野球部

2018.04.29

東京六大学春季リーグ戦 4月28日 神宮球場

吉澤、圧巻の2本塁打!接戦をものにし先勝/明大1回戦

明大1回戦
早 大
明 大
(早)○小島-岸本
◇(本塁打)吉澤1号ソロ(2回)、2号2ラン(8回)

 8回表、1死一塁。5番・吉澤一翔(スポ2=大阪桐蔭)の振り抜いた打球が左翼席へと突き刺さる。湧き上がる三塁側ベンチと応援席。それは待ちに待った白星へと導く、鮮やかな逆転本塁打だった。投げては小島和哉主将(スポ4=埼玉・浦和学院)が粘りの投球で2失点完投。優勝戦線に踏みとどまるためには絶対に負けられない明大戦を、最高のかたちで先勝した。

 試合を動かしたのも、吉澤の一発だった。2回表、先頭打者として迎えた打席。「真っすぐを狙っていた」(吉澤)。相手先発・森下暢仁(3年)の高めに浮いた直球を言葉通り振り抜くと、打球は左翼ポール際へ。自身リーグ戦初となる本塁打を放つ。第1週の立大戦では2試合とも先制点を奪われ、劣勢の展開を強いられた早大。それだけに、大きな1点を手に入れた。ところが直後の2回裏、初回を完璧に抑えた小島が突如崩れる。「1点を守らなくてはと神経質になりすぎた」という小島。1死から2つの四死球で走者を背負うと、8番・森下暢に中前へ運ばれ同点に追い付かれてしまう。3回からは両投手が粘りの投球を見せ、試合は膠着(こうちゃく)状態に。均衡が破れたのは6回裏。2死二塁から5番・越智達矢(4年)の中前適時打で二塁走者が生還し、明大が1点を勝ち越した。昨秋から終盤に勝ち越され、接戦をことごとく落としてきた早大。また同じ展開になるのではないか――。そんな不安が、三塁側応援席を襲った。

暗雲を振り払ったのは、この男の豪快な一打だった

 しかし、この日は違った。8回、1死走者なしの場面で4番・加藤雅樹(社3=東京・早実)が一、二塁間を破る鋭い当たりで出塁する。ここで迎えるは吉澤。2回に放った本塁打の残像があるだけに、球場のボルテージが上がる。3ボールからの4球目。真ん中に甘く入った直球を迷わず強振した。高々と舞い上がった打球はまたも左翼席へ。その行方を確認した吉澤は、右手で握りこぶしをつくった。劇的な一打で逆転に成功した早大。その後は小島がエースの神髄を見せる。調子が上がらないながらも要所を締め、明大打線に反撃を許さず。およそ一年ぶりとなる完投勝利で、待望の一勝をもたらした。

完投勝利を収め、笑顔を浮かべる小島

 圧巻の2本塁打を放った吉澤。試合後には「最高の結果になってよかった」と振り返った。その活躍ぶりには「本当に吉澤のおかげ」(小島)、「吉澤につなげば打ってくれるという思いで打席に立っていた」(加藤)と、チームメイトも絶賛。入学以来、期待され続けていた逸材がついにブレークを果たそうとしている。いいかたちで久々の勝利を収めた早大。笑顔で試合を終えたナインだが、全く気は緩めていない。「大学野球は2勝して初めて勝利だと思う」(加藤)。その言葉通り、連勝で勝ち点を手に入れられるかが重要となってくる。もう一つも負けられない。巻き返しへ、この勝利を足掛かりとできるか。まずは2回戦での戦いぶりに注目だ。

(記事 吉田優、写真 岡田静穂、吉岡篤史)

☆勝利に飢えた若き獅子、吉澤

2本のアーチで観衆の度肝を抜いた吉澤

 どうしたら勝てるのか。負け続けていたワセダを暗闇から救ったのは、吉澤一翔(スポ2=大阪桐蔭)であった。2回、「真っすぐを狙っていた」との言葉通り、森下暢仁(3年)の高めの直球を捉え、先制点を挙げる。それだけでとどまらないのが、この吉澤である。1点ビハインドで迎えた8回、1死一塁の場面で、またも森下暢の直球を左翼席にたたきこんだ。六大学屈指の好投手から放った衝撃の2発に、神宮球場ではスタンディングオベーションが広がり、吉澤は大歓声に包まれた。課題としていた守備でも軽快なプレーを見せ、攻守共にチームをもり立てた。  「あした勝たないと、きょうのホームランも意味がない」。チームの全打点をたたき出し、低迷していたワセダを救った吉澤だが、試合後には一切の慢心を感じさせなかった。きょうの活躍もあくまで通過点。勝つことに飢えた若き獅子は、目標とする三冠王へ歩みを進める。

