バレーボール部

2018.06.12

早慶定期戦 6月10日 神奈川・とどろきアリーナ

ようやく勝ち得た初勝利 伝統の一戦でプライド誇示

 ことしで82回目を迎えた早慶定期戦。昨年までとは違い、とどろきアリーナというワセダ、ケイオーの学名に相応した快闊(かいかつ)な会場が、どこか荘厳(そうごん)な空気を漂わせ、そこに両校の応援団が花を添える。まさに伝統の一戦。春季関東大学リーグ戦とは一風変わった緊迫感の中、先陣を切ったのは女子部だった。序盤からこれまで1部の舞台で戦ってきた力を誇示する。中でもことしが最後の早慶戦となる森佳央理主将(スポ4=群馬・高崎女)が破竹の活躍を見せるなどセットカウント3−0(25−14、25−11、25−21)で快勝。誰もが待ち望んだ今季初勝利は、早慶両校のプライドが対峙(たいじ)する舞台で勝ち得たものだった。

 前年度の勝利で早慶戦の連勝記録を31とし、ケイオーを圧倒してきたワセダ。しかし、「4年目にして一番ドキドキしました」と森が例年とは異なる不安を語るように、ことしのワセダはこの試合まで未だ勝ちがないという不測の事態を迎えていた。いつもより広い会場が独特の緊張を生む中、試合開始の笛が鳴る。ワセダは欲しかった先制点を奪うと、森の怒涛(どとう)の3連続得点などで着実に得点差を広げていく。中盤には井上裕利恵(スポ2=岡山・就実)がブロックアウトを打ち切り、斎藤友里(社1=千葉・敬愛学園)が高い打点からスパイクを決めるなど躍動。この試合がデヴュー戦となった坂内歩美(政経1=埼玉・早大本庄)もピンチサーバーとして相手陣営を崩すなど収穫もあり、ケイオーを終始圧倒。気もそぞろだった第1セットを25−14で見事に先取した。

この日絶好調の森がケイオーへ大進撃

 第1セットを取ったことで勢いに乗ったワセダは第2セットも攻撃の手を緩めることはない。富澤結花(スポ3=東京・文教学院大女)のフェイントで先制すると、中盤には再び連続得点を重ね、ケイオーを寄せ付けない。自分たちの目指す攻撃の形で攻め込むことができ、このセットも25−11と大差でものにする。第3セットでもこの日絶好調の森がブロードを決めるなど攻撃を引っぱる。しかし、ケイオーも簡単には引き下がらない。平泉優奈主将(慶大4年)を中心とし随所に粘りを見せ、これまでのセットとは違った拮抗(きっこう)した展開で試合は進む。得点後に応援席で巻き起こる大声援もケイオーの勢いを加速させる。連続得点を奪われる場面もあったが、悪い流れを吉内文(スポ2=山口)がスパイクを決め一刀両断。それに斎藤が続き得点を決め、食い下がるケイオーを振り切り、ストレート勝ちで念願の初勝利を手中に収めた。

勝利に近くにつれ、選手の表情には笑顔があふれた

 チーム全員で奪い取った初勝利。これが何よりもこの試合で得られた大きな成果だろう。この試合では、宮田綾乃(政経4年=東京・早実)や利根川智緩(スポ3=埼玉・星野)といったピンチサーバーで入った選手の好サーブから攻撃のリズムを作った場面も多く、チーム力の向上を示す結果となった。しかし、第3セットに連携のミスが起こるなど、まだまだ改善点は多い。東日本大学選手権2回戦で対戦する日女体大戦での勝利をチーム全体の目標として掲げている以上、1部リーグの大学を相手にこのようなミスは許されない。東日本大学選手権まで2週間を切った。こうした課題をどこまで埋められるかが勝負のカギを握るだろう。いずれにせよ、きょうの勝利は今後の試合への大きな弾みとなる。ようやく眠りから覚めた臙脂(えんじ)の覇者の逆襲劇が今始まる。

(記事 遠藤伶 写真 斉藤俊幸、宅森咲子、村上萌々子)

セットカウント
早大 25-14
25-11
25-21

慶大
スタメン
レフト 森佳央理(スポ4=群馬・高崎女)
レフト 富澤結花(スポ3=東京・文京学院大女)
センター 吉内文(スポ2=山口)
センター 斎藤友里(スポ1=千葉・敬愛学園)
ライト 井上裕利恵(スポ2=岡山・就実)
セッター 植松知里(文構2=香川・高松第一)
リベロ 河治えみり(社2=北海道・旭川実業)
コメント

森佳央理(スポ4=群馬・高崎女)

