自転車部

2018.08.18

第74回全日本大学対抗選手権自転車競技大会 8月17・18日 静岡・伊豆ベロドローム

小泉がインカレで涙の初優勝!

 
 8月17日に第74回全日本大学対抗選手権自転車競技大会が開幕。ワセダからは小泉夢菜(スポ2=埼玉・浦和工)が2014年の合田祐美子(平26スポ卒、現BH BIORACER)以来の優勝を決め、男子チームスプリントは3位、女子チームスプリントは2位と表彰台に上った。またスプリントやチームパシュートでも大学記録を更新するなど、大学として絶好のスタートを切った。

(記事 喜柳純平)

小泉が36秒700で500メートルタイムトライアル初優勝!

加速する小泉

 
 安堵の涙だった。女子500メートルタイムトライアル決勝。最終走者のタイムが電光掲示板に映され優勝が確定すると、ヘルメットから大粒の涙がつたった。
 2016年の高等学校競技大会、高校3年で500メートルタイムトライアル36秒900をマークした小泉。トラックにとどまらずロードでも他の追随を許さぬ圧倒的な結果を収めてきた高校時代。全国高校選抜大会では3冠を達成、アジアジュニア選手権でも4種目で表彰台に。150センチの小柄な体から発されるとてつもない加速力に、誰もが驚いた。
 早大には合格者わずか5人のトップアスリート入学試験で入学。実力は申し分なく、まさに「鳴り物入り」だった。しかし、タイムが出ない。入学直後の東日本学生選手権トラックでは500メートルタイムトライアル38秒361、インカレでも37秒620と振るわない。スランプだった。慣れない一人暮らしと練習を両立させることができずにいた。高校時代のライバルに負ける悔しさ、焦燥感――。「全てに対して嫌という気持ちだった」。当時を振り返ってこう言った.
 「やっと高校時代に戻れた」。きょう2年ぶりの36秒台を出した小泉。再びつかんだ手ごたえを、もう失くしはしない。

(記事、写真 曽祢真衣 )

女子チームスプリント2位! 男子団体種目は上位入賞も悔しい幕切れ

池田(右)は最終学年で初のインカレ表彰台に上った

 
 早大が今年最も注力していた団体種目。女子チームパーシュートは予選2位通過で決勝へと駒を進めた。組んで2年目となる池田ゆめこ(スポ4=北海道・札幌旭丘)・小泉は、予選を終え優勝が眼前に。500メートルタイムトライアルに続く早大2種目目の優勝をかけて挑んだ決勝だったが、日大にわずか0.115秒及ばず。「悔しい」と口を揃えた。しかし、二人で上る最初で最後のインカレ表彰台。4年間チームスプリントに出場し、きょうまでの道のりを思い涙ぐむ池田と、その思いを知る小泉はともに喜びをかみしめ合った。
 男子チームスプリントは予選3位通過で3・4位決定戦に回った。決勝進出がかなわなかった悔しさの中で「早大らしいレースをしよう」と挑んだ田中克尚(スポ3=岡山工)、安倍大成(スポ2=岩手・紫波総合)、中野慎詞(スポ1=岩手・紫波総合)。しかし、蓋を開けてみると3・4位決定戦の早大のタイム46秒233は、優勝の日大を上回る好記録。「優勝できたはずなのに悔しい」(田中)。もどかしさが募るチームスプリントメンバーの来季に期待したい。
 男子4キロメートルチームパーシュートは5位。東日本学生選手権トラックで優勝していただけに、予選敗退は思いがけない結果となった。3走者目のタイムで順位が決まるチームパーシュートだが、今回早大は4人全員がゴールしてしまった。団体種目に沸くバンクで、声掛けと選手の受け取り方に齟齬があった。すでに3人で走行していると全員が思い、先頭を引く孫崎大樹主将(スポ4=京都・北桑田)もペースを上げきれなかったのだ。この悔しさはロードレースで晴らしてほしい。

(記事 曽祢真衣 写真 喜柳純平)

新種目オムニアム惜しくも5位に

孫崎はトラック種目では表彰台を逃した

 

 今年からインカレの正式種目となったオムニアム。ポイントレースや、スクラッチなど複数の種目を行い順位ごとに得点が与えられ、4種目が終わった時点での総合得点を競う競技である。選手たちには専門種目ではない競技にも出場するため、スピードと持久力を兼ね備えた総合的な能力が求められる。
 早大から唯一出場したのは孫崎。1種目のスクラッチは上位からは離れない走りで、3位につける。次のテンポレースはやや順位を落としたが、3種目が終わった時点で総合順位は暫定4位に。そして迎えた最終種目のポイントレース。スタートから飛ばし最初のポイント周回で幸先よく1位を奪取。次のポイント周回でも得点をしたいところだったが、疲労からかなかなか点に絡めなくなる。しばらくテンポを落としたまま、走り続けると集団から3人の選手が飛び出す。この逃げた3人は後続との差を広げ孫崎は完全にポイント獲得圏内からは外れてしまう。なんとか最後のポイント周回では3位に入ったものの、総合順位を覆すまでには至らず、最終結果は5位に終わった。
 あと少しで表彰台を逃し、レース後は硬い表情を崩すことはなかった。これで孫崎のトラック種目は終わったが、得意としているロードレースは2週間後に控える。まずはトラックからは頭を切り替え本命種目で優勝をねらっていきたいところだ。
 

(記事、写真 喜柳純平  )

ケイリンは悔しい6位に終わる!

