ア式蹴球部

2018.06.10

第92回関東大学リーグ戦 6月9日 茨城・龍ケ崎市陸上競技場たつのこフィールド

ワセダ、首位堅持!途中出場の主将がハットトリック達成

 前期も残り3試合となった関東大学リーグ戦(リーグ戦)。前節、順大との上位対決を制して(○2-1)首位固めに成功した早大は、国士舘大と対戦した。昨年、早大とし烈な2部優勝争いを繰り広げた宿敵を相手に主導権を握るも、得点に至らないまま前半を終えるが、後半開始とともに投入されたFW岡田優希主将(スポ4=川崎フロンターレU18)が57分からの4分間で一気呵成(かせい)にハットトリック達成。その後も1点を追加し、4-0の大勝を収めた。

 目下勝ち点4の最下位に低迷中の国士館大に対し、勝ち点3獲得が半ば義務付けられた一戦。開始1分、いきなり早大が決定機を迎える。左サイドでボールを持ったFW藤沢和也(商3=東京・早実)が山なりのクロスをあげると、今季初スタメンを飾ったFW直江健太郎(商4=東京・早実)が頭で合わせる。シュートは枠を捉えるも、相手GKに片手一本で阻まれ、先制とはならなかった。9分にはFW相馬勇紀(スポ4=三菱養和SCユース)のスルーパスに直江が抜け出し左足を振り抜くも、惜しくも枠の右へ外れる。その後も直江の長身を生かしたポストプレーに、MF金田拓海(社3=ヴィッセル神戸U18)、MF栗島健太(社3=千葉・流通経大柏)が飛び出してゴールを脅かすなど、得点機を迎えるもゴールには結びつかない。すると徐々にポストプレーの後の攻撃が続かなくなり、停滞感が生まれ始める。結局決め手を欠いたまま前半を折り返した。

今季初先発し、45分間アンカーとして奮闘した高岡大翼副将(社4=広島皆実)

 攻撃を再び活性化させるべく、後半開始と同時に違いを生み出せる岡田を投入。すると、「ビルドアップの時に生まれる隙を突こうと考えていた」と語った主将が魅せる。57分、相手DFが保持していたボールを素早くカットしゴールへ直進。最後はGKをかわし、待望の先制点を挙げた。直後の58分には相馬の素早いスローインに抜け出してループシュートを沈める。さらに2分後、再び相馬の素早いスローインから生まれたシュートのこぼれ球を押し込み、あっという間にハットトリック達成。ここ3試合切り札としての起用が続いている頼れる主将が、この日も試合の行方を決定づけた。その後も主導権を譲ることなく試合を進め、78分には途中出場のFW梁賢柱(スポ2=東京朝鮮高)が相手GKのパスをカットして、そのままネットを揺らし勝負あり。守っては明大戦(○1-0)以来、今季2度目のクリーンシートを達成した。

58分、ループシュートで追加点を決める岡田。今季8得点で武田をかわしリーグトップに

 前節終了時点で得点ランクトップに位置していたFW武田太一(スポ3=ガンバ大阪ユース)と、アンカーのポジションなどで出色の出来を見せていたMF鍬先祐弥(スポ2=東福岡)をそれぞれケガと出場停止で欠きながらも、代わりに出場機会を得た選手たちが奮闘した。また2点目と3点目に代表される、プレーが切れたタイミングでも集中力を切らさずに相手の隙を突く攻撃は、チーム全員が同じビジョンを共有できていることを象徴しているシーンだった。誰が出てもぶれることなく、勝利のためにピッチ外の選手を含めた全員が同じ方向を向いて戦うことができている。昇格組ながら首位独走態勢に入りつつある要因は、このように真の意味でチームが1つにまとまっているところにあるのだろう。次戦は専大との上位対決。この試合で勝ち点を獲得すれば、前期リーグ戦を首位で終えることが確定する。前期最後のヤマ場となる一戦で勝利し、『強いワセダの復活』を高らかに宣言せよ。

スターティングイレブン

 

(記事 森迫雄介、写真 守屋郁宏)


