軟式庭球部

2018.06.26

全日本大学王座決定戦 6月22〜24日 福岡・穴生ドーム

王座三連覇!個人も優勝で王者ワセダを見せつける

 先日行われた関東学生春季リーグ戦(春季リーグ戦)で見事完全優勝を果たしたワセダ。その際に手にした全日本大学王座決定戦(王座)への切符を使い、こんどは福岡にある穴生ドームに姿を現していた。初日に行われた予選リーグは誰一人負けることなく、余裕をもって準決勝に駒を進める。準決勝は地元開催で勢いに乗る福岡大に安定した力を見せ3-1で勝利。決勝戦では船水颯人主将(スポ4=宮城・東北)がまさかの敗北を喫したものの、最後はルーキー・高倉和毅(社1=東京・早実)が決め、今年も王座はワセダの優勝で締めくくられた。また、今年からは団体戦の後にもう1日大会日を増やし、個人戦も行われた。こちらは船水・上松俊貴(スポ2=岡山理大付)組が優勝。加えてベスト8にも安藤・内田組が入り、層の厚さを改めて実感できる大会となった。

安定した強さで早大を勝ちに導いた安藤

 団体戦準決勝。1番は内本隆文(スポ3=大阪・上宮)・上松組だ。2人の実力を考えればそこまで苦戦する相手ではなかったはずだが、試合はファイナルにまでもつれ込む。激しいラリーの中で、内本は賢明にボール返していった。上松のスピードのあるボレーで勝負は決まり、まずは安心の1勝。続く高倉は慣れないコート上での弱気なプレーで負けてしまったものの、3番の長尾景陽(社3=岡山理大付)・松本倫旺(スポ3=熊本・済々黌)組、4番の船水が頼れる上級生の姿を見せ、3-1の快勝となった。時間を少し空けて行われた決勝戦、相手は宿敵・明大だ。ワセダは準決勝から順番を変え、1番には長尾・松本ペアを送り込む。ミドルへのショット、相手のボレーの構えを退ける強烈な返しなどが決まり、ゲームカウント5-2で勝利した。2番には船水。このメンバー順を見た誰もが、ワセダは3番までで試合を終わらせようとしていると思っただろう。しかし、この船水の試合は会場中が驚く結果になってしまった。相手は先日の春季リーグ戦で高倉に勝利した北本達己(明大)。カットサーブ、ツイストを用いる北本に、船水は大苦戦。普段は何本も決まるサービスエースもなかなか決まらず、あっという間に相手のペースに呑まれてしまう。「何とか勝ちたいという気持ちが空回って負けてしまった」(船水)。ゲームカウント1-4で試合が終わると、全日本シングルスチャンピオンの敗北に会場は騒然とした。何としてでも嫌な流れを断ち切りたいワセダ。3番の上松・内本組は準決勝よりもコンビネーションの良いプレーになっていた。粘りのキャッチで相手のミスを誘引する内本と速攻攻撃が冴えた上松は5-1で圧勝。4番の高倉は、自分の番まで回ってきたことに試合前こそ不安げな表情を見せていたが、結果は左右に揺さぶられながらも丁寧にボールリターンして粘り勝ち。「(船水に勝った)北本が同期(1年)なので影響を受けた」(高倉)という。勝利の瞬間、歓喜に沸くチームメイトが高倉を囲んだ。主将が勝てなくても、優勝できる。王者ワセダの底力を示した瞬間だった。

