庭球部

2018.08.28

関東学生選手権 8月26・27日 埼玉・大宮けんぽグラウンド

女子部はまたもタイトル獲得ならず。リーグに向けて今こそ試練の時

 学生女王・早大が試練の時を迎えている。全日本学生選手権(インカレ)から続けて行われていた関東学生選手権(夏関)もついに終盤を迎えた。早大勢は単複共に準決勝に進出。しかし、どちらも決勝には進めず、ベスト4で大会を終えることとなった。これでインカレに続いて無冠で大会を終えることとなった女子部。しかし、苦戦続きのチームにも、希望の光はある。

 森川菜花(社3=山口・野田学園)がシングルス準決勝に登場。相手は第1シードで昨年度チャンピオンの小松莉奈(東学大4年)だ。格上相手に、森川はファーストセットから互角の戦いを繰り広げる。しぶとくラリーをつないで相手のミスを誘い、2-4から一気に4ゲーム連取でこのセットを奪った。森川にとってはこのまま勢いに乗っていきたいところ。しかし、この日は気温37度の猛暑の中での試合だったこともあり、次第に体力を奪われていき、「セカンドは気持ち悪くなってしまって、思うようなプレーができなかった」と振り返るように、セカンドセットは一方的な展開で落とした。勝負のファイナルセット。終盤は互いに疲労もピークに達し、気力の戦いとなった。決着はタイブレークまでもつれ、3-6で先に相手にマッチポイントを与えてしまう。それでも、このピンチを3ポイント連続でしのぐ粘りを見せた森川。しかし、「最後は相手が自分より一枚上だったというか、強気でやってきた」と最後は力尽き、3時間半を超える大熱戦を制することはできなかった。あと一歩及ばず、惜しくも準決勝敗退。しかし、森川はシングルスにおいては育成層の選手。育成層ながら夏関ベスト4は大躍進と言えるだろう。「育成層の存在感、威圧感をこれからも見せていきたい」(森川)。育成層の星が、チームに勢いを与えてくれるに違いない。

ゲームセットの瞬間、肩を落とす森川

 ダブルス準決勝に臨んだ剱持梓(社3=東京・早実)・森川組は、またも準決勝のカベを前に敗れた。昨年の関東学生トーナメント、夏関でもベスト4に入った剱持・森川組。「今年こそはベスト4のカベを破りたい」(剱持)と意気込んで今大会に臨んでいた。準決勝の相手はリーグ二部校である法大のペアだが、実力のある選手。序盤は互いにキープキープの展開となった。そのまま両ペア共に一度もブレークを許さずタイブレークに突入。この場面では相手の集中力が上回り、ファーストセットを献上した。セカンドセットは一転、ブレーク合戦となる。4-4で迎えた相手のサービスゲームは長いデュースが続くシーソーゲームとなるが、最後はネットプレーでミスが続きブレークに失敗。そのままお互いキープを続け、勝負はまたもタイブレークまでもつれ込んだ。しかし、なんとここでタイブレークから翌日に順延になることが決定。「ファーストセット落としたことを気にせず臨めた」(剱持)とポジティブな気持ちで翌日朝一番の試合に臨んだが、緊張もあったのか両者共に堅いプレーになってしまった。6-4と先にセットポイントをつかんだものの、ここから消極的なプレーにとどまってしまい、4連続失点。最後は自分たちのプレーができず、これまで以上に悔しい準決勝敗退となった。ベスト4のカベを破るために必要なこととして、「ポイントがほしいときに思い切り一本打てる勇気」(森川)、「勇気を出して相手が驚くようなプレーができれば」(剱持)と共にメンタル面での課題を挙げた二人。今大会で得た収穫と課題を糧に、今後も日々の練習に励んでいく。悲願の決勝進出、そしてタイトル獲得は冬まで持ち越しだ。

ゲームセット後、悔しさをあらわにする剱持(右)・森川組

 ダブルスベスト4の表彰を受けた後、剱持、森川の二人はすぐに会場を後にし、東伏見での午後からの練習に向かった。「小さな結果かもしれないですけどいい結果が出せた。これを希望の光にして、こういった小さな積み重ねを明日から、いや今日の午後から少しずつ還元できればチームも自然とよくなると思う」(森川)。インカレ、夏関と続けて苦しい戦いが続いた女子部にとって、森川のシングルスでの躍進は希望の光となったことだろう。「チームを勢いづけたい」と意気込み夏関に臨んでいた森川が、今大会を通して実感したことが一つある。「誰かのためにって考えれば自然と力が出てくる。チームのために、少しでもみんなが元気になればと思って頑張れた」(森川)。例年以上に厳しい戦いが予想される今年のリーグ。サポート、応援の部員を含めた総力戦となるだろう。そんな戦いを勝ち抜くためには、部員全員が『チームのために』という意識を持つことが必要不可欠だ。
 『「誰かのために」戦えば、100パーセント以上の力が出せる』――それを森川は証明して見せた。この意識をチーム全体に浸透させることが重要だ。剱持も「広い視野を持って4年生をフォローしかないと」と冷静にチームを見つめている。リーグまで残された時間はあとわずか。この試練の時を、チーム力で乗り越えることはできるか。女王の真価が問われる1週間だ。

 

(記事、写真 松澤勇人)

女子ダブルスベスト4の剱持(左)・森川組

結果

▽女子シングルス準決勝

●森川菜花6-4、2-6、6(6)7小松莉奈(東学大)


▽女子ダブルス準決勝

●剱持梓・森川菜花6(2)7、6(6)7林彩子・下地奈奈(法大)


最終成績

▽女子シングルス(10人)

