野球部
2018.05.22
東京六大学春季リーグ戦 5月21日 神宮球場
小島、129球の熱投!今季二つ目の勝ち点獲得/法大3回戦
法大3回戦 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |||||
早 大 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | |||||
法 大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | |||||
(早)○小島-岸本 ◇(本塁打)福岡1号ソロ(1回)(三塁打)吉澤(二塁打)福岡 |
---|
9回裏、1死一塁。遊撃へのゴロを檜村篤史(スポ3=千葉・木更津総合)が冷静に処理し、併殺を完成させる。27個目のアウトを確認すると、129球の熱投を見せた小島和哉主将(スポ4=埼玉・浦和学院)は笑顔でガッツポーズをし、チームメートとハイタッチを交わした。2-1というスコアが物語るように、ついに『守り勝つ野球』を実現し、今季二つ目の勝ち点奪取に成功した早大。最終週に行われる早慶戦を前に、自信につながる勝利となった。
先制は1回表。3番・福岡高輝(スポ3=埼玉・川越東)の東京六大学リーグ戦初本塁打だった。2死走者なしで打席に立った福岡は、法大エース菅野秀哉(4年)の147キロの直球を振り抜く。「感触はあまり良くなかった」と振り返ったように、打った瞬間、左翼への凡打だと感じた福岡はうつ向きがちに走り出した。しかしこの打球が思いのほか伸び、スタンドまで到達。貴重な先制弾となった。早くも援護をもらった先発の小島。「(1回戦での)疲れはあった」と振り返ったものの、1回戦同様、キレのある直球を軸にアウトを重ねていく。4回には1死満塁のピンチを迎えたが、窮地での小島はきょうも強かった。後続を空振り三振、中飛に打ち取り、強力法大打線の追撃を許さなかった。すると6回、小島の好投に打線も応える。前日の2回戦で、開幕前から目標に掲げている『打率3割』に乗せた檜村はこの日2番で出場。1死から遊撃手の頭上を越える中前打で出塁し、打席には好調の福岡。2球で追い込まれてからの内角に投じられた直球を左中間にはじき返すと、この一打で檜村が一塁から一気にホームに生還。貴重な追加点を生み出した。
高々と上がった福岡の打球は、そのまま左翼席へと吸い込まれた
しかし7回裏、小島に再び試練が訪れる。先頭打者に四球を与え、続く打者には犠打で進塁を許すと、打席には川口凌副将(4年)。5球目を捉えられると、打球は一塁線を鋭く抜く適時二塁打に。1点差に詰め寄られ、なおも1死二塁。一打同点の苦境に立たされた。しかし、今季幾度となくピンチの場面で粘投を続けてきた小島。伸びのある直球を投げ込み、後続を二者連続三振に抑え、正念場を乗り切る。そして、1点のリードを保ったまま迎えた最終回。先頭打者の中村浩人(4年)に右前打を浴び、同点の走者を背負う。それでも次打者には高めの直球を振らせて三振を奪い、川口との対決を迎えた。失点が許されないこの状況で小島が投じたこん身の129球目。川口の放った打球は遊撃を守る檜村のもとへ。この打球を捕球した檜村は二塁を踏み、素早く一塁へ送球。吉澤一翔(スポ2=大阪桐蔭)がきっちり捕球して併殺を完成させ、試合終了となった。これで小島は今季3勝目となり、ロースコアの大接戦を制した。
試合終了の瞬間、ガッツポーズが飛び出した
「1、3戦で投げ切ってこそエース」。小島は1、3回戦合わせて279球を投げ込む力投を見せた。その姿はまさに絶対的エースにふさわしい。4カード目にして、『守り勝つ野球』がようやくかたちとなって表れた。残すカードは最終週の早慶戦のみ。第7週の結果次第では早慶戦を待たずに宿敵の優勝が決まるが、早大の宿命は変わらない。伝統の一戦でも『守り勝つ野球』を体現し、覇者復権の兆しを見せて欲しい。
(記事 中澤紅里、写真 皆川真仁、岡田静穂)
黄字は打点付き
早大打者成績 | |||||||||||||||||
