野球部
2018.05.20
東京六大学春季リーグ戦 5月19日 神宮球場
小島が6安打1失点の完投!打線も相手エース菅野を攻略/法大1回戦
法大1回戦 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |||||
早 大 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 5 | |||||
法 大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | |||||
(早)○小島-岸本 ◇(本塁打)岸本1号ソロ(4回)(二塁打)加藤、檜村、福岡、小太刀 |
---|
理想的な試合運びだった。初回、加藤雅樹(社3=東京・早実)の適時二塁打で先制点を挙げると、4回に先頭の岸本朋也副将(スポ4=大阪・関大北陽)が捉えた打球は弾丸ライナーで左翼席へ突き刺さるソロ本塁打に。8回にも2死満塁の場面から小太刀緒飛(スポ4=新潟・日本文理)に走者一掃となる適時二塁打が飛び出し、相手エース・菅野秀哉(4年)から計5得点を奪った。投げては先発・小島和哉主将(スポ4=埼玉・浦和学院)が6安打1失点の圧巻の投球を披露。強力打線を凌駕し、小島は今季2勝目を挙げた。
序盤から流れを引き寄せたのは早大。初回、2死から福岡高輝(スポ3=埼玉・川越東)が遊撃への内野安打で出塁すると、続く4番・加藤が6球目の内角への直球を力強く引っ張った打球は右翼線への二塁打に。この一打で福岡が一気に本塁まで激走し、幸先良く先制に成功した。4回には先頭の5番・岸本が初球の直球を左翼席へ運び、1点を追加。これが岸本にとって、うれしい東京六大学リーグ戦初本塁打となった。さらに、8回の攻撃でさらに法大を突き放す。またも2死から加藤が四球で出塁すると、次打者・岸本の中前打と四球で満塁の好機を演出。続いて打席に立ったのが、この日それまで無安打だった小太刀。2ストライクと追い込まれてからの、狙い球としていた142キロの直球を振り抜いた。逆方向に伸びていった打球は左翼手の頭を越え、走者一掃の適時二塁打に。終盤に貴重な3点を追加し、菅野をマウンドから引きずり下ろすことに成功した。この日の打線はつながりを見せ、先制、中押し、だめ押しと終始相手に流れを渡すことがなかった。
値千金の左越え3点適時二塁打を放った小太刀
小島と菅野のエース対決は、小島に軍配が上がった。援護を受けてマウンドに上がった小島だったが、1、2回は味方の失策で得点圏に走者を背負う、不運な展開となってしまう。しかし、これまでの試合でも粘投を続けてきた絶対的エースは、そう簡単には崩れない。目の前の打者に集中し、後続を凡打に打ち取った。そこからは、「走っていた」という直球を中心に、3回から6回まで、強打者がそろう法大打線に一人の走者も許さない好投を見せる。この日一番のヤマ場となったのは7回。4、5番に連打を浴びると、その後犠打で進塁を許し1死二、三塁のピンチを迎えてしまう。一打同点の場面。それでも、小島は7番・安本竜二(3年)と8番・西山翔真(3年)を連続三振に仕留め、得点を許さなかった。そして無失点のまま迎えた最終回。先頭打者の向山基生主将(4年)に直球を左翼席まで運ばれ1点を献上すると、その後も走者をため2死満塁のピンチに。しかしここでも小島は粘りを見せ、続く打者を二飛に打ち取り試合終了。二塁手の西岡寿祥(教4=東京・早実)のグラブに打球が収まると、小島はグラブをたたき安堵(あんど)の表情を浮かべた。小島はこの日150球の力投でチームの勝利に貢献。「今シーズンで一番良かった」と髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)も小島の投球を称賛した。
この日は直球に手ごたえを感じていた
ようやく、投打がかみ合う試合内容となった。第5週の東大戦では勝負強さに欠けた打線も、この日は得点機での勝負強さが光り、効果的な加点に成功。次戦に弾みをつけるかたちで先勝することができた。しかし、守備では相変わらずのミスが目立つ。この日は小島の粘投でピンチをしのぐことができたが、わずかなミスが命取りになることもある。あすの2回戦では無失策で勝利を収め、早慶戦へつながる好ゲームを期待したい。
(記事 中澤紅里、写真 今山和々子、松澤勇人)
☆勢い止まらぬ岸本!打率リーグトップに
対戦を意識していた菅野からリーグ戦初本塁打を放った岸本