(記事 江藤華、写真 岡田静穂)

黄字は打点付き

早大打者成績
打順 守備 名前
(左) 池田賢将 .231 左飛 三振       中飛    四球    三振
(二) 丸山壮史 .143 中飛    左飛    二ゴ            
  田口喜将 1.000                   左安      
  西岡寿祥                           
(三) 福岡高輝 .222 右2    四球       中直    左飛   
(右) 加藤雅樹 .364 二ゴ    二併       二安    右安   
(一) 吉澤一翔 .333    左本    左飛    三振    左本   
(捕) 岸本朋也 .600    右安    三振    右安    二ゴ   
(中) 山田淳平 .000    一ゴ    三振    中飛    二ゴ   
(遊) 檜村篤史 .125    右安       四球    三ゴ    左飛
(投) 小島和哉 .000    投犠       三犠    左邪    三振
早大投手成績
名前
小島和哉 2.12
東京六大学春季リーグ戦星取表
順位   立 大 慶 大 明 大 早 大 法 大 東 大 勝ち点 勝率
立 大 5/5
5/6
5/12
5/13
○2-1
○4-2
○3-2
△5-5
○2-1
5/26
5/27
1.000
慶 大 5/5
5/6
5/19
5/20
6/2
6/3
○6-3
4/29
○15-0
○5-1
1.000
明 大 5/12
5/13
5/19
5/20
●2-3
4/29
5/26
5/27
○9-2
○7-0
.667
早 大 ●1-2
●2-4
6/2
6/3
○3-2
4/29
5/19
5/20
5/5
5/6
.333
法 大 ●2-3
△5-5
●1-2
●3-6
4/29
5/26
5/27
5/19
5/20
5/12
5/13
.000
東 大 5/26
5/27
●0-15
●1-5
●2-9
●0-7
5/5
5/6
5/12
5/13
.000
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負けられない正念場、気概示せるか/明大戦展望(4/27)

コメント

髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)

――第1週で敗れてから、チームにどのような声を掛けましたか

いやもう、あと8連勝しかないんでね。1敗もできない、1試合も落とせないという状況で、要するにもう、背水の陣で臨むということでやってきて。当然もう1点の勝負ですし、やっぱりミスして負けたわけでもないですけど、どの試合でも1点勝負だからそのワンプレーを大事にして、1点を大事にする取り組みをやってこうということでやってました。

――ようやく接戦の試合をものにできましたが、チームとして非常に大きいのではないでしょうか

いや乗ってきたんじゃないですかね。小島(和哉主将、スポ4=埼玉・浦和学院)もよく粘り強く投げてくれましたし、吉澤が良く打ってくれたんですけどね。まあでも、それをバックアップしたチームとしての1勝だと思いますね。

――きょうは固定していた3番と5番を入れ替えましたが、どういった意図でしたか

空き週のときに福岡(高輝、スポ3=埼玉・川越東)の方が調子良かったもんですからね。まあそれで入れ替えただけで、そんなに他意はありません。

――それが見事にはまるかたちとなりましたが、吉澤選手はいかがでしたか

そうですね、まあだから吉澤本人にしたら打順を落とされたことが、彼にしたらなんというか、発奮材料になったのかも分かりませんね。私はそんな気持ちはなかったんですけど、3番、5番どっちでもいいかなというような感じなんですけど。彼にしたら俺が3番だ、みたいなとこがあったんじゃないかなと思いますけどね。そういうふうないい効果が出てくれたんだったら、いいと思いますけど。

――捕手は空き週の試合から岸本朋也副将(スポ4=大阪・関大北陽)を起用されていましたが、それはもうきょうのスタメンと決めてのことでしたか

ええ、それはもう。まあオープン戦から流れで中林(健吾、スポ4=三重)っていうかたちになってたんですけどね。第1週で連敗しましたんでね。元々(捕手は)力がよく似ているんでね。流れを変えるためにも、違う起用をしてみましたね。

