ア式蹴球部

2018.10.08

第92回関東大学リーグ戦 10月7日 茨城・笠松運動公園陸上競技場

かみ合った攻守。復活を印象づける4発完封勝ち!

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)第15節が行われ、流通経大と対戦した。早大は前節に後期初勝利を挙げた勢いそのままに、7分にMF相馬勇紀(スポ4=三菱養和SCユース)が先制弾を決め、幸先よくリードを奪う。後半にはMF杉田将宏(スポ1=名古屋グランパスU18)とFW鈴木郁也(社2=FC東京U18)がリーグ戦初得点を記録するなど、3点を追加。守備陣も集中した守りでゴールを許さず、第9節・国士舘大戦(◯4-0)以来、約4か月ぶりの完封勝利となった。

 後期リーグの流通経大は、攻守で布陣を使い分け、最後尾からの丁寧なつなぎにこだわったビルドアップでゴールを目指すチームに変貌。立ち上がりの早大は前線からのプレスが思うように機能せず、落ち着かない展開を強いられた。しかし6分にFW武田太一(スポ3=ガンバ大阪ユース)のパスカットを起点に攻めに出て、空気は一変。直後の7分にスコアを動かした。左サイドでMF栗島健太(社3=千葉・流通経大柏)の鋭い縦パスを受けたFW岡田優希主将(スポ4=川崎フロンターレU18)が、ファーサイドにクロスを供給。相手DFから離れた位置にポジションを取っていた相馬が、右足ダイレクトで合わせて豪快に叩き込んだ。ビハインドを背負った流通経大は、この日はロングボールも多用。早大はショートパス主体の攻撃に対しては高い位置からの連動したプレスで対応したが、「あそこまで対角を狙ってくるという予測はしていなかった」(DF大桃海斗、スポ3=新潟・帝京長岡)とロングボールの処理に苦心した。それでも徐々に適応し、20分を過ぎるとオフサイドを奪うなど落ち着いた守りが増え始める。その後、互いにゴールに迫るシーンはあったが、早大が連動した守備と攻守の切り替えの意識の高さを見せて優位に試合を進め、1-0で試合を折り返した。

鮮やかなボレーシュートで先制点を挙げる相馬

 後半の立ち上がりの10分間を「もう1回圧倒しよう」とチームで確認して後半に入ると、49分だった。右サイドから相馬がサイドチェンジのボールを送ると、オフサイドポジションにいた武田がボールサイドに動く。副審は旗を上げたが、主審はプレーへの関与はないとして、プレー続行を指示。後方から走ってきていた杉田が、一瞬動きが止まった相手DFよりもわずかに早くボールを突いて抜け出すと、GKとの1対1を制してゴールに流し込んだ。「今日は『隙をつくらない、隙を突く』がテーマだった」(外池大亮監督、平9社卒=東京・早実)と狙い通りのプレーで相手を突き放すと、その後は選手交代を使いながら反撃に出てくる相手に対し、守備陣が集中力を高く保ってボールを跳ね返し続けた。ロングボールから何度か飛び出しを許し、相手選手のプレー精度に救われる場面もあったが、散発3本のシュートに抑え込み、2-0のまま試合は終盤へ。80分を過ぎ、再び早大がゴールに迫り始めると、84分にMF藤沢和也(商3=東京・早実)のパスから岡田がボックス内に侵入し、体を投げ出した相手DFをいなして決め、勝利を決定づける。追加タイムには、相馬の折り返しに対し、公式戦初出場のFW鈴木郁也(社2=FC東京U18)がニアサイドへ飛び込んでダメ押し。大量4得点で2連勝を飾った。

49分に得点し、リーグ戦初のスタメン起用に応えた杉田

 相手の想定外の出方にも修正を施し、組織的な守備をベースに隙や脆さを見せることのない安定した戦いを見せたこの日の早大。『底』にいた1カ月前とは見違えるようなパフォーマンスで、復調への手応えをつかむ快勝となった。好循環の流れも戻り始めている。後期開幕以降ベンチ入りを続けていた杉田の「結果を残さないと次はないと思っていた」という言葉からは、選手間の競争意識が再び高まっていることがうかがえる。その杉田や鈴木郁がリーグ戦初得点で存在感を示したことや、明治安田生命J1リーグでのプレー経験からゴールへの意識を高める相馬が2試合連続で得点したことは、チームのさらなる進化へ期待感を抱かせる要素と言えるだろう。今節の結果、2位との勝ち点差が10に開いたほか、早大の10位以上が確定して降格の可能性も消滅。悲願の優勝へ向け、突き進むのみとなった。それでも、「一歩一歩、しっかり進んでいきたい」と外池監督。次節の対戦相手の駒大には、5月に首位に立った直後に対戦し、『緩さ』を突かれて前期唯一の敗戦を喫している。リベンジを果たし、強さが本物であることを証明したい。

