ア式蹴球部

2018.05.03

第92回関東大学リーグ戦 5月3日 埼玉・浦和駒場スタジアム

『紫紺』と『臙脂』の全勝対決。紫紺を撃破し単独首位浮上!

 「なんとしてもきょうは無失点に抑えたいと思っていました」(DF杉山耕二、スポ2=三菱養和SCユース)。今季ここまで開幕3連勝を飾っていたものの、無失点での勝利はいまだ0。それだけに、全勝同士での対戦となった明大を相手に無失点で抑えられたのは大きな収穫であるとともに、チームとしても戦い方の厚みが感じられた。関東大学リーグ第4節は明大との全勝同士の対決。17分に先制点を挙げると、その1点を統率のとれたディフェンスで守り切り、1-0で辛勝。今季初の無失点勝利を飾り、開幕からの連勝を4に伸ばした。

 過密日程ながらも、早大は前節(流通経大戦、○2-1)から1人しかメンバーを入れ替えず、DF冨田康平(スポ4=埼玉・市浦和)に代えてDF小笠原学(社4=青森山田)が今季初先発。前節同様、4-1-4-1のフォーメーションで臨んだ。試合は序盤から明大に押される展開となる。開始直後、ハーフウェーライン付近からバイタルエリアへボールを通されると、ペナルティーエリア外からミドルシュート。シュートはクロスバーを叩いて事なきを得たが、早大にとっては肝を冷やす場面となった。その後もボールポゼッションは明大が上回り、早大は押される展開が続いていたが、転機は突然訪れる。17分、MF栗島健太(社3=千葉・流通経大柏)が激しく寄せると、即座にぽっかりと空いた左サイドへスルーパス。このスルーパスにMF相馬勇紀(スポ4=三菱養和SCユース)が反応し、サイドを駆け上がってペナルティーエリア内へ侵入するとそのまま自らシュート。ボールはゴールネットへと吸い込まれ、早大に貴重な先制点をもたらした。相馬の今季初ゴールで1点を先制すると、早大はさらに守備陣形をコンパクトにする。そのため、攻め込まれる時間帯も減り、試合も落ち着いた時間帯が増える。前半終了間際にCKで相手選手と接触し、GK小島亨介(スポ4=名古屋グランパスU18)が負傷するアクシデントはあったものの、1-0で前半を終了した。

先制のゴールを決める相馬

 追加点を狙いたい早大は後半開始直後、左サイドにポジションを取る相馬からチャンスを生み出そうとするが、ゴールまでは結び付けられない。すると、その後は再び明大が攻め込む時間が続く。一方、早大は67分に冨田とMF岡田優希主将(スポ4=川崎フロンターレU18)を投入し、フォーメーションを4-2-3-1として岡田をトップ下に配置して追加点を狙いに行く。ただ、明大の攻勢はなおも強まり、後半だけで明大に8本のシュートを許した。それでも、小島が再三好セーブを見せ、守備陣も粘り強いディフェンスでゴールをこじ開けさせず。結局、前半の相馬の値千金のゴールを守り切り、1-0で今季初の無失点勝利を果たした。これで、明大との全勝対決を制して開幕4連勝を飾り、単独首位に浮上した。

接触プレーで負傷しながらも、ゴールに鍵をかけ続けた小島

 互いに3連勝同士で迎えた明大との直接対決。ここまでの積極的に攻勢をかける戦い方とは異なり、明大に主導権を取られる時間が長くなった。事実、シュート数は早大が5本、明大が12本。特に後半は早大が2本である一方、明大は8本と大きな開きが出た。しかし、これは明大を分析したうえでのプランに沿った戦い方だった。「自陣に侵入させてそこからカウンターを狙うというのも一つとしてある」(小島)と、相手にボールを持たせたうえでカウンターを狙うプランで試合に臨んだ結果、先制点も狙い通りのかたちで奪うことができた。相手に主導権を握られながらも少ないチャンスをモノにして勝利を奪うことができたのはチームとして戦い方に厚みが増す結果となったのではないだろうか。一方、セカンドボールの競り合いの部分や1対1の部分では明大に競り負ける場面が散見された。次節の駒大は対人の強さが際立つチームであるだけに、この部分で競り負けると相手に主導権を握られる戦いを強いられる可能性があるだろう。中2日と準備期間は短いものの、『謙虚さ』を持ちつつさらにチームとしての完成度を高めていきたい。

スターティングイレブン

 

(記事 新開滉倫、写真 大山遼佳、森田和磨、守屋郁宏)