きょうも2安打を放ち、開幕からの連続試合安打を7に伸ばした岸本朋也副将(スポ4=大阪・関大北陽)。この日の第4打席でついに規定打席に到達し、打率4割7分6厘で、し烈な首位打者争いの先頭に立った。控えとして開幕を迎えた今季だが、2カード目の明大戦で再びスタメンの座を奪取すると攻守で申し分のない活躍を見せており、その存在感は日に日に高まるばかり。「リードがいいからバッティングもいい、バッティングがいいからリードもいい。相乗効果だと思いますね」とその好調ぶりに、髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)も目を細めた。最終学年にして見えてきたビッグタイトルだが、岸本の心は揺らがない。「チームが勝つためのバッティングを意識してやっていきたい」。個人の成績よりチームの勝利。フォアザチームの精神を体現する頼れる副将が、逆襲の先導者となる。
(記事 皆川真仁、写真 松澤勇人)
早大打者成績 | |||||||||||||||||
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 | 率 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | ||
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1 | (左) | 鈴木萌斗 | 3 | 0 | 0 | .214 | 三振 | 二ゴ | 三振 | ||||||||
左 | 池田賢将 | 2 | 0 | 0 | .150 | 三振 | 中直 | ||||||||||
2 | (二) | 丸山壮史 | 4 | 1 | 0 | .231 | 二ゴ | 三ゴ | 遊ゴ | 左2 | |||||||
二 | 西岡寿祥 | 2 | 0 | 0 | .000 | 捕ゴ | 遊ゴ | ||||||||||
3 | (三) | 福岡高輝 | 4 | 2 | 0 | .367 | 遊安 | 右2 | 二ゴ | 中飛 | |||||||
4 | (右) | 加藤雅樹 | 3 | 2 | 1 | .444 | 右2 | 遊ゴ | 中安 | 四球 | |||||||
5 | (捕) | 岸本朋也 | 4 | 2 | 1 | .476 | 三振 | 左本 | 遊ゴ | 中安 | |||||||
6 | (一) | 吉澤一翔 | 3 | 0 | 0 | .200 | 三振 | 中飛 | 三振 | 四球 | |||||||
7 | (中) | 小太刀緒飛 | 4 | 1 | 3 | .400 | 遊ゴ | 三振 | 三振 | 左2 | |||||||
8 | (遊) | 檜村篤史 | 3 | 1 | 0 | .261 | 左2 | 三振 | 四球 | 三振 | |||||||
9 | (投) | 小島和哉 | 4 | 0 | 0 | .000 | 投ゴ | 三振 | 三振 | 三振 |
早大投手成績 | ||||||||||
名前 | 試 | 勝 | 敗 | 回 | 安 | 四 | 振 | 責 | 失 | 率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
小島和哉 | 5 | 2 | 2 | 9 | 6 | 1 | 7 | 1 | 1 | 2.77 |
東京六大学春季リーグ戦星取表 | |||||||||||
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順位 | 慶 大 | 明 大 | 立 大 | 早 大 | 法 大 | 東 大 | 勝ち点 | 勝 | 負 | 勝率 | |
1 | 慶 大 | ※ | ○4-3 5/20 |
●2-3 ○1-4 ○7-1 |
6/2 6/3 |
○6-3 ○5-4 |
○15-3 ○5-1 |
3 | 7 | 1 | .875 |
2 | 明 大 | ●3-4 5/20 |
※ | ●3-4 ○8-6 ○3-1 |
●2-3 ○15-3 ○9-4 |
5/26 5/27 |
○9-2 ○7-0 |
3 | 6 | 3 | .667 |
3 | 立 大 | ○3-2 ●1-4 ●1-7 |
○4-3 ●6-8 ●1-3 |
※ | ○2-1 ○4-2 |
○3-2 △5-5 ○2-1 |
