ア式蹴球部

2018.10.08

第32回関東大学女子リーグ戦 10月6日 早大東伏見サッカー場

紙一重の勝利。主将の豪快弾で神奈川大退け4連勝

 3週間中断していた関東大学女子リーグ戦(関カレ)が再開。第5節が行われ、中断期間中に関東女子選手権を制した首位の早大は、今季の関カレで未だ勝利のない7位・神奈川大と対戦した。試合は、両チームともにゴールを挙げられないまま終盤に突入するが、83分にMF熊谷汐華主将(スポ4=東京・十文字)がゴールを決めて勝利。零封勝ちで4連勝とし、首位をキープした。

 ファーストプレーで熊谷がシュートを放ち、積極的な姿勢を見せたが、球際で激しさを見せた神奈川大が先に主導権を握った。14分、スルーパスからMF鈴木綾華にDFの背後のスペースへ抜け出されたが、GK木付優衣(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)がボックス外まで飛び出し、間一髪でシュートを体に当ててブロック。19分にはDFがボール処理を誤り、ショートカウンターを受けるなど、落ち着かない展開が続いた。やや受けに回ってしまった早大は、神奈川大のU20日本代表DF小野奈菜のマークに苦しんでいたFW河野朱里(スポ4=静岡・藤枝順心)が、中盤まで降りて攻撃の組み立てに参加し始めると、徐々にリズムを取り戻していく。しかし、26分にFKからMF村上真帆(スポ2=東京・十文字)がバー直撃のヘディングシュートを放つなど決定機はあったが、神奈川大の人数をかけた守備を前に効果的な攻撃は展開できず、ゴールをこじ開けることはできなかった。一方の神奈川大は、終了間際にMF瀧澤莉央がシュートを放ったが、わずかに枠外。互いにやや攻め手を欠く内容で、スコアが動かないまま前半を終えた。

河野の攻撃参加からリズムを取り戻した

 後半からMF松本茉奈加(スポ2=東京・十文字)を投入し、49分にその松本が起点をつくってゴールに迫ったが、その後はやはり『どっちつかず』の状況が続く。互いにセットプレーからセンターバックの選手にシュートチャンスが訪れたが、生かせなかった。0-0のまま終盤に入ると、早大守備陣の集中が切れ始め、76分、81分と危険な位置でのボールロストから神奈川大に決定機を与えてしまう。しかし、シュートの抑えが甘くバーをたたく幸運と木付のセーブで2度のピンチをしのぐと、チャンスが巡ってきた。84分、左サイドでワンタッチパスが連続でつながり、左CKを獲得する。ファーサイドへをめがけたボールがこぼれると、拾った松本がボックスの手前に落とし、待ち構えていた熊谷がバウンドするボールを右足で捉えた。「時間も無かったので思い切って打った」という抑えの利いた強烈なシュートは、GKの頭上を抜いてゴールネットに突き刺さる。主将の『ゴラッソ』で勝利への扉をこじ開けた早大は、その後の時間帯を危なげなくやり過ごして、公式戦の連勝を8に伸ばした。

チームを勝利に導いた熊谷主将

 辛勝だった。苦しい試合展開を強いられたが、「全員の頑張りが(勝利に)つながった」(木付)。運に助けられる場面もあったが、内容が悪くても勝ち切る『女王たるゆえん』を示し、難敵との対戦が続いていく中で貴重な勝ち点3を獲得した。しかし、理想からはほど遠い試合内容に「勝ち点3を取れたことだけが良かった」と省みたのは熊谷主将。らしさのある崩しは影を潜め、試合を決める得点も再現性のある攻撃で奪ったものではなかった。個への依存、そしてプレー強度が高い試合の戦い方がチームにのしかかる課題だが、この日も特に攻撃面では改善の兆しを見出すことはできず。「結果だけ見るのではなく、突き詰めていくべきことを突き詰めていかないと、今後つまずいてしまう」(木付)。来月に開幕を控える皇后杯全日本女子選手権、そして年末の全日本大学選手権に向け、残されている時間はそう長くはない。次節に相手取るのは勝ち点で並ぶ2位・帝京平成大。3年ぶりの覇権奪還へ前進するとともに、内容面においても強さを確実なものとするための足掛かりを得たいところだ。

(記事 守屋郁宏、写真 下長根沙羅)