スターティングイレブン

 

(記事、写真 守屋郁宏)


JR東日本カップ2018 第92回関東大学リーグ戦 第15節
早大 1-0
3-0
流通経大
【得点】
(早大)07’相馬 勇紀、49’杉田 将宏、84’岡田 優希、90+1’鈴木 郁也
(流通経大)なし
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 小島 亨介 スポ4 名古屋グランパスU18
DF 牧野 潤 スポ3 JFAアカデミー福島
DF 杉山 耕二 スポ2 三菱養和SCユース
DF 大桃 海斗 スポ3 新潟・帝京長岡
DF 冨田 康平 スポ4 埼玉・市浦和
MF 金田 拓海 社3 ヴィッセル神戸U18
→70分 34 田中 雄大 スポ1 神奈川・桐光学園
MF 栗島 健太 社3 千葉・流通経大柏
MF 11 相馬 勇紀 スポ4 三菱養和SCユース
MF ◎10 岡田 優希 スポ4 川崎フロンターレU18
MF 19 杉田 将宏 スポ1 名古屋グランパスU18
→62分 14 藤沢 和也 商3 東京・早実
FW 武田 太一 スポ3 ガンバ大阪ユース
→85分 37 鈴木 郁也 社2 FC東京U18
◎=ゲームキャプテン
監督:外池大亮(平9社卒=東京・早実)
関東大学リーグ戦1部 順位表
順位 大学名 勝点 試合数 得点 失点 得失差
早大 35 15 11 37 24 +13
明大 25 15 31 16 +15
順大 24 15 26 16 +10
筑波大 24 15 27 21 +6
法大 22 15 20 20  0
駒大 21 15 29 28 +1
専大 21 15 19 26 -7
流通経大 20 15 23 31 -8
桐蔭横浜大 19 15 23 24 -1
10 東洋大 17 15 17 23 -6
11 東京国際大 14 15 17 26 -9
12 国士舘大 15 11 18 32 -14
※第15節終了時点
※11位、12位のチームは2部リーグに自動降格
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コメント

外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)

――この試合に対する準備過程はいかがでしたか

先週、先週の試合に向けてやってきた1週間の過ごし方をどれだけ持続、継続できるかというところで、学生たちの動きを見てやってきました。やっぱりみんなはそこを意識していたし、自分たちに何が足りていないのかに気付いて、積み重ねになるようなトレーニングも意識したし、トレーニングの中で杉田や郁也みたいな新たなパワーが『いけるんじゃないか』と思わせるような空気を出していました。(杉田の先発起用は)秋葉が悪くてということではないし、学と冨田もそうですけど、高いレベルでの競争がこの1週間の中でできていたので、そのエネルギーをピッチの上で表現できたらという臨み方でした。

――流通経大は特徴的な戦い方をするチームですが、理想に近い試合運びはできたのではないですか

今回はゲームの入りを徹底することが試合を圧倒することにつながるというところがあって、いい形で(先制点を)取れたと思います。(流通経大は)ここ3節はかなりつないできていたので、もうちょっとつないでくるかなと思っていたんですけど、裏に長いボールを入れてくるという形を徹底してきていました。あの(先制の)後に、逆光という状況もあって、ばたばたしたところがあったんですけど、そこをゼロで終えられたということは専修の試合の反省を生かせていたと思います。ハーフタイムもみんなが『後半は10分間はこのまま行って、10分で絶対に点を取る』というように、もう1回圧倒しようということを確認して、ああいう形で杉田が取ったのは意味がありました。今日は『隙をつくらない、隙を突く』というのがテーマだったので、それを象徴するようなゴールだったなと思います。郁也のゴールもそうだし、相手が「あれっ」というような形でゴールを陥れられたという意味では、決定力も高かったし、前半の反省はありつつも結果的には圧倒で、非常にいい試合だったと思います。

――杉田選手、鈴木郁選手の活躍がありましたが、チームが好調にある中で新戦力が結果を残す好循環がまた戻ってきた印象です

そこについてはあまり意識はしていないんですけど、僕は良い時こそそれを上回る空気やパワーを出している選手を使うことがチームにとっての一つのメッセージになると思っています。応援のメンバーに応援される選手っていいじゃないですか。そういう空気感が「今度は俺も」ということになってくるし、勝つことで安心して、ある種停滞したムードの中で新しいパワーをつくってくれると思うので、純粋な今のチームの作用だと思います。狙っているわけではなく、もともとのチームコンセプトですから。

