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ラグビー部

2018.04.30

招待試合 対朝日大 4月29日 岐阜・長良川球技メドウ

攻守で『1対1』を制し、朝日大に快勝/朝日大戦

 空気の澄んだ晴天の中、早大は長良川球技メドウで朝日大との招待試合に臨んだ。日体大の敗戦から1週間経った今試合。前回課題となった『1対1』や攻守でのミスの多さをいかに修正するかが注目された。前半、序盤に自陣でのペナルティーが目立ち攻め込まれるが、中盤以降、攻守の連携が冴え、27-5で前半を終える。後半も勢いは止まらず、トライを量産。82-5と攻守に渡り1対1で上回った早大が大勝した。

 前半、「自分たちで入りをよくしようとした結果、気持ち的に前に出すぎてしまってオフサイドラインを越えてしまった」とフランカー西田強平副将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)が語るように、試合開始直後、ペナルティーの多さが目立ち、その結果自陣深くまで攻め込まれる時間帯が続く。しかし、10分に相手ラインアウトのミスからCTB伊藤大貴(スポ4=愛知・春日丘)が抜け出し、WTB梅津友喜(スポ3=岩手・黒沢尻北)が先制トライ。18分には、自陣ゴール前で相手FWに押し切られ、トライを献上するが、徐々に攻守でのミスを修正。相手の攻撃をことごとく封じ、中盤以降終始早大ペースとなる。22分には、左に展開し、CTB平井亮佑(スポ2=福岡・修猷館)とFB児玉響介(商4=埼玉・早大本庄)がゲイン。最後はロック松井丈典(スポ4=愛知・旭野)がインゴールにねじ込む。その後27分に接点から鋭く切り込んだNO・8丸尾崇真(文構2=東京・早実)が、33分、37分にはWTB桑山聖生(スポ4=鹿児島実業)が持ち前の体格を生かしたプレーで連続トライを挙げ、さらにリードを広げる。終了間際、丸尾崇がゴール前まで持ち込むも相手のタックルに阻まれトライにはならなかった。しかし、プロップ鶴川達彦(文構4=神奈川・桐蔭学園中教校)の「良かった点はアタックのアグレッシブさ」という言葉通り、アグレッシブなプレーで試合の良い流れをつかみ、27-5で前半を折り返す。

ハットトリックの活躍を見せた桑山聖。プレースキッカーも務めた

 後半も前半の流れを断ち切ることなく攻め続けた。43分、ゴール前のラックから松井がグラウンディングすると、その後も流れるような展開と鋭いタテのアタックで得点を重ねる。83分には22メートル付近のラックからフッカー宮里侑樹(スポ4=沖縄・名護商工)が鋭いステップで相手を抜き去り、トライを奪う。後半に9トライを挙げ相手に付け入る隙を与えず、82-5でノーサイドを迎えた。

タックラーに対して力強いヒットをする松井

 「『1対1』の部分で勝とうというのはチームの課題だったので、厳しい時間帯でも点数を取られなかったのは良かった」と西田が振り返るように、前回の課題であった1対1の部分を攻守にわたり勝てたこと、さらに試合中にミスを修正できたことが14トライの大勝につながった。また、セットプレーも日体大戦に比べ、安定したことも勝因のひとつだろう。だが、全体的によかったからこそ試合の入りの悪さが目立つ試合であった。次戦の筑波大戦までの1週間、チームの課題をさらに改善し、万全の構えで挑んでほしい。

(記事 千葉洋介、写真 新開滉倫)

☆PICK UP PLAYER

持ち味は突破力。平井が示した確かな存在感

 現在、早大はメンバーの入れ替えが激しく、多くのポジションで定位置争いが起きている。そのなかで、平井はきょうAチームでのスタメンデビューを飾った。昨季は関東大学ジュニア選手権で3試合にスタメン出場し、持ち味であるコンタクトの強さを生かした突破力で1年生ながら存在感を発揮。きょうの試合でもボールを受けると随所で力強いコンタクトからゲインする場面が見られた。さらに、52分にはサインプレーでボールをもらうと、相手のタックルを受けつつもインゴールへ飛び込み初トライも記録した。派手さはないものの、確実に仕事をこなす。そんな言葉の似合う平井が今後どのようにチームに貢献するのだろうか。