安倍はレース展開に苦しんだ

 ケイリンに出場した安倍は昨年からの成長を見せつけた。予選は余裕を持って大きな差をつけて1着、準決勝でも勢いそのままに組をトップで走り抜けた。「力を発揮できた」(安倍)。
 表彰台に向けて期待のもてる感触で挑んだ決勝。スタートは最後尾だったものの、準決勝同様残り1周に入る前にスピードを上げていく。絶好の位置につけたが、足を溜めていた後続の選手も襲い掛かる。安倍は必死に粘ったが、順位を維持できない。最後尾にまで落ちてしまうと諦めたようにスピードを緩め、ゴールラインを超えた。
 「レース展開が分からなった」(安倍)。予選、準決勝は他の選手との力の差も大きく多少のミスがあっても挽回できるが、決勝に残ってくる選手たちはその隙を見逃さない。実力はあっただけに悔しさの残るレースになった。ただ、昨年の順位を上回り、結果、内容共に悪いわけではない。安倍は明日タンデムスプリントに出場予定。予選で学連新記録をマークし、優勝も狙える位置につけている。今日の悔しさを晴らせるか、明日のレースに期待したい。

(記事、写真 喜柳純平)

結果

▽タンデム・スプリント

安倍大成・川副雷斗 決勝進出

▽男子スプリント

中野慎詞 1/4決勝進出 

田中克尚 1/4決勝進出

▽女子スプリント

池田ゆめこ 予選敗退

小泉夢菜 1/4決勝進出

▽男子4キロメートルインディビジュアル・パーシュート予選

河野翔輝 9位

▽男子4キロメートルチーム・パーシュート予選

早大 5位

▽男子オムニアム

孫崎大樹 5位

▽ケイリン

安倍大成 6位

▽男子チームスプリント

早大 3位

▽女子チームスプリント

早大 2位

▽女子500メートルTT

池田ゆめこ 11位

小泉夢菜 1位

▽マディソン

山本真寛・片野陸 4位

コメント

池田ゆめこ(スポ4=北海道・札幌旭丘)・小泉夢菜(スポ2=埼玉・浦和工)

――準優勝おめでとうございます。女子チームスプリント決勝を振り返って良かった点や反省点を教えてください

池田 500メートルタイムトライアルが終わった後だったので、まずは疲労を完全に回復させて万全の状態で臨むことを意識しました。優勝を狙って臨みましたが、わずかにタイムが及ばなかったという点については自分の力不足だったと思います。でも今までやってきたこと全てを走りに伝えられたので悔いはありません。

――今の言葉を聞いて小泉選手はいかがですか

小泉ゆめこさんがそういう思いというのも一緒にずっと生活していたから知っていたし、ゆめこさんの最後のレースだったからやっぱりちゃんと勝たせてあげたいという気持ちでした。最後全力で走ろうと思いました。

――二人でインカレの表彰台に上れるという点に関しては

池田 めちゃくちゃうれしいです。最初はインカレのチースプで表彰台に乗ることが目標でやってきました。きのうの時点で0.5秒差だったのでもしかしたらいけるかもしれないという期待もありました。でも、今まで勝てなかった大学の選手とここまで戦えるようになったのはやっぱりたくさんの人に支えられてきたからです。それこそ2走の夢菜にうまくつなげて夢菜がしっかり頑張ってくれたのがとても大きいです。感謝しています。

小泉本当ですよ(笑)。もともと勝つつもりだったので0.5秒はひっくり返せると思っていました。僅差で負けたのはめちゃくちゃ悔しいです。でも、二人共全力で走れたから表彰台に上れて私はうれしいです。うれしいですよね?

4年間やってきて初めて表彰台に上って、それに夢菜と上れるのでよりうれしいです。

――ありがとうございます。ここからは小泉選手にお聞きします。500メートルタイムトライアル優勝おめでとうございます。

池田 めちゃくちゃうれしいです。

――36秒台が出た瞬間涙を流していましたが、どのような気持ちでしたか

小泉このタイムじゃ優勝できないとすごく残念な気持ちでした。後は最終組を待っていて、最初は私よりも速かったのでどうしようという気持ちでしたが、タイムを見て1位だと分かった瞬間により一層涙が出ました。インカレに来る前に祖父が亡くなっていて、このインカレは家族に対する思いがすごく強かったです。家族にウィニングランを見せられたのが本当にうれしかったです。

――2年ぶりの36秒台です

小泉やっと戻ってきたという感じです。これからは35秒台などもっと上を目指したいという気持ちです。やっときょう高校生の時のような試合に対する捉え方もそうですし、本当に全てが戻ってきました。

――ありがとうございます。次に池田選手にお聞きします。早大自転車部での4年間を振り返っていかがですか

池田 4年間、一年たつごとに過ぎていくのが早く感じてそれだけ自転車部での充実した生活が送れてたんだなと感じます。自転車部での活動を通して学べたものがたくさんあって、すごく早稲田大学の自転車部に入って良かったと思います。

