庭球部

2018.05.07

関東学生トーナメント 4月30日~5月6日 神奈川・根岸テニスセンターほか

王者・早大がまさかの無冠。この悔しさはインカレで晴らす・・・春関プレーバック

 関東学生トーナメント(春関)男子ダブルス決勝。ゲームセットの瞬間、歓喜に沸いたのは早大ではなく法大陣営だった。優勝を喜び分かち合う法大の選手たちを横目に、坂井勇仁主将(大阪・清風)、田中優之介(スポ2=埼玉・秀明英光)は悔しさをかみしめながら仲間たちの待つベンチへと帰っていった。早大勢は男女シングルスで決勝に駒を進めたものの、どちらも敗戦。最後の望みだった坂井・田中優組も敗れ、これで王者・早大が、春の戦いを無冠で終えることとなった。タイトルを獲得したのは筑波大が3つ、法大が1つ。一方で早大の最大のライバルである慶大も全種目ベスト8で姿を消した。「本当に差が縮まっている」(石井弥起ヘッドコーチ)。大学テニス界の勢力図は変わるのか。波乱の春関を振り返る。

★シードダウン相次ぐも3人がベスト8入り・・・男子シングルス

小林雅の復調はチームにとって明るい材料だ

 早大が圧倒的な選手層を誇る男子シングルス。今大会も本直者48人のうち4分の一を超える13人が早大勢だった。佐藤祥次(スポ3=大分舞鶴)らが初のインカレ本直を決める中、上位シード選手たちにシードダウンが相次ぐ。坂井主将が3回戦で姿を消すと、第2シードの田中優もベスト16で敗退。齋藤聖真(スポ4=神奈川・湘南工大付)も3回戦で慶大の中村進之介主将(4年)に敗れるなど、本来の力を発揮できない選手が多かった。それでもしっかり3人がベスト8入り。小林雅哉(スポ3=千葉・東京学館浦安)は準決勝で敗れたが、思うような成績を挙げられなかった昨年に比べ復調を感じさせる内容だった。大本命だった島袋将(スポ3=三重・四日市工)は苦しみながらも決勝に進出。惜しくも連覇とはならなかったが、「ケガ明けからの復帰戦で準優勝できたことは一つ大きな収穫」(島袋)と口にした。その島袋を抑えて優勝したのが川橋勇太(筑波大3年)。安定感抜群のストロークを武器に今大会1セットも落とさず完全優勝をやってのけた。「川橋君は一気にインカレ優勝候補に間違いなく躍り出た」(石井ヘッドコーチ)。インカレを含め今後早大に高いカベとして立ちはだかることになるだろう。また、育成層にとっての1年間の最大の目標でもある春関。結局予選から勝ち上がったのは堀凌輔(スポ2=福岡・柳川)のみと寂しい結果となったが、「試合内容は新進のときよりもよくなっている。今後の糧になる大会」(松本貫太朗副将、社4=東京・早実)とさらなる成長を誓った。

★各大学がレベルアップし、勢力は均衡・・・男子ダブルス

さらなる飛躍が期待される古賀(右)・安上組

 9ペアが本戦に出場した男子ダブルス。新しいペアで臨んだ齋藤・小林雅組、髙村佑樹(スポ3=千葉・東京学館浦安)・木元風哉(社2=埼玉・早大本庄)組は共にベスト16で敗退。ここ2年結果を残してきた齋藤・髙村組を解消してのペアリングであるだけに、夏の期間を通して成熟度を高め、インカレでは上位に食い込んでほしい。古賀大貴(スポ3=大分舞鶴)・安上昂志(スポ3=福岡・柳川)組は大接戦の末、悔しいベスト8。今大会でも抜群のコンビネーションは健在だったが、もう一歩接戦をものにできる勝負強さを磨きたい。フューチャーズ2勝を挙げている学生ナンバーワンダブルス坂井・田中優組は準決勝、決勝でフルセットを戦った。二試合とも勝負がどちらに転ぶか分からない大接戦であり、他大のダブルスのレベルがかなり上がっていることを痛感しただろう。ベスト8に2ペアを送り込み、タイトルをも獲得した法大、新コーチの下ダブルスの強化を図っており、今大会もベスト4入りを果たした日大など勢力は均衡状態になりつつある。インカレではタイトルを奪取し、王者・早大の威厳を示したい。

★多くの選手が本戦に出場。収穫と課題を得る大会に・・・女子シングルス

上は4年生で過去最高の成績を収めた

 女子シングルスはルーキー4人を含む7人が予選を勝ち上がり本戦へ。田中李佳(スポ1=兵庫・相生学院)は準優勝の上唯希副将(スポ4=兵庫・園田学園)相手に互角の試合を繰り広げるなど大学デビュー戦で実力を垣間見せた。上位選手は不運にも同士打ちで敗退するケースが多かった。上対清水映里(スポ2=埼玉・山村学園)の準決勝は全日本学生室内選手権決勝の再戦となったが、上が先輩の意地を見せリベンジに成功。決勝では森崎可南子(筑波大4年)にストレートで敗れたが、石井ヘッドコーチも、「最後の春関で4年生の意地を見せてくれたというのは一つの収穫」と評価した。その森崎は単複2冠を達成。先日卒業後のプロ転向を発表した森崎は、今後も早大にとって大きな脅威となるに違いない。「下級生がもっと上位に食い込めればチーム力は上がってくると思う」(大矢希女子主将、スポ4=愛知・名古屋経大高蔵)。エース清水を中心に下級生の活躍が、チーム浮上のカギとなるだろう。

