ハンドボール部
2018.07.01
第11回早関定期戦 6月30日 兵庫・関学大総合体育館
前半ビハインド許すも後半猛追。早関定期戦をドローで終える
関東学生春季リーグ(春季リーグ)の激闘から1カ月。関学大のホームである兵庫で行われた早関定期戦は、最後の1秒まで試合の行方がわからない好ゲームとなった。前半関学大の速攻に苦しめられ3点ビハインドで折り返すが、後半タイムアウト後から主導権をつかみ点差を詰める。後半28分についに同点に追いつき、ラスト15秒でもゴール前までボールを持ち込んだが攻撃は決まらずゲームセット。11回を数える定期戦史上初めて引き分けで幕を下ろした。
開始10分間こそ久保涼子(スポ4=群馬・富岡東)の7メートルスローや島崎愛(社4=熊本国府)のポストシュートなどで互角に戦ったが、前半中盤からサイドを駆け上がる相手のワンマン速攻により失点が目立ち始める。「警戒しているのに何本もやられてしま」(富永穂香、スポ4=東京・佼成学園女)い、相手の狙いやスタイルがわかっていながらもじりじりと点数を離される苦しい時間帯が続いた。早大も小気味よいパス回しから生まれる鳥平知穂(スポ4=大阪・四天王寺)のサイドシュートなどで反撃したが中盤につけられた3点差をなかなか縮められなかった。前半20分以降はゴールを奪っては奪い返される試合展開が続きスコアは7-10。射程圏内の点差ではあったが後半は自分たちの時間帯をつくることが強いられた。
鳥平は久しぶりの出場ながらうれしい2得点を挙げた
巻き返しを狙う後半だったが、立ち上がりだけなら雲行きはますます怪しかった。相手に連続失点を許したちまち差は5点に。選手同士の声かけも少なくなり、主導権を相手に渡しかねない状況に追い込まれた。しかしここで早大が春季リーグで身につけた、苦しい場面でも辛抱強く戦う術が遺憾なく発揮される。「タイムアウトでここから盛り上げて取り返していくぞという気持ちに全員がなった」(富永)ことで、オフェンスに血が通うと同時に、関学大に10分以上得点を与えなかった。この機会を逃さなかった早大は、富永や久保、加えて吉田瑞萌(スポ2=東京・佼成学園女)のシュートで連続得点を挙げると、杉山瑞樹(社3=神奈川・横浜創英)も2連続でサイドシュートを決め17-17の同点に持ち込む。そして残り1分、相手のセットオフェンスを退けボールを奪うと、再び杉山がシュートレンジへ向かった。杉山は得意の位置からシュートを放ったがこれが惜しくも決まらず時間切れ。後半だけでは相手を確実に凌駕(りょうが)する戦いを演じたが勝ち越すまでにはあと一歩及ばずドローで試合は決した。
カットインからの鋭いシュートが光った富永
前半を中心に我慢の時間が多かったが、ビハインドでも気持ちを切らさず試合を持ち直すことに成功した早大。春季リーグで培った粘り強さが体現された一方で「勝てるシーンもいっぱいあった」と鳥平知穂(スポ4=大阪・四天王寺)が話すように、ベストを尽くせたとも言い難い試合ではあった。しかし、なにより春シーズン最後のゲームで、普段とは異なる間合いを持つ関西のチームと対戦し、その上で秋やインカレに向けて強化するべきことを明確にできた意味は大きいといえよう。まだまだ成長を留めることを知らない女子ハンドボール部。夏場の鍛錬でさらにレベルアップし、目標のインカレ優勝へ邁進する。
(記事 小松純也 写真 森田和磨、宅森咲子)
第11回早関定期戦 | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 17 | 7−10 10−7 |
17 | 関学大 |
GK 北村早紀(スポ3=群馬・富岡東) LW 杉山瑞樹(社3=神奈川・横浜創英) LB 吉田瑞萌(スポ2=東京・佼成学園女) CB 金庭亜季(社4=群馬・富岡東) PV 島崎愛(社4=熊本国府) RB 富永穂香(スポ4=東京・佼成学園女) RW 久保涼子(スポ4=群馬・富岡東) |
コメント
富永穂香(スポ4=東京・佼成学園女)
――きょうの試合展開を振り返っていかがですか
試合前も、苦しい場面を我慢して我慢して、自分たちで落とさないようにしようということを話していたので、試合の盛り上がりというかチームの雰囲気はすごく良かったと思います。
――5点差を追いつくことができたのも雰囲気が良かったからでしょうか
そうですね。そのときに一度声がなくなって、タイムアウトでここから盛り上げて取り返していくぞという気持ちに全員がなったからこそ追いつくことができたので、そこの強さは春に比べたら出てきたのかなと思います。
――引き分けという結果も前向きに捉えているということですね
はい、そうですね
――関西のチームとの対戦でしたが、関東のチームとの違いはありましたか
間合いが遠く、こちらもワンマンがくると警戒していたにも関わらず何本もやられてしまったのはこれからの課題だし、やってくるとわかっているからこそ0に封じて止めなければいけないところだったかなと思います。
――相手の体格もかなり大きかったように思います
こちらもフィジカルは鍛えているので、当たり負けはしなかったように思います。
――富永選手自身も何本かシュートを決めました
決めることができたときはいいとして、2本外したというのが、結果論にはなってしまうのですが逆転のチャンスではあったし、チームが盛り上がっているときに私を含めて何人か外している人やミスがあったので、やはり秋で勝つにはそういうところも一つ一つ詰めて修正していかないと思います。
――最後に秋やインカレに向けて意気込みをお願いします
ここで関西(のチーム)とやれたっていうのは大きいし、だからこそ秋やインカレに向けて今出た課題を、関西ではこうだったけど関東ではどうかということを考えてやっていけたらなと思います。
鳥平知穂(スポ4=大阪・四天王寺)
――きょうの試合全体を振り返っていかがでしたか
途中後半に入ってから点が止まってしまったのでそこをもうちょっと詰められたらというのが反省点ですけど、最後チームで声出して諦めずに同点まで追いつけたのはよかったかなと思います。
――ご自身の得点シーンを振り返っていかがでしたか
あの時は前半の終盤だっていうことで自分にもパスが来るだろうというのも普段の練習からコンビ合わせているメンバーだったので、飛び込んでシュートいこうと強気で行けたのがよかったかなと思います。
――チームメイトからも祝福がありましたが
私ずっと怪我をしていて4年まで出られてなかったんですけど、きょうチャンスをもらえてそれをモノにできたのは自分も嬉しく思います。
――引き分けという結果についてはどうお考えになりますか
本当は勝ちたかったし勝てるシーンもいっぱいあったと思うので、そこはもうちょっと詰めの甘さかなと思うので練習はもう少しシュートまで意識しないと秋リーグに向けて強くなれないなと思います。
――具体的に秋季リーグに向けて挙げられる強化ポイントはどこですか
いまディフェンスをやっているんですけど、ディフェンスとオフェンスをやったうえに最後のシュートの詰め、ディフェンスから速攻のチームなのできょうも行ける場面あったのにミスしてしまうことがあったので、そこでもっと確実に点が取れるチームにしていきたいと思います。