準硬式野球部

2018.08.29

清瀬杯全日本大学選抜 8月29日 北海道・円山球場

前田が勝利を呼び込む投球を披露し決勝進出/仙台大戦、日大戦

2回戦
早大

19
仙台大
(早)◯大津-吉田
♢(三塁打)池澤、高木、加藤瑛 (二塁打)徳島×2、吉田、加藤瑛
※規定により7回コールド勝ち 
準決勝
日大
早大

X
(早)加藤大、◯前田-吉田
♢(三塁打)池上 

  きのう鮮やかな逆転勝利で勝ち進んだワセダ。きょうは勝てば1日で2試合を行うというハードスケジュールの中での試合となった。まず1試合目の対戦相手は東北地区の代表、仙台大。ワセダは初回から打線がつながった。中村大輔(商4=東京・早大学院)などの適時打もあり、打者一巡の猛攻でいきなり8点を奪うと、その後も打線が止まらない。2回までに14点を取り一気に試合を決めた。投げても先発の大津杜都(文構2=東京・宝仙学園)が相手を完璧に抑える好投。大津は最後まで投げきり7回コールド19−0で勝利を収め、ワセダはすぐ後にある日大との準決勝への進出が決まった。

 

日大戦で逆転2点適時二塁打を放つ池上倫平副将(政経4=東京・早実)

 仙台大との試合から充分な休息を取る間もなく始まった準決勝の日大戦。開催地が北海道ということで涼しかったことが、連続して試合をするワセダにとっては大きかった。日大が変化球に苦手な印象があるというスカウティングにより、先発のマウンドには高校生以来の投手に夏から転向している変化球が武器の加藤大(人3=大分上野ヶ丘)を送った。しかし初回に2死から連打を浴びると、1点を失ってしまう。2回には2つの空振り三振を奪うなど立ち直りの気配を見せていたが、3回に落とし穴が待っていた。突然ストライクが入らなくなりこの回だけで5つの四死球。押し出しの死球を与えたところで投手を前田直輝(スポ3=熊本)に交代した。2死満塁という場面での登板となった前田だが投ゴロに抑えピンチを脱すると、その後、前田は圧巻の投球を見せた。4回、5回と連続で3者凡退に抑え、5回の逆転劇を導く好投を披露した。ワセダが5点を取って逆転をした後も前田の好投は止まらない。7回に2点を失うものの、続くピンチでは「中途半端に勝負するなら次の打者で勝負したい」と申告敬遠をするなどし、ピンチを切り抜ける。この試合、甲子園で注目を浴びた秋田・金足農高の吉田輝星投手(3年)の侍ポーズを中堅手の永井隆太(スポ4=石川、七尾)や水野将太(スポ4=愛知・小牧南)と披露するなどし、最後まで投げきった。関東地区大学選手権(関東大会)で自分が打たれたことで負け、全日本大学選手権(全日)出場を逃した悔しさをバネに練習に取り組んできたという前田。この大事な試合で彼が続けてきた努力が実った。

6回と1/3回を投げ切った前田

 仙台大戦で19点を取った打線は勢いそのままに日大戦に臨みたかったが、なかなか得点することができない。4回まで毎回のように安打で走者を出したものの、1点が遠い状況が続いた。しかし2点をリードされて迎えた5回。ついに打線がつながった。この大会、遊撃手でスタメン出場を続けている池澤一真(スポ2=栃木・大田原)が逆方向にうまく弾き返し出塁すると、森田達貴主将(スポ4=埼玉・県浦和)と今駒顕二郎(教4=東京・早大学院)も安打で続き、満塁の好機を演出する。この場面で打席に立ったのは池上。「つなぐ意識でリラックスして打席に立った」と言う池上が放った打球は左翼手の頭を超える長打に。難しい判断だが、三塁コーチャーの水野はちゅうちょなく腕を回し、一塁走者も生還。走者一掃の3点適時二塁打となった。その後も相手の失策と徳島有樹(スポ4=早稲田佐賀)の適時打で2点を加え、一気に5点を奪い逆転した。そして、日大に1点差まで詰め寄られた直後の7回。永井が先頭で出塁すると、盗塁と相手の暴投でホームイン。大きな1点を加えそのまま逃げ切り勝利し、決勝進出を決めた。

