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ラグビー部

2018.08.20

夏季オープン戦 8月19日 対帝京大 長野・サニアパーク菅平

ディフェンスでもぎ取った!王者・帝京大に遂に勝利!/帝京大戦

 勝った、遂に帝京大に勝ったのだ。2010年以来、実に8年ぶりの勝利である。夏の練習試合第2戦、早大は王者・帝京大との一戦を迎えた。前半を7-14で終えると、後半開始早々にCTB長田智希(スポ1=大阪・東海大仰星)のトライで同点に追いつく。そして、57分、64分にもトライを挙げて勝ち越しに成功すると、ディフェンスでも粘り強さを見せて帝京大に簡単にゲインを許さなかった。攻め込まれる場面はあったが、28-14と点差を突き放しての勝利。春からの積み重ねがもたらした、自信につながる1勝となった。

 序盤は、一進一退の展開となり互いに攻め切れない時間が続いたが、先に試合を動かしたのは帝京大だった。自陣ゴール前ラインアウトから、ディフェンスラインにできたギャップを突かれて被トライ。ゴールも決まり、0-7と帝京大に先制点を許してしまう。しかし、早大も負けてはいなかった。15分、敵陣22メートルマイボールスクラムから逆目へ展開すると、長田がゲインラインを突破。最後はサポートに入ったCTB桑山淳生(スポ3=鹿児島実)がインゴールへねじ込んだ。ゴールも決まり、これで7-7。「タテのサインでいこうっていう話をしていて、それが上手くハマった」(桑山淳)と振り返る通り、狙い通りのアタックでトライを挙げ、失点直後にすぐに同点にしたことで試合の流れを帝京大に渡さなかった。その後は帝京大の力強いアタックに対しても粘り強いディフェンスを見せてギャップをつくらず、キャリアーにも積極的に絡みにいくなど、相手のペナルティーを誘うしぶとさも見られた。しかし、前半終了間際、NO・8丸尾崇真(文構2=東京・早実)が自陣ゴール前でハイタックルによりシンビンを取られ、早大は一時的に一人少ない中での戦いを強いられる。その後のディフェンスでも粘りを見せたものの、前半ラストワンプレーで自陣ゴールモールを押し込まれて勝ち越しを許し、7-14とビハインドで前半を終了した。

前半に一時は同点となるトライを挙げた桑山淳

 迎えた後半。早大はすぐに同点に追いつくことに成功する。4分、桑山淳のオフロードパスを受けた長田がスペースを駆け抜けると、そのままインゴール左中間へと飛び込んだ。ゴールも決まり、14-14。試合は再び振り出しに戻った。そして、このトライを皮切りに早大は試合の主導権をつかむ。17分、敵陣ゴール前で丸尾崇のキックチャージのこぼれ球をフランカー柴田徹(社3=神奈川・桐蔭学園)がおさえて勝ち越しに成功。さらに、24分にはWTB古賀由教(スポ2=東福岡)のキックチェイスから大きくゲインすると、敵陣ゴール前スクラムから追加点を挙げ、これで28-14。その後は、攻勢を強めた帝京大に防戦一方の展開となり、「気持ちが走ってしまい、規律が守れなかったところがあった」(フッカー宮里侑樹ゲームキャプテン、スポ4=沖縄・名護商工)と振り返る通り早大にペナルティーが頻発したものの、何とかしのいでノーサイド。攻守にわたって80分間『Moving』し続けた結果もぎ取った、大きな白星となった。

粘り強いディフェンスが勝利を呼んだ

 この試合で特筆すべきことは、春シーズンから積み上げてきたディフェンスだろう。これまでは、フェーズを重ねられるとディフェンスラインに簡単にギャップができてしまい、そこを突かれることが多かった。しかし、この試合では選手たちのリロードが早いため、フェーズを重ねられてもギャップが生まれずにディフェンスをすることができていた。また、前に出る鋭いタックルでキャリアーのゲインを止めることができたことも忘れてはならないだろう。しかし、一方で課題があるのも事実。「試合全体を通してペナルティーがすごく多かった」(桑山淳)と語る通り、規律の部分はこの試合意識した部分の一つであるが、ペナルティーが目立つ結果となってしまった。特に、終了間際の10分はペナルティーが頻発し、自陣にくぎ付けとなった。この1勝におごることなく、早大はさらなる高みを目指していくのみだ。

