ア式蹴球部

2018.07.23

アミノバイタルカップ2018 7月22日 茨城・RKUフットボールフィールドA面

『サブ組』が躍動!4得点で乱打戦制し5位を勝ち取る

 アミノバイタルカップ関東大学トーナメント(アミノバイタル杯)の5位決定戦が行われ、専大と対戦した。総理大臣杯全日本大学トーナメント(総理大臣杯)のシードをかけた、今大会初の関東大学リーグ戦の1部校との一戦。早大はここまで出場機会を得られていなかったメンバーを中心にメンバーを構成して臨んだ。前半のうちにFW杉田将宏(スポ1=名古屋グランパスU18)、FW梁賢柱(スポ2=東京朝鮮高)の得点でリードを奪うと、打ち合いとなった後半にも2点を追加。4-3で勝利し5位に入った早大は、関東地区第5代表として総理大臣杯に出場する。

 「ベンチから漏れていた登録メンバーに重要な1試合を預けたい」(外池大亮監督、平9社卒=東京・早実)と、この日のスタメンには新鮮な顔ぶれが並んだ。DF川野秀悟(スポ1=栃木SCユース)、MF吉田峻(社1=清水エスパルスユース)、MF田部井悠(スポ1=群馬・前橋育英)、FW佐藤優輝(創理3=東京・暁星)は公式戦初出場、DF大西翔也(スポ1=浦和レッズユース)、MF阿部隼人(社2=横浜F・マリノスユース)は公式戦初スタメンとなった。試合の立ち上がりは、ベストメンバーを送り出した専大にボールを保持され、押し込まれる展開。それでも、この日キャプテンマークを巻いたDF杉山耕二(スポ2=三菱養和SCユース)が最後の局面で体を投げ出すなど、失点することなく試合を進めた。炎天下によって設けられたクーリングブレイクを挟んで、徐々にリズム良くパスが回るようになると、迎えた32分だった。1トップの佐藤優が相手の激しいチャージを受けながらも右サイドでボールを収め、自ら運んでゴール前へラストパス。走り込んだ杉田の1度目のシュートはGKに防がれたが、こぼれ球を自ら拾って決め、先制に成功した。37分にも右サイドの田部井を起点とし、杉田のスルーパスからボックス内へ梁が抜け出す。1対1で放ったシュートは相手GKに防がれたが、ここも梁が自ら跳ね返りにいち早く反応し、押し込んで追加点。望外とも言える2点のリードを得て前半を終えた。

先制ゴールを決める杉田

 後半はより堅実に戦いたいところだったが、早々に危険な位置でファウルを犯すなど、思うような入りができなかった。すると50分、ボックス手前でフリーとしてしまったFW遠藤翔太(2年)にミドルシュートを沈められ1点を返されてしまう。これを機に、勢いそのままに試合をひっくり返したい専大が前に出てきたこともあり、オープンな展開へと推移。次の1点が大きなポイントとなった中で、先にネットを揺らしたのは早大だった。57分、ロングボールに抜け出した左サイドの梁が、カットインから右足でミドルシュート。強烈な一発は右ポストを叩いたが、ゴール前の佐藤優のもとに転がり、これを押し込んだ。64分に右サイドを割られて再び1点差に詰め寄られたが、その後は早大ペースで試合が進む。67分以降、途中投入したMF神山皓亮(商3=栃木・真岡)がスピードを生かして幾度となく左サイドを突破し、好機を演出。流れの中ではFW宮脇有夢(文構1=東京・早実)、セットプレーではDF坂本寛之(スポ2=横浜F・マリノスユース)らに好機はあったが、専大GK塚田匡壮(2年)に阻まれるなどして生かせない。それでもリードを保ったまま試合は最終盤へ入り、89分。右サイドで宮脇のボールキープを起点に、サイドバックの大西が果敢に攻め上がる。ドリブルで中央に侵入し、ボックス内へスルーパスを送ると、抜け出した阿部がゴールに流し込んだ。アディショナルタイムに入り、ショートカウンターからMF中山克広(4年)に決められ再び1点差とされると、専大はその直後、再び中山に決定機。しかしGK千田奎斗(スポ2=横浜F・マリノスユース)のビッグセーブで逃げ切り、4-3で勝利。白星で大会を締めた。