JR東日本カップ2018 第92回関東大学リーグ戦 第9節
早大 0-0
4-0
国士舘大
【得点】
(早大)57’、58’、60’岡田 優希、78’梁 賢柱
(国士舘大)なし
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 小島 亨介 スポ4 名古屋グランパスU18
DF 12 小笠原 学 社4 青森山田
DF 23 工藤 泰平 スポ2 神奈川・日大藤沢
DF 大桃 海斗 スポ3 新潟・帝京長岡
DF 20 牧野 潤 スポ3 JFAアカデミー福島
MF ◎13 高岡 大翼 社4 広島皆実
→HT 29 岡田 優希 スポ4 川崎フロンターレU18
MF 14 藤沢 和也 商3 東京・早実
MF 金田 拓海 社3 ヴィッセル神戸U18
MF 栗島 健太 社3 千葉・流通経大柏
MF 11 相馬 勇紀 スポ4 三菱養和SCユース
→76分 24 大西 翔也 スポ1 浦和レッズユース
FW 15 直江 健太郎 商4 東京・早実
→57分 30 梁 賢柱 スポ2 東京朝鮮高
◎=ゲームキャプテン
監督:外池大亮(平9社卒=東京・早実)
関東大学リーグ戦1部 順位表
順位 大学名 勝点 試合数 得点 失点 得失差
早大 22 21 11 +10
専大 15 10 13 -3
明大 14 12 +4
順大 13 19 12 +7
駒大 13 18 12 +6
法大 13 13 14 -1
流通経大 13 16 18 -2
筑波大 12 14 11 +3
桐蔭横浜大 10 12 12  0
10 東洋大 11 16 -5
11 東京国際大 16 -8
12 国士舘大 20 -11
※第9節暫定(6月9日終了時点)
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コメント

外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)

――万全なチーム状況ではない中で、今季初先発の選手も送り出しました。今日のメンバー選考について教えてください

鍬先(MF鍬先祐弥、スポ2=東福岡、※累積警告で出場停止)、武田(FW武田太一、スポ3=ガンバ大阪ユース、※負傷のため欠場)、それから今週は相馬(MF相馬勇紀、スポ4=三菱養和SCユース)もずっと膝の調子が良くなくて(練習が)できていない中で、彼らに代わる選手がどう出てくるのかというのを試行錯誤してやってきました。水曜、木曜と下場(げば、※紅白戦)をやって、実は全然うまくいかなくて、AチームとBチームがやって、Bチームが勝っているような状況でした。みんなの中にも「大丈夫かな」みたいな空気が流れたんですけど、それは選手としての覚悟を見つけやすい環境だと思っていて、不安だったり、追い込まれた時ほど覚悟というものを意識すると思うので、『みんなにとってサッカーをやる覚悟は何なのか』ということを昨日伝えました。そしたらいい練習ができて、頭が整理されてみんなで(試合に)向かうことができたと思います。(前節から)メンバーもいくつか変えたんですけど、昨日やったメンバーがすごくハマって、その中で直江(FW直江健太郎、商4=東京・早実)と大翼(MF高岡大翼副将、社4=広島皆実)という二人が、たくましい姿を練習中に見せてくれました。

――試合を振り返っていただけますか

今日は多分、サッカー以外の取り組みの中で得たものが、サッカーに生かされたゲームだったかなと思っています。なので、前半は点は取れなかったですけど、相手を押し込めたというのは、直江の頑張りだったり、大翼がアンカーで締めたということがすごく大きかったと思います。あとは切り札の岡田(FW岡田優希、スポ4=川崎フロンターレU18)がしっかり決めてくれるだとか、スローインを投げた相馬とか、その前に相馬にボールを渡した僕とか(笑)、引っ張るべき人たちが引っ張っているというのは、チームのあり方として非常にいいと思うし、学生としての自分たちの良さ、強み、経験値とか、トータルの人間力を発揮できたゲームなのかなと思います。こういう(総力戦の)試合で、どう向き合って結果まで持っていけるかというところで、今日は本当に大きかったと思います。

――前半は相手を押し込む一方で、決め手は欠いてしまいました。要因はどこにあったと考えますか

少し役割を決め過ぎちゃったかなと思います。直江は前で頑張って、金田(MF金田拓海、社3=ヴィッセル神戸U18)と栗島(MF栗島健太、社3=千葉・流通経大柏)がそこを埋めるような感じ、それで大翼がアンカーでというかたちでやっていたんですけど、もっと中盤のところでシンプルにボールを動かしていければ、チャンスはできていたかなと思います。でも、どうしても直江に入れてとなって、勇気を持ってつないでいくというところで連続性がなかったですし、最初に決定的なシーンもありましたけど、攻めていても入らないという状況が不安感をつくってしまったと思います。それを後半乗り切ったということに意味があったと思います。『なんとなく良い』では勝てないという中で、岡田と相馬がああやって違いを見せてくれて、今のワセダの強さを出せたと思います。

