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野球部

2018.06.03

東京六大学春季リーグ戦 6月3日 神宮球場

小島、志願の連投で宿敵を撃破!/慶大2回戦

慶大2回戦
慶 大
早 大 ×
(早)○小島、今西、徳山-岸本
◇(本塁打)吉澤3号ソロ(3回)、小太刀1号2ラン(7回)(二塁打)福岡

 試合開始前のオーダー発表。早大が誇る絶対的エースの名がコールされると、神宮球場にどよめきが起こった。前日の1回戦で136球を投じた小島和哉主将(スポ4=埼玉・浦和学院)がまさかの連投。敗戦後、髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)に自ら志願して上がった、決死のマウンドだった。負ければ5位に転落、そして宿敵の完全優勝が決まる大一番。のしかかる重圧にも屈さず、小島はただひたすらチームの勝利のために、その左腕を振り続けた。7回まで毎回安打を浴びながらも要所でギアを上げ、見事に零封。打線も、3回に吉澤一翔(スポ2=大阪桐蔭)の左越えソロ本塁打で先制したのを皮切りに大量9得点を挙げ、全早慶戦を含めて7連敗中だった宿敵から、待望の白星をつかんだ。

 小島は初回から我慢の投球が続いた。打率4割を超える2番・河合大樹主将(4年)に中前打で出塁を許すと4番・郡司裕也(3年)には右前打を浴び、2死一、三塁のピンチを背負う。この場面を、フルカウントからの変化球で見逃し三振に切って取り、先制点を許さなかったが、その裏の自軍の攻撃がわずか7球で終了。2回も無死一、二塁のピンチを無失点で切り抜けたが、慶大先発・菊地恭志郎(4年)のフォークに手を焼いた自軍の攻撃は8球で終了となり、体力的、精神的に厳しい状況下に。粘投を続ける小島を見殺しにすることとなった、1回戦の戦いを想起させる序盤の攻防となった。

連日の好投を見せたエース小島

 その重苦しい雰囲気を一変させたのが、若き大砲の一振りだった。3回、小島がまたも得点圏に走者を背負うピンチをしのぎ、その裏先頭で打席に立ったのは不振が続く吉澤。フォーク2球で簡単に追い込まれたが、3球目の甘く入った143キロの直球を完璧に捉え、左翼席にたたき込んでみせた。「チームメートに打たせてもらったホームラン」と語ったこの一打が流れを引き寄せ、その後さらに2度の暴投で加点に成功した。以降も、小島がアウトカウントを重ねるにつれて流れは早大へ傾く。5回裏、2死から檜村篤史(スポ3=千葉・木更津総合)が四球で出塁すると、続く3番・福岡高輝(スポ3=埼玉・川越東)が放った打球は中堅への平凡な飛球に。しかしこれを慶大の中堅手・柳町達(3年)が目測を誤り二塁打とすると、2死のためスタートを切っていた一塁走者の檜村が長躯ホームイン。さらに5番・岸本朋也副将(スポ4=大阪・関大北陽)に左前適時打が飛び出し、リードを5点に広げた。

適時打を放ち、塁上で喜びをあらわにする岸本

 打線の援護を受けた小島。6、7回も共に先頭打者に安打で出塁を許し、依然厳しいマウンドは続いたが、後続を断ちいずれも無失点。7回には右翼手・加藤が三塁へのピンポイント送球で走者を刺殺する好プレーも見られた。そして迎えた7回裏、早大打線が再び猛威を振るう。先頭の1番・池田賢将(スポ4=富山・高岡南)が左前打で出塁すると、犠打と四球で確実に好機を広げ、打席には前打席で適時打を放った岸本。5球目を捉えた打球はしぶとく中前へと抜けていき、2点を加える。さらに、きょうここまで無安打の6番・小太刀緒飛(スポ4=新潟・日本文理)に東京六大学リーグ戦初本塁打が飛び出し、試合を決定づけた。「試合に出れない時期もありましたけど、諦めずにやってきてよかった」と、小太刀にとって思い出深い一打となった。そして8、9回を今西拓弥(スポ2=広島・広陵)徳山壮磨(スポ1=大阪桐蔭)が無失点で締め、大差を保ったまま試合終了。9回の徳山は、登板を直訴して上がった初の早慶戦のマウンドで、2三振を含む圧巻の投球を披露した。