3連覇して王者としての底力を見せた早大

 大会3日目、個人戦ダブルス。安藤優作(社4=岐阜・中京)・内田理久(社2=三重)組の3回戦は勝てばベスト8、相手は応援の多さで波に乗っている福岡大のペアだ。安藤と内田は相手の勢いに押されることなく、自分たちのペースで試合を進めていく。内田のポーチボレーの調子が良く、3ゲーム目こそ相手にサービスエースを2連続で決められ落としてしまうが、それ以外のゲームではデュースになることもなくもなく4-1で勝利。快調ぶりがうかがえた試合だった。しかし続く準決勝では、中華台北から来た余凱文(臺北市大)・林楷華(臺北市大)組が2人の前に立ちはだかる。ダブル前衛や鋭いスマッシュに翻弄され、最後はコートギリギリのクロスを拾いきれず敗北。結果はベスト8にとどまった。一方、優勝候補として名の挙がる船水・上松組は、その期待に応えるようにどんどんと勝ち上がっていく。準決勝、安福翔平(福岡大)・下牟田和歩(福岡大)組には苦戦したものの、クロスにストロークを放った後ストレートにパッシングショットを決めるなど、上手く流れをつかみ4-3で決勝進出を決めた。決勝の相手は、準々決勝で安藤・内田を下した、余・林組。このペアは、船水と上松が日本代表として出場するアジア競技大会でも当たることが予想される。上松はカットサーブを上手く返そうとするあまり、ネットアウトにしてしまうことが何度かあったが、それも後半になるにつれ器用に修正し、レシーブを安定させていった。2人は試合中何度も話し合いをする姿を見せている。「話をしてどうするか戦略を練った中で、お互い一致したことをやっていた」(上松)。細かく対策を練ったことが功を奏したようで、船水のパワーのあるストロークで相手を乱し、そこに上松がボレーを叩き込むなどして、どんどんポイントを重ねていく。終わってみれば4-2で優勝。船水・上松はアジア競技大会に向けて大きな手ごたえを得た。

 団体戦でも、個人戦でも優勝を果たしたワセダ。1週間後には東日本学生大学対抗競技大会(東インカレ)が控えている。また東インカレに出場しないメンバーも、8月に入ってすぐ岡山で行われる全日本大学対抗選手権(インカレ)での出場機会を狙うだろう。気を抜けない日々はまだまだ続くが、この勢いのままに各地で王者の名を知らしめてほしい。

個人戦優勝を果たした船水・上松ペア

(記事 今山和々子 写真 山浦菜緒)

結果

団体戦 優勝

個人戦 船水・上松組 優勝

コメント

高倉 和毅(社1=東京・早実)

――今日の試合を振り返っていかがですか

一試合目(福岡大戦)負けてたんですけど、そのときに弱気になっていました。早稲田だからというプレッシャーがあって、あんまりラケットが振り切れなくて弱気のプレーをしてしまって負けてしまいました。次の試合(明大戦)は相手が有名な選手だったので、向かっていけるということでラケットを振れたところが勝因だったと思います。

――福岡大戦では滑りやすいコートのせいか振られてる場面多かったように見えました。敗因はなんだと思いますか

ずっと自分から攻めていけず、攻められるところで攻められなくて相手のミス待ちでした。このコートは滑るんで先に攻めた方が有利なんですけど、そのせいでラケットが触れてなかったので弱気になってしまったところがダメでした。

――決勝の明大戦では優勝に関わる大きな一戦でしたがプレッシャーなどはありましたか

僕は最初上で応援してて3番で勝てれば終わると思ってたんですけど、船水さんが負けてしまって試合に出ることになって正直プレッシャーはありました。でも船水さんと対戦して勝利した北本(明大)が同期なので影響を受けたといか、一年でも頑張ってるのを見てやってやろうと思いました。船水さんが負けてしまって本当は悔しがらなきゃいけないんですけど、僕も頑張ろうと思うきっかけとやりきる力をもらえました。

――優勝が決まった時の率直な気持ちはどうでしたか

あんまり実感がなくて、勝った時に勝った気がしてなくて。周りの方々が集まってきてくれてそれだけ重みのある試合だったんだなと感じました。

――次の東インカレに向けて目標はありますか

もちろん早稲田は優勝を狙うのでそのくらいのモチベーションを持ちたいです。大会の重要性がそんなに高くないので気持ちが下がるかもしれないんですけど、そこはしっかりとモチベーションを高めて臨めればと思います。

上松 俊貴(スポ2=岡山理大付)

――優勝した率直な気持ちを教えてください

全国大会の個人戦は負けてばかりであんまり勝ててなくて王座に個人戦が今年からあることを知って、国際大会以外で臺北とか韓国とか強敵とも戦うチャンスも少ないので優勝目指して取り組んできました。結構しんどい試合とかもあって自分の中でも課題とかわかってよかったと思います。優勝できてよかったです。

