝負どころが来たら(代打を出して)代えようとは思っていて、渡部を出したところがその場面でした。あと少しずれていたらサヨナラだったんですが・・・。

――12回に久郷太雅投手(創理3=静岡・沼津東)ではなく江藤投手をマウンドに送った判断はどのような理由からですか

それはもう、予定通りです。前田、江藤という継投は予定していたので。

――11回裏の攻撃で、無死一、二塁の場面で犠打ではなく強硬策を取ったのはどういった理由からですか

バントも当然ありました。ただ曽我(光、法4=東京・早大学院)の調子が非常に良かったので、本人にも確認をして「いきます」ということで。相手投手(村石)の気迫が上回ったということだったと思います。

――渡部選手を代打に選んだ理由は何でしたか

やはりこの前の立大戦でも打っていましたし、彼は非常に勝負強いというイメージが私の中にあったので、私の判断で渡部に決めました。彼は試合に臨む気持ちがいいですね。代打を告げた時、彼は「ありがとうございます」と言ったんです。これは良いなと思って、「もしかしたら」という気持ちで見ていたんですけど。あと本当に少し打球がすれていれば優勝だったんですが、しょうがないですね。

――池澤一真選手(スポ2=栃木・大田原)が遊撃手としてスタメンを張ることが多いですが、途中交代することもあります

はい。ただ池澤は、以前に比べて打席での粘りや守備の堅さが非常に成長していまして。高木(寛人、基理4=東京・早実)は途中から出すと打つ方も結果が良かったこともあったので、そのイメージもあって池澤から高木というのはチームの既定路線でもありました。

――関大輝選手(基理1=東京・江戸川学園取手)が1年生ながら、今カードから4番に座っています

彼はいままで何試合か見ていた中で、非常にしっかりした考え方を持って打席に入っています。狙い球や場面を考えつつ、力強い打撃もできる。あと今週の練習で調子が良かったというのも聞いていたので、総合的に判断しました。

――話がさかのぼってしまいますが、徳島選手に11回に代打を出した理由というのは

おっしゃる通り、あの場面はバントも考えたのですが、相手が右投手に代わったというところだったので調子の良い曽我を起用しました。徳島も右左を気にするタイプではないんですけど、曽我は足も速く、あわよくば長打もあるということで。

――最後に今後に向けて一言お願いします

とにかくあした勝たないと次はないので。そして来週行われる試合の結果待ち(※1)ということで、まずあした勝って、果報は寝て待てという状態になればいいなと思います。

 

(※1)早大があす勝利し、慶大から勝ち点を奪取した場合、次週、法大が立大から連勝しなかった場合に優勝が決まります。