――今回の結果をどう受け止め、次に向かっていきますか

僕は笠松の2連戦は『2つで1つ』だと思っています。今日は前泊するかどうか、バスで何時に出てくるのかということとかも結構突き詰めて考えてきました。前泊がいいのか、当日に行ってそのままの空気で試合に行ったほうがいいのかということも考え尽くして、今日は当日移動にしました。運営も含めた突き詰めがあってこういう結果になったと思っているし、来週もここに来るのでこれをまた力にしたいし、確実にたくましいチームになってきたところを証明したいと思います。まだまだ1個1個だと思っていますけどね。

――またチーム一丸の空気が生まれてきたということですね

流経さんも良いメンバーがいて必死になってやってきている中で、試合を臨むにあたって『相手を圧倒していく』という強い気持ちを持っていても、当然『圧倒する』ことは簡単ではないので、今日は本当にそういう充実感はあります。総理杯から明治のあの流れを経験したからこそ、(試合に臨むための)プロセスを実感していくことで、自分たちの掘り起こせていなかった力を掘り起こせていると思います。前期とは違う自分たちの強さを持つことに意味があると思っているので、一歩一歩、しっかり進んでいきたいなと思いますね。

DF大桃海斗(スポ3=新潟・帝京長岡)

――何を意識して今日の試合に臨みましたか

流大さんは1年生も多く出ているということでしたし、その中で自分たちは隙をつくらないということと、隙を突くということをテーマとしてやっていました。

――試合の展開を振り返っていかがですか

そういうテーマの中で、特に前半は自分の軽いプレーがあって、そこ以外はそんなにやられていなかったですし、自分の責任でピンチを招いてしまっていたかなと思います。

――立ち上がりは相手の攻撃に少し苦労していたかなという印象がありましたが

そうですね。相手のセンターバックから対角線にいいボールが入ってきました。前半はそこでピンチを招いていたんですけど、後半はうまく修正することができて、それがゼロで抑えられた要因かなと思います。

――最後方からつないでくるという相手の特徴はうまく消すことができていたように思いますが

地上戦のパスというのはあまりつながせなかったかなと思います。もっとつないでくるのかなと予想をしていたんですけど、センターバックからのロングボールが思ったよりも多かったです。あそこまで対角を狙ってくるという予測はあまりしていなくて、そこは難しいところではありました。

――集中力高く守り抜くことができましたね

そうですね。でも、ゼロで抑えていたものの背後を取られたシーンは多かったですし、まだまだピンチは多いので、そういうところを突き詰めていかないと勝ち続けることはできないかなと思うので、自己分析から練習に入って、もっと良くないところを修正しないといけないかなと思います。

――久々の無失点です。この結果について率直にいかがですか

自分もいつぶりか覚えていないくらいなんですけど(苦笑)、最近の分析のミーティングでも平均の失点がすごく多くて、得点が取れているにもかかわらず失点が多いせいで引き分けてしまったりということも数字として出ているので、自分もディフェンスリーダーとしてやっているので、修正しなければいけないと思っていました。結果としてゼロで終えられてよかったと思います。

――次戦は前期に唯一敗れた駒大との対戦です。また違った特徴を持つチームが相手になりますが

駒沢は後期はなかなか勝てていないですけど、あの特徴的な勢いのあるサッカーを自分たちがうまく利用して戦えるような試合ができればいいかなと思います。

FW杉田将宏(スポ1=名古屋グランパスU18)

――後期に入って初出場がリーグ戦初スタメンとなりました。試合を臨むにあたって強い思いも持っていたんじゃないですか

結果を残さないと次はないなと思っていました。その点に関して、シュートを決められてよかったです。

――試合を振り返っていかがですか

得点を重ねて結果4-0ということで、大差で勝つことができたので、この勢いをなくさずに次回も頑張っていきたいです。

――相手の特徴的なビルドアップに対して、前線からのプレスはカギになっていたと思いますが

監督からも言われているんですけど、自分の持ち味は前から行くということなので。立ち上がりはなかなか行けない部分もあったんですけど、慣れてきてからは自分の意志でプレスを掛けられるようになりました。そこはよかったかなと思います。

――後半に入ってすぐに貴重な追加点を決めました

1-0で前半を終えて、2点目を奪いたいと言っていたし、個人的にも思っていました。自分で取れたということは大きいし、あれでチームの雰囲気も良くなって4-0という結果につながったかなと思います。

――ポジション争いは激しくなっていますが、今後に向けて

またチャンスをもらえるように練習から頑張って、結果を残していきたいです。