庭球部

2018.08.23

全日本学生選手権 8月13~21日 岐阜メモリアルセンター

男子ダブルスでタイトル獲得も、物足りない結果に・・・インカレプレーバック

 悪天候の影響で2日間延長し、8月21日に幕を閉じた全日本学生選手権(インカレ)。イレギュラーな試合進行で大会は進んでいったが、選手たちはそれを感じさせない熱い戦いを繰り広げてくれた。早大からは男女合計24人の選手が本戦に出場。男女共に上位シードが次々と敗れる波乱の大会となった。女子部は単複共にタイトルを逃す結果に。男子ダブルスで坂井勇仁主将(スポ4=大阪・清風)・田中優之介(スポ2=埼玉・秀明英光)組が優勝を果たしたが、3冠を達成した昨年と比べると物足りない結果となった。「絶対王者の位置にいた早稲田からは変わりつつある」(石井弥起ヘッドコーチ)。他大も練習環境、コーチなどが整ってきており、レベルの差は詰まってきている。無冠に終わった関東学生トーナメント(春関)に続いて今大会でもそれは顕著に感じられた。1年間の個人戦の集大成、熱い夏の戦いを振り返る。

★シードダウン相次ぐも層の厚さ見せる・・・男子シングルス

石井ヘッドコーチが今大会で一番印象に残った試合として挙げた齋藤のシングルス4回戦

 シードダウンが相次ぐ波乱の大会となった。早大勢では第1シードの千頭昇平(スポ2=愛知・誉)、第2シードの田中優、一昨年チャンピオンの小林雅哉(スポ3=千葉・東京学館浦安)が3回戦で同時に姿を消すまさかの展開。春関チャンピオンの川橋勇太(筑波大3年)も3回戦敗退に終わるなど優勝候補が次々と敗れていく中で、早大は層の厚さをアピールした。藤井颯大(スポ2=京都・同志社国際)は坂井主将を下してベスト16入り。その藤井颯を破って8強入りし、準々決勝では慶大の主力・逸﨑凱人(4年)相手に勝利まであと1ポイントというところまで追い詰めたのが木元風哉(社2=埼玉・早大本庄)。坂井主将も、「木元は一番頑張ってくれていた。今後の活躍に期待したい」と評した。さらには齋藤聖真(スポ4=神奈川・湘南工大付)、古田伊蕗副将(スポ4=静岡・浜松市立)の4年生コンビは最後のインカレで過去最高の成績を収める活躍。特に齋藤は不振が続く早大勢で最高のベスト4進出を果たし、準決勝では羽澤慎治(慶大1年)相手に互角の戦いを繰り広げチームを盛り上げた。「4年生の意地を見せてくれた」(石井ヘッドコーチ)。来月から始まる団体戦シーズンでは4年生の力が必要不可欠。下級生と上級生の力を融合させ、チーム一丸となってリーグに臨む。

★坂井・田中優組がタイトル奪還・・・男子ダブルス

完全優勝の坂井(右)・田中優組

 春関では惜しくもタイトルを逃し、リベンジに燃えていた坂井・田中優組がインカレでは圧巻の完全優勝。5試合全てでストレート勝ちと圧倒的な力を見せつけ学生ナンバーワンダブルスに輝いた。第1シードとしての実力を遺憾なく発揮しての優勝には、石井ヘッドコーチも「相当プレッシャーがあったと思うんですけど、よく勝ち切った」と絶賛。今後も早大エースペアとしてチームを支えてくれるだろう。ベスト8を懸けて行われた齋藤・小林雅組と髙村佑樹(スポ3=千葉・東京学館浦安)・木元組の試合はハイレベルな大接戦となった。この勝負を制したのは齋藤・小林雅組だったが、「後輩たちが自分に食らい付いてくる感じがすごくうれしくて、楽しかった」(齋藤)と早大ダブルスのレベルの高さを実感。団体戦ではカギとなるダブルスでは、古賀大貴(スポ3=大分舞鶴)・安上昂志(スポ3=福岡・柳川)も含めし烈なレギュラー争いが予想されるが、競争をチーム全体のレベルアップにつなげてほしい。