5/26 5/27 |
2 | 6 | 4 | .600 |
4 | 早 大 | 6/2 6/3 |
○3-2 ●3-15 ●4-9 |
●1-2 ●2-4 |
※ | ○5-1 5/20 |
○1-0 ○5-3 |
1 | 4 | 4 | .500 |
5 | 法 大 | ●3-6 ●4-5 |
5/26 5/27 |
●2-3 △5-5 ●1-2 |
●1-5 5/20 |
※ | ○17-1 ○10-2 |
1 | 2 | 5 | .286 |
6 | 東 大 | ●0-15 ●1-5 |
●2-9 ●0-7 |
5/26 5/27 |
●0-1 ●3-5 |
●1-17 ●2-10 |
※ | 0 | 0 | 8 | .000 |
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コメント
髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)
――まず、先発の小島和哉投手(スポ4=埼玉・浦和学院)が好投を見せました
そうですね、きょうは今シーズンで一番良かったと思いますね。
――特にどういった点が良かったでしょうか
低めにコントロールできてたのと、やっぱりマックスも45(145キロ)ぐらい出てましたんでね。久しぶりに45なんていうのが出たと思うので。先週ぐらいから状態良かったので、 今シーズンで一番いいピッチングだったと思いますね。
――終盤ピンチもありましたが、最後まで小島選手でいこう、という感じでしたか
やっぱり一番大事なのは7回の無死一、二塁を抑えたことでしょうね。9回のホームランは仕方ないので。あとは、ちょっと満塁で、彼の完封も懸かってましたしホームラン打たれましたけど、うーんと思って。代え時難しいですね。まあでもやっぱり、最後までっていう感じで投げさせましたね。
――打線ではクリーンアップが2安打ずつでした
やっぱり打つべき人が打つと点も入りますよね。
――岸本朋也副将(スポ4=大阪・関大北陽)が開幕から好調を維持していますが、打撃はいかがですか
いやーいいですね。全然問題ないですね。だからやっぱりリードもいいんじゃないですか、相乗効果で。リードがいいからバッティングもいい、バッティングがいいからリードもいい、まあどっちがどっちか分かりませんけど、相乗効果だと思いますね。
――8回に満塁の場面で小太刀緒飛選手(スポ4=新潟・日本文理)に打席を託しましたが、代打・田口喜将(商3=東京・早実)というのはありましたか
うーんまあ、考えましたけどね。でも、なんとかしてくれるんじゃないかなと思いました。
――期待に応えてくれましたね
そうですね、はい。
――先勝することになりました。打線も好調だと思いますが、あしたはどのように戦っていきたいですか
きょうの勢いで、連勝して勝ち点取りたいですね。
小島和哉主将(スポ4=埼玉・浦和学院)
――先週のオープン戦も好調でしたがきょうの調子はいかがでしたか
ブルペンで投げていても特に真っすぐは球が走ってたのが自分でも分かっていたので、岸本(朋也副将、スポ4=大阪・関大北陽)と話してきょうは投げました。
――序盤は味方のエラーもあった中で無失点に抑えました
まあエラーはエラーと思わないで自分が打たれたと思って、一個ずつ抑えようと思っていました。
――先ほどおっしゃっていたように直球の球速が145キロまで出ていましたが、そこは振り返っていかがですか
球速はたまたまだと思うので、とにかく勝ててよかったです。
――7回と9回のピンチの場面はよく粘った投球でした
きょうの一番のターニングポイントは多分7回だったと自分の中では思っていたので、うまく自分の理想通りの打ち取り方ができたのでそこだけはよかったなと思っています。
――9回の本塁打については
あれはもう自分の中で攻めて打たれたのでそこはしょうがないとは思うんですけど、その後にランナーを溜めてしまったのでそこは反省しなきゃいけないなとは思います。
――球数が150球までいきましたが
投げすぎですね。ちょっと多いですね。110、120球くらいで抑えたかったです。
――あした以降に向けて意気込みをお願いします
明大戦もきょうみたいな展開で2戦目、3戦目を落として勝ち点を取られてしまったので、勝利もそうなんですけど勝ち点にこだわって、あした必ず勝ちたいと思います。
岸本朋也副将(スポ4=大阪・関大北陽)