(記事 新開滉倫、写真 石名遥)

夏季オープン戦
早大 スコア 帝京大
前半 後半 得点 前半 後半
21 14
28 合計 14
2/2 3/3 スクラム成功率 0/0 5/5
9/9 7/8 ラインアウト成功率 10/10 5/5
【得点】▽トライ 桑山淳、長田、柴田、岸岡 ▽ゴール 齋藤(4G)
※得点者は早大のみ記載。
早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
鶴川 達彦 文構4 神奈川・桐蔭学園中教校
後半22分交代→16千野
◎宮里 侑樹 スポ4 沖縄・名護商工
後半22分交代→17鷲野
小林 賢太 スポ1 東福岡
後半22分交代→18土田
中山 匠 教3 東京・成城学園
後半39分交代→19三浦
下川 甲嗣 スポ2 福岡・修猷館
後半31分交代→20松井
柴田 徹 社3 神奈川・桐蔭学園
後半18分交代→22佐藤真
幸重 天 文構3 大分舞鶴
丸尾 崇真 文構2 東京・早実
齋藤 直人 スポ3 神奈川・桐蔭学園
10 岸岡 智樹 教3 大阪・東海大仰星
11 古賀 由教 スポ2 東福岡
12 長田 智希 スポ1 大阪・東海大仰星
13 桑山 淳生 スポ3 鹿児島実
後半40分交代→28伊藤
14 佐々木 尚 社4 神奈川・桐蔭学園
後半26分交代→29梅津
15 河瀬 諒介 スポ1 大阪・東海大仰星
リザーブ
16 千野 健斗 人4 東京・成蹊
17 鷲野 孝成 基理4 神奈川・桐蔭学園
18 土田 彬洋 スポ2 茨城・茗渓学園
19 三浦 駿平 スポ3 秋田中央
20 松井 丈典 スポ4 愛知・旭野
21 西田 強平 スポ4 神奈川・桐蔭学園
22 佐藤 真吾 スポ4 東京・本郷
23 沖野 玄 商3 北海道・函館ラサール
24 貝塚 陸 スポ4 東京・本郷
25 加藤 皓己 創理3 北海道・函館ラサール
26 桑山 聖生 スポ4 鹿児島実
27 舩越 明義 社4 東京・早大学院
28 伊藤 大貴 スポ4 愛知・春日丘
29 梅津 友喜 スポ3 岩手・黒沢尻北
30 南 徹哉 文2 福岡・修猷館
※◎はゲームキャプテン、監督は相良南海夫(平4政経卒=東京・早大学院)
コメント

フッカー宮里侑樹ゲームキャプテン(スポ4=沖縄・名護商工)

――帝京大に勝利を収めましたが、ご自身としてはどのように感じていますか

課題もあるんですけど、勝ったことが1番の成果かなと思います。

――80分通してディフェンスで抜かれる場面というのも少なかった印象です

春から練習で取り組んできて、運動量だったり、一人一人のスキルが上がった結果、帝京大さんのアタックを止められたと思っています。

――大東大戦でミスが目立ったラインアウトもきょうはミスが少なかったように見えました

きょうは下川甲嗣(スポ2=福岡・修猷館)がサイン出しだったんですが、色んなサインを使ってくれたおかげで帝京大さんをずらせたので、自分はそこにあまりいいスローではなかったんですが、甲嗣が出したサインでずらしたところに投げられたかなと思います。

――大東大戦後に修正したポイントなどがあれば教えてください

大東大戦が自分たちのミスが多かったですし、自分のスローのミスもあったので、修正したポイントはあまりないんですが、サインミスだけはなくそうと話していました。

――また、試合終盤はペナルティーが多発して攻め込まれる場面がありました。ここについてはどのように感じていますか

気持ちが走っちゃって、ディシプリンのところで規律が守れなかったところがあったので、思いっ切り前に出るところはいいので、東海大戦に向けて規律の部分を正していければと思います。