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 | 率 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (左) | 池田賢将 | 3 | 0 | 0 | .185 | 左飛 | 投犠 | 遊ゴ | 投直 | |||||||
2 | (遊) | 檜村篤史 | 4 | 1 | 0 | .300 | 左飛 | 右飛 | 中安 | 三ゴ | |||||||
3 | (三) | 福岡高輝 | 4 | 2 | 2 | .368 | 左本 | 三振 | 中2 | 三振 | |||||||
4 | (右) | 加藤雅樹 | 4 | 0 | 0 | .371 | 二ゴ | 一ゴ | 遊ゴ | 二ゴ | |||||||
5 | (捕) | 岸本朋也 | 4 | 1 | 0 | .393 | 二ゴ | 遊ゴ | 二直 | 右安 | |||||||
6 | (中) | 小太刀緒飛 | 4 | 0 | 0 | .222 | 遊飛 | 三振 | 三振 | 二ゴ | |||||||
7 | (一) | 吉澤一翔 | 3 | 1 | 0 | .200 | 中3 | 一飛 | 遊ゴ | ||||||||
8 | (二) | 丸山壮史 | 2 | 0 | 0 | .194 | 一ゴ | 一ゴ | |||||||||
打 | 重田慎太郎 | 1 | 0 | 0 | .200 | 二飛 | |||||||||||
二 | 西岡寿祥 | 0 | 0 | 0 | .000 | ||||||||||||
9 | (投) | 小島和哉 | 3 | 2 | 0 | .125 | 左安 | 三振 | 左安 |
早大投手成績 | ||||||||||
名前 | 試 | 勝 | 敗 | 回 | 安 | 四 | 振 | 責 | 失 | 率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
小島和哉 | 6 | 3 | 2 | 9 | 4 | 4 | 9 | 1 | 1 | 2.44 |
東京六大学春季リーグ戦星取表 | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 慶 大 | 明 大 | 立 大 | 早 大 | 法 大 | 東 大 | 勝ち点 | 勝 | 負 | 勝率 | |
1 | 慶 大 | ※ | ○4-3 ●0-2 ○5-4 |
●2-3 ○1-4 ○7-1 |
6/2 6/3 |
○6-3 ○5-4 |
○15-3 ○5-1 |
4 | 8 | 2 | .800 |
2 | 明 大 | ●3-4 ○2-0 ●4-5 |
※ | ●3-4 ○8-6 ○3-1 |
●2-3 ○15-3 ○9-4 |
5/26 5/27 |
○9-2 ○7-0 |
3 | 7 | 4 | .636 |
3 | 立 大 | ○3-2 ●1-4 ●1-7 |
○4-3 ●6-8 ●1-3 |
※ | ○2-1 ○4-2 |
○3-2 △5-5 ○2-1 |
5/26 5/27 |
2 | 6 | 4 | .600 |
4 | 早 大 | 6/2 6/3 |
○3-2 ●3-15 ●4-9 |
●1-2 ●2-4 |
※ | ○5-1 ●2-4 ○2-1 |
○1-0 ○5-3 |
2 | 5 | 5 | .500 |
5 | 法 大 | ●3-6 ●4-5 ●1-2 |
5/26 5/27 |
●2-3 △5-5 ●1-2 |
●1-5 ○4-2 |
※ | ○17-1 ○10-2 |
1 | 3 | 6 | .333 |
6 | 東 大 | ●0-15 ●1-5 |
●2-9 ●0-7 |
5/26 5/27 |
●0-1 ●3-5 |
●1-17 ●2-10 |
※ | 0 | 0 | 8 | .000 |
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コメント
髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)