――東京六大学リーグ戦初本塁打となりました
そうですね、普通にうれしいです。
――初球を打ちましたが、狙い球だったのでしょうか
そうですね、前の打席でインコースばかり来たので、インコースで来るだろうなと思って、思い切って振りました。
――菅野秀哉投手(4年)から打ちたいと以前おっしゃっていましたが
打てたのはやっぱりうれしいです。試合に入ったらチームが勝てるバッティングをすることだけを意識していたんですけど、結果的に打てたのでそれはよかったかなと思います。
――きょうの小島和哉選手(スポ4=埼玉・浦和学院)の投球はいかがでしたか
すごいよかったかなと。真っすぐはコーナーに決められていたので、受けててもいい球が来てるなというのは感じました。
――9回裏のピンチの場面では小島選手にどのような声を掛けましたか
9回になってくるともう気持ちの問題だと思うので、何とか思い切って投げていこうっていうかたちで、声を掛けました。
――首位打者を狙えるところまで来ました
そういう位置にはいるんですけど、チームバッティングをするのが一番だと思うので、チームが勝つためのバッティングを意識してやっていきたいと思います。
小太刀緒飛(スポ4=新潟・日本文理)
――きょうの試合は最後の打席まで無安打でしたが、どのような気持ちで打席に立ちましたか
打ち取られ方がそれまでずっと良くなかったので、気持ちで打つというか、何も考えずにきたボールを一生懸命振ろうという気持ちで打席に立ちました。
ーー追い込まれていましたが
そこは割り切って、しっかり狙っていたボールがきたらそれを打てるようにだけ準備をしておこうと思っていました。
ーー狙い球は
真っ直ぐ一本に絞っていたんですけど、そこにちょうど真っ直ぐが来たのでラッキーだったなと思います。
ーー打った後の気持ちは
小島がずっと0点に抑えて、攻撃の方に流れを持ってきてくれていました。どうしても点が欲しい回だったので、(打てて)率直にうれしかったです。
――打撃の調子自体はいかがですか
一ーきょうは本当に良くなかったんですけど、その中でも修正しながら打席に立てたので次の試合でもそういう工夫ができればなと思います。
――次戦に向けての意気込みをお願いします
残り、早慶戦とあすの法大戦なので、勝ち点取っていいかたちで(春季リーグ戦を)終えたいです。
加藤雅樹(社3=東京・早実)
――きょうはお誕生日ですね。おめでとうございます
そうです。ありがとうございます。
――チームメイトからの祝福はありましたか
まあ、それなりに(笑)。
――初回、先制適時打を放った打席を振り返っていかがですか
3ボール2ストライクと追い込まれていて、インコースの真っすぐ来るかなというのがだいぶ頭にあった中での球だったので、うまく打てたかなと思います。
――きょうの菅野秀哉投手(4年)の印象はいかがでしたか
すごい丁寧に投げてくるなという印象でしたね。
――守備では2回に、低めの右飛を落として失策がつきました
日頃の行いが出たかなと思います。日頃からの油断です。しっかり捕れる球をハンドリングだけでいってしまいました。
――打撃は好調ですね
そうですね。試合中は失策を引きずらずにできたというのが、自分の中での心の成長かなと思います。
――首位打者も見えてきていると思います
まあでも、岸本さん(朋也副将、スポ4=大阪・関大北陽)もいますし、それは考えずに一打席一打席を大事にやっていきたいなと思います。
――明日へ向けてお願いします
明大のときはここで勝ち切れなかったので、明日で決める、必ず明日で決めるという気持ちでやりたいと思います。
福岡高輝(スポ3=埼玉・川越東)
――試合を終えた今の気持ちはいかがですか
やはり勝てたのは大きいですね。
――本日は2安打でした
調子はいいので、打てて良かったです。
――2打席目の二塁打は失策を取り返したいという気持ちはありましたか
エラーをして取り返したいというよりは切り替えて、1打席1打席集中していこうと思っていました。
――今季は二塁打が多い印象ですが、いかがですか
たまたま二塁打が多いんですけど、やはり長打はすぐにチャンスをつくれるので、そういう意味では打ってるのは良いことだと思います。
――本日の勝利でチームにも勢いがつくのではないでしょうか
そうですね、勝ち方も良くてチームに勢いがついたと思います。
――あすへの意気込みをお願いします
あすも自分の打席でしっかり打って、エラーもしないようにして勝ちたいです。