――ゲームキャプテンとして何か感じたことなどはありましたか

ゲームキャプテンとして思ってプレーしていなかったので(笑)、普段出ているようにプレーしました。また、下の後輩たちも結構喋ってくれたので、みんなでコミュニケーション取れたかなと思います。

――この合宿のテーマであるコミュニケーションが徐々にできつつあるんですね

少しずつですけど、大東大戦よりはレベルアップしたかなと思います。

――東海大戦へ向けての意気込みをお願いします

きょうを経てスタンダードが上がったと思うので、そこを落とさずに自分たちのやってきたことをやれば勝てることもわかったので、自信をつけて東海大戦に臨みたいと思います。

フランカー幸重天(文構3=大分舞鶴)

――ついに帝京大に勝ちました。そこについてはどのように感じていますか

素直に嬉しいんですが、まだ夏ですし、対抗戦になったら帝京大は仕上げてくると思うので。対抗戦でまた勝てるようにこっちもしっかりと成長していきたいと思います。

――フォワードの運動量というところでいうと前回の大東大戦よりも増えている印象がありました。ここについて意識したことなどありますか

帝京大さんは順目順目にくるのでフォワードでガツガツきました。そこを止めたらこっちの勝ちだなと思っていたので、そこでフォワードがしっかり『Moving』できたのかなと思います。

――大東大戦では最後にゴール前でトライを許して逆転されましたが、きょうのゴール前のディフェンスについてはどのように感じていますか

前回の試合の反省点として、ゴール前のディフェンス粘り切れなかったって出ていました。帝京大もそこ強みにしてるので、セットを低くして出足早くして、空間取ってっていうフォワードの粘りのとこを練習でもやってたので、それが成果出たなって思います。

――大東大、帝京大とご自身も2試合出場されましたが、振り返ってみて自身のパフォーマンスはいかがでしたか

まだ、要所でタックル外したり、全然まだまだだなっていう部分はあるんですが、成長してきてるとは思うので次の東海大戦で試合に出たら、いいパフォーマンスができるように頑張りたいと思います。

――成長を感じる部分は具体的にはいかがですか

接点の部分であまりアタックでも負けなくなったなっていうのとディフェンスも段々と動けてきているんで凄い余裕ができたかなって感じます。

――後半を無失点に抑えたというのはかなり自信になったと思います。振り返っていかがですか

後半自分たちのペースで先に点を取れたのは大きいですし、ゴール前の場面も何回かありましたけど、そこも粘り切れたのは自信になったので、強みにしていけたらなと思います。

――東海大戦に向けて一言お願いします

自分はやっぱりディフェンスからチームを盛り上げていこうと思ってるので、次の東海大戦も外国人選手が2人いて去年やられてるんで、そこをしっかりとしたいと思います。

SO岸岡智樹(教3=大阪・東海大仰星)

――今回帝京大に勝利を収めることができました。チームとして個人として感じることがあれば教えていただけますか

春、夏合宿前のプレ合宿と夏合宿の最初の方と積み上がったものをこの大東大、帝京大、東海大というハイレベルな相手に対して、自分たちができるだけのことをしっかりやって勝ちというものを手に入れようってところがこの夏合宿での目標でした。大東大戦は点数で見れば惜しかったんですけど、それを改めてきょう勝ち切るということがしっかりとできたので。一番の収穫は勝ちにこだわることができたことだと思います。

――2試合ともエリアマネジメントをとるっていうのがチームの方針としてあったとお伺いしましたが、どのように感じていますか

大東大戦に関してはエリアマネジメントはほぼ完璧といっても過言ではなかったんですけど。きょうはキックの種類は悪くはなかったんですけど、僕の精度だったり、あとはキックを蹴るだけではダメで、チェイスのところで相手の竹山選手(竹山晃暉、帝京大)に抜かれるとこが何回かあったりだとか。キックを蹴る判断としてチームの中で決めたことは間違いなくできたんですけど、蹴った後の結末があまりよくなかったですね。そこが次に向けての修正点かなと思います。

