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ハンドボール部

2018.05.12

関東学生春季リーグ 5月12日 東京・東京女子体育大学体育館

東海大に敗れたものの、次につながる一戦に

 1次リーグ最終戦。最後の相手は現在首位争いを繰り広げている強敵・東海大だ。先週の東女体大戦では大量失点で敗戦した早大だが、一人一人がチームのために何ができるかを再確認し気持ちを切り替えてこの戦いに挑んだ。先制点こそ許したものの序盤の好機で連続得点を奪うと粘りのディフェンスも冴え渡り競り合いに持ち込む。最後は力の差を見せつけられ敗戦したが、収穫のある一戦になった。

 いきなり警戒していた昨春優秀新人賞の渡部真綾(東海大)に2連続得点を許す立ち上がり。相手はディフェンスも攻撃的で簡単にはゴールに近づけてくれなかったが、早大は少ないチャンスをものにした。伊地知華子副将(社4=宮崎学園)がミドルシュートを決めると、ゴールの枠で弾いたボールをつなぎ杉山瑞樹(社3=神奈川・横浜創英)が速攻を決める。吉田瑞萌(スポ2=東京・佼成学園女)もパスカットからの速攻で続き3連続得点。ここで東海大相手にリードを奪った。しかし相手は黙っていてはくれない。緩急を織り交ぜた多彩なパス回しを軸に鋭いシュートが4連続で早大ゴールに突き刺さる。それでもきょうはすぐには流れを渡さなかった。すかさず取ったタイムアウトの後は金庭亜季(社4=群馬・富岡東)のステップシュート、伊地知のミドルシュートで連続得点。ディフェンスでも「みんながミスからの切り替え、頭の切り替えがすごくできていた」と高田紗妃主将(スポ4=福岡・西南学院)が振り返るように、速い戻りの意識は全員で共有されていた。これまで早大が苦しんできたミスからの逆速攻での失点は1点にとどめ、なんとか踏ん張る。その後はセットオフェンスからの得点も決まるようになり1点を取り合う展開に。射程圏内の3点ビハインドで前半を終え、後半に望みをつないだ。

伊地知は前後半で1点目を挙げ攻撃のリズムを作った

 しかし、後半に入ると少しずつほころびが出始める。パスでボールをこぼす場面が目立ち、逆速攻を含む痛い4連続失点。選手たちの表情は曇り、一時は2点差まで詰まっていた差が6点差まで広がってしまった。それでも早大は果敢に東海大ゴールに立ち向かった。相手の退場による数的有利の好機を逃さず、伊地知のミドルシュートと阿部美幸(スポ1=東京・佼成学園女)のサイドシュートで2得点。さらに守護神・大沢アビ直美(スポ3=東京・佼成学園女)を欠く中でゴールマウスを担った北村早紀(スポ3=群馬・富岡東)は何度も好セーブで援護した。しかし東海大はつけ入る隙は与えてくれず、波に乗り切るまでには至らなかった。最後は高田が早い反応で飛び出し速攻を決めたが反撃もここまで。結局序盤の連続失点が響くかたちとなり16−21で試合終了。1次リーグを勝利で終えることはできなかった。

高田を軸に守備でも集中力を切らさなかった

 勝ち点は得られなかったが、強豪相手に手応えをつかんだ早大。試合後高田は「あまり好きな言い方ではない」と前置きはあったものの「負けたけど今までの試合で一番いい試合だったんじゃないかな」と振り返った。1次リーグでは1勝6敗と苦渋を味わったが、彼女たちは苦しみながらも試合を経る中で着実な成長曲線を描いている。ディフェンスはより強固なものとなり、オフェンス面ではミスが減りシュートで終われるようになった。きょうの結果により早大は1次リーグで7位となり、あすから始まる2次リーグでは5位以下のチームで構成される下位リーグへ駒を進める。「どの試合も負けられないので3戦全勝する勢いで必ず勝ちたいと思います」(高田)。まずはあす、1次リーグではダブルスコアで敗戦した日女体大相手に雪辱を果たす。

(記事 宅森咲子、写真 林大貴)

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関東学生春季リーグ展望/関東学生春季リーグ(4/10)

関東学生春季リーグ
早大 16 10−13
6−8
21 東海大
GK 北村早紀(スポ3=群馬・富岡東)
LW 杉山瑞樹(社3=神奈川・横浜創英)
LB 吉田瑞萌(スポ2=東京・佼成学園女)
CB 金庭亜季(社4=群馬・富岡東)
PV 楯如美(スポ3=岐阜・飛騨高山)
RB 伊地知華子(社4=宮崎学園)
RW 久保涼子(スポ4=群馬・富岡東)
1次リーグ星取表
早大 筑波大 東女体大 東海大 桐蔭横浜大 日体大 日女体大 国士館大
7位 早大 18●25 14●35 16●21 19●23 17●29 8●16 20○18
4位 筑波大 25○18 20●22 28○23 15●21 26○25 32○22 22○15
2位 東女体大 35○14 22○20 20●21 27○21 31○18 24○20 26○14
1位 東海大 21○16 23●28 21○20 27○20 27○21 28○14 32○21
3位 桐蔭横浜大 23○19 21○15 21●27 20●27 23○22 32○26 25○21
5位 日体大 29○17 25●26 18●31 21●27 22●23 25○16 17△17
6位 日女体大 16○8 22●32 20●24 14●28 26●32 16●25 26○24
8位 国士館大 18●20 15●22 14●26 21●32 21●25 17△17 24●26
コメント

