ソフトボール部

2018.09.04

第53回全日本大学選手権 9月3日 石川・スカイパークこまつ翼D面

マエ打でサヨナラ!激闘制し決勝へ進出!!

準決勝
国士舘大
早 大 2X
(8回タイブレーカー) ○杖子-実重 ◇(三塁打)鳥岡 ◇(本塁打)前多、梶谷(ランニング)

 1点を追いかける8回裏。まず、主将・鳥岡健(スポ4=岡山・高梁)が中越え適時三塁打を放ち同点。続く打席には、副将・前多悠登(人4=東京・小山台)。3球目、食らいついた打球は内野の間を抜けていった。鮮やかな逆転劇で宿敵・国士舘大にサヨナラ勝ち――。決勝への切符を見事に獲得した。

 意地と意地がぶつかり合った準決勝は、壮絶なシーソーゲームとなった。初回、先発・杖子量哉(スポ4=岡山・新見)は4番・中島悠貴(4年)に適時打を浴び、いきなり1点を失う。しかしその裏、すぐさま好機はやってきた。2死一、二塁で打席には前日の香川大戦で本塁打を打っている前多。4球目のファーストストライクを振り抜いた打球は、センターのネットを軽々と超えていった。一振りで3点を奪い逆転。ベンチに帰ってきた前多をチームメイトは手荒くたたえた。しかし3回以降、打者一巡した国士舘大打線は、杖子の球にタイミングを合わせ始めた。この回先頭の1番打者に右中間への本塁打を浴びると、その後1死からの3連打で再び同点に。4回に早大は7番・梶谷陽介(法2=神奈川・柏陽)のランニング本塁打で1点リードする展開になったが、5回に杖子が適時打を許し、またしても同点となった。

初回に逆転の3点本塁打を放った前多

 その後両チームは2点ずつを奪ったが、7回で勝敗は決せずタイブレーカーへ。8回表、1死二塁からまたもや中島に適時打を打たれ、土壇場で追いかける展開に。しかし、これまで数々の苦しみを味わってきたワセダには、心の余裕があった。「1点までなら(取られても)オッケーだからと話していた」(鳥岡)。作戦通り、杖子は落ち着いて後続を打ち取って1点ビハインドのまま打線に思いを託した。迎えた最後の攻撃。走者を二塁に置き、打席にはこの回先頭の4番・鳥岡。初球だった。低めのドロップを捉えた痛烈な打球は、ぐんぐんと伸びていき、これが中越え適時三塁打となる。狙い通りの同点打。『流れ』は気が付くと早大に傾いていた。押せ押せムードの中、好調の5番・前多が相手投手と対峙(たいじ)する。「イメージ通りだった」(前多)。真ん中外寄りのドロップに食らいつくと、打球はセンター方向へ。二塁手が飛びついたがそのかいなく、ボールは吸い込まれるように外野へと抜けた。勝利を確信した前多は、雄たけびを上げながら一塁を駆け抜け、歓喜の輪へと溶け込んでいった。

同点となる中越え適時三塁打を放つ鳥岡

 主将で追い付き、副将が決める――。この一年、チームをけん引してきた二人が決勝進出の立役者となった。しかし、この試合のヒーローを挙げるとするならば、この二人以外にもいる。野手の援護を信じ、ひたすらに腕を回し続けた杖子。その杖子を守備でバックアップした三塁手・高橋尚希(スポ2=宮城・泉館山)。そして、小技に徹底しながらも一時勝ち越しとなるランニング本塁打を打ってのけた梶谷。さらには、そういったグラウンドで活躍する選手を全力で応援する、下級生を中心とした紺碧隊。それぞれの『持ち場』でそれぞれの『主人公』が存在したからこそ、値千金の勝ち星を手にすることができたのだ。まさにチームの総合力で粘りに粘ってつかみとった勝利と言えるだろう。現体制最後の大会、稲穂軍団は確実にその力強さを見せつけていた。