 今、ワセダの雰囲気はとても良い。勝ち進んだ関東大会の雰囲気にとても似ていると池田訓久監督(昭60教卒=静岡・浜松商)は語る。諏訪健太(スポ4=東京・小山台)を中心に頻繁に選手同士が声を掛け合い情報を共有するなどチーム一丸となって戦っている様子が見受けられる。もちろん戦っているのはベンチ入りの選手だけではない。スタンドで応援している選手の声援も欠かせない。選手それぞれに応援歌を考えたり、自作の段ボールの太鼓を使うなど、まるで北海道ではなく東伏見かのような雰囲気を作っている。試合後に前田もスタンドにいる選手の声援が力になっていると笑顔で語った。あすの決勝もチーム一丸となって勝利をつかみたい。

(記事 藤本壮汰、写真 金澤麻由)

コメント

池田訓久監督(昭60教卒=静岡・浜松商)

――まず1試合目の仙台大戦を振り返ってください

やはり先制点をビッグイニングで取れたことが(大きいです)。相手の先発投手の調子がどうだったのか、ということもありますが、つないでつないで初回に8点を取ることができた、という点が良かったです。関東大会で3位になった時の雰囲気が出ていたかな、という感じはしました。

――仙台大戦では多くの選手を起用しましたが

ベンチ入りしているわけなので、いつどんな時でも出ても良いように、ということです。また、中村大輔が自打球で(負傷したので)初回の段階で変えざるをえなかったのですが、その後をカバーしてくれた加藤瑛二(スポ4=愛知)のように誰が出ても同じパフォーマンスを出せるように、という意味を込めた起用です。

――試合間のインターバルが短かったですが、時間をどのように使うように選手に声を掛けていらっしゃいましたか

きのうからこの事は想定できていたことなので、一番は食事ですよね。個人によって一番良いパフォーマンスが出せる取り方は変わってくると思うので、それを自分なりのやり方で取ってもらうということ。あとは思ったより暑くなかったので、その部分は良かったと思います。もう一つ、きょう2試合があるということはわかっていたので、1試合目3試合目で戦うよりは2試合目3試合目というように連戦になった方がうちとしては、そのままの流れで行けるので良いのではないか、という話はしていました。それが思い描いた以上に結果として出たなと思います。

――加藤大選手を先発投手として起用した意図は

日大打線をきのう、きょうと見ていて変化球に苦労しているなというイメージがあったので、彼は変化球が良いので(起用しました)。投手に転向してまだ短いのでどのくらい(の回)まで持ってくれるのか、という不安はありました。あわよくば長いイニングを投げてくれれば、という期待もあったのですが、なかなか経験が少ない分あのようなピンチになると、そこを乗り切るだけのものがまだ不足していたな、という感じではありました。

――後を継いだ前田選手が素晴らしい投球でしたね

彼は関東大会から非常に悔しい思いもしていますし、苦労もしていたので相当彼なりに練習をしていましたし、彼がこういう練習をしています、ということを私に伝えてくれていました。信頼感という意味でも4年生が前田のことをとても高く評価していましたので、あそこで加藤大からつなぐ時も迷いなく彼がとても調子が良いということで起用しました。4年生にとっては今一番調子が良いと評価していた前田なので想定通りかもしれないですが、私から見ると、想定以上、この表現が適切かどうかはわかりませんができ過ぎ、というかそんな感じではありました。

――7回にはピンチの場面でマウンドに集まり結果として申告敬遠をし、ピンチを脱した場面がありましたが

前田自身に日大の天本選手(隼人、3年)がとてもいい選手なのでここで勝負するか、歩かせて次の打者で勝負をするかを彼にマウンドで確認したところ、彼は中途半端にくさいところ(ストライクコースぎりぎり)で勝負するなら敬遠して次の打者で勝負したい、と言ったので申告敬遠を主審に告げました。

――この大会2回目の逆転勝利でとても打線の調子が良いように思いますが

学生が8月の暑い時にしっかり練習してきた成果だと思います。雰囲気が春の勝ち進んだ関東大会に似ていて、自分たちの野球ができているからだと思います。

――あすの決勝に向けて意気込みを

当然優勝あるのみということですね。それは相手チームも含め誰もが思っていることなので、どれだけ自分たちの野球ができるかにかかっていると思います。

池上倫平副将(政経4=東京・早実)