公式戦初出場でチーム3点目を決めるなど活躍した佐藤優

 すでに総理大臣杯の出場権を獲得して臨んだこの日の一戦。この勝利によって同大会のシードを獲得したとはいえ、今大会で戦った5試合の中では、客観的に見れば最も価値が薄い1勝かもしれない。しかし、チームの今後を見据えれば、この勝利がもたらすものは計り知れないほど大きい。「1、2年生が出ても、関東リーグ上位にいる専修を相手に善戦して、結果としてはもちろん、内容としてもやれるぞと示せた」(杉山)。「専修さんも過密日程で本来の調子ではなかったかもしれない」(外池監督)とはいえ、主力組の専大に対し、公式戦でサブ組主体のメンバーで勝ちをつかみ取ったという事実は、チーム内の競争をさらに活性化させることになるだろう。特に、紅白戦の活躍から入部後初のメンバー入りをつかみ取り、結果を残した佐藤優の存在は、「公式戦は手の届く場所。他のメンバーにとっても刺激になったと思う」(外池監督)。部員全員に広がる、秋のメンバー入りの可能性。チャンスをつかみ、1カ月後に大阪に向かうのはどんな顔ぶれになるだろうか。

スターティングイレブン

★20年ぶり優勝へいざ 関東地区第5代表として総理大臣杯へ

閉会式で関東地区代表の認定証を受け取る岡田主将

 この日の勝利で、アミノバイタル杯の最終成績を5位とした早大。総理大臣杯へは関東地区第5代表として出場することとなり、1回戦のシードも決まった。同大会は8月末から行われるが、早大の初戦は9月3日、2回戦で阪南大対鹿屋体大の勝者と対戦する。初戦から難敵との対戦になるが、関東地区代表と同居しないヤマに入り、外池監督は「相手チームをリスペクトしますけど、戦いやすいヤマには入ったと思う」と前向き。名実共に『日本をリードする存在になる』ためにも、まずは20年ぶりの総理大臣杯制覇で『日本一』の称号獲得を狙う。


(記事、写真 守屋郁宏)


アミノバイタルカップ2018 第7回関東大学トーナメント大会
兼総理大臣杯全日本大学トーナメント関東予選 5位決定戦
早大 2-0
2-3
専大
【得点】
(早大)31’杉田 将宏、37’梁 賢柱、57’佐藤 優輝、89’阿部 隼人
(専大)50’遠藤 翔太、64’鈴木 厚太、90+6’中山 克広
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 21 千田 奎斗 スポ2 横浜F・マリノスユース
DF 26 大西 翔也 スポ1 浦和レッズユース
DF ◎5 杉山 耕二 スポ2 三菱養和SCユース
DF 23 坂本 寛之 スポ2 横浜F・マリノスユース
DF 28 川野 秀悟 スポ1 栃木SCユース
MF 27 吉田 峻 社1 清水エスパルスユース
MF 18 阿部 隼人 社2 横浜F・マリノスユース
→89分 15 直江 健太郎 商4 東京・早実
MF 25 田部井 悠 スポ1 群馬・前橋育英
→58分 14 藤沢 和也 商3 東京・早実
MF 19 杉田 将宏 スポ1 名古屋グランパスU18
→64分 30 宮脇 有夢 文構1 東京・早実
MF 20 梁 賢柱 スポ2 東京朝鮮高
→67分 22 神山 皓亮 商3 栃木・真岡
FW 34 佐藤 優輝 創理3 東京・暁星
→76分 13 高岡 大翼 社4 広島皆実
◎=ゲームキャプテン
監督:外池大亮(平9社卒=東京・早実)
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コメント

外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)

――宣言通りスタメンを大きく入れ替えて臨みました。選手たちにはどんなことを伝えましたか

狙い通りでした(笑)。今日出るメンバーにはあまりプレッシャーが掛からないように、「背負うのは勝ち負けではなくて、自分たちの選手としての意志や姿だ」と伝えました。特に今日は、佐藤はいましたけどほぼ1、2年生というメンバーで、「これからのワセダを担うためにも今日の試合は大きい。こんなチャンスはなかなかないし、君たちが一選手としてどうあるべきかがピッチの上で晒されるから、そこに向き合ってピッチに立ち続けてほしい」という話をしました。当然専修さんも過密日程で本来の調子ではなかったかもしれないですけど、ウチとしては自分たちの良さやフレッシュさ、各人が持っているものを120%出そうとする姿勢がこの結果に結びついたかなと思います。