★ベスト16にゼロ。募る危機感・・・女子シングルス

まさかの初戦敗退となった清水

 8人が本戦に出場したが、6人が2回戦敗退。中でも前年度チャンピオンで第1シードの清水映里(スポ2=埼玉・山村学園)、第2シードの上唯希副将(スポ4=兵庫・園田学園)が共に明大の選手相手に初戦で敗れるまさかの展開で、チームには悪い流れが漂い始めた。3回戦に進出した大矢希女子主将(スポ4=愛知・名経大高蔵)、辻紘子(教4=東京・早実)の4年生コンビもこの流れを止めることができず。ベスト16を前に全選手が敗退することとなった。石井ヘッドコーチが、「勝負所、競ったところで強気でいいパフォーマンスができるための心の準備がまだまだ必要」と語るように、来月から始まるリーグ戦に向けてシングルスの立て直しは急務だ。4強に2人を送り出した亜大、ルーキーがベスト4まで躍進した慶大、早大の主力を相次いで下した明大、そして牛島里咲(4年)がチャンピオンに輝いた筑波大とライバル校は結果を残しただけに、危機感は募るばかり。「気の抜ける試合は一つもない」(上)。リーグまでの残り約2週間弱、どれだけ個々が課題を修正し、レベルアップできるかがカギとなるだろう。

★大矢・上組はまさかのベスト4。またしても筑波大ペアにタイトルを奪われる・・・女子ダブルス

大矢(左)・上組は団体戦でのリベンジを誓う

 4組が本戦に出場し、2組がベスト8入り。しかし、大矢・上組、清水・下地奈緒(社2=沖縄尚学)組共に亜大のペアに敗れる結果となった。その亜大ペアを下して優勝したのが筑波大の森崎可南子(4年)・牛島里咲(4年)組。春関に続いて筑波大に単複共にタイトルを奪われる結果となってしまった。女子部が無冠でインカレを終えるのは2013年大会以来5年ぶり。この結果を受け大矢は、「悔しい以外の言葉が見つからない。リーグでは絶対にリベンジしたい」と語った。特にダブルスはリーグ、全日本大学対抗王座決定試合(王座)において重要なポイントとなる。女子部のエースペアとして、大矢・上組の奮起は必要不可欠。さらにはそれに続く2番手ペアの確立も課題となってくるだろう。まずは本命不在の夏関で結果を残し、団体戦につなげていきたいところだ。

 男子ダブルスでタイトルを獲得し、なんとか王者としての面目を保ったかたちとなったが、王座アベック12連覇中の王者・早大にとっては到底満足できる結果ではないだろう。ヘッドコーチが代わり、より学生主体の色が強くなった新体制。「甘えがあるんじゃないかと言われても仕方のない結果」(大矢)とも振り返る。しかし、ここからが早大の強さの見せ所だ。個人戦で結果が出ずとも、これまで12年間王座連覇を積み上げてきた。その伝統のチーム力は早大庭球部に確実に受け継がれているはずだ。チーム力を高め、団体戦シーズンに照準を合わせていくのは早大のお家芸。「最高の準備をしてリーグを迎えたい」(石井ヘッドコーチ)。悲願の王座アベック13連覇を達成するためにも、まずはリーグに向けてあと2週間、チーム全員が一つになって進んでいく。

(記事、写真 松澤勇人)

最終成績

▽男子シングルス(13人)

ベスト4

齋藤聖真

ベスト8

古田伊蕗副将、木元風哉

ベスト16

髙村佑樹、佐藤祥次、藤井颯大

3回戦敗退

坂井勇仁主将、小林雅哉、安上昂志、田中優之介、千頭昇平

2回戦敗退

古賀大貴

1回戦敗退

町田亮副将

▽男子ダブルス(5組)

優勝

坂井勇仁主将・田中優之介

ベスト8

齋藤聖真・小林雅哉

ベスト16

古賀大貴・安上昂志、髙村佑樹・木元風哉

1回戦敗退

佐藤祥次・武藤洸希

▽女子シングルス(8人)

