レスリング部

2018.06.14

明治杯全日本選抜選手権 6月14日 東京・駒沢体育館

伊藤、米澤凌は2回戦敗退も課題と収穫を得る

 天皇杯全日本選手権(天皇杯)と並ぶ国内最高峰の舞台・明治杯全日本選抜選手権。初日は伊藤駿(スポ4=京都・網野)と米澤凌(スポ1=秋田商)男子フリースタイル(フリー)70キロ級で出場したが、両者とも2回戦で大会から姿を消すこととなった。

 70キロ級で出場した伊藤。初戦は昨年のJOCジュニアオリンピックカップ優勝、全日本大学選手権(インカレ)2位などの実績を持つ志賀晃太郎(拓大2年)と対戦した。序盤は太田拓弥監督も試合中に何度も指摘した「頭の位置」で劣勢となり抑え込まれる場面も見られたが、フェイントを織り交ぜながらタックルが出るようになると徐々にペースは伊藤に。バックポイントで先制すると、第1ピリオド(P)終了間際には相手にバックポイントで得点を許しながらも、そのままカウンターで4ポイントを獲得し6−2で前半を折り返す。後半はアクティビティタイムによる失点などでじりじりと点差を詰められたが、最後はバックポイントで突き放し、10—5で初戦を突破した。続く2回戦も足へのタックルからのバックポイントで先制し、リードした状態で第1(P)を終えた。しかし、第2Pに入ると「後半になるとバテて、試合の組み立て方がうまくいかなかった」(伊藤)と述べたように徐々に伊藤の足が止まり始める。バックポイントで同点とされると、その後もバックポイントからのローリングで一気に突き放されてしまう。第2P後半にもバックポイントを決められ万事休す。先月の東日本学生リーグ戦(リーグ戦)では勝利を収めた相手ということもあり「完全に油断してしまった」と振り返る伊藤。悔しさの残る敗戦で全日本の舞台から姿を消すこととなった。

2回戦で敗れ肩を落とす伊藤

 「自分の実力を試す場所だと思って、その中で自分の力を出し切れるように」と意気込み臨んだ米澤凌は1回戦、相手のパッシブによるアクティビティタイムによる得点で先制する。その後は拮抗した試合展開となったが、相手のタックルをうまく処理するなど得点を許さず。徐々にペースをつかんだ米澤凌は試合中盤にバックポイントからのローリングで突き放し、6−0の快勝を収めた。迎えた2回戦の相手は昨年の学生王者・木下貴輪(クリナップ)。序盤から組手やタックルによる崩しが決まらず、逆に立て続けにバックポイントを奪われるなど、劣勢に立たされた状態で第1Pを折り返す。第2Pではフェイントを中心とした攻めに修正し2点を返すも、反撃はここまで。後半は実力のある相手に対し互角の戦いを演じたが、前半の失点が響き2−6で敗戦した。それでも、「ワセダでやってきたことが生かせた。成長していると思う」(米澤凌)と述べるように、敗れはしたものの実りの多い明治杯となった。

米澤凌は格上相手に善戦した

 伊藤、米澤凌ともに2回戦で敗れるという悔しい結果となったが、その中でも明確な課題と収穫が見えた。米澤凌に関しては「フィジカルとタックルの処理のところと組手のところをしっかりやれば全日本でも十分勝てる距離にある」、伊藤についても「体重のコントロールさえしっかりすれば勝てるかたちというのが見えてきた」と太田監督。きょうの悔しさを糧に飛躍に遂げた姿に期待したい。あすは男子フリーの79キロ級に山﨑弥十朗(スポ3=埼玉栄)が、グレコローマンスタイルの72キロ級に齋藤隼佑(スポ4=群馬・館林)、97キロ級に松本直毅(スポ3=神奈川・横浜清陵総合)が出場する。山﨑は昨年度の全日本大会で思うような結果が残せなかっただけに、その雪辱を果たし、全日本のタイトルを是が非でも勝ち取りたいところだ。JOCジュニアオリンピックカップで優勝し、リーグ戦でも活躍を見せた松本、太田監督が「72キロ級っていう自分の体型にあった階級になった」と語る齋藤の躍進にも期待がかかる。「一人でも多く表彰台、優勝を目指して」(太田監督)。あす以降も早大戦士のたちの熱戦は続く。

(記事、写真 林大貴)

結果


 

男子フリースタイル
▽70キロ級

伊藤 2回戦敗退

米澤凌 2回戦敗退

コメント

太田拓弥監督

――明治杯に向けてどういった点を重点的に取り組んできましたか 

リーグ戦(東日本学生リーグ戦)のときに体重の落とし方が全体的に2、3日遅かったというのもあって、もうちょっと前もって体重を落とそうということは口うるさく言っていましたね。

――減量の部分はうまくいったのでしょうか

全体的に体重もスムーズに落ちているとは思いますけど、きょうに限っては結果が伴っていないので。リーグ戦の反省点を踏まえて、国内で最高レベルの全日本の大会ですので一人でも多く表彰台、優勝を目指していこうという話はしていました。

――伊藤選手の戦いぶりはいかがでしたか

1回戦は結構強い相手にいいかたちで勝てたんですけれども、2回戦は減量バテ、試合バテっていうのがあって、ちょっとその部分はしっかり修正しないといけないかなと思いましたね。