――ここまでの戦いで、リードを奪った後に相手を突き放すという点に課題があったと思います。今日の試合で流れに乗れた要因はどこにありましたか

この天気(気温)もあったので、「セットプレーというのはピンチでもあるけどすごいチャンスでもある」と言っていました。(プレーが)切れるタイミングというのは、絶対に(集中力を)切らさなかった方に転んでくるという話をしていて、『セットプレーになったということは、すごくデリケートな状況なんだ』という危機感を、みんなが共有していたというのがベースにありました。僕があそこにいてボールを取って渡すという作業ができたというのも、ベンチも含めて一体感があって、意思疎通があってこそだと思っています。応援席も含めて、武田とか冨田(DF冨田康平、スポ4=埼玉・市浦和)とか鍬先とか、本来ピッチに出ているやつらも必死になって応援していたし、そういう総合力がピッチ上で現れているという感じはしますね。

――次節は上位につける専大との対戦です。大きな価値を持つ試合になってくると思いますが

非常に良い状態で臨めると思いますし、チームの中で競争もあるし、新しい力もどんどん出てきています。4年生の就活しかり、サッカーという軸、基準だけではない部分でみんなが活動していて、いろんなパワーがア式蹴球部としての力になっているなというのがあります。引き続き、ボールを蹴る、うまくなる、強くなるだけではなくて、いろんなことをみんなで共有しながら進んでいきたいなと思います。

FW岡田優希主将(スポ4=川崎フロンターレU18)

――きょうはベンチスタートでしたが、チームの状態はどのように見ていましたか

武田とか鍬先が出られないというアクシデントがあって、直江や大翼といった新しい選手が出ていた中での戦い方としては、すごく良かったとポジティブに捉えています。出ていた選手が違和感なく自分の力を発揮していたので、本当にチームの底力が上がってきているのかなと思いました。

――前半途中から膠着(こうちゃく)状態になりましたが、自分が投入された時のビジョンは描いていましたか

自分が取った3点に詰まっていますが、相手に隙が多かったので、前半は自分たちの攻撃から始まっていましたが、後半は相手のビルドアップや守備の隙を突いていこうと考えていたので、そういった分析をしていました。

――チームとして出た改善点は

相手に押し込まれた時に、FWに対して(マークに)付けずにボールを収められてしまったりとか、1対1の場面をつくられてしまうなど、最終ラインの耐久力やマークの受け渡しはまだまだ改善する余地があります。今後相手のレベルが上がれば間違いなくそこを突いてきますし、穴になってしまうので、勝っている時だからこそ守備の部分をしっかりやっていきたいです。

――前期最後のヤマ場となる専大戦への意気込みをお願いします

国士舘大戦と専大戦の2試合は、順大、法大との2試合とは別の捉え方をしています。順大、法大は相手が自分たちのかたちを押し付けてくる中で、隙を突いて戦いました。逆に、国士舘大戦や専大戦は自分たちの隙を突いてくるし、隙をなくして臨んでくる相手なので、そこを破っていくには、我慢の力もそうですし、実力やコンビネーションも大事だと思います。今日はうまくいった部分が多かったですが、違いをもう一度整理して、勝っている時だからこそ何がうまくいって何がダメだったか、毎試合の分析をしっかりしていきたいと思います。

DF牧野潤(スポ3=JFAアカデミー福島)

――前半の出来を振り返って

一応順位的には首位と最下位の対戦でしたが、絶対に受け身になっちゃいけないということだったので、試合の入りでしっかり前に行こうと言っていました。立ち上がりにいくつか良いシーンはつくれたんですけど、決め切れずにいたら逆に国士舘大にも良いかたちをつくられ始めたので、前半のうちに決めるべき時に決めておきたかったという感じでした。

――ディフェンス面で考えていたのは高い位置からのプレッシングということになりますか

そうですね、攻撃から守備の切り替えを早くして、相手陣内で奪うことでチャンスにすることはあらかじめ話していたので意識はしていました。そこで取り切れない時に、相手FWに起点をつくられて少し押し込まれる場面もあったので、ハーフタイムにそこは改善しようという話はしました。

――後半についてはいかがでしたか

岡田くんが入ってきて流れが少し変わって、相手の一瞬の隙を突いてスローインから2点取れたのは非常に大きかったと思います。

――次戦は前期最後のヤマ場とも言える専大戦ですが、どのように臨みたいですか

しっかり良い準備をして、自分たちにできることをやっていけば、おのずと結果はついてくると思っています。