スターティングイレブン

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第32回関東大学女子リーグ戦
早大 0-0
1-0
神奈川大
【得点】
(早大)83’熊谷汐華
(神奈川大)なし
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 木付 優衣 スポ4 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース
DF 渡部 那月 社4 兵庫・日ノ本学園
DF 32 小林 菜々子 スポ3 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース
DF 23 源関 清花 スポ3 ちふれASエルフェン埼玉
DF 中田 有紀 スポ3 兵庫・日ノ本学園
MF 安部 由希子 スポ4 宮城・聖和学園
→46分 17 松本 茉奈加 スポ2 東京・十文字
MF 柳澤 紗希 スポ4 浦和レッズレディースユース
MF 村上 真帆 スポ2 東京・十文字
→92分 38 桝田 花蓮 スポ1 ちふれASエルフェン埼玉マリ
DF 15 冨田 実侑 スポ2 岡山・作陽
→62分 山田 仁衣奈 スポ3 大阪・大商学園
MF ◎11 熊谷 汐華 スポ4 東京・十文字
FW 10 河野 朱里 スポ4 静岡・藤枝順心
◎=キャプテン
監督:川上嘉郎(昭51商卒=神奈川・横浜緑ケ丘)
コメント

MF熊谷汐華主将(スポ4=東京・十文字)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

内容は全然良くなくて、勝ち点3が取れたことだけが良かったかなという感じですね。

――シュートまで持っていけるシーンが少なかったように思いましたが

相手は競りが強くて、球際のところで結構来ていたので、そこに対して自分たちがむやみにボールを入れてしまいました。攻撃のイメージをつくれなかったのかなというのが全体としてあります。

――前半を振り返っていかがですか

守備で危ない場面は特に無かったと思います。守備から攻撃につながった時のかたちや崩し方が見えていなかったというか、ぼんやりしていたという印象があります。

――ハーフタイムでは何を話されたのですか

中に(ボールを)入れてしまう傾向にあったので、ワイドを使ってサイドから崩してというのを監督(川上嘉郎、昭51商卒=神奈川・横浜緑ケ丘)もおっしゃっていたので、それを意識してやろうと話しました。

――後半には熊谷さんの素晴らしいゴールがありました

まつ(MF松本茉奈加、スポ2=東京・十文字)が落としてくれて、自分が思っていたのとは逆に落としが来たんですけど、時間も無かったので思い切って打ちました。入って良かったです。

――次節に向けて取り組みたいことはありますか

自分たちがうまくいかなかった時とか、自分たちのペースで進められていない時に、試合の中で修正していく力がまだ全然足りないのと、守備でもまだマークがあいまいだったり受け渡しがうまくできていなかったりっていうこともあるので、しっかり自分たちで分析して次に臨みたいと思います。

GK木付優衣(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)

――神奈川大を相手取る上で警戒していたのはどんなことですか

神大の攻撃はどんどん湧き出してくるイメージで、流動的な動きが多いので、マークの受け渡しとかは特に意識はしていました。

――今日の試合をどのように振り返られますか

苦しい展開になったなというふうに思います。初めの方から自陣でプレーする機会も多い中で、組み立てて前につないでいくという部分でシュートまで持っていくシーンが少なかったので、やりきる所をやりきれずに、自分たちで追い込まれていってしまったかなと思います。

――前半の早い時間帯にはエリア外まで飛び出してのギリギリのプレーもありました

正直自分自身も迷ったところはあったんですけど、結果として体に当てられたので良かったといえば良かったかなと。欲を言えばもうワンテンポ前に飛び出せればよかったし、そこにボールを入れさせないというリスク管理を徹底しかなきゃいけないと思います。

――今日の試合の勝因はどんなところにあったと思いますか

まず個人としては、苦しい時間帯にだんまりしてしまうのではなくて、全体として行こうよという前向きな声掛けだったり、そういう意識付けはやっていこうと思っていました。その中でも前線の選手はゴールに向かっていく姿勢を見せてくれたり、中盤の選手も浮き球のボールにしっかり体を張ってくれたり、全員の頑張りがつながっていって、最後になんとか1点を取れたんじゃないかと思います。

――関カレに限れば4試合連続で無失点勝利です。一方で内容面では苦労している試合も少なくないですが

結果として無失点で勝てているということはあるんですけど、その中でも成果とともに課題というものは見えていて、(無失点での連勝は)成果といえば成果ですけど、これで満足せずに突き詰めていくべきことを突き詰めていかないと、今後インカレや皇后杯でもっと強い相手と戦っていく上では、どうしてもつまずいてしまうところはあると思います。結果は結果で受け止めるんですけど、そこだけ見るのではなくて、自分たちがどうしていかなければいけないのかということを掘り下げて考えていくことが、今後自分たちが結果を出すために必要なんじゃないかなと思っています。