――先発の小島和哉投手(スポ4=埼玉・浦和学院)がきょうも期待に応える投球をしてくれました
そうですね、1回戦、3回戦取れて。1回戦、3回戦勝ったピッチャー何年かぶりじゃないですかね。久しぶりというか。私はいつも彼にそれを求めてて。それをできるのがエースだぞ、とずっと言ってきたのでやっと小島がエースになってくれたなという感じがしますね。
――1回戦と比べてきょうの投球はいかがでしたか
うーん、まあ疲れもあったんでしょうけどね。その分やっぱりバランスを考えて、要するに省エネ投法じゃないけど力を抜いて、うまく投げれて、それがやっぱり余計に良かったんじゃないですかね。力みもなくね。
――1回戦でかなり球数を投げていましたが、交代は頭になかったでしょうか
うーんまあ、点数によりますけどね。でもきょう2点リードして、もうとにかく同点までは小島でいこうと思っていました。同点になったら代えようかなと思っていました。
――打線では、クリーンアップ以外は打順を入れ替えましたが、それに関しては
入れ替えましたけど、ピッチャーが一番いいバッティングしてるぐらいですからね。まあそこは、課題もありますね。まあでも、守り切ったということは、やっぱり一番だと思いますね。
――クリーンアップの前の1、2番が、というお話をされていましたが、きょうはいかがでしたか
うーん、、、まあね。まだやっぱり機能してないですよね。
――福岡選手にはきょう当たりが出ましたが
いや、打点2ですからね。いやもう、素晴らしいバッティングだと思いますね。
――次戦は早慶戦となりますが、ことしの慶大はどのようなチームだと思いますか
粘り強いですし、やっぱり投手力がいいのでね。まあ小島もやっぱりきょうのような粘り強いピッチングをしてくれれば。ロースコアに持っていかないとやっぱりなかなか勝算がないと思うので。きょうみたいな展開を、勝ち切れるようにしたいと思いますね。
小島和哉主将(スポ4=埼玉・浦和学院)
――自身初の1カード2勝です
監督に1、3戦で投げ切ってこそエースって言われていたんで、それをずっと1年の時からできていなかったのでやっとそれができてほっとしています。
――きょうも菅野秀哉投手(4年)との投げ合いでロースコアの展開が予想されていましたが、どのような気持ちで臨みましたか
1点勝負だと思ったので、初回の1点を守り切ろうとしないで逆にどんどん攻めていこうと思って、それがいい結果につながったんじゃないかと思います。
――1回戦の疲れはありましたか
疲れはありましたけど、それは別に気にしてなかったです。そこを言い訳にしないで3戦目も勝つために練習もしてきたので、それができてよかったです。
――きょうも直球中心にいくプランでしたか
そうですね。明大3回戦の時に変化球が多くてちょっと逃げに入ってしまったので、そこを修正できてよかったです。
――打つ方でも2本出ましたね
まあそっちはおまけというか、たまたまだと思います。
――勝ち点を取って早慶戦につなげましたが、早慶戦に向けてはいかがですか
日本一になることと早慶戦に勝つことを目標にずっとやってきたので、それをしっかり最後の最後まで集中してやりたいと思います。
福岡高輝(スポ3=埼玉・川越東)
――本塁打の感触はいかがでしたか
レフトフライだと思って下を向いて走っていたら、レフトがフェンス際にいて、もしかしてと思ったら入ったので、感触はあまり良くなかったんですけど、入ってくれて良かったです。
――思ったよりも打球が伸びたといった感じでしょうか
そうですね。風の影響もあったと思うんですけど、芯で捉えたので、飛んでくれました。
――3打席目の適時二塁打はチームとしても追加点がほしい場面だったと思います
自分の打撃をしようと思って打席に入ってそれが良かったのかなと思います。
――塁上でガッツポーズも出ましたね
欲しかった追加点で、打てて入ったので、すごくうれしかったです。
――早慶戦までの2週間はどのように調整していきたいですか
しっかりバットを振って調子を落とさないようにしていきたいです。
――今後への意気込みをお願いします
早慶戦で勝ち点取ることが目標なので、その目標が達成できるよう練習して臨みたいです。