――小島選手はきょうも粘りの投球を見せましたが、投球はいかがでしたか

そうですね。本当よく、粘り強く投げてくれたと思いますね。ちょっと一瞬不安定なとこもあって、ピッチャーにタイムリー打たれたり、多分本人の思ったほどコントロールはなかったと思うんですけど。やっぱりよく粘り強く、投げてくれたと思います。

――9回は早川隆久選手(スポ2=千葉・木更津総合)もブルペンで準備していましたが、小島選手に託したというかたちでしょうか

まあそうですね。きょうの場合は流れからして、はい。

――あすの2回戦へ向けて意気込みをお願いします

はい、連勝して勝ち点取りたいと思います。

小島和哉主将(スポ4=埼玉・浦和学院)

――久々の勝利となりました。率直にいかがですか

良かったです。今はとりあえず勝ててほっとしています。

――2回は制球を乱して失点する場面がありました

先制してくれたので、1点を守らなくてはとちょっと神経質になりすぎたというか。きょうは全体的に調子もすごく悪かったので。でもこの冬取り組んできたことは悪いなりにどう試合をつくるかということだけ考えてきていたので、最低2点に抑えられてよかったなと思います。うまくまとめられたかなと。

――吉澤一翔選手(スポ2=大阪桐蔭)の2本の本塁打はどう見ていましたか

もうきょうのヒーローは吉澤ですね。僕のピッチングなんかより本当に吉澤のおかげです、きょうは。

――あしたに向けてはいかがですか

あしたも終盤投げるつもりでいるのでそこはしっかり準備します。

岸本朋也副将(スポ4=大阪・関大北陽)

――チームとして久しぶりのリーグ戦勝利となりました

率直にうれしいですね。やっぱり負けが続いて雰囲気も苦しかったんですけど、きょうの一勝でいい足掛かりというか、これから先に向けていい感じにチームがなっていけばいいなと思います。

――きょうのベンチの雰囲気はいかがでしたか

負けててもベンチのみんなが一丸となって、1年生から4年生まで声を出してたので、すごくいい雰囲気でやれてたかなと思います。

――今季初スタメンでした

スタメンって言われたからにはチームに貢献できるバッティングであったり守備であったりをしていこうと考えてました。

――先週のオープン戦もスタメンでしたが、その辺りから決まっていたのでしょうか

そうですね、直接は言われてないですけど、その辺りから次は自分だろうなっていうのは思ってました。

――相手は東大戦で打撃が好調だった明大でしたが、リードするときにそこは意識していましたか

自分たちのやってきたことをやろうっていうことで小島(和哉主将、スポ4=埼玉・浦和学院)と話し合って、特に明大だからどうこうっていうわけじゃなくて、自分たちのピッチングをしていこうというふうに話しました。

――8回裏に逢澤崚介選手(4年)に打たれた後、小島選手と髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)と何を話されたのでしょうか

1点勝負になるっていう話で、「5番で勝負するのか6番で勝負するのかお前らで決めろ」と言われました。なので、自分たちは5番で勝負っていうのを取って、シンプルに攻めていこうかっていう話になりました。

――打撃の方も4打数2安打と好調のようですが

たまたま打ててるだけで、とりあえず食らい付いていくっていうことだけを考えてます。調子は悪くはないですね。

――明日の2回戦へ向けて、意気込みをお願いします

勝ち点を取らないと意味がないと思うので、何が何でも勝ちを取りにいきたいと思います。

西岡寿祥(教4=東京・早実)

――ここまであまり試合に出られていませんでしたが、リーグ戦の雰囲気はいかがでしたか

ことしはオープン戦(春季オープン戦)からも後半2試合の守備だけしか出ていなくて、先週もベンチを外れていたんですけど、僕の役割として、きょうは元々後半の守備では準備ができていたので、試合に入っていく中でそんなに不安はなくて。準備だけはやろうと思っているので、準備ができていたのは良かったと思います。

――守備の感触は良かったですか

陰と光の部分がはっきりしている神宮の見え方に難しいところはあったんですけど、大丈夫でした。

――8回2死二塁の場面での二直はいかがでしたか

距離感的に(球が)見えづらかったので不安でしたが、正面から少し横の打球だったので、そこは問題なかったです。

――今季の意気込みをお願いします

今はとにかくチームのためにきょうみたいな自分ができる仕事を、しっかり準備不足がないようにやって、求められた場面で求められた仕事をきちんとできるようにやっていきたいです。

