ハンドボール部

2018.05.05

関東学生春季リーグ 5月5日 東京・日本女子体育大学総合体育館

粘りを見せるも、筑波大の高いカベ崩せず

 『大きなカベ』が立ちはだかった。スターティングメンバーの平均身長が168センチと驚異の高さを誇る筑波大。異例の再試合から2日経ったきょう、早大はその筑波大との一戦を迎えた。試合はフィジカルで上回る相手に終始リードされる展開に。早大は「いつもより飛び出しを早くした」という阿部美幸(スポ1=東京・佼成学園女)が速攻で複数得点を挙げるなど活躍を見せたが及ばず。後半は連続得点で追い上げたものの、前半でつけられた大差が重くのしかかり4敗目を喫した。

 いきなり強烈なミドルシュートが早大ゴールに突き刺さった。金庭亜季(社4=群馬・富岡東)がキーパーの股を抜く技ありのカットインで1点目を挙げたが、筑波大の空いた隙をつくポストシュートやディフェンスの上からの豪快なミドルシュートを浴び、開始8分で1−5とされてしまう。しかし、気持ちは切らさなかった。タイムアウトの直後、伊地知華子副将(社4=宮崎学園)がディフェンスの影からブラインドシュートを決めると「相手がミドルで打ってきたらキーパーが取ってくれるので相手が打つ瞬間にもう走り出そうと思っていました。」という阿部が早い飛び出しでパスを受け速攻を決める。小林佑弥コーチ(スポ4=茨城・藤代紫水)が掲げた「空いたスペースを見つけたら思いっきり飛び込んでいく」というテーマ通り全員が果敢にゴールに向かっていった。だが、シュートチャンスは何度も巡ってきたものの、ゴールの枠を捉えられない。逆に、速いパス回しと強い当たりの相手に徐々に差を広げられ、7点の大きなビハインドを背負って折り返した。

チーム内トップの5得点を決めた阿部

 なんとか相手の流れを断ち切りたい早大。ここで粘りのディフェンスが機能した。パスカットでボールを奪うとすでに走り出している阿部につなぎ速攻で得点。さらに伊地知のカットインで後半開始早々に2連続得点を挙げた。だが、簡単には流れを渡してくれない。早大の小さなミスを見逃さず、確実に得点に結びつけてくる相手に5連続得点を許してしまう。ここで10−20。このまま点差を離されて終わると思われた。しかしワセダはここからだった。杉山瑞樹(社3=神奈川・横浜創英)のサイドシュートを皮切りに徐々にオフェンスも機能し始める。パスのスピードが速くなり、筑波大のディフェンスに揺さぶりをかけ、穴を突いてカットイン。さらにディフェンスでもアグレッシブなプレーで中にボールを運ばせない。GK大沢アビ直美(スポ3=東京・佼成学園女)は安定感のあるキーピングで何度も早大ゴールを守ってみせた。だが流れがこちらに傾きかけたところで無情にも試合終了のブザーがなり響いた。

筑波大の高さに苦しめられた

 最終スコアは18−25であったが、後半だけで見れば10−10。相手が主力をケガで欠いていたとはいえ、昨秋の女王相手に渡り合えることを証明して見せた。パスミスからの逆速攻や、シュートチャンスを決めきれないことは継続した課題であるが、今回の試合はこれまでより速攻による得点が多くみられ、速く攻める意識が表れていた。さらに「セットディフェンスでは崩された感じはなかった」(杉山)とディフェンス面では試合を重ねるごとに完成度が高まっている。一次リーグも後半戦。残り2試合は現在リーグ1位、2位の強豪相手との対戦となるが、鉄壁のディフェンスを軸に序盤で流れをつかめば十分に勝機はあるだろう。

(記事 宅森咲子、写真 斉藤俊幸、糸賀日向子)

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関東学生春季リーグ展望/関東学生春季リーグ(4/10)

関東学生春季リーグ
早大 18 8−15
10−10
25 筑波大
GK 大沢アビ直美(スポ3=東京・佼成学園女)
LW 杉山瑞樹(社3=神奈川・横浜創英)
LB 吉田瑞萌(スポ2=東京・佼成学園女)
DF 高田紗妃(スポ4=福岡・西南学院)
PV 楯如美(スポ3=岐阜・飛騨高山)
RB 伊地知華子(社4=宮崎学園)
RW 久保涼子(スポ4=群馬・富岡東)
星取表(5月5日現在)
早大 筑波大 東女体大 東海大 桐蔭横浜大 日体大 日女体大 国士館大
7位 早大 18●25 19●23 17●29 8●16 20○18
3位 筑波大 25○18 15●21 26○25 32○22 22○15
2位 東女体大 20●21 27○21 31○18 24○20 26○14
1位 東海大 21○20 27○20 27○21 28○14 32○21
4位 桐蔭横浜大 23○19 21○15 21●27 20●27 25○21
5位 日体大 29○17 25●26 18●31 21●27 25○16
6位 日女体大 16○8 22●32 20●24 14●28 16●25
8位 国士館大 18●20 15●22 14●26 21●32 21●25
コメント

小林佑弥コーチ(スポ4=茨城・藤代紫水)

――一次リーグは後半戦に入っていますがチームの印象はいかがでしょうか

きょねんとはガラッと変わって。きょねんはどちらかというとおとなしい子たちだったと思うんですけど、負けん気の強い子たちが多いです。その子たちを中心にファイティングスピリッツのあるチームで、それが粘り強いディフェンスに繋がっているんだと思います。

