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レスリング部

2018.06.16

明治杯全日本選抜選手権 6月16日 東京・駒沢体育館

健闘見せるも、決勝には届かず。勝負の最終日へ

 優勝候補だった山﨑弥十朗(スポ3=埼玉栄)が決勝の終了間際に痛恨の逆転負けを許すなど、2日間を終えて優勝者なしと、苦しい戦いを強いられていた早大。後半戦を迎えた3日目のきょうも、表彰台の頂上に早大戦士の姿はなかった。男子フリースタイル(フリー)74キロ級で梅林太朗(スポ2=東京・帝京)、男子グレコローマンスタイル67キロ級で宇井大和(スポ3=和歌山・新宮)、女子ではフリー62キロ級で小玉彩天奈(スポ1=高知東)が出場。国内最高峰の明治杯全日本選抜選手権(明治杯)で、各自が今後に生きる内容の濃い試合を展開したが、いずれも格上の相手に力負けすることとなり、決勝の舞台に立つことはできなかった。

 この日の先陣を切った梅林の相手は、一昨年まで絶対的エースとして早大をけん引していた多胡島伸佳(平29スポ卒=現KATSURA-group)。この日の多胡島は本来の状態からは程遠く、梅林は多胡島のパッシブで奪った1点のリードを保ったまま、第1ピリオド(P)を終える。しかし第2P開始早々、多胡島に攻撃を巧みにいなされると反撃のバックポイントを奪われ、逆転を許した。残り40秒で場外ポイントを奪い一時は同点に追い付いたものの、直後に再びバックポイントを奪われ万事休す。「シンプルに実力差と経験の差が出た負け」と、五輪出場に向けて越えなければならないカベの高さを再認識する敗戦となった。宇井も、相手との地力の差が浮き彫りとなる敗戦を喫した。「最初の時点で結構もう80、90パーセントぐらい体力使って、本当に(ポイントを)取りにいきました」と試合開始直後から果敢に相手に体をぶつけていったが、効果的な技を繰り出すことはできず。第1Pは1-1の同点で折り返したが、第2Pの序盤に失点すると体力が底をつき、反撃の糸口をつかめないまま敗戦。体力、技術面での底上げを図り、12月の天皇杯全日本選手権(天皇杯)ではベスト4に食い込んでいきたいところだ。

梅林(左)は格上の早大OB・多胡島(右)のカベを超えられず

 大会前に右足を剥離骨折するアクシデントに見舞われたルーキー小玉は意地を見せた。ケガの影響を感じさせないプレーで序盤から主導権を握り、初戦を危なげなく突破。しかし、続く第1シードとの準決勝は一方的な展開となった。1分47秒にバックを取られ先制を許すと、そこからローリングで連続失点を喫し、6点のビハインドを背負って第1Pを終える。第2Pに入っても劣勢を覆すことはできず、成すすべなくテクニカルフォール負けを喫した。「やっぱり悔しい。ケガしてなくても、まあ勝ててないだろうなという内容」(小玉)。2年連続で第1シードの牙城を崩すことができず3位に終わり、悔しさをにじませた小玉だったが、ローリングの防御や組手といった課題を明確に把握することができ、有意義な大会となった。

手負いの小玉は意地の3位入賞を果たした

 きょうはいずれも相手選手の地力の高さに屈したが、あすの最終日には、国内随一の地力を持ったワセダが誇る男女のエースが満を持して登場する。女子のエースであるスーパールーキー須﨑優衣(スポ1=東京・安部学院)は昨年の天皇杯で苦杯をなめた入江ゆき(自衛隊体育学校)、リオ五輪金メダリストの登坂絵莉(東新住建)らが集う、激戦必至の女子フリー50キロ級にエントリ―。強豪との戦いを制し、再び世界への切符をつかみとることができるか。同じく激戦が予想される男子フリー65キロ級にエントリ―した、チームの大黒柱・米澤圭主将(スポ4=秋田商)は全日本の舞台で3大会連続2位に終わっており、ラストイヤーで念願のビッグタイトル獲得を狙う。また、米澤と同階級で出場の安楽龍馬(スポ1=山梨・韮崎工高)は初戦で第3シード、昨年3位に入った女子フリー59キロ級の小林奏音(スポ4=長野・佐久長聖)は1勝すればリオ五輪金メダリストの川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)との対戦がそれぞれ予定されており、強敵からのジャイアントキリングに期待したい。最後まで目が離せない国内最高峰の大舞台。あすはどんなドラマが生まれるのだろうか。

(記事 皆川真仁、写真 林大貴)