勝利を決め、ガッツポーズをする徳山

 打線も奮起した今試合だったが、やはり全ては小島の意地の粘投がもたらしたものだった。小島のために打ちたかった――。試合後の選手たちからはそんな思いが口々に聞かれた。慶大の10安打に対し、早大の安打は8本。安打数では下回りながらも、投手が要所を締めて失点を許さず、打線がつかんだ好機を確実にものにする、まさに理想的な試合を展開して大勝を収めた。だが、戦いはまだ終わらない。「あした(勝ち点を)取らないときょうの勝ちが水の泡になる」(髙橋監督)。宿敵の完全優勝を阻止せずして、春の陣を終わるわけにはいかない。総力戦で、運命の3回戦に臨む。

(記事 皆川真仁、写真 松澤勇人、岡田静穂)

黄字は打点付き

早大打者成績
打順 守備 名前
(左) 池田賢将 .182 二ゴ    四球    三振    左安      
  小藤翼 .000                      中飛   
  丸山壮史 .156                           
(二) 檜村篤史 .257 二ゴ    三振    四球    一犠      
(三) 福岡高輝 .372 三振    四球    中2    四球      
(右) 加藤雅樹 .333    三振 二安    左安    捕ゴ      
(捕) 岸本朋也 .389    中飛 遊ゴ    左安    中安      
(中) 小太刀緒飛 .240    三振    一ゴ 三飛    右本      
(一) 吉澤一翔 .195       左本 中飛    一ゴ 左飛      
(二) 山岡仁実 .000       三振 三振               
  重田慎太郎 .167                遊ゴ         
  西岡寿祥 .000                           
  瀧澤虎太朗 .333                      三振   
(投) 小島和哉 .143       投犠    右飛 三振         
  今西拓弥 .000                           
  田口喜将 .375                      三振   
  徳山壮磨 .000                           
早大投手成績
名前
小島和哉 2.29
今西拓弥 1.50
徳山壮磨 2.57
東京六大学春季リーグ戦星取表
順位   慶 大 立 大 明 大 早 大 法 大 東 大 勝ち点 勝率
慶 大 ●2-3
○1-4
○7-1
○4-3
●0-2
○5-4
○3-1
●0-9
○6-3
○5-4
○15-3
○5-1
.750
立 大 ○3-2
●1-4
●1-7
○4-3
●6-8
●1-3
○2-1
○4-2
○3-2
△5-5
○2-1
○7-1
○4-1
.667
明 大 ●3-4
○2-0
●4-5
●3-4
○8-6
○3-1
●2-3
○15-3
○9-4
●5-6
●3-4
○9-2
○7-0
.538
早 大 ●1-3
○9-0
●1-2
●2-4
○3-2
●3-15
●4-9
○5-1
●2-4
○2-1
○1-0
○5-3
.500
法 大 ●3-6
●4-5
●2-3
△5-5
●1-2
○6-5
○4-3
●1-5
○4-2
○17-1
○10-2
.455
東 大 ●0-15
●1-5
●2-9
●0-7
●1-7
●1-4
●0-1
●3-5
●1-17
●2-10
10 .000
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コメント

髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)

――まず、小島和哉投手(スポ4=埼玉・浦和学院)が連投となりましたが、その判断はいつされましたか

昨日、本人からそういう強い希望があったんですけど、とりあえず1日状態を見て今朝決めようということで。本人も今朝いけるということで、じゃあいこうと。

――髙橋監督ご本人としては1回戦が終わった段階で、小島投手が次戦先発するという考えではなかったということでしょうか

でも負けたんでね。後がないのでそれもありだけど、昨日も8回投げてますから彼の状態にも(よるということで)。私も今までそういうことやらせたことないので、高校野球なら当然あるんですけどね。初めての経験だったんですけど、本人が強く希望してくれたので。やっぱりその気迫がきょうも立ち上がりから毎回安打を打たれながらも粘り強く7回零封してくれたと思いますね。それが打線の奮起を呼び込んだと思いますね。

――実際投球を見ていて、疲れなどは感じましたか

いや、疲れは感じなかったですけど、やっぱりちょっと2日続けてだとケイオーのバッターの方が慣れてくるというか。そういう対応力が増えてきたかなという感じはしましたね。ボールはきょう良かったですよ。昨日よりまだ制球良かったですもんね。

