ハンドボール部
2018.08.31
関東学生秋季リーグ 9月1日〜10月7日 東京・日女体大体育館ほか
関東学生秋季リーグ女子展望
いよいよあす、関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)が開幕する。関東学生春季リーグ(春季リーグ)では、試合を経ながら尻上がりにチーム力を向上させたが、オフェンス面で課題を残し6位に終わった早大。その雪辱を果たすべく、この夏厳しい練習を乗り越えてきた選手たちはどのような戦いを見せてくれるのだろうか。秋の陣を目前に控える女子ハンドボール部に迫った。
今年の夏の大きな山はソニー合宿だ。実業団チームのソニーセミコンダクタマニュファクチャリングで監督を務めている大城章監督(平18人卒=沖縄・那覇西)がワセダのOBということで、今年初めて実現したこの合宿。鹿児島で4泊5日、他の大学含め6チームほどで試合を回し、経験を積んだ。そこで課題としていたセットオフェンスを教わったという。春季リーグは強固なディフェンスで失点を抑えられていただけに、オフェンス面での得点不足が悔やまれた。秋季リーグでは合宿で教わったオフェンスを存分に発揮したい。さらに、ディフェンス面でも「約束事が明確になったから、チームで意思疎通が取れるようになったかなと思います」(伊地知華子副将、社4=宮崎学園)と手応えを感じている。また、合宿での連日の試合により連戦の秋季リーグや全日本学生選手権(インカレ)を戦い抜く体力をつけただけでなく、精神的にも成長することができたようだ。
機動性の高い富永は相手ディフェンスをかき乱す
春季リーグで敢闘賞を受賞した伊地知や、体を張ったプレーで得点を量産する吉田瑞萌(スポ2=東京・佼成学園女)らフローター陣は秋季リーグでも早大のオフェンスをけん引するだろう。特に注目したいのはディフェンスで1枚目を担う富永穂香(スポ4=東京・佼成学園女)、久保涼子(スポ4=群馬・富岡東)らによるスピードのある速攻だ。力を入れて練習してきた「ディフェンスからの速攻」を軸に効率よく得点を重ねられるか。また、U16で代表選出歴を持つ衣川直緒(社2=愛知・星城)は6月の早関定期戦で長期のケガから復帰。1年生ながら春季リーグから出場機会を得ている阿部美幸(スポ1=東京・佼成学園女)や攻守で安定したプレーを見せている杉山瑞樹(社3=神奈川・横浜創英)らと共にサイドの布陣も厚みを増している。ディフェンスでは抜群のリーダーシップでチームをまとめる高田紗妃主将(スポ4=福岡・西南学院)を中心に、隙のないプレーでゴールを死守して速攻につなげたい。
衣川直の復帰は好材料だ
早大は開幕戦で筑波大と対戦する。フィジカルの強い難敵だが、目標である『優勝』を達成するためにはここで波に乗れるかが重要だ。秋季リーグのすぐ後に控えるインカレに向けて、弾みをつけるリーグにしたい。
(記事、写真 宅森咲子)
※この取材は8月28、29日に行われたものです。
コメント
高田紗妃主将(スポ4=福岡・西南学院)
――「ディフェンスからの速攻をたくさん練習した」と伺ったのですが、夏はディフェンス面を強化したのでしょうか
セットオフェンスの強化もしました。ソニー遠征でセット力がないことを指摘されて、実業団のソニーの方にセットオフェンスを教わり、遠征から帰ってきてそのセットオフェンスを仕上げているという段階です。オフェンスを捨てたというわけではなくて、どちらにも手をかけてやっています。
――ソニー遠征は毎年されているのでしょうか
いや、今までの脇若監督(脇若正二元監督、昭50教卒=岐阜・加納)の時は三重バイオレットアイリスさんという実業団のチームにお世話になっていたので三重遠征でした。でも今年は譲さん(宇野譲監督、平19人卒=熊本・済々黌)に監督が変わり、ソニーの監督をされている大城章監督(平18人卒=沖縄・那覇西)がワセダのOBで譲さんの先輩にあたるので、そのお付き合いから今年はソニーに行こうということで4泊5日行ってきました。
――具体的にソニー遠征はどのようなことをされるのですか
試合遠征だったので、他の大学含め6チームくらいで常に試合を回すという形でやっていました。途中でソニーの方にクリニックを開いていただいて、私たちが教えてほしいことをお伝えして、ソニーの方に教えていただく時間を設けていただいたりもして、内容の濃い合宿になっていたかなと思います。
――その合宿で収穫はありましたか