――きょうの試合を振り返っていかがでしょうか

僕がみんなに投げかけていたテーマとしては、「空いたスペースを見つけたら思いっきり飛び込んでいく」ということだったんです。それが再試合の桐蔭横浜大戦ではちらほら見られて。ただそれを繰り返していくことが大事だということには試合中にみんな気付けなかった。だからテーマとして今回挙げさせてもらいました。それが結構うまくいったと思います。ただその後のシュートが入らなかった。これは想定していたことではあるんですけど、やっぱり体で負けている分思いっきり割らないと抜けないしそれはあしたの相手も来週の相手も同じで。これまではフィジカルのレベルが大体同じくらいだったので、そこまで頑張らなくても抜けてたりしたんですけど、日本一を獲るためには思い切ってスペースを割っていくという、ハンドボールの原点だと思うんですけど、それが必要になってくると思います。

――きょうの一番の敗因は何でしょうか

ディフェンスのほころびが出ちゃうこともそうなんですけど。もう少し速攻で仕留められればよかったですね。セットはまだまだ完成してないと思うので。それにしても、もう少しシュートで終われたらなと思います。僕は今データでシュート効果率というのを出していて。「シュートで終わろう」とよく選手からも言っていると思うんですけど、そのシュートが実際どれくらい安全に終われているかというのを出しています。それが低い試合はシュートを打った人がいない6対5の状態からになってしまうという。実際データと結果は結びついているのでこれをもとにまた反省していきたいと思います。

――ディフェンスに関しては試合を重ねるごとによくなっている印象がありますがいかがでしょうか

そうですね。チームとしてコツみたいなものがわかってきた気がしますね。ディフェンスを引きながらも攻撃性を保っているというのがうまくできていると思います。2枚目を務めている選手たちが積極的にアタックをかけてくれているので、あとは連動性のコンタクトが必要と思います。

――現在苦戦を強いられていますが、この先のポイントとなる部分は何でしょうか

きのう選手たちに話したのは「少しずつ自分たちの色を出せて、勝ちパターンが見えてきたね」ということで、それを選手たち自身が気づいているかどうかというところですね。今までのいいプレーが形になっていくといいなと思っています。それができればどんな相手にも食らいついていけると思います。

杉山瑞樹(社3=神奈川・横浜創英)

――筑波大とは体格差がありフィジカルに優れる相手との対戦になりましたがそのあたりはいかがでしたか

きょうから上位チームとの戦いで先週までと比べて当たりが強くなってくるのはわかっていたので、そこを振り切るとか、その分1人に対して2枚フォローを入れるだとか、そうして厚く守るっていうのは意識していました。

――前半は大きくリードされて折り返しましたが前半を振り返っていかがですか

おとといの桐蔭横浜大戦に比べたら点数が入っても、キーパーのアビ(大沢アビ直美、スポ3=東京・佼成学園女)が止めても盛り上がらなかったり、私もシュート外しちゃったりで上手く波に乗りきれなかったのかなと思います。

――その前半を踏まえたハーフタイムではどのような話をされたのでしょうか

私たちがいつも負ける展開はオフェンスのミスから速攻をされてしまうというのが多くて、セットディフェンスでは崩された感じはなかったので点差を埋めるために走ろうということを話していました。

――後半だけをみると得点的には互角でした

後から同点と聞いて気づいたくらい前後半ともに負けていると思っていました。ずっと点数的には追いかける展開だったので焦ってしまっていました。前半、点差がついていた分、後半は気迫を出して押してっていう展開がもう少しできたら良かったと思います。

――ご自身のプレーを振り返ってみていかがですか

いつもよりシュートチャンスはたくさんもらったのにそれを生かせなくて。きょうの試合はシュートミスだけでなくパスミスもたくさんあって、自分のミスが目立ったので反省しています。それで1点とれるところをミスで終わってしまっていたのでマイナスになっている部分が多かったかなと思っています。

――これまでのリーグ戦を振り返って残り2試合への改善すべき点はどこですか

勢いに乗っている時には押せると思うのでそれを1試合を通していかにキープできるかがカギになってくると思うので、チーム全体で盛り上げていけるかが勝敗にも関わってくると思います。

阿部美幸(スポ1=東京・佼成学園女)

――フィジカルの強い筑波大が相手でしたが、どのように対策をしてきましたか

自分のポジション的にあまり(相手と)当たらないところなのですが、チームとしてはどうしても相手と五分でいくと負けてしまうので相手にやられる前にやろうという感じでした。

――速攻が今までの試合より多かったですが、速い攻撃に関して意識していたことはありましたか

相手がミドルで打ってきたらキーパーが取ってくれるので相手が打つ瞬間にもう走り出そうと思っていました。それでいつもより飛び出しを早くしました。

――自身で5点決めましたが、プレーを振り返っていかがでしたか

キャッチミスなどもあって、(ゴールを)決めたのですがその倍くらいミスをしています。だからもっとミスを少なくしてもっとチームに貢献できるように頑張ります。

――前半相手に苦しめられたところはどこでしょうか

自分たちがミスをした後の逆速攻が速かったです。ミスをしなかったらもっと点を詰めていたのに、ミスをした後の切り替えが相手が速くてやられてしまったところだと思います。

――後半は10-10で同点でしたが、後半についてはどのような印象でしょうか

後半はミスというよりかはシュートまでいけていてあまり逆速攻が無かったので、同点だったのではないかなと思います。

――U18に選出されていますが、そこでの練習で得たことはありますか

U18の方ではポジションが違ってバックのポジションをやらせてもらっているので、1対1を強くいくところなどはすごく学んでいます。

――明日に向けての意気込みをお願いします

最初から勝つ気全開で頑張ります。