――きょう負ければシーズンが終わりという試合でしたが、どういった気持ちで試合に臨まれましたか

もう崖っぷちですから。だからそれも小島もキャプテンとして、エースとして分かってたので、終わらせたくない、だから彼も志願してくれたと思いますね。

――序盤、2回までは押され気味の展開でしたが

いや、3回までずっと押され気味でした。本当彼の粘り強いピッチングで切り抜けてくれたと思いますね。

――そこで吉澤一翔選手(スポ2=大阪桐蔭)に一発が出ましたが、きょうの打撃を見ていていかがですか

良かったですね。あれから流れが変わりましたよね。だからこっちが3回も押されながら先取点はやらずに粘り切ったことがあの一発を読んだんじゃないかなと思いますね。あそこから後の打線の奮起も、小島の気迫がそれを呼び込んできたと思いますね。

――小太刀緒飛選手(スポ4=新潟・日本文理)にも一発が出ましたが、あの当たりはいかがでしたか

そういう可能性のある選手なので。守りもいいので使ってましたけど、別にまぐれでもなんでもないので。

――最終回に登板したルーキーの徳山壮磨投手(スポ1=大阪桐蔭)が素晴らしい投球を見せました

そうですね。点差もありましたし、やっぱり早慶戦に慣れておかないと。あすもあるのでいきなりというのはしんどいので、良かったですね。

――あしたの先発は

今から帰って考えますね。

――あした勝ち点を懸けた戦いになりますが、意気込みをお願いします

いやそれはもう、勝ち点取らないと。ケイオーから取れてないので。あした(勝ち点を)取らないときょうの勝ちが水の泡になるので、ぜひあした勝ちたいと思いますね。

小島和哉主将(スポ4=埼玉・浦和学院)

――きょうの先発はいつ頃どういった経緯で決まりましたか

昨日の時点で監督(髙橋広監督、昭52教卒=愛媛・西条)に志願してそういうことになりました。

――きょうの調子は昨日と比べていかがでしたか

ヒットは結構打たれたんですけど、要所で踏ん張れたかなと思います。

――味方の援護や好守にも恵まれました

守りに結構助けられたので、本当に周りに感謝したいなと思います。

――これで3回戦につながりました

あしたもどこでもいけるように準備したいと思います。

岸本朋也副将(スポ4=大阪・関大北陽)

――連投の小島和哉投手(スポ4=埼玉・浦和学院)について、球を受けていて疲れなどは感じましたか

そうですね、後半とか特に変化球が抜けていた部分があったので、そこは疲れてるなっていうのは感じました。

――意地の投球という感じを受けましたか

そうですね、ランナー背負ったらギア上げて、気持ちの入った真っすぐを投げてくれたので、受けてて頼もしいなって感じました。

――安打を打った3打席目と4打席目を振り返って

昨日と(きょうの)1打席目は三振取られてたので、何としても気持ちで打つというか、来た球だけに絞って打とうっていうふうには思ってました。

――明日に向けて意気込みをお願いします

何としても勝ち点を取れるように頑張ります。

池田賢将(スポ4=富山・高岡南)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

小島(和哉主将、スポ4=埼玉・浦和学院)がきょうも先発することを知っていたので、意地を見せようという気持ちで挑みました。チーム一丸となってやれたかなと思います。

――きのうとは変わって、理想的な試合運びとなりましたがいかがですか

やはり先制できたということが大きくて、それを守り切るだけじゃなくてどんどん追加点を取っていけたことが良かったと思います。

――早慶戦の舞台はいかがでしたか

きのうは緊張していたんですけど、きょうは思い切ってやれたので良かったです。

――きょうは安打が出ましたね

そうですね、ほっとしています。

――守備ではケイオー側ということでやりにくさもあったと思いますがいかがですか

内野席だけでなくすぐ後ろの外野席も、すごい声援で盛り上がっていて勢いは感じていました。

――守備機会が複数回ありましたが、緊張などはありましたか

今までの試合で守備で迷惑をかけていたので、ここで必ず恩返しをしようと思っていたので、結果として出たので良かったと思います。

――この2日間4年生の活躍が目立ちましたね

やっぱり意地じゃないですかね。生き生きとやれていると思います。

――明日の試合の意気込みをお願います

きょう、個人的には始めに自分が出塁した時に点が取れていたので、1番(打者)の重要さを改めて感じたので、まず出塁してチームの勝利に貢献したいと思います。

小太刀緒飛(スポ4=新潟・日本文理)