招待試合
早大 スコア 朝日大
前半 後半 得点 前半 後半
29 53
82 合計
1/1 2/2 スクラム成功率 1/2 3/4
0/0 5/5 ラインアウト成功率 3/6 4/5
【得点】▽トライ 桑山聖3、松井2、児玉2、丸尾崇、平井、伊藤、梅津、小澤、宮里、板垣▽ゴール 桑山聖(3G)、武田誠(3G)
※得点者は早大のみ記載
早大登録メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
鶴川 達彦 文構4 神奈川・桐蔭学園中教校
峨家 直也 商4 兵庫・報徳学園
久保 優 スポ2 福岡・筑紫
中山 匠 教3 東京・成城学園
松井 丈典 スポ4 愛知・旭野
◎西田 強平 スポ4 神奈川・桐蔭学園
柴田 徹 社3 神奈川・桐蔭学園
丸尾 崇真 文構2 東京・早実
貝塚 陸 スポ4 東京・本郷
10 加藤 皓己 創理3 北海道・函館ラサール
11 桑山 聖生 スポ4 鹿児島実
12 平井 亮佑 スポ2 福岡・修猷館
13 伊藤 大貴 スポ4 愛知・春日丘
14 梅津 友喜 スポ3 岩手・黒沢尻北
15 児玉 響介 商4 埼玉・早大本庄
リザーブ
16 小澤 祐仁 法4 東京・早大学院
17 宮里 侑樹 スポ4 沖縄・名護商工
18 黒田 瑛大 社2 埼玉・早大本庄
19 板垣 悠太 基理4 東京・玉川学園
20 堀越 友太 社4 東京・早実
21 辺津 勘太 法4 東京・早実
22 武田 誠太郎 社3 島根・石見智翠館
23 安部 勇佑 スポ2 東京・国学院久我山
※◎はゲームキャプテン、監督は相良南海夫(平4政経卒=東京・早大学院)
コメント

フランカー西田強平副将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)

――快勝した試合となりましたが、お気持ちはいかがですか

前回の敗戦からどのようなマインドで立ち向かったかというのが課題だったんですけど、チーム全体的にいい雰囲気で取り組むことができたので、それはよかったと思います。

――今週に向けてどのような練習をしたのでしょうか

準備という部分で練習中にどれだけ試合のことを意識するかということを意識して練習してきた。体を当てるところはフルコンタクトでやるとか、その分練習は厳しくなるんですけど、自分たちの取り組み方を変えて臨みました。

――そのコンタクトの部分はチームとしてできましたか

そうですね。反省点もまだあると思うんですけど、比較的に試合を通してはよかったと思います。

――試合の序盤ペナルティーが多かったですが、思い当たる要因などはありますか

自分たちで入りをよくしようとした結果、気持ち的に前に出すぎてしまってオフサイドラインを越えてしまったことに繋がってしまいました。それをもっと早くレフリーとコミュニケーションを取って早い段階で修正できればよかったんですが、それがうまくいかなかったのは反省点のひとつだと思います。

――ということは試合中にペナルティーを減らせていけたのはコミュニケーションを取った結果なのでしょうか

そうですね。選手個人とコミュニケーションを取るのと、レフリーともコミュニケーションを取ったのが最終的に後半につながったと思います。

――先週反省点としておっしゃっていた『1対1』の部分についてはいかがですか

もちろん『1対1』の部分で勝とうというのは最初から出ていたチームの課題だったので、そういった意味では厳しい時間帯でも点数を取られなかったというのは一つ良かったことかなと思います。

――ということはディフェンスもチームとしてはよかったのでしょうか

トライは取られましたけど、少しづつ課題の修正はできていると思います。

――次戦の筑波大戦へ向けて一言お願いします

チームとしても勝ちたい相手の一つなので、今週とにかく準備の部分を怠らずに自分たちのラグビーをやって勝ちたいと思います。

――フォーカスしたい部分はどこでしょうか

もう一回『1対1』の部分にこだわりたいと思います。

プロップ鶴川達彦(文構4=神奈川・桐蔭学園中教校)