JR東日本カップ2018 第92回関東大学リーグ戦 第4節
早大 1-0
0-0
明大
【得点】
(早大)17’相馬 勇紀
(明大)なし
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK ◎1 小島 亨介 スポ4 名古屋グランパスU18
DF 12 小笠原 学 社4 青森山田
→67分 29 岡田 優希 スポ4 川崎フロンターレU18
DF 杉山 耕二 スポ2 三菱養和SCユース
DF 大桃 海斗 スポ3 新潟・帝京長岡
DF 20 牧野 潤 スポ3 JFAアカデミー福島
→67分 冨田 康平 スポ4 埼玉・市浦和
MF 鍬先 祐弥 スポ2 東福岡
MF 14 藤沢 和也 商3 東京・早実
MF 金田 拓海 社3 ヴィッセル神戸U18
MF 栗島 健太 社3 千葉・流通経大柏
MF 11 相馬 勇紀 スポ4 三菱養和SCユース
FW 武田 太一 スポ3 ガンバ大阪ユース
→85分 30 梁 賢柱 スポ2 東京朝鮮高
◎=ゲームキャプテン
監督:外池大亮(平9社卒=東京・早実)
関東大学リーグ戦1部 順位表
順位 大学名 勝点 試合数 得点 失点 得失差
早大 12 +4
順大 11 +8
駒大 10 +7
明大 +4
法大 +2
専大 10 -5
筑波大 -2
東京国際大 -4
流通経大 -2
10 桐蔭横浜大 -4
11 東洋大 -5
12 国士舘大 -3
※第4節終了時点
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コメント

外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)

――過密日程の真ん中の試合ということで、メンバー選考には色々な選択肢があったのではないですか

うちは中4日、明治さんは中3日でしたし、明治さんに対して先手を打つための仕掛けをどうできるかなということを考える時間はだいぶありました。特にこの前、流経との試合でほぼパーフェクトに近いゲームができていたので、その流れをくみたいというところで、違う道も選択肢としてはあったんですけど、今回はそのまま継続していこうというのが一つの変化だったと思います。今までは変えて、変えてとやっていましたけど、今はこれでやりきれるぞという手応えを信じて、そのままという形で送り出すことができました。ゲームの入り方も良かったと思うし、(前半に)風上をとれたというのもあって、みんなが落ち着いて、明治の圧力をそんなに受けずにプレーすることができたと思います。逆に自分たちのカウンターがハマりやすい感じになっていたので、そういう意味では良かったなという感じですね。

――対明大の対策についてもう少し教えてください

この前は岡田(FW岡田優希主将、スポ4=川崎フロンターレU18)がケガ明けだったということで、その副産物として4-1-4-1がハマったので、今はそのままで行こうという判断でした。あとは明治さんを相手にした時に、相手の中盤2人(MF小野雅史、MF安部柊斗)が(攻守が)切り替わった時に完全に起点になっていたので、あそこで数的不利にはなりたくないというのがあって、アンカーを置いてセンターを3枚にするという形にして、スペースをつくらないという戦い方を選びました。それは非常にハマっていたというか、特に安部くんの良さはだいぶ消せていたんじゃないかと思います。みんなで共有していたところだったので、それが形になったところが大きな勝因かなと思います。

――今日の試合運びについてはどのように評価しますか

狙い通りの時間帯と狙い通りの流れで点は取れたので、そこは非常に良かったとは思うんですけど、風という一つの環境があったことが、割り切りをする要因にもなってしまったかなとは思います。明治さんの圧力もあったとは思うんですけど、自分たちの良さというものがちょっと出しづらいというのがあって、そういう意味では我慢、しんどい、という感じだったなとは思います。評価としてはなかなか難しいけど、勝ったことが一番かなと思います。

――今季初めて無失点で試合を終えることができました

そうですね。でも、小島のビッグセーブもあったり、まだまだ個に依存するところもあったりするので、そのあたり(の準備)もやりながら、抜け出していきたいなと思います。

――次節は3連戦の締めくくりの試合になりますが

この前の流経との試合から、自分たちはもう一回謙虚にやろうという話を試合前にしています。昨日は岡田が「外池さんが謙虚、謙虚と言っているのは、今のワセダに足りていないからだから、それを突き詰めていこう」みたいな話をしていたんですけど、僕らはワセダの人間で、『実るほど頭を垂れる稲穂かな』というようなワセダの生き方みたいなものと謙虚さはすごく精通していて、ワセダだからこそ謙虚であるべきだ、みたいなワセダの人間としてのあるべき生き方という話を結構しています。その中で、今日は応援部が来てくれているというところも含めて、「今日はそういうメンバーがいっぱい集まっているんだから、それを表現することが一番共感を得ることができると思うし、一番一体感を作れるよ」という話をしていました。今日はそこが出せたし、そこにみんなが立ち返って、一個一個のプレーに対して謙虚にやり続けるということが本当のチームとしての強さになっていると、みんなが実感していると思います。まだまだ個々では負けてしまうところはあるんですけど、成長していける道筋はみんなが見えていると思いますし、今調子がいいチームとやって、この結果を出せたということは、一つの大きなチームカラーを示すことができたと思います。次の試合は(日程的に)近いですけど、そこに向けて本当に大きな自信になったと思います。

