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2018.05.30

5月22日 埼玉・織田幹雄記念記念陸上競技場

シンガポール選手たちが競走部と交流

  昼下がりの爽やかな晴れ空の下、いつも通りの時間に始まった競走部の練習。活力あふれる輪の中に見慣れない顔の選手たちがいた。5月16日からの1週間、シンガポールから選手3名、コーチ1名の計4名が当国の長距離選手強化のため早大の競走部への視察、練習参加に訪れていたのである。選手たちはこの1週間、主に19日に鴻巣市で行われた平成国際大学記録会へ参加するための調整練習として所沢キャンパス織田幹雄記念陸上競技場で汗を流した。

  きょうの練習では体操などを行ったあと、清水歓太駅伝主将(スポ4=群馬・中央中教校)の主導のもと、腕振り動作やメディシンボールを使ったトレーニングでひとつひとつの動きを皆で確認しながら補強運動を行った。横には井上翔太マネジャー(スポ4=愛知・千種)をはじめ早大の選手が付き、身振り手振りを交えながら英語で動作内容を伝え、シンガポールの選手たちも「オーケー、オーケー」とそれに頷きながら続いていた。その後、2人の選手は早大の選手たちとは別に1000メートル数本のインターバル走を行い、時折苦しそうな表情を見せながらも快調に練習をこなした。一方、その練習には参加しなかったもうひとりの選手も複数の早大選手たちとトラックの回りで和やかに談笑しながらランニングを行い、交流を深めたようだ。

慣れない動きの練習には苦戦していたようだ

  今年2月にシンガポール研究所のコーチングサミットへ7名が、また4月に行われたシンガポール・オープン陸上には3名が早大競走部から出場していた経緯もあり、実現した今回の来日。シンガポールの選手たちは競走部の寮で他の部員と寝食を共にし、先日は早朝練習にも参加するなど日本での、そして早大競走部としての貴重な時間を経験したという。シンガポール国内では趣味としてのランニングは人気が高いものの、「ワセダの選手たちはレベルが高い」と話すように、陸上競技のレベルは日本と比べるとまだまだ発展途上である。しかし今回、当プログラムに参加したLui Yuan Chou選手は年々自己記録を更新し、これまでU-20(20歳以下)など各年代のシンガポール記録を次々と塗り替えてきた。19日の記録会にも最も速い組で出場する力を持っている選手で、今後シンガポール長距離界の歴史を変えていくことが期待されている。

ランニングをしながら交流を図る選手たち

  同じスポーツを愛する人たちとの言語や国籍を超えた交流は、ただの観光では知り得ることのできない伝統や日常に触れることができる。それはきっと彼らの今後の競技に生かされるとともに、人生の糧となるだろう。これから早大―シンガポール間の交流を通して、両者が重要なパートナーとなっていくことは間違いない。今後もより一層連携を深めていく予定だ。

(記事 斉藤俊幸 写真 林大貴、宅森咲子)

シンガポールからの4人を中心にした集合写真

※この取材は5月22日に行われたものです。

コメント

Jeevaneesh Soundararajah

――今回の来日の目的を教えてください

私は早大の競走部員と直接会って、トレーニング法や競走部の歴史をもっと知りたくて訪れました。また、お互いの文化や意見を交換することも目的の一つです。

――なぜ早大を訪れようと思ったのですか

今年の2月に早大の選手がシンガポールに来たときに合宿をし、4月にもシンガポール・オープン陸上という大会でつながりができました。異なった文化や環境で同じ競技をしているので、お互いに多くのことを学べるのではないかと思い、選手3人とコーチ1人で来ました。

――日本とシンガポールとで異なることを教えてください

練習に規律があり、選手がお互いを尊重し合っています。そして私たちよりも圧倒的に練習をしているので、速く走る人が多いです。

――早大で何か発見などはありましたか

日本特有の文化である、下級生が上級生を尊重しているところです。部員全員が努力をしていて、その環境は本当に素晴らしいと感じました。

――シンガポールでの練習に生かしたいことは見つかりましたか

トレーニング法を持ち帰り、仲間と共有したいです。自分の走りを少しでも上達させて、記録を伸ばし続けていきたいです。

(翻訳 大山遼佳)