――相手は主戦の11人を並べてきました。その中で勝利しましたが、何が良かったと感じますか

入りは当然半信半疑な部分もあったと思います。彼ら(専大の主力選手)とこういう場で対峙する一つ一つのプレーの中で、強いな、速いなと思った部分もあったと思うんですよね。でも、公式戦のピッチ上という場で向き合い、乗り越えようとすることで、自分が持ち合わせているものと初めて出会った部分もあったと思います。それが今のチームの良さである自分を変化させていくというところに火をつけて、随所に出てくるようになって、前半、特に中盤の(クーリング)ブレイクの後からそのあたりがすっきりと表れてきたなというのがありました。特に佐藤とかはずっとB(チーム)にいて、今回登録に入ったのも初めてだっただろうし、今回も登録を決める前の紅白戦で連続してゴールを決めていて、僕が(登録の最後の)33番目で、背番号34として入れたんですよね。そういう意味でも彼みたいな選手がどういうことをやってくれるかというのはすごく楽しみだったし、逆に言うと、前期、ここまでみんながチャレンジしてきた姿勢やその空気感こそが彼を後押ししたと思うので、今日の彼の活躍は他のメンバーにとってもすごく刺激になったと思うし、そこ(公式戦)は手の届く場所だし、彼も結果を残して今までと違う景色が見えたと思うんですよね。そういうことを実感し、体感する人がどんどん増えてくれば、今結果を残しているメンバーも更に変わっていくという、まさに日本をリードする存在になるためのステップを踏んでいってくれると思います。ここまでうまくいくとは思わなかったですけど(笑)、僕もそれを改めて実感しました。でも、僕がここで覚悟して送り出さないと何も始まらないなと思っていたので、そういう意味では僕もある種の開き直りというか、いかにそれを今日出るメンバーや全体に対してそれを伝えるかという意味では、ミーティングとか、試合前とか、かなり工夫をしました。こういう風に形になったことが偶然でなく必然だったとみんなに思ってほしかったし、そういう働きかけができたことは僕にとってもすごく大きな意味があったと思いますね。

――秋に向けた準備がいよいよ始まります。どういう準備をしていきますか

まずは体も心身ともに疲れている部分があると思うので、リフレッシュしてもらって、その上で選抜でいなくなったりとか、代表とか、強化指定とか、意外とみんながいなくなってしまいますけど、その外側に出てくるやつらがあってこそ、更に大きくなるチャンスがあると思っています。まずは目の前に日本一を狙える、自分たちで(出場権を)獲得したトーナメントがあります。僕は5位代表になれることはすごく意味があるなと思っていて、当然相手チームをリスペクトしますけど、戦いやすいヤマには入ったと思うので、そこに対してより鮮明に、具体的にそのヤマを登り切るイメージを持って準備をしたいなと思います。

DF杉山耕二(スポ2=三菱養和SCユース)

――なかなか出場機会を得られていなかったメンバーでスタメンが構成されました。どういった思いで臨みましたか

ここまでアミノバイタルを戦ってきたメンバーとは別で、あまり試合に関われなかったメンバーがスタメンだったんですけど、一人ひとり悔しい思いだったり、試合に出れないもどかしさとかがあったと思います。そういった悔しい思いや、外池監督にチャンスをもらったという意味でも今日アピールをして、後期の活動につなげていきたいという強い思いをみんな持っていたと思います。だからこそああいうタフな試合ができたと思います。

――相手は1部で上位につける専大でした。どういうことを試合前に確認しましたか

自分たちのほうが個人の能力で劣るという予想はしていたし、相手はフルメンバーで来ると聞いていました。その中で、自分たちが相手を引き込んで守った中で、最小失点に抑えながらカウンターで点を取れればという考え方でした。

――序盤は厳しい展開が続きました。急造チームだったと思いますが、そういう戸惑いもあったんでしょうか

まあ多少はあったと思います。1、2年生主体で、試合を通して気持ちの面でも体力的な面でも難しさはあったと思います。

――前半の半ばを過ぎてから、スムーズな展開が増えた印象があります。ピッチ上ではどういった変化がありましたか

(ボールを)テンポよく動かして、自分たちの時間を増やすことで、だいぶ楽になったと思います。カウンターの形、仕留め切る、やり切るというところで差が出たのかなと思いました。

――今日の収穫としてはどういう部分にありますか

1、2年生が出ても、こうやって関東リーグ上位にいる専修を相手に善戦できるという、もちろん結果もそうですし、内容としてもやれるぞというのを示せたと思うので、後期はワセダ全体としての総力は絶対に上がるし、今日出たメンバーも自信がついたと思うし、日頃試合に出ているメンバーも少し危機感を覚えたんじゃないかなと感じます。

――この勝ちを後期にどうつなげていきますか

秋は総理大臣杯とリーグ戦再開というのがあるので、そこに向けて全員で切磋琢磨して良い競争をして、(秋を)迎えられればいいと思います。