――今試合でのチーム全体としての課題は何でしたか

前回の日体大戦では自分たちのやりたいことであったり、アグレッシブさとかそういうとこがなかったので、きょうは自信もってアグレッシブにやっていくところを課題として臨みました。

――課題だった『1対1』について、きょうの試合ではいかがでしたか

前回に比べたら修正できたかなと思うんですが、まだまだ1対1で完全に勝ち切ることはできなかったので、そこは今後修正していく課題だと思いますね。

――FWとしての課題は何でしたか

セキュリティのとこですぐにボールに寄っていくことですね。あと、キツい時間帯だったりする時のキックチェイスのディフェンスの上がりだったり、順目に入った後のディフェンスの距離感だったりですね。

――前回に比べセットプレー、特にスクラムが安定していましたが、何か修正などしましたか

修正自体はしてなくて、普段自分たちがやっていることの質を高めてやっていこうということでした。

――今年スクラムで意識していることは何ですか

フロントローとロックの5人が完全に役割分担をしています。フロントローは胸を張って相手の姿勢を崩すこと、ロックはその崩したところを押すことです。

――1回コラプシングを取られましたが原因は何だったのでしょうか

あれはヒットで勝っていて押せるスクラムだったんですけど、崩れたときに自分の左肩が下がってしまったので、それが印象悪かったんじゃないかと思います。

――収穫と課題をそれぞれ教えてください

良かった点はアタックのアグレッシブさです。悪かった点はフェーズが重なったときのディフェンスの距離感ですね。

――今年もプレーすることとなりましたが、今シーズンの個人の目標は

今年1対1を重要としているので、絶対どんな選手にも1対1で勝てる選手になることですね。

――次戦の筑波戦に向けての意気込みをお願いします

きょうも全然いい試合ではなかったんですが、前回に比べて上向きになっているので、この雰囲気を崩さずに今週1週間いい雰囲気で練習していきたいと思います。

CTB平井亮佑(スポ2=福岡・修猷館)

――Aチーム初スタメンということでしたが、前日の夜は眠れましたか

しっかりと眠れました。

――個人的にはどこにフォーカスして試合に臨みましたか

自分は前でボールをもらい、相手に当たってレッグドライブをしてチームの流れをつくることが自分の役目だと思っていますし、それを(コーチ・監督からも)言われています。なので、きょうは積極的にボールをもらい、力強く当たってチームの流れをつくってボールを回してトライを生めるようにプレーしました。

――ご自身のプレーというのはいかがでしたか

相手のスペースにできるだけ入って、できれば2人絡めたら人数的にも有利になるし、そこで積極的にボールをもらえてきつい時間でも自分が声を出して、できていないところもあったんですが、ボールを要求してできたので、次の試合にも生かしていきたいなと思います。

――コンタクトの強さなどでBチームなどで戦っているときの違いは感じましたか

Aチームなので、強くて大きい選手がたくさんいる中で自分がどうやって戦っていこうかなと考えていたときに、高い姿勢で当たると負けてしまうので、低くプレーしてボールを絶対落とさないということをAチームでもBチームでも変わらずやってきました。

――トライを挙げましたが、あのプレーは振り返っていかがですか

1週間前から練習しているサインプレーだったので、あそこは自分がもらうとわかっていました。なので、思いっきりいったらたまたま抜けたという感じですね。最後までトライを取りに行くつもりで走ったのでトライを取れて良かったです。

――かなりメンバーの入れ替えが激しい状況ですが、この状況をご自身ではどのように捉えていますか

いまは幸いにもAチームで出させてもらっているので、しっかりアピールできるところは強みとしてアピールしていって、来週もAチームで出られるようにBチームの選手とも競い合いながら頑張っていきたいと思います。

――今後へ向けて一言お願いします

自分はパスが上手いとか、キックが上手いというプレーヤーではないので、今までどおりボールをもらったら落とさずに少しでもゲインするっていうのを強みとして、自分のプレーを発揮できるように今後も続けていきたいと思います。