――ご自身でトライを取る場面がありましたが、振り返っていかがですか

正直もう行くしかないなって思ってて(笑)。まあ、BKの人数の布陣を決めたところで、右左どっちもいけるオプションを組んでたんですけど。自分がいた方にきたので他の選手は動いていたんですけど、これは自分でいくしかないかなって思ってたんで(笑)。予想外のことが起きなければ自分でいくんだっていう気持ちではいました。

――BKのアタックについてはどのようなプランを立てていましたか

大東大も帝京大さんも今年は前に出ようというのが見受けられたので、外側にボールを運びたいけど相手が出てきたら(外側に)運ぶのが難しいので。そこは一対一でしっかりタテに出るってことで。一番のアタックの目標としてゲインラインの攻防があるので。ゲインラインを切るためのオプションを最優先に選んだ結果がタテが多くなりました。でもワイドで、BKだけじゃないフォワードを混ぜた中ではワイドにふる部分があったと思うので、そこの使い分けとしては、一発食らっちゃったりとかノックオンしてしまうとかあったんですけど、自分たちが決めたやりたいことっていうのは色々と出せる部分があったのでそれは良かったかなと思います。

――また、チームとしてディシプリンという部分を意識されてたと思いますが、その部分についてはどのように感じましたか

後半の中盤はとても良かったんですけど、ただゴール前になってしまうと立ち上がりでペナルティーの数が増えてしまうっていうのは春シーズンからそうでした。でもディシプリンの部分で、大東大戦の前日の部内マッチで、オフサイドがあり得ないくらい出てしまって。そこから修正しようと話をしたら次の日のAチームの試合では(オフサイドは)0になりました。そのくらいまじめにできるチームだと思ってるので、その原因が何かを突き詰めて、次の東海大戦はペナルティーの数を1つでも減らせることが試合の勝負に関わるカギだと思うので、そこはずっと言い続けたいと思っています。

――東海大戦に向けての意気込みをお願いします

自分たちのやるべきことをしっかりと分析して、自分たちがこれをやるってことをしっかり出せればきょうみたいな結果は出てくると思うので。強い相手に対して自分たちがやりたいことを出して、結果にこだわることをしっかりだして、次の試合も勝ちたいと思います。

CTB桑山淳生(スポ3=鹿児島実)

――帝京大に勝利を収めました

15人制で勝ったのは本当に久々ですね。僕らが入ってからは初めてで、こういう試合に出られたことは凄く嬉しく思います。

――アタックで貢献される場面が多かったですが、先制されてすぐご自身のトライで取り返しました。あの場面については振り返ってみていかがでしたか

長田(CTB長田智希、スポ1=大阪・東海大仰星)と最初はタテめのサインでいこうって話をしていて、それが上手くハマりました。サポートに付いてただけでそれに対してのトライは結果であって、過程が凄い良かったなと思います。

――ゲインする場面が度々ありましたね

僕のところで一対一を行えば前に出れるっていう判断で、ボールを預けてもらうっていう選択でした。

――ディフェンスについてはいかがですか

いつも通りなんですけど、フォワードが凄い頑張ってくれて。フォワードが最後のゲインラインの攻防を凄い頑張ってくれて。僕らがやりやすいディフェンスをさせてくれたって感じです。

――2試合通じて強豪校と戦い、ご自身で感じている部分はありますか

個人としては強いチームと戦えるなっていう感じで。それをチームとして自信に繋げたらと思います。

――春から意識している一対一が通じたということですか

そうですね。

――残り10分のところでペナルティーが多くなりました。ここの部分チームとしてどのように感じていますか

後半10分もいうよりは、試合全体を通してペナルティーがすごく多かったです。もっと上の戦いになってきて、接戦になってきたらそこが命取りになると思うので。チームとして減らしていけたらなと思います。

――東海大戦に向けて一言お願いします

いつも通り自分の仕事を全うするだけです。