※フリースタイルは10点、グレコローマンスタイルは8点差がつくとテクニカルフォールで試合終了となる

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結果

男子フリースタイル
▽74キロ級 
梅林 2位
グレコローマンスタイル
▽67キロ級 
宇井 2回戦敗退
女子
▽62キロ級 
小玉 3位

コメント

太田拓弥監督

――梅林選手はOBの多胡島選手が相手でしたが、振り返っていかがですか

普段から練習をよくやっている相手だったので、タックルの処理のところを意識して、早く処理するようには言ったんですけれども、動きがちょっと止まった時に体を入れ替えられてポイントを取られた時なんかは、わかっていても相手の方がちょっと上手だったのかなと思います。先輩だから勝てないみたいなカベがあるようには感じました。勝ってやるという覇気っていうものがちょっと伝わってこなかったですね。

――多胡島選手が棄権をするほど調子が悪かったのもありますが、内容としては互角でした

だからこそ勝たないといけない試合だったわけですけれども。そうですね、勝ってもおかしくない内容だったので、正直もったいなかったですね

――崩してからあと一歩ポイントが取れない印象を受けましたが

やっぱり(タックルの)処理のところは(多胡島は)ひざが柔らかいので、そこは意識するようには言ったんですけれども、もし取りきれなかったら場外に押し出して1ポイントを確実に取ることは言っていて。2回ぐらい場外際でもつれた場面があったと思うんですけれども、そこをテークダウン取れなくても、場外に出していれば1点は取れていたと思うので、勝てる内容だったと思うんですけれども、ちょっともったいなかったですね。

――多胡島選手と比べ、足りない部分はどこでしょうか

ちょっとタックルがワンパターンなところですね。もう少し腕を取ったりくっついたり。太朗はあの階級の中ではそんなに手足が長い方ではないので、もっと相手との距離を詰めていって至近距離でやるレスリングを覚えていかないと、このレベルでは勝ちきれないと思いますね。なのでもう少し攻撃の幅っていうのを、一つのパターンしかないので。相手の強みを消しつつ自分の良さを出すレスリングをつくっていかないといけないところですね。

――宇井選手も初戦敗退という結果に終わりました

最初の勢いのところで若干脇を刺されていたので、それを嫌がる感じで腕を交互に動かしていたので、その印象が悪くて最初にパッシブを取られたと思うんですよね。後半のところでもう少し我慢していればコーションも付いていたので、そうすればまたグラウンドでワンチャンスがあったので。そのあともバックポイントを取られちゃったので、苦しい展開になったんで、ちょっともったいなかったですね。グラウンドが強い選手なので、グラウンドコーションを取って一つ返せればまだまだ勝てるチャンスがあったので。

――前半少し体力を使いすぎた印象がありましたがいかがですか

後半勝負強いところも1年生の頃から見てとれるので、後半いけるんじゃないかなとも思っていたんですけど、相手の方がちょっと上手でしたかね、捌きとか。やっぱり組んでも大和はうまいんですけど、あまり組ませてくれませんでしたし、自分の得意とするパターンに持っていけなかったですね。

――崩しかけた状態から逆にポイントを取られる場面が目立ちました

腕を取るパターンを相手は嫌がっていたので、もう少し腕を取るかたちっていう攻めを覚えさせたいなと思います。

――宇井選手も全日本の大会では思うような結果が出ていませんが、課題はどこにありますか

今ベスト4、ベスト8ぐらいの実力だと思うので、もう一伸びさせるためにも、もう一皮むけるために、もっともっとフィジカルの面も、技術の面も鍛えていかないと思いますね。

――小玉選手は1回戦、実力的には五分ぐらいの相手に完勝しました

ちょっと試合前にケガをしていたので不安な部分はあったんですけども、その中でよく1試合勝ちましたし、準決勝はちょっと力の差があったので、ケガをしている中で全日本の3位に入れたのはよかったんじゃないかと思います。

――準決勝はテクニカルフォール負けでしたが、全日本クラスの選手との差はどこにあるのでしょうか

グラウンドで3回も返っちゃったので、その部分の力の差っていうのはありますね。ただ、そこさえしっかりしていればもっともっと接戦になるパターンだったと思いますし、それと攻撃のパターンをもっともっと増やしていけば、決勝に上がれるぐらいにはなってくると思います。

宇井大和(スポ3=和歌山・新宮)

――序盤からかなり積極的に攻めていった印象でしたが、きょうの試合はいかがでしたか

結構自分の中では、思ってたとおりいったんですけど、やっぱりそれよりも相手の方が、攻める技術が上だったので審判にそういうふうに取られたのかなと思います。最初の時点で結構もう80、90パーセントぐらい体力使って、本当に(ポイントを)取りにいきました。それでも取れなかったのでもう、まじかみたいな感じで結構バテてましたね。