ベスト4

森川菜花

ベスト16

辻紘子

2回戦敗退

大石真珠美、大河真由、倉持美穂、下地奈緒

1回戦敗退

廣川真由副将、今村南、田中李佳、松本妃那

▽女子ダブルス(4組)

ベスト4

剱持梓・森川菜花

1回戦敗退

廣川真由副将・辻紘子、大河真由・下地奈緒、藤原早気・米原さくら

コメント

剱持梓(社3=東京・早実)・森川菜花(社3=山口・野田学園)

――まずは森川選手にシングルスの試合についてお聞きします。昨日の試合は猛暑の中での試合となりましたが、振り返っていかがですか

森川 ファーストまではこうしようああしようって頭で考える体力が残っていたんですけど、暑すぎてセカンドは気持ち悪くなっちゃって、とりあえずヒートルールが適用されるかなと思って、セカンドは取られてもいいからファイナル頑張ろうって気持ちでやってました。ファイナルは頑張れたんですけど・・・

――ファイナルセットはかなり粘りを見せましたが

森川 ファーストみたいに相手が嫌がるプレーができたので、これはもしかしたら取れるなと思ってたんですけど、最後は相手が自分より一枚上だったというか、強気でやってきたと思います。

――相手のマッチポイントを3本しのいだ場面は振り返っていかがですか

森川 ラッキーで取れたポイントも多くて、相手も力んでいましたし。しっかりラリーできたのはよかったと思います。

――ベスト4という結果についてはどう捉えていますか<

森川 そんなにシード選手と当たってないのであんまり実感がないんですけど、ドローに恵まれた部分もあったかなとは思います。

――シングルスにおける今後の目標は

森川 私が選手層の方々にプレッシャーをかけられるような存在になれれば、チームとしての底上げもできると思うので、育成層の存在感、威圧感というか、頑張ってるんだぞというのをこれからも見せていきたいと思います。

――ここからはお二人にダブルスについてお聞きします。まず試合を終えて率直なお気持ちはいかがですか

森川 悔しいの一言ですね。

剱持 チャンスをものにできなくて、本番で力を出せないっていう弱さを実感しました。

――セカンドセットのタイブレークから順延となりましたが、やりづらさなどはありましたか

森川 体力が回復したので私的にはよかったと思います。足の裏の痛みは引かなかったんですけど、まあ昨日もあったので気持ち的には変わらずにいけたと思います。

剱持 やりにくさは特になくて、むしろ7ポイント先取、10ポイント先取をやればいいんだと思って、ファーストセット落としたことを気にせず臨めたと思います。昨日の方が緊張していた部分があって、一晩寝て頭の中も整理できてよかったとは思いますね。

――きょうのタイブレークを振り返って

森川 私のミスの連発だったので・・・昨日のシングルスでもそうだったんですけど、ラケットを振らなきゃいけないって思っていても緊張して打ち切れなくなってしまって、その後悔と情けなさはあります。一発どこかで思い切り打てていれば相手も一歩引いてくれたと思うので、そこは悔しいですね。

前の試合もタイブレークでその前の試合もファイナルまでいってたので、タイブレークには自分としては慣れてきた部分があったんですけど、いざ始まってみると相手も含めて4人全員緊張してて、全員硬いプレーになっていて、そこで誰が最初に思い切れるかっていう戦いだったと思うんですけど、そこで自分が抜け出せれば一気に取れたのかなと思います。まだ自分に勇気がなかったというか、自分の弱い部分が出てしまったと思います。6-4のセットポイントでミスしてもいいから思い切り打っていれば・・・全てはあのポイントだった気がしますね。考えれば反省はたくさんあるんですけど、いかに一本で取り切れるかが今後の課題かなと思いますね。

――今大会もベスト4に終わりました。以前から「ベスト4のカベを破りたい」と話していましたが、そのためには何が必要だと考えていますか

森川 私は、単複共にラリーをつなげるのは前よりできるようになったと思うんですけど、どうしても一本打てる勇気がまだなくて、そこができれば準決勝のカベは破れるのかなと思います。

剱持 みんな基本的な部分はできると思うので、それ以外の部分で相手を驚かせるようなプレーが出せれば、技量が同じレベルでも差をつけていける、自分たちのペアの強みを出していけると思っています。みんなと同じように勝っていくんじゃなくて、それこそ勇気出して思い切りプレーできればベスト4を突破できるのかなと思います。

――来週には関東大学リーグが始まります。団体戦シーズンへの意気込みをお願いします

剱持 いつも言ってるんですけど、間違いなく今年はいつも以上に総力戦になると思っていて、今までは試合に出る人と出ない人の気持ちも練習も分かれていたけど、誰がケガするかも分からないので、いつも試合に出てる人だけに頑張ってもらうんじゃなくて、さっき森川も言ってたように下からプレッシャーかけていって相乗効果でチーム全体が頑張らないといけないなと思います。今年は他大も本当に強いので、それぞれが持ってる以上の力を出すことが大事になってくるかな、と。私たちも3年生なので、自分のことだけじゃなくて広い視野を持って4年生をフォローしていかないといけないなと思います。

森川 インカレはああいう結果で終わってしまって、私は今大会で少しかもしれないけどチームを勢いづけたいなと思って毎試合に臨んでいました。小さな結果かもしれないですけどいい結果が出せたので、それを希望の光にして、こういった小さな積み重ねを明日から、いや今日の午後から少しずつ還元できればチームも自然とよくなると思ってます。4年生のために、とか誰かのためって頑張れば自然と力は出てくるはずなので、それを今回実感したので、そういう意識をチームに浸透させていければなと思います。