――ナイスホームランでした。打った瞬間の感触は

手応えはありました。打った瞬間行ったかなという感じでしたね。

――大きなガッツポーズも見せましたね

昨日は小島がいいピッチングをしていた中で打線が点を取れなくて、申し訳ないなという気持ちが大きかったので、ああいったかたちで終盤に大量得点ができてよかったです。

――打った球の球種は

真っすぐだと思うんですけど、甘かったのでとにかく振っていきました。

――東京六大学リーグ戦初本塁打が早慶戦となりました。どんな気持ちですか

本当にうれしかったですね。大観衆の前で打つことができて、試合に出れない時期もありましたけど、諦めずにやってきてよかったと思います。

――きょうは小島主将、岸本副将をはじめ4年生の活躍が光りましたね

リーグ戦は4年生がチームを引っ張るもんだと思ってるので、その一員として自分も貢献できてよかったです。

――最後に明日への意気込みをお願いします

今日の試合の流れをそのまま持っていって、初回から全力でいくことに集中するだけだと思うので、明日も初回から集中していきます!

加藤雅樹(社3=東京・早実)

――まずは左前打を放った第3打席を振り返っていかがですか

左投手でしたし、貢献できていなくて苦しかったんですけど、なんとか走者を返すということと逆方向を意識して打ちました。

――昨日は安打が出ず、きょうも三振からのスタートとなりましたが、その状態をどう捉えていましたか

状態自体は悪くないので、しっかりと狙い球を絞って自分のスイングをするというということを心掛ければ、結果はついてきてくれるかなと思います。

――安打が出て安心した部分はありますか

法大3回戦から打てていなかったので、焦りみたいなものは若干ありました。でも、内野安打も打てて気持ち的には楽になりました。

――守備では、三塁へ向かう走者を刺す好返球がありました

あれはすごく練習してきたもので、自分が右翼にいる意義だと思います。そこはセールスポイントとして、これからもあのようなプレーができたらいいなと思います。

――チームとしては9得点と打線が振るいました

小島さん(和哉、スポ4=埼玉・浦和学院)が志願で登板して、そういう男気を見せてくれたので、自分たちもその男気に乗って、流れに乗っていけたかなと思います。

――早慶戦で本塁打が出ていません。明日へ向けてお願いします

そうですね。でも、チームが勝つことが一番なので、本塁打は打てたらいいなぁという思いで(早慶戦直前対談で)言ったことなので、チームが勝てるように頑張りたいと思います。

吉澤一翔(スポ2=大阪桐蔭)

――明大1回戦ぶりのホームランが出ました

打った瞬間だった(ホームランだと分かった)んですけど、これはチームメートに打たせてもらったホームランだと思います。

ーーダイヤモンドを回った時は表情は変わらずクールなままでしたがお気持ちはいかがでしたか

もちろんうれしい気持ちはあったんですけど、まだまだ試合の序盤だったので気が抜けなかったです。でも内心はうれしかったです。

ーー打席を振り返ってみていかがですか

2球で追い込まれた後だったんですけど、なんとか粘ろうという気持ちで振り抜きました。(スタンドに入って)良かったと思います。

ーー最初の2球はフォークを見逃して、ストレートを捉えましたが、ストレート狙いだったのでしょうか

狙っていたというよりかは、逆方向に打つという意識を持って打席に立ってただけです。

――それまで他の選手がフォークに苦戦している印象がありましたが

もちろんフォークのことは頭にあったので、ストライクになる球だけを狙っていました。

――あすも試合があります。意気込みをお願いします

小島さんが頑張ってくれているので、なんとか助けて勝ち点取りたいと思っています。

徳山壮磨(スポ1=大阪桐蔭)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

昨日慶大に負けていて、きょうは小島さんがすごく頑張っていたのでちゃんと小島さん以外のメンバーで全員でカバーしてやろうと言ってきていました。結果圧勝で勝つことができたので良かったです。

――早慶戦の舞台で投げることについて緊張はありましたか

最後投げるか分からなかったのですが、自分から投げさせてほしいと志願して9回を投げさせてもらいました。こういう大観衆の中で経験したかったので、経験できて良かったなと思っています。

――9回のマウンドに上がるときはどのようなことを考えていましたか

あすにつねげないと意味がないと思ったので、自分が最後きっちり3人で抑えてあすの試合につなげられるようにと思っていました。3人で抑えることができて良かったです。

――球速が出ていた点についてはいかがですか

自分は球速にあまりこだわりはあまりもっていないのですが、球速が上がっているということは自分の力もついているということなので、そこはいいのかなと思っています。

――昨日きょうと熱投していた小島さんの姿を見ていかがでしたか

主将として、そして自分としてはすごく憧れの先輩なので、すごくいいものを間近で見させてもらっています。だからやっぱり自分は小島さんについていって、小島さんのようなエースになりたいなと思います。