加藤雅樹(社3=東京・早実)

――安打を放ち大きくガッツポーズするなど、気持ちが入っていましたね

そうですね。結構気持ち入れて戦っていました。

――打ちたいと話していた森下暢仁投手(3年)との対戦の手応えはいかがでしたか

どっちつかずという感じですかね。同点というか。二人での勝負としては引き分けです。

――空き週のオープン戦(城西国際大戦)では足を痛めて指名打者での出場でしたが、状態はいかがですか

あ、痛めたという訳じゃないです。ちょっと疲労がたまっただけなので、全く問題ないです。

――ご自身の調子は上がってきていますか

そうですね。すごくボールも見えてきていますし、しっかり振りにいった球を捉えていると思います。

――吉澤一翔選手(スポ2=大阪桐蔭)が活躍されていましたが

(質問の声に被せるように)いや、もう彼は本当に努力する人間です。本塁打も打てるので信頼してますし、吉澤につなげれば打ってくれるという思いできょうも打席に立ってました。

――明日へ向けてお願いします

大学野球は2勝して初めて勝利だと思うので、しっかり勝てるように全力を出していきたいと思います。

檜村篤史(スポ3=千葉・木更津総合)

――ようやく今季初安打が出ました

立大戦は全く打てていなくて、打たなきゃ打たなきゃという気持ちがあったんですけど、一打席目の場面はエンドランで、その分右方向に打つという意識ができて、その結果一本打てたのでよかったです。

ーー多少は安心した気持ちも出ましたか

そうですね。

ーー立大戦は無安打でしたが、そこから二週間で立て直したことはありますか

一回フォームを見直したりして、どういう意識でボールを待つのかを考えたりしました。試合だと思いっきりいくというのがありますけど、立大戦よりかはバットが振れていると思います。

ーーバッティングに粘りも出てきたと思います

そうですね、低めの球もしっかり食らいついていけるようになったので、良かったと思います。

――フォーム自体に大幅な変更は

フォームはそんなに変えてないですけど、真っ直ぐに刺されないようにというのに注意して、早め早めを意識しました。

――最後にあすの意気込みをお願いします

やっぱりきょうはこういう良いかたちで勝てたので、連勝して勝ち点を取りたいと思います。

福岡高輝(スポ3=埼玉・川越東)

――3番での出場は久しぶりだったと思います

5番のときと変わらず平常心で打席に立ちました。

――第1打席では二塁打を放ちましたが、ご自身の打撃の調子はいかがですか

先週オープン戦をやって調子が良くて。結局フォームを変えたんですけど、調子が良かったので、自信を持って打席に入れたと思います。その自信が結果につながったかなと思います。

――森下暢仁投手(3年)の印象はいかがでしたか

自分の中で以前3回対戦して3回ヒットを打っていたので、得意な意識で打席に入れたかなと思います。すごくいいイメージで球を見れました。

――打席では相手投手に球数を投げさせていました

捉え切れなかったところもあるんですけど、ファウルになってくれたのは自分にとって良かったかなと思います。

――第3、4打席もいい当たりが出たと思います

状態がいいので、これをできるだけ長く持続できるようにしていきたいです。

――春季リーグ戦初勝利でしたが、チームの雰囲気はいかがですか

ずっと勝てていなくて、やっと勝てたということで、雰囲気も上がっていて、これがあすにつながればいいなと思います。

――あすに向けて意気込みをお願いします

2連勝して勝ち点を取るというのがベストだと思うので、あす気持ちを入れ替えて勝てるように頑張っていきたいです。

吉澤一翔(スポ2=大阪桐蔭)

――ナイスバッティングでした。今のお気持ちをお願いします

ありがとうございます。とにかくつなごうと思っていたので、最高の結果になって良かったと思います。

――2回に本塁打を放ちました。その時の気持ちをお願いします

ノースリーからだったので、本当に良かったですね。たたこうと思って打ちました。

――高めの直球でしたが、狙っていたのですか

真っすぐを狙っていました。

――8回に逆転本塁打を放った時も真っすぐを狙っていたのですか

はい、そうです。

――3番打者から5番打者になりましたが、どういう気持ちでしたか

特に何も考えてないです。

――今試合、2本塁打含む3打点でした。打点王、本塁打王への道へ好調です。手応えなどはありますか

あした勝たないと、きょうのホームランも意味がないので、しっかりあしたに向けて準備します。