――主将として迎えた四度目の早慶戦、とどろきアリーナという大きな会場での開催となりましたが、雰囲気はいかがでしたか

新体制になって試合をしてきて、まだ一個も勝ててなくて、初めてこのチームになって勝てた試合でもあるので、まずはホッとしたっていう想いがあります。入替戦が終わってこれが課題だよね、この課題のためにはこういう練習しないといけないよねっていうのをみんなで作ってきて、それが出た部分はあったんですけど、3セット目は最後の方にミスが出てしまったし、相手がもっと格上のチームだったらなんセットか取られているような試合展開だったので、そこはもっと練習していかないといけないと思いました。

――今季初勝利となりました。率直に今の感想をお願いできますか

やっぱり、ずっと負け癖がついていたし、4年間やってきてこの時点で早慶戦を除いて全敗っていうのがなかったので、4年目にして一番ドキドキしました。でも、ここで勝てたっていうのは、みんなにとっても東日本インカレを迎えるにあたって弾みになったんじゃないかなと思います。

――見どころとしてあげられていた「つなぎと粘り」はどうでしたか

それはずっとチームで掲げていることで、きょうの試合はつなぎと粘りが出る前にラリーが終わってしまうことが多かったんですけど、その二つはずっと課題なので、これから半年やっていく中でもっと強化していかなければいけないなと思います。

――森さんの活躍が目立った試合となったと思います。ご自身のプレーを振り返っていただけますか

ずっと1部でやってきたので、ブロックの高さの違いもあったし、1部の相手は自分が打つコースを完全にふさいできて、そのふせぎきれないところはレシーブで拾うっていう完璧な仕組みが成り立っているので、そこに比べたらディフェンスの面で違いがあったので、打ちたいところに打って決まったっていうのはあるんですけど、逆に今打ちたいところに打って決まっているの状態が1部になったら絶対に決まらないから、もう少し何か工夫していかなければならないかなと思います。

――東日本大学選手権に向けて一言お願いします

東日本大学選手権まであと2週間切っているんですけど、この期間で何か大きく変えることってできないから、まず自分たちが入替戦終わってから東日本インカレまでに何か1つできるようになろうっていうのを1人1人掲げたので、それをみんなでクリアしつつ、全体としては2回戦で対戦する日女体大に勝ってその先に進めるように、まずは怪我しないように頑張りたいと思います。

富澤結花(スポ3=東京・文京学院大女)

――今シーズン初勝利となりました。率直な感想をお願いします

嬉しいんですけど、自分的にはあまりいい試合ができなかったのでちょっと悔しい早慶戦になりました。

――具体的にどういった部分でしょうか

リーグ(春季関東大学リーグ戦)終わってちょっと膝が痛くて練習できなかった部分があるんですけど、この会場にのまれてしまった感じがします。

――チーム全体として会場の雰囲気にのまれてしまったということでしょうか

そうですね。最終セットなんかは特に「勝てる」という余裕が出て、ケイオーの粘りとかにのまれたなと思います。

――きょうの勝因は何でしょうか

佳央理さん(森主将、スポ4=群馬・高崎女)はすごい調子良かったしめっちゃ決めてくれたので、そこにみんなが持っていけたのが良かったし、サーブミスとか無駄なミスがあまりなかったのかなと思います。

――ご自身のプレーに関してはいかがですか

なんかヤバかったです(笑)。スパイクが全然決まらなくて焦ったんですけど、その分レシーブとかサーブとかはいつも通りくらいできたのかなと思うので、東日本(東日本大学選手権)に向けてスパイク頑張らなきゃなと思います。

――以前、早慶戦の意気込みとして「(ワセダが)格上だと思ってもらえるような試合がしたい」とおっしゃっていましたが、きょうはそういった試合展開になりましたか

1セット目、2セット目は本当に良かったと思うので、相手にとっては勝てない試合ができたと思うんですけど、3セット目はチャンスをあげてしまったので、ああいう試合にはならないようにしなきゃいけないと思います。

――富澤選手自身は3度目の早慶戦となりましたが、今までと変化はありましたか

1度目、2度目はどっちともケイオーの体育館でやっていて。1年目は緊張とかより焦っちゃった感じだったんですけど、2年目は体育館に慣れていた部分があってのびのびできました。でもきょうはこの会場で初めてやって、観客の人がいっぱいいるし観客とも近いしすごい緊張しました(笑)。

――東日本大学選手権に向けて一言お願いします

2日目にやる日女体大戦に向けて頑張っていこうという風にチームとして決めています。(日女体大は)1部のチームで格上になるんですけど、その中で早慶戦も含めてずっと練習してきてると思うので自分たちのベストが出せる試合ができればいいかなと思います。