3回戦敗退

大矢希女子主将、辻紘子

2回戦敗退

上唯希副将、大河真由、森川菜花、倉持、清水映里、下地奈緒

▽女子ダブルス(4組)

ベスト4

大矢希女子主将・上唯希副将

ベスト8

清水映里・下地奈緒

2回戦敗退

辻紘子・大河真由

1回戦敗退

藤原早気・米原さくら

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コメント

石井弥起ヘッドコーチ

――全日本学生選手権(インカレ)全体を総括していただきたいと思います。まずは女子部からお願いします

皆さん感じてることだとは思いますが、やっぱり厳しい結果になったなとは思います。シングルスでベスト16に一人も残れなかったというのは、実力を発揮できなかったということだと思うので、そういう結果になってしまったのは悔しいですね。ダブルスも上w・大矢組が優勝を狙える位置にいて、でもベスト4で負けてしまったわけですから、悔しいの一言です。でも選手は一生懸命やってくれたし、他大の選手たちも練習環境、コーチが充実してきたこともあってレベルが上がってきて、絶対王者の位置にいた早稲田からは変わりつつあるというのが正直な印象なので、これからはチャレンジャーの意識で臨んでいきたいと思います。

――現在の女子部のチームとしての弱さはどこにありますか

結果を見ても分かるようにシングルスですよね。結果を残せなかったというのが顕著に出てしまったので、リーグまでにシングルスを立て直すというのと、勝負所、競ったところで強気でいいパフォーマンスができるための心の準備がまだまだ必要かなと思いました。

――関東学生トーナメントに続いて単複共に筑波大にタイトルを奪われるかたちとなりました

去年から筑波さんはメンバーが充実してきていて、この結果は予想できることではあるので、実力を出されたなというところです。素直に筑波は素晴らしいチームになっていると思いますね。

――男子部についてはいかがですか

男子部も一緒ですかね。シングルスで上位シードであるうちのチームの上位選手たち、千頭(昇平、スポ2=愛知・誉)、田中(優之介、スポ2=埼玉・秀明英光)、小林(雅哉、スポ3=千葉・東京学館浦安)の3人が序盤で負けてしまったのは受け止めないといけないなと思います。

――その中で坂井・田中優組がタイトルを獲得できたことは収穫と言えるでしょうか

そうですね。第1シードですし、実力的に見ても優勝しないといけない位置にいたので彼らも相当プレッシャーがあったと思うんですけど、よく勝ち切ったなと思います。シングルスも先ほどの3人が負けてしまった中で、木元(風哉、社2=埼玉・早大本庄)とかも出てきたし、齋藤(聖真、スポ4=神奈川・湘南工大付)も最後頑張ったし、そういう意味ではトップ選手が負けても早稲田にはまだまだいるんだぞというのはアピールできたかなと思います。ただどの大学もレベルの差がなくなってきたというのを今年はもろに感じています。

――リーグに向けて、怖い存在のチームはありますか

女子はもう全部と言っていいと思います。筑波はもちろん慶應さんも充実しているし、今回は亜細亜の活躍も目立っていてリーグでは優勝を狙ってくると思いますし、明治だって清水(スポ2=埼玉・山村学園)も上もシングルスで負けてますので、もう気の抜ける試合はないですね。総力戦になると思います。男子も同じですよね。シングルスでいかに力を出せるか、ダブルスは安定してきたと思うので、そこが重要になってくると思います。

――今大会で一番印象に残った試合を1試合挙げるとしたら

齋藤の4回戦かな。ファイナル1-5で負けてて、そこから逆転した試合は、4年生の意地を見たというか、最後のインカレに懸ける思いを見せてくれた試合でしたね。普段の齋藤ならあっさり負けてしまうことも多いと思いますけど、あそこで頑張って逆転勝ちできたのはすごく印象に残っています。

――夏関を終えると団体戦シーズンに入ります。意気込みをお願いします

本当にできる限りの準備をして、やらなければならないことを選手、僕も一緒にみんなで考えて、それをリーグ前までにやり切る事、それに尽きますね。最高の準備をしてリーグを迎えたいと思います。