――最後はかなりきつい感じでしたか

はい、もう下からなんか出てくるような感じでしたね(笑)。バテですね。

――相手選手の印象はいかがでしたか

スタンドでガツガツ来るというか、押しの強い選手でした。自分もどちらかというとそういう、技術とかなくぶつかり合う同じようなタイプなのでやりづらいなというのはありました。

――前半はラストポイントでリードして終えましたが、手ごたえはいかがでしたか

その時点で1-1だったんですけど、もう結構バテてて、ラスト3分いけるかなと思って(笑)。多分1ピリ(ピリオド)で相手に(パッシブでのポイントが)きたので、2ピリこのまま攻めれば自分にもくると分かってたんですけど、やっぱりそこで(ポイントを)取られてしまいました。取られないようにしようと思ってたんですけど取られてしまったので、そこは相手の方がうまかったです。

――後半の序盤に失点したシーンはいかがでしたか

巻きを食らって、そこは耐えてそこから自分が返そうかと思ったんですけど、力もあんまり出なくて返せなくて、逃がすというか離れればよかったんですけど、変に耐えてしまったのでそこに技を食らってしまった感じですかね。

――全日本ではこれまでベスト4までは進めていませんが、今後上に行くには何が必要だと思いますか

うーん(笑)。でも、今回やった試合の流れで進めていけば、多分いけると思うので、間違ってはなかったと思うので、やっぱり全体的に技術なり体力なりをもうワンステップ、ワンランク、アップしていければ準決、決勝に残れるんじゃないかなと思います。

――今大会ここまでのワセダの戦いを全体的に見ていかがですか

昨日自分の同期の弥十朗(山﨑、スポ3=埼玉栄)と松本(直毅、スポ3=神奈川・横浜清陵総合)が2位、3位と(優勝が)惜しかったんですけど、結構成績残してたので、自分も負けないように成績残して勝ちたかったんですけど、負けてしまいましたね。

――同級生の活躍というのは刺激にはなりますか

そうですね。昨日結構減量できつかったんですけど、試合見てて松本も自分の思うように、自分のスタイルを貫けてたので、自分もやってやろうという気持ちになったんですけどバテてしまいました。

――最後に今後への目標をお願いします

やっぱりインカレ(全日本学生選手権)とかグレ選(全日本大学グレコローマンスタイル選手権)とか学生の大会をしっかり獲って、また12月の天皇杯(天皇杯全日本選手権)で準決勝にいけるように頑張りたいと思います。

梅林太朗(スポ2=東京・帝京)

――1回戦はOBの多胡島選手が相手でしたが、意識する部分はありましたか

試合を見ていればわかると思うんですけれども、(多胡島選手は)足取られてからがうまいので、僕の持ち味としては攻めなので、相性としては最悪で。練習とかでも相手してもらうんですけど、なかなか足取ってから取れないというのが多くて。今回いつもよりタックルの攻撃回数を減らして、という組み立てで行こうと思ったんですけど、多胡島さんが思った以上にバテていたっていうのもあって、いけるかなと思ったんですけど、追う展開になった時に「相手が来るな」っていうのも多胡島さんもわかっていたと思うので、最後に2点取られたかたちになったと思います。まあ、練習不足ですね。

――試合を見ている限りだと内容は互角でしたが、実際のところはいかがでしたか

いや、自分の持ち味を封じられているので、全然互角とは思っていないんですけど、多胡島さんが守りだとしたら僕は攻めなんですよね。要はその守りを超える攻めができたら僕が上じゃないですか。でも守りがあるから攻められてないんですよ。なので、互角かと言われたらそうではないかなと。まだまだ高いカベで、たまたま多胡島さんのコンディションが悪かったので、今回は2−4という僅差だったんですけど、点差以上に実力差はもうちょっとあるかなと自分の中では思っています。

――あと一歩ポイントに届かなかった印象を受けました

多分普段ああいうタイプの選手とやり慣れていなかったら、気持ちが折れたりだとかすると思うんですけど、ああいった展開になるのはわかっていたので、次どう取ろうかなって試合中も考えながら、違うシチュエーションでも取れるかなっていう。足に触れる場面もあったので。もうちょっと研究して攻撃のバリエーションを増やせたらいいなと思います。

――多胡島選手との現状の差というのはどこにあると思いますか

経験値の差もそうなんですけど、根本的な技術面。体力面はちょっとわからないんですけど、技術面でも経験の差でも僕の方が劣っているので、仮に僕がきょう試合でリードしていたら間違いなく一発取りに来ていたと思うので。まさっているところが気持ちぐらいしかないかもしれないです。