――以前ケガがあって練習ができていないとおっしゃっていましたが、その部分も影響しているのでしょうか

そうですね。ただ明治杯に向けてしっかりと体重も落とせましたし、ちゃんと練習もやりきれていた部分もあったので、ちょっとまた足のケガとかもあったので不安な要素はありましたけど、何をどうすればいいかたちになるのか明確に見えた試合であったと思うので。できればあの試合に勝って乙黒(圭祐、山梨学院大4年)に勝負を挑ませたかったというのが正直なところなんですけど、体重のコントロールさえしっかりすれば勝てるかたちというのが見えてきたんじゃないかなと思います。

――具体的な敗因というのはどこにあったと思いますか

2回戦は後半バテましたし、足も止まっていたので、もっともっとハードワークが必要だと思いますね。

――米澤凌選手の出来についてはいかがですか

まあ1回戦はほぼ完勝で内容も悪くなかったですね。ただ2回戦で現チャンピオンに対してちょっと簡単に触らせすぎたかなっていうのと、序盤のタックルがもっと決まっていれば、もっと泥仕合になったんじゃないかなとは思います。ちょっとだけ差はありますけど、現時点で全日本でもトップの力を持っていることはわかったので、そこは自信になるんじゃないかと思いますね。基本的に練習から70(キロ級)でも全日本トップの力を持っていることは見て取れたので、もう少しいい勝負ができたんじゃないかなっていうのが正直なところですね。

――第2Pは互角の戦いを演じていました

そうですね。最初のタックルを取り切れていれば。あそこでまだ取り切れないところが力の差が少しあるのを感じる部分だったので、あそこを取れるようになれば、勝てるレベルまですぐ来ると思うので、もっともっとフィジカルとタックルの処理のところと組手のところをしっかりやれば全日本でも十分勝てる距離にあるんじゃないかなと思いましたね。

――試合中は「頭の位置」の指摘をされていましたが、課題であったりするのでしょうか

最初に組み合った時点で頭を相手に横に付けられている状態だと、もぐり込んでいけないので、頭の位置と手の位置でだいたい勝負は決まると言っても過言ではないので。頭の位置で負けているときに組手で負けてタックルで崩されるという流れがあるので、頭の位置をしっかりと相手よりもいい位置に、低い位置に。低すぎるとがぶられたりしてしまうリスクがあるんですけど、その位置がしっかりしていればいい組手ができるので。組手は最初の勝負どころで、その部分が気になったので再三指摘しましたね。

――あす出場する山﨑選手、齋藤選手、松本選手に期待する部分はどういったところでしょうか

弥十朗は去年の全日本のときの反省だとか、リーグ戦の反省だとか。直毅の場合は順調に力がついてきているので、それを出し切ってもらいたいと思いますね。斎藤も十分、全日本大学選手権で決勝までいった実力は持っていますし、72キロ級っていう自分の体型にあった階級になったので、その部分も踏まえて自分の力を出し切ってくれればいい結果に繋がるんじゃないかなと思います。

伊藤駿(スポ4=京都・網野)

――今回の明治杯に向けてどのように取り組んできましたか

減量が多いので長い時間をかけて減量に取り組んでバテないようにしたんですけど、ちょっとバテてしまった部分がありましたね。

――1回戦は実力のある相手に快勝を収めましたが振り返っていかがですか

1回戦は普通に動けたので、いつも通りできたので勝てたのかなと思います。

――2回戦では後半に逆転を許しました

リーグ戦でやった相手で、その時は勝っていたので、油断していた部分が大きいかなと思います。体力的にも後半バテて、試合の組み立ても上手くなくて、リードされていた場面で追いつけなくて。体力がないのに、試合の組み立て方が悪かったかなと思います。

――ケガをされていたのも体力面に影響したのでしょうか

ケガはアドレナリンが出るので問題なかったんですけど・・・。だめですね、完全に油断していたと思います。

――今日見えた課題や収穫はありますか

今回は今まで不摂生をしていて、重い体重から落としたので。今度のインカレ(全日本学生選手権)も70(キロ級)で出ると思うので、もっと摂生して体重をキープして、しっかり体づくりをして、体力をつけて試合に挑みたいです。

――ことしは大学ラストイヤーとなりますが、どういった年にしたいですか

最後なので、タイトルは取りたいですね。

米澤凌(スポ1=秋田商)

――きょうの明治杯に向けてどういった取り組みをしてきましたか

自分の実力を試す場所だと思って、その中で自分の力を出し切れるように調整していました。

――1回戦は安定した戦いで勝利を収めました

相手に足を取られる場面も多かったんですけど、そこを無失点にできたのはワセダに入って成長したところかなと思います。

――2戦目を振り返っていかがですか

2回戦も足をかなり取らせてしまって、失点してしまったんですけど、ワセダでやってきた取られてからのもつれとか、練習でやってきたことが生かせたと思うので、成長しているのかなとは思いました。

――前半はタックルが思い通りに決まらない印象を受けました

それは別の技に切り替えて、フェイントで相手を崩せてポイントが取れたので、あまり気にしてないですね。取りたかったですけど、それはそれでよかったのかなと思います。

――後半は実力のある相手に互角に渡り合っていたように見えました

最初は入れて、取れなかったんですけど、それで後から相手の警戒心が強くなって、組手とかフェイントが効いたので、そこが自分の中では良かったところだと思います。ただ相手に合わせてしまったのがきょう負けた大きな原因だと思います。

――今日見えた課題や収穫はありますか

相手も強い選手だったのでどれだけ自分ができるか、その中で自分の力量がわかったので、次は勝てるように取り組んでいきたいです。課題としては相手よりもバテてしまったので、そこはフィジカルを鍛えていきたいです。

――今後へ向けて目標はありますか

この先も大会があるので、どれか一つは優勝できるように取り組んでいきたいです。