――入部を決めたのはいつでしたか

池田 高2の時の選抜(高等学校選抜競技大会)で、鈴木監督にお会いした時にワセダの自転車部に合田さん(祐美子、平26スポ卒)という女子選手がいるという話を聞いて。そこから高3になってワセダに入りたいという気持ちが強くなりました。1年間浪人したんですけど目標とする大学に入って、すぐに自転車部に入ると決めました。合田さんがインカレで優勝したのを見てすごくそれに刺激をもらいました。こういう風に活躍できる部活に入りたいと思っていました。浪人している間もずっとワセダの自転車部に入りたいという、その一本でした。

――池田選手は下級生の時から先輩に対する熱い思いを話している印象がありました。先輩にはどのような影響を受けてきましたか

池田 チームのために何が何ができるかを考えるきっかけを作ってくれました。1年生、2年生の時は本当に自分がどうしたら強くなれるかを考えていて先輩方の練習を真似してみたり、チーム全体を見る余裕はありませんでした。たくさん一緒に練習していく中でもっとより良い練習ができるのではないかと思うようになったし、先輩方の練習メニューから学んだものも大きかったです。自分がけがした時も私の一週間の練習メニューを森さん(浩輔、平29スポ卒)が主将の時、親身に考えてくださって。自分がなかなかタイムが出ない時でも周りからの応援があったので乗り越えられました。

――後輩たちにはどのような言葉を残しますか

池田 自分のやるべきことをまずはしっかりやっていくことだと思います。面倒くさいではなく、本当に勝ちたかったらやるだろうということは、やっていくべきだと思います。また、もっと上の学年が下の学年にコミュニケーションを取っていくことが大事なんじゃないかと思います。下の学年が上の学年にはやっぱり聞きづらいから。今チームの雰囲気がとてもいいので、この雰囲気のままレベルアップしてこれからの自転車部を作っていってほしいです。自主自律。

――これで選手生活は引退しますか

池田 そうですね。自転車競技は好きなのでこれからも違う形で関わっていきます。

――池田選手にとって自転車とは

池田 自分らしくいられるものです。

田中克尚(スポ3=岡山工)

――インカレにはどういった調整をしてきましたか

今は短距離のリーダーとしてやっているので主にチーム競技に力を入れてて、チームで優勝をしようというつもりだったんですけど、少しうまくいかずに3位に終わってしまいました。まだ個人が残っているのでそれを出来るだけ多く点数を取れるように臨んでいこうという感じですね。

――調子の方はどうでしたか

調子は僕はハロンのタタイムはそこまでよくはなかったですが、チームスプリントが結構上手くいっていたので調子は結構いいかなと感じていました。

――チームスプリントを振り返って

予選と決勝と言いますか、3位、4位はタイムが3位、4位決定戦の方が速くて、決勝走っていたチームより、僕たちの3位、4位、決定戦の方がタイムがよかったので、そこが少し悔しいと感じています。

――3位という結果についてはいかがですか

優勝を狙っていたので、悔しい部分もありますが、表彰台には乗れてほっとしています。

――明日のレースに向けて意気込みを教えてください

明日はスプリントで僕と中野君(慎詞、スポ1=岩手・紫波総合)も残っているので決勝で当たれるように頑張りたいと思います。

安倍大成(スポ2=岩手・紫波総合)

――インカレまでの調整を教えてください

インカレは大学生の中で最高峰の大会なので、とりあえず調整の仕方としては2週間前から、はじめて、最初の1週間は追い込んで、残りは調整という感じで、軽い強度で練習をして今日に合わせてきました。

――調子は上がっていましたか

そうですね。今年で1番上がっていました。

――チームスプリントの方を振り返っていかがでしたか

チームスプリントは1走と2走の間が課題で最初のスタートしてから、自分が1走なのですが、スタートして1走が後ろにつくというのがあまり上手くいっていませんでした。ただ今日は少し2走に合わせるような形でできました。タイム的にはほんの少しで決勝までいくことができなかったので悔しいですね。3位、4位決定戦では決勝と合わせた4チームの中でトップタイムだったので、あと少しのところかなと思います。

――結果についてはいかがですか

チームスプリントは優勝を狙えるメンバーが揃っていたと思うので優勝したかったですけど、3位という結果で悔しいですね。

――ケイリンの方はいかがですか

ケイリンは予選、準決勝と実力を発揮できてて、決勝も自分の走りをすれば勝てると思っていましたが、レースの流れを読みきれなくて、読みが浅かったと思います。そのためレースの流れを読む力が足りてなかったかなと思います。かなり悔しいです。

―― 最後に明日への意気込みを教えてください

タンデムスプリントでは予選で学連新記録を出しました。すぐにぬりかえられてしまいましたが、僕らとしてはかなり良い走りができました。自分たちはタイムというより、対人戦に自信を持っているので、明日は法政大学が自分達よりもタイムを上回っていますが、決勝までいって、自分達の走りをすれば勝てるかなと思っています。