――個人の大会で悔しい結果が続いていますが、足りない部分はどこだと思いますか

今回の負けとJOC(ジュニアオリンピックカップ)の負けはちょっと違うものがあって。JOCの場合は実力の面では僕が勝っていたと思うんですけど、攻め急いでしまった部分と、要は試合展開が雑になってしまった部分で負けてしまったので、あれはあれで試しじゃないんですけど自分のレスリングはどういうものかっていう中で攻め急いでしまったという負けなんですけど。今回の負けはシンプルに実力差と経験の差が出た負けだと思っているので、どっちも反省点はあるので、次につながるように。悔しいんですけど、来年のこの大会がオリンピックにかかってくるので、1年後に勝てればいいかなと思っています。

――1年後を見据えて、もう一つ上のレベルに行くにはどういった点を強化、改善していく必要があると思いますか

攻撃のバリエーションが単発すぎるのと、あと中学、高校あたりから首があまり良くなくて、自分の持ち味のタックルが最近少なくなっているんですけど。それが相手にもバレてきているのでなおさら取れなくなってきて。それ以外の攻めを身に付けない限り相手を攻略するのは難しいと思うので、相手がどんなタイプであろうとかかる自分の得意技以外のものを2つないしは3つぐらいは見に付けたいなと思います

――試合後に多胡島選手となにかお話はされましたか

「足つってましたね」とか、「あんまり動けてなかったですね」みたいな感じで。でも普段お世話になっているので、僕も今出せる精一杯のものはやったつもりなので、今後も胸を借りるつもりで。いつかは超えなければならないカベなんですけどきょう超えられなかったからといって、あした越えるのか、あさって越えるのか、次の大会になるのかはわからないんですけど、いつかは越えなきゃいけないカベなので今後も胸を借りながら、自分もレベルアップできたらいいなと思います。

――多胡島選手はその後棄権されましたが

ケガをしていて調子も悪かったみたいで、もともとベスト8で棄権する予定だったみたいですね。なので、「あした当たらないといいっすね」みたいな話をしていたんですけど、案の定早大勢で固まってしまって(笑)。全日本ってこういうものなのかなとは思いましたね(笑)。

小玉彩天奈(スポ1=高知東)

――まず、今大会の目標というのは何でしたか

今回はケガが多くて、1週間ちょっと前に右足を剥離骨折してしまって。出るかどうかすごい迷ったんですけど、とりあえず次の天皇杯(天皇杯全日本選手権)の出場資格を取りたくて臨んだのでとりあえず入賞は絶対するつもりで、準決勝からはチャレンジするという気持ちで臨みました。

――結果は昨年同様3位でしたが、天皇杯の出場資格は取れたということで、いかがでしょうか

いやでもやっぱり悔しいですよね。ケガしてなくても、まあ勝ててないだろうなという内容で。やっぱり決勝までいくカベって越えられないなと、今の練習では。それはすごい感じました。

――準決勝は第1シードの選手が相手でしたが、戦ってみていかがでしたか

高2の天皇杯の時も戦ったことがあったんですけど、その時よりも差は大きくて。

――どういった部分で差を感じましたか

まあ力も技術もスピードも何も相手にはかなわないです。まだまだだなと感じました。

――今後克服していきたい課題は

まずやっぱりローリングの防御は昔から苦手で、今回も返ってしまいました。それと組手はずっと先輩から教わっていて、やっぱり組手で相手をコントロールできるようになりたいです。

――先輩というのはどなたでしょうか

OBの多胡島さん(伸佳、平29スポ卒=現KATSURA-group)とかによく組手教えてもらってて。自分、人に合わせてしまう癖がよくあって、どうしても相手の組手に合わせて攻めるというか、結局そのせいでタックル入る回数も少ないので、これからも組手をいっぱい練習して自分からタックルに入れるようになりたいです。

――初戦は7-0で完勝でしたが、いかがでしたか

首投げが小さい時から得意で、よくやってるんですけど、相手にも分かってる中でもかかったのはよかったなと思います。タックルでもちゃんと2点取ることができてよかったんですけど、フォールする技術がまだなくて、ずっと3分近く押さえてもフォールできなかったので、そういうところも今後意識してやっていかないといけないなと思いました。

――最後に、今後の目標をお願いします

自分、4年間の中でこの明治杯か天皇杯で優勝するのが目標で。それを達成できるように今から真剣に練習に取り組んで、達成できるように頑張ります。