★伝説の一打に

記憶に残る一打を放った前多

 インカレ直前の対談取材、後輩たちに残したいものを尋ねると、前多は笑みを浮かべながらこう口を開いた。「10年間くらい語り継がれるような『伝説の一打』を打ちたい」。常に後輩たちに明るく接し、プレーでも彼らのお手本となり、まさにお兄ちゃんのような存在の前多。色紙に大きく力強く『伝説の一打』としたため、最後の夏に気持ちを高めた。

 迎えたインカレは好調だった。準決勝までの全試合で安打を記録し、勝利に貢献。川上、鳥岡主将と共に、頼れる中軸の一角を担い続けた。そして今試合の最終回。これまで好機での『あと一本』に泣いてきたチームは、打の軸である副将のバットに期待を寄せる。そして、その願いに応えるかのように、殊勲のサヨナラ打を放ってみせた。チームメイトからの期待を一身に背負い、ワセダを4年ぶりの決勝へと導いたあの一打は、誰の脳裏にも焼き付く『伝説の一打』となったことであろう。

(記事 石﨑開、写真 望月優樹、石﨑開)

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コメント

鳥岡健主将(スポ4=岡山・高梁)

――まずは試合を振り返ってみていかがでしたか

この大会はすごく粘ることができていて、最少失点で抑えるところは抑えられていて、攻撃で取り返すっていうことができているので、きょうも本当に我慢強くここまでやってきたことが出せたなと思います。

――8回の同点打はどのような気持ちで打席に入りましたか

―その表の守備でみんなで、1点までなら(取られても)オッケーだからと話していて、本当に杖子が1失点にまとめて抑えてくれたので、なんとしてもここで(点を)取ってやろうと思っていたので、無心で本当に集中して打席に入りました。

――打った球は覚えていますか

多分ドロップだったと思うので、狙ったボールを打つことができたと思います。

前多悠登副将(人4=東京・小山台)

――最後に『伝説の一打』打ちましたね

ちょっと頭の中にはそれがちらついていたんですけれども(笑)。無心でいこうと思っていて、最後いいところで打てたので本当に良かったです。

――打った後は喜びを爆発させていました

やったなぁ……というか。本当にやったなぁと思っていて。(ベンチを見たら)まだ準決勝なのに泣いているやつとかいて、オイオイって思ったんですけれども(笑)。

――どんな球だったか、覚えていらっしゃいますか

真ん中外寄り低めドロップだったと思うんですけれども、そこだけを低い打球で強く打とうと狙っていたので、イメージ通りだったかなと思います

杖子量哉(スポ4=岡山・新見)

――1試合目の国士館大戦での投球を振り返られていかがでしたか

国士館のフルメンツとやる試合は今年のチームでは初めてだったので、それがすごく楽しいなと思いながら投げていて。それと、緊張とかもあまりなくて楽しんで投げられた分、ボールも結構走っていたのかなと思います。

――きのう完投で勝利を収めてから、本日の第1試合ということでしたが、疲れなどはありましたか

それはキツかったですね(笑)。普通にキツくて。向こう(国士館大)は(ピッチャーが)3人いて、誰が投げてくるか分からない状況で、この前話し合いをしたときもけっこう(体力に)余裕がありそうだったのがうらやましいなと思いました。

実重僚右(人4=高卒認定)

――1試合目の国士館大との試合を振り返っていかがですか

ずっと国士館は意識していたチームですし、素晴らしい選手がいる中でどうやって勝とうかということを今までも考えてきたんですけど、杖子ときのうの夜に散歩しながら話して。最終的にどう攻めるかという部分を、大まかに決めて臨んで、それがハマったという部分と。中盤、終盤になってうまくいかない部分は監督さん(高杉聡監督、平9人卒=群馬・前橋育英)とかにアドバイスをいただいて、配球を変えたりもしました。スコアとしてはすごく動いた試合ですけど、結果としては取られた点以上にバッター陣が点を取ってくれたのと、点を取ってくれたことでバッテリーとしても杖子としても熱量をもってピッチングができたので、国士館とあそこまでいい試合ができたんだと思います。