――日大戦の5回に逆転の3点適時二塁打を打ちましたが、あの打席を振り返っていかがですか

その前までに打てていなかったのですが、1アウト満塁だったので、リラックスをして、後ろの人につなぐ意識で打席に入りました。

――きょうの1試合目(仙台大戦)は無安打でしたが、どのようにして切り替えられましたか

きょうは1本もヒットを打っていなかったのですが、きのう近大と対戦した時に悪いイメージはなかったので、そこ(無安打)はあまり気にせずに(打席に)入ろう、という中で少しヒットが出ていない時は少し沈んではいましたが、その打席(適時打の打席)は切り替えることができたかな、と思います。

――この大会はチーム全体として打撃が好調ですが、要因等はありますか

僕は今、副キャプテンをやっているのですが、(主将の)森田を中心に練習メニューを考えていく中で、今までのようにフリーバッティングを行わずに、素振りやティー(バッティング)など、バットを振り込んできた成果が出たのかな、と思います。

――チーム全体としてとても雰囲気が良いですが

そうですね。雰囲気が非常に良いです。今、(遠征中で)寝食を共にしている中で、普段あまり話さない後輩とも話す機会があって、そういう良い機会のおかげでチームが一つになっていると思います。

――では最後に、あすの決勝戦に向けて意気込みをお願いします

あすは立大が相手なので、リーグ戦(東京六大学秋季リーグ戦)の前哨戦として勝ち切るということと、あとは、自分が1年生のころから今まで一度も優勝という経験がないので、清瀬杯でまずは優勝して、秋季リーグ戦に弾みを付けられたらな、と思います。

前田直輝(スポ3*=熊本)

――きょうは満塁からの登板でしたが、振り返ってみていかがですか

(前日の)近大(戦の先発投手)は杉山(周平、教3=神奈川・山手学院)というのが決まっていて、日大戦は自分か大(加藤)のどちらかが先発して、試合を組み立てるように言われていたので、気持ちの準備はできていました。

――7回の2失点を振り返っていかがですか

インコースのストレートの練習をずっとしてきたので、それをここぞ、という場面だったので出そうと思って投げたのですが、少し甘くなってしまい、バッターもストレートを狙っていたのかな、という感じで打たれてしまいました。そこが反省点ですね。

――7回のその後のピンチの時にマウンドで監督さんとお話されていましたが、何をお話しましたか

あの場面は、相手の3番バッターがキーポイントだったので、中途半端に勝負するよりは、完全に勝負するか、申告敬遠を使うか、のどちらかが良いと思いました。少し申告敬遠
をやってみたいという思いもあったので(笑)、申告敬遠をしたい、と監督さんに伝えました。

――大会前から様々な選手が「今一番調子が良いのは前田」、と話されていましたが、春の関東地区大学選手権(関東大会)から成長した点は何だとお考えですか

春の大会(関東大会)で自分が打たれたことで(準決勝で敗北し、)全日(全日本大学選手権)の出場を逃してしまい、今清瀬(杯)の出場となってしまっているので、その悔しさや絶対勝つ、という気持ちを誰よりも強く持って、野球をしている時間は1秒も無駄にしないようにやっています。さっきも言ったように、インコースの練習を(たくさんしてきました)。部で、ダミーくんというバッターの形をした人形を買ってもらって、誰よりも球数を投げて練習をしてきました。

――きょうはシャキーンというポーズをされていましたが

そうですね。自分はモノマネが得意で、夏の大会(甲子園)で吉田輝星投手(秋田・金足農、3年)が活躍したので、いいところを全部盗んでやろう、と思って(やりました)。フォームも少し真似をしました。あとは、自分のリラックスのためと、野手の方々とコミュニケーションを取ることができたらいいな、と思っていたので、(中堅手の)永井さん(隆太、スポ4=石川・七尾)は少し恥ずかしがり屋なのでやってくれないかな、と思ったのですがやってくれました(笑)。将太さん(水野、スポ4=愛知・小牧南)はノリノリなのでしっかり決めました。

――最後にあすの決勝戦に向けて意気込みをお願いします

ここで勝つ、ということを関東(大会)、リーグ戦(東京六大学春季リーグ戦)とずっとやってきたので、きょうは結構(球数を)投げたのですが、あすもいく(登板する)つもりで。チームを盛り上げながら、登板に備えたいです。絶対に勝ちます。