――準決勝はファイナルまでもつれ込む接戦でした

団体でも戦った相手だったので意識することもあったんですけど、あっちのペアは勢いに乗ってるペアだったので警戒はしました。個人戦は7ゲームマッチということで先行できれば楽なんです。準決勝以外は1ゲーム目を取れてて1ゲーム目を取れば自分たちのテニスがより楽にできるんですけど、準決勝は1ゲーム目を取れなくて、取れてればもっと楽に勝ててたと思います。相手に勢いがあったこともあるし技術的にも強いので。前半、僕あんまり動かなくてそれが後々痛いなあと思っていてんですけど後半はまあまあ自分から攻めていけました。連戦ということで一回集中力が切れちゃって、試合中にコートチェンジを通して一回リセットできたのがよかったです。次にも生かせるいい部分だと思います。

――決勝で対戦したペアはアジア競技大会にも出るペアですが意識したことなどありますか

アジア競技大会とはコートが違うので戦い方も違うんですけど、お互いアジア競技大会で日本代表と臺北代表として出てくるということでプライドがあって、向こうも負けたくないと思うしこっちが負けると相手に勝てるという自信をつけてしまうことになるのでまずいなと思ってました。コートのサーフェイスが違おうと負けないという気持ちはあったので、どうにかして対策しようと思ってて、上に上がってくるとは思っていたので色々考えてたんですけど、いい結果になってよかったです。

――決勝では話し合っている場面が多かったですね

決勝までは相手も雁行陣という通常のパターンだったのでこっちが何をするってわけでもなかったんですけど、決勝の相手は臺北でも強くて実力のあるペアなのでこっちも話し合いをしないでやると向こうのパターンのままはまったりして点を取られていくと思ったので一回ごとに話をしてどうするって戦略を練った中でお互い一致したことを実践しました。次の大会もあるのでそれに向けた課題のためにも話合いました。

――決勝では相手のカットサーブに苦戦しているように見えました

両方左利きのカットサーブでちょっと前に突っ込んでくるだろうなとかポジションの位置が一球一球変わるので意識をしすぎてしまいました。レシーブミスをしていた中でも迷っててミスする場面もあったんですけど、後半は割り切って打つことができて、ミスったのももったいなかったんですけど、後半は楽にレシーブができたので結果としてはオーライかなと思います。うまいこと対応して、結構冷静に臺北のポジションとか見れたのでよかったです。

――次の東インカレに向けて目標を教えてください

個人戦はインドネシアの現地合宿で出れないで、団体戦でチーム一丸となって優勝できればと思います。

船水 颯人主将(スポ4=宮城・東北)

――団体戦では明大の北本選手にゲームカウント1−4で負けてしまいましたが敗因はなんだと思いますか

向こうはシングルスが強い選手でいいプレーをしてきたのもありますし、初対戦で迷った部分もありました。自分の試合もそうですけど、自分たちのチームだったので何とか勝ちたいという気持ちがから回ってしまって負けてしまったと思います。相手が得意のツイストしてくるのはわかってたんですけど、ちょっと硬くなってしまって。僕も負けることもあるので(笑)

――個人戦で優勝した率直な気持ちを教えてください

台湾の選手もアジア選手権に出る選手で楽しむ気持ちで挑みました。駆け引きもある戦いで勝てたので結構価値のある勝ちだったなと思います。

――準決勝でファイナルまでもつれこみました

僕自身も焦ってしまった部分もあって、向こうもいいプレーがあったので何とか流れを引き戻したいなと思ってたんですけど・・・。前半で隙をしっかり相手が付いてきて終始いいプレーをしてきたので、こっちも内容は悪くなかったんですけど苦戦しました。いい試合だったと思います。

――決勝では話し合ってる姿がよく見られました

相手が何をしているのかを一本一本考えながら何をしてくるかわからなかったので話すことが多かったです。こういう国際大会でない大会で戦う機会も中々ないのでいつもよりもちょっと内容の濃い試合になりました。

――東インカレに向けて

白子は外で風もあるので今回と違った内容になると思うんですけど、明治が団体戦も個人戦も力があるので厳しい試合になると思います。でも殲滅戦なのでチームとしていい試合ができるように頑張りたいです。