高田紗妃主将(スポ4=福岡・西南学院)

――前回の東女体大戦の後はどのようなミーティングがあったのでしょうか

自分たちの反省に挙がるものは変わらなかったので、切り替えて東海大への対策のミーティングと、もう一度自分たちが何をするのかというものを具体的に決めることを徹底していました。

――きょうはどのような部分を改善して挑みましたか

東女体大の時もそうだったんですけど、「今までずっとオフェンスのミスからの逆速攻での失点が多いよ」という話をしていたのでオフェンスからの戻りの部分と、ディフェンスが守れているのにもかかわらず速攻で点が取れないという所があったのでその速攻の部分に関して課題を挙げて臨んでいました。

――東海大相手に粘りを見せたと思いますが、試合を振り返っていかがでしょうか

あまり好きな言い方ではないんですけど、負けたけど今までの試合で一番いい試合だったんじゃないかなという風には思っています。

――相手の9番は試合前から警戒していたのでしょうか

そうですね。すごく得点源だとは思っていたんですけど、そこをおとりにして逆の45度の選手で得点を取っているということがあったので「上から打たれるシュートはある程度しょうがないとしよう」というミーティングでした。前半取られている分はしょうがないかなという風には思っています。

――前半はまだ射程圏内の3点差で折り返しましたがハーフタイムではどのような話があったのでしょうか

13点の内9点があのエースの子(渡部真綾、東海大)からの失点だったのでとりあえずマンツーをつこうと。その他の選手に関しては必ず守れるからそこをしっかり守った上でまたシュートに向かおうという話でした。

――大沢アビ直美選手(スポ3=東京・佼成学園女)を欠く中でしたが、ディフェンスに関してはいかがでしょうか

あまり北村(早紀、スポ3=群馬・富岡東)だからという不安はありませんでした。やることはいつもと一緒で、後は打たせるところ、どこまでを勝負させるかという部分は北村とよく話し合っていたので特に心配なくディフェンスはできていたと思います。

――戻りの意識が強かったというお話がありましたが、過去の試合に比べて速攻での失点が少なかったように思います。出来はいかがでしたか

オフェンスがすごく良かった訳ではないと思うんですけど、やっぱりみんながミスからの切り替え、頭の切り替えがすごくできていたなと思うので良くなっていっている段階だなと思います。

――あすから2次リーグが始まりますが、どう挑みますか

現在7位からスタートする2次リーグだと思うんですけどどの試合も負けられないので3戦全勝する勢いで必ず勝ちたいと思います。

伊地知華子副将(社4=宮崎学園)

――前回の東女体大戦から改善したポイントはありますか

特に戦術的な面とかではなくて、チーム力とかそういったところですかね。技術は1日、2日の練習で変わるものではないので。チーム力でやるしかないっていうときに、紗妃(高田主将、スポ4=福岡・西南学院)とかがチームのために自分ができることはなんだろうと考えさせるきっかけを与えてくれて、一人一人が自分に何ができるか、チームに貢献できるかを考えてきて。それをきょう実践に移せたから結果として、負けちゃったんですけど、納得のいく試合になったんじゃないかなと思います。

――高田主将からは具体的にどのような提案があったのですか

「週末の試合で自分は1試合を通して何をやるか一人一人考えてきて」と言われて、練習の前にそれを一人一人発表して。否定するとかそういうのではなくて、みんなで「じゃあそれを頑張ろう」って応援し合うというか、認め合う、士気を高める機会をくれました。

――きょうの東海大戦への対策はありましたか

ディフェンスでは9番のエースの子の遠い位置からのミドルはもうやられても仕方ないということで割り切って。あとはカットインのフォローだったり、シュートを打った後の戻りっていうのを全員で徹底していくというところですかね。

――ディフェンスでの早い戻りというのは徹底できていたように見えました

そうですね。よくできていたと思います。

――ディフェンス面での徹底もあって、春季リーグでずっと課題としていたオフェンスのミスから速攻を受けるというのはほとんど見られませんでした

そうですね、やられなかったですね。筑波大戦とか東女体大戦のときとかは点差が開いたときに「自分がやらなきゃ」ってオフェンス陣がみんな思って、それでタイミングが合わなくなって逆速攻を受けて、結局戻れなくてどんどん悪循環になってしまったんですけど。きょうも点差が開いた時間があって「やらなきゃ」と思ったんですけど、コンビのプレーとかもうまくできていて。それでカットとかされた後も対処しやすかったというか、「今のは私が入りすぎだった」とかそういう話もできていたので、そんなに逆速攻を受けなかったのかなと思います。戻りも早くできていたので。

――きょうご自身チーム最多得点だったんですけど

本当ですか(笑)。

――出来としてはいかがでしたか

シュートは何本か決めていたと思うんですけど。流れの中でのシュートもあったんですけど、ラッキーなかたちで入ったシュートも結構あったと思うので、止まって打つシュートを無くしていかないと。流れの中で打つシュートっていうのをあしたからの試合では増やしていきたいです。

――きょうで1次リーグは終了ですが、全体として振り返っていかがですか

本当のチームの強さっていうか、みんなが全力を出せた試合っていうのが少なかったので、こういう結果になってしまったと思うので。でも国士舘大戦であったり、きょうの試合だったりとかはみんなが全力でチーム一丸となって戦えたっていう印象があったので、そういう試合をもっと増やしていきたいです。あしたからは下位リーグなので、もう負けられないので、きょう以上にチーム一丸となってやっていかないといけないなと思います。