やっぱり4泊5日の長い間みんなで共同生活をしたという所はチームビルディングとしていい機会になったなと思います。あとは連日で本気の試合をやるという部分でキツかったんですけど、試合体力という体の面以外に心的にも成長できたんじゃないかなと感じますね。
――夏の練習で一番強化した部分は何でしょうか
やはり速攻ですね。速攻をいかに自分たちのものにするかという所に重きを置いて、そこに避けた時間はすごく多かったと思います。
――夏で伸びたと感じる選手はいらっしゃいますか
全体的に伸びています。でもやっぱり注目して欲しいのは速攻の部分で、右左の1枚目、サイドディフェンスをやっている富永(穂香、スポ4=東京・佼成学園女)と久保(涼子、スポ4=群馬・富岡東)です。2人は速攻の心臓になっているので、そこの活躍はぜひ見ていただきたいと思いますね。
――夏の練習を経て関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)でやりたいことは何でしょうか
秋季リーグが終わってしまうとインカレ(全日本学生選手権)があるので、完成形に近い状態であってほしいというのがあります。あとやっぱり「ディフェンスから速攻」というのを自分たちの軸にするということでこのチームを始めているので、夏にそれに時間をかけましたし、どれだけできるようになっているのかなというのは関東の強豪大に対していろいろ試していきたいなと思います。
――主将から見て現在のチームの状況はいかがですか
一人一人が自分たちの役割を背負って、よくやってくれていると思います。いろんなことがあったんですけど、みんながそれにめげずにバラバラになることもなく、一丸となってリーグに挑めると思います。
――では、夏は充実したシーズンが過ごせたということでしょうか
いろんなカベをみんなで乗り越えたという感じですかね。
――秋季リーグの具体的な目標を教えてください
優勝です!
伊地知華子副将(社4=宮崎学園)
――秋季リーグへ向けて練習の雰囲気はいかがですか
ソニー合宿に行ったんですけど、その合宿でチームの方向性が決まったというか、まとまったというか、良い雰囲気には持ってこれているのかなとは思います。
――ソニー合宿では何をされたのですか
鹿児島に行ったんですけど、実業団と試合させてもらったり、監督さんがワセダのOBの方だったので戦術を少し教えてもらったりしました。
――合宿で得たものは何がありますか
セットの戦術を教えてもらったのと、ディフェンスを結構教えてもらいました。約束事が明確になったから、ディフェンスのときなどにチームで意思疎通が取れるようになったかなと思います。
――夏の練習全体では強化してきた部分は何ですか
私は国体で少しいない時期があったのですが、結構2部練習とかもして。疲労がたまりながらもしっかり集中力を持続させることは常にやってきたので、そこのスピードは上がったかなと思います。
――関東学生春季リーグ(春季リーグ)では敢闘賞を受賞し、オフェンスを引っ張る存在だと思います。オフェンス面で意識していることはありますか
私は自分でつくれるタイプではないので、打てる入りをしようということを意識しています。自分はパスに走るとミスにつながって逆速攻になると思うので、自分はシュートを打てる入りをしようという意識は常に持っています。
――関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)でポイントとなる選手は誰ですか
センターの亜季(金庭、社4=群馬・富岡東)や、涼子(久保、スポ4=群馬・富岡東)と富永(穂香、スポ4=東京・佼成学園女)はスピードのある速攻をしてくれるので、そこはポイントになるかなと思います。
――速攻は鍛えてきた部分なのでしょうか
そうですね。あとディフェンスでは高田(紗妃主将、スポ4=福岡・西南学院)が中心になってやってくれているので、ポイントになると思います。
――7試合の中でポイントとなる試合はありますか
全部ポイントだと思うんですけど初戦が筑波大なので、その初戦でいかに勝つか。勝てないと7戦やっていくリズムがつくれないので、初戦が一番大事かなと。全部最後の試合と思いながらやっていく中で、特に初戦は重要だと思います。
――春季リーグ、秋季リーグ、全日本学生選手権(インカレ)とある中で、秋季リーグの位置付けはどのようなものだと考えていますか
個人的には、春が終わって秋インカレ(の間が)がすぐなので、インカレにいくためのモチベーションづくりというか。秋季リーグの順位でシード権も決まるので、インカレの下準備が秋季リーグだと捉えています。
――最後に秋季リーグへ向けて意気込みをお願いします
チーム全員で勝ちます!