GK小島亨介(スポ4=名古屋グランパスU18)

――全勝対決となりましたが、チームとしてはどのような雰囲気で臨みましたか

チームとして心がけていることで、謙虚にやるということを外池監督から言われています。3連勝している中でも、僕たちは未熟だというところを感じながらプレーするのが大事になってくるというのは、練習のときからも常々言われているので、謙虚さがピッチで表現できたかなと思います。

――個人的に気をつけていたことは何でしょうか

僕たちは守備の部分でも相手に(ボールを)持たせることをやっていて、例年だったら前からプレスをかけてボールを奪いにいくのがメインだったんですけど、今年はそれに加えて、相手の状況を見て自陣に侵入させてそこからカウンターを狙うというのも一つとしてあるので、それをうまく使い分けられたかなと思います。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

調子自体は悪くはないんですが、現状維持は必要ないと思うので試合を重ねるごとに攻守両面にわたって成長できればと思います。

――明大に対してはどのような対策を講じましたか

明大は両サイドからサイド攻撃をしてきて、最終的に真ん中の強い選手に(ボールを)入れて点を取るという流れがあったので、サイドはできるだけ(相手と)同数をかけて守れるように、高い位置で起点をつくらせないようにするために、前半から自陣に引いて人数をかけて守っていました。あとは、相手のボランチにボールを奪える選手がいたので、うちとしてはそこに無理矢理(ボールを)つけるというよりは、相手の背後を狙って、その選手の狙いを定められないようにしようと思っていました。そういった面では相手のボランチにつぶされる状況はあまりなかったと思うので、スカウティングしていた部分ではまあまあできたかなと思います。

――ということは今日の勝ち方はプラン通りの勝ち方と言えるのでしょうか

そうですね。守備から入って相手を引き込んで、そこからショートカウンターというのは練習のときから狙っていた部分なので、結果的に得点にもつながっていますし、他に何度かそういったチャンスもあったので、プランに近い戦いができたかなと思います。

――今季初の無失点勝利ですがここについてはどのように感じていますか

開幕してから何度か無失点にできる試合もあったと感じていました。最後まで我慢強く守ることが必要だった中で、今日、3連勝しているチームを無失点で抑えられたことは自信になりましたし、無失点の継続が大事になってくると思うので、そこは意識しながら戦っていきたいと思います。

――次戦は中2日での駒大戦となりますが、どのような戦いをしたいですか

駒大は前にガツガツ来るチームなので、まずはスカウティングを含めて相手を知った中で、自分たちの戦い方を固めていけるように、2日と短い時間ですが、濃い時間を仲間と共有できるようにやっていきたいと思います。

MF相馬勇紀(スポ4=三菱養和SCユース)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

明大相手に早い段階で先制をして、それをチーム全員で失点せずに守り切ることができてよかったです。

――ご自身の得点を振り返っていかがでしたか

あそこはもう自分のスピードの長所を生かすことができて、また決定力が課題だったので決め切れてよかったです。

――守備にも力を入れていましたが

対人で相手に負けたくないし、チームとして戦えていることが勝因だと思っています。11人のうちの1人の選手として機能するように意識してプレーをしています。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

4連勝に満足しないで、駒大がどういうプレーをして、何が得意なのか、細かい部分を分析して自分たちのサッカーができるようにしたいです。中2日で短いですが、コンディション調整をしっかりして挑みます。

DF杉山耕二(スポ2=三菱養和SCユース)

――今季初のクリーンシートを達成した今の気持ちは

最高です。ここ3試合は勝ちはしましたが、DFとして素直に喜べない気持ちがあったので、なんとしてもきょうは無失点に抑えたいと思っていました。

これまでと違い苦しい試合展開でした

苦しい展開になることはチーム全員が分かっていたことだと思うので、DFラインを中心に声を出して鼓舞し続けることを意識していました。

――明大の攻撃陣の印象は

FWの村田選手(村田航一、4年)は裏への抜け出しが速かったです。あと中盤の安部選手(MF安部柊斗、3年)と、10番の小野選手(MF小野雅史、4年)がセカンドボール拾ってからのカウンターで、両サイドハーフが個人で突破できる能力の高さがあるイメージがあったんですけど、自分たちのサイドバックと中盤の3人で潰せたことが勝因だと思います。

――セカンドボールがなかなか拾えなかったことについては

そこはもっとチームで突き詰めていなければいけないと思います。

――苦しい展開となった首位決戦に勝ち切れたことはチームにとって大きいものをもたらすのでは

そうですね。4連勝はうちだけなので、この後の試合もしっかり戦っていけたらと思います。

――最後に、中2日で迎える次戦への意気込みを

体力的にも精神的にも厳しい戦いになると思いますが、チーム一丸となって戦っていきます。