★優勝候補ペアが準決勝で敗退・・・女子ダブルス

清水(右)・下地組の奮起に期待したい

 ベスト8に3組を送り込んだ女子ダブルス。関東学生新進選手権(新進)で優勝した藤原早気(社2=大阪・城南学園)・米原さくら(スポ2=埼玉・秀明英光)組は今大会でも好調をキープし、8強入り。自信と実力がついてきている2年生ペアが、確実に存在感を増してきている。その藤原・米原組を下してベスト4入りを果たしたのが辻紘子(教4=東京・早実)・大河真由(スポ3=千葉・秀明八千代)組。お互いこれまでダブルスでの実績はなかったが、「インカレでも行けるところまで頑張りたい」(辻)と夏に向けて意気込んでいる。優勝候補筆頭だった大矢・上組は連戦の疲労もあり決勝進出を逃した。これまで学生大会では無敗を誇っていたエースペアにとって、ベスト4は満足のいく結果ではないだろう。二人とも主力として単複でフル回転が期待されるだけに、連戦を苦としないタフさを夏までに身に付けたい。また、惜しくも3回戦で姿を消した清水・下地奈緒(社2=沖縄尚学)組、剱持梓(社3=東京・早実)・森川菜花(社3=山口・野田学園)組はインカレに向けてさらなる奮起が求められる。女子の団体戦においてダブルスは勝負所となる。夏を超えた団体戦シーズンに向けても、ダブルスの底上げは重要な課題となりそうだ。

 春関で無冠に終わったのは2003年以来15年ぶり。この結果を受けて石井ヘッドコーチは、「これをただの無冠だったで終わらせちゃダメだ」と気を引き締めた。筑波大、法大といったチームも確実に力つけてきており、勢力が拮抗(きっこう)している大学テニス界。全日本大学対抗王座決定試合アベック13連覇という大きな目標達成のため、チーム全体のレベルアップは必要不可欠だ。学生テニス界の王者として、まずは来週に控える早慶対抗試合でライバルを圧倒したいところ。そして次なる目標はインカレでの全種目制覇だ。春関での借りはインカレで返してみせる。早大の逆襲は、ここから始まるのだ。

(記事 松澤勇人、写真 佐々木一款)

最終成績

▽男子シングルス

2位

島袋将

ベスト4

小林雅哉

ベスト8

髙村佑樹

ベスト16

古田伊蕗副将、安上昂志、田中優之介

3回戦敗退

坂井勇仁主将、齋藤聖真、古賀大貴、佐藤祥次

2回戦敗退

町田亮副将、松本貫太朗副将、木元風哉、千頭昇平、藤井颯大、名越大地

1回戦敗退

樋口廣太郎

▽男子ダブルス

2位

坂井勇仁主将・田中優之介

ベスト8

古賀大貴・安上昂志

ベスト16

齋藤聖真・小林雅哉、髙村佑樹・木元風哉

2回戦敗退

町田亮副将・樋口廣太郎、佐藤祥次・武藤洸希、島袋将・千頭昇平

1回戦敗退

古田伊蕗副将・名越大地、松本貫太朗副将・藤井颯大

▽女子シングルス

2位

上唯希副将

ベスト4

清水映里

ベスト8

大矢希女子主将

ベスト16

辻紘子

3回戦敗退

大河真由、倉持美穂、下地奈緒

2回戦敗退

廣川真由副将、剱持梓、山田菜津子、加藤梨々子、田中李佳

1回戦敗退

今村南、大石真珠美、森川菜花、米原さくら、杉田栞、守口蘭夢

▽女子ダブルス

ベスト4

大矢希女子主将・上唯希副将、辻紘子・大河真由

ベスト8

藤原早気・米原さくら

ベスト16

剱持梓・森川菜花、清水映里・下地奈緒

2回戦敗退

廣川真由副将・田中李佳、倉持美穂・山田菜津子

1回戦敗退

今村南・松本妃那

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コメント

石井弥起ヘッドコーチ

――春関が終了しましたが、全体を総括していただけますか

そうですね、無冠に終わったというのは率直に悔しいかなと。悔しく思わないといけない結果になったなというのが正直なところですね。もちろんみんな頑張ってやった結果なので、受け止めなきゃいけないと思っているし、これをただの無冠だったで終わらせちゃダメだなというだけですね。

――それぞれの種目の振り返りをお願いします

男子シングルスは、去年のインカレチャンピオンの島袋が大本命であったのは間違いなくて、その中で川橋くんが優勝したというのは、川橋くんはここ最近めきめきと力をつけてきて、フューチャーズでもいい選手に勝っているし、その自信プラス実力がついたと証明されたんじゃないかなと思います。春関優勝して、一気にインカレ優勝候補に間違いなく躍り出たというところです。女子もインカレチャンピオンの清水が優勝を狙っていた中で、4年生の上が清水に勝って決勝に行ったと。最後の春関で4年生の意地を見せてくれたというのは一つの収穫ですね。それとやっぱり優勝した森崎さんの実力は本物だなと思いました。

――インカレに向けてチームとしてどのように向かっていきますか

各個人がレベルアップしていくことですね。今ワセダが大学テニス界を引っ張っていることは間違い無いんですけど、それでもこうやって春関で一つも優勝できなかったということは、他大も確実に力をつけてきている証拠だと思います。環境だったコーチ陣だったりが整ってきて、本当に差が縮まっているなというか、実際に春関では負けてるわけですから、あくまで僕らもチャレンジャーじゃないといけないということですね。

――来週の早慶対抗試合への意気込みをお願いします

精一杯やるだけだと思います。選手はもちろんプレッシャーがあると思うので、いかにコートも立ったときに準備ができているかが大事になってくると思います。春関終わって1週間もないですけど、いい準備をしていい状態でまずはコートに立ってほしいと思います。