競走部

2018.04.23

第262回日本体育大学長距離競技会 4月21、22日 神奈川・日体大健志台陸上競技場

長距離ブロックのトラックシーズン初戦、収穫を得たレースに

 日中は快晴で4月とは思えないほどの暖かさ、そして涼しくなった夕方以降は天候そのままに、選手の背中を声援で押そうと駆け付けた多くの観客がトラックを囲う。ランナーにとってはこれ以上ない最適なコンディションの中行われた日本体育大学長距離競技会。選手たちには好記録が期待された。男子1500メートルでは昨秋以降、本格的に取り組み始めた飯島陸斗(スポ3=茨城・緑岡)がその成果を見せるかのような圧倒的なスパートで自己ベストを2秒以上も更新するタイムをマーク。目標としていた日本選手権の参加標準記録Aには、わずかに届かなかったものの今季の活躍を予感させるレースであった。

ラストスパートで後続を引き離した飯島

 1万メートルの7組目には真柄光佑(スポ3=埼玉・西武学園文理)、清水歓太駅伝主将(スポ4=群馬・中央中教校)、遠藤宏夢(商3=東京・国学院久我山)の3人が出場。3人は1周72秒のペースを刻む集団の中で落ち着いたレース運びを見せる。3000メートル付近で駒大の2人が集団から抜け出すと、清水は第2集団の先頭に立ち、真柄と遠藤もそこに食らいつく。二人とは対照的に「余裕を持って走れていた」と、落ち着いた表情で走っていた清水が先頭に追い付いたのは残り3000メートル地点。終盤、表情は険しくなったがピッチをさらに上げ、そのまま組トップでフィニッシュした。チームを引っ張る駅伝主将に続いたのは真柄だった。集団が崩れて以降も粘りの走りで、ペースダウンした選手たちを次々と抜き去り、見事自己ベストを10秒近く更新。それでも試合後には「目標には届かなかった」(真柄)と悔しさも残し、さらなる成長を誓った。

太田直は大学デビュー戦で自己記録を更新した

 男子5000メートルには6名が出走。ルーキーたちが奮闘した。中でも太田直希(スポ1=静岡・浜松日体)は自己ベストを大幅に更新。2000メートルあたりで一度先頭集団から離されるも、冷静にレースを進め後退してくる選手を拾っていき、ラスト1000メートルには先頭付近へ。最後もスパートをかけてベストタイムを10秒更新。それでも、「関カレのA標準が突破出来なかった」(太田直)と悔しさをにじませた。21組には向井悠介(スポ1=香川・小豆島中央)と山口賢助(文1=鹿児島・鶴丸)の2名が登場。中盤まで集団にしっかりとつき、3000メートルあたりで遅れをとり始めるも、最後の1周は走りを切り替えスパートをかけた。向井はベストタイムに近いタイムでのフィニッシュとなったが、2人とも終盤の粘りを課題として挙げた。一方で、上級生は苦しい走りに。最終組に出走した新迫志希(スポ3=広島・世羅)は集団の後方からスタートしたが、前をいく選手たちにつくことができず単独走となる。後半では大きくラップタイムを落とし厳しいレースとなった。

 「結果はともかくとして内容は悪くはなかった」(清水)。標準記録など各々の目標までを破ることはできなかったが、選手たちはレースで積極的な走りを見せた。特にルーキーたちの奮闘はチームにとって好材料である。関カレ(関東学生対校選手権)も近づいているが、上級生、下級生が互いにさらに結果を残すことで、トラック優勝に近づいてくるはずだ。

(記事 斉藤俊幸、斉藤夏生 写真 斉藤俊幸、喜柳純平)

結果

▽男子800メートル

徳永翼(人3=岡山操山)       1分52秒57(17組4着)

▽男子1500メートル

飯島陸斗(スポ3=茨城・緑岡)    3分45秒30(20組1着)自己新記録

齋藤雅英(スポ3=東京・早実)    3分49秒82(20組9着) 

▽男子5000メートル

小澤直人(スポ4=滋賀・草津東)   15分28秒58(19組20着)

向井悠介(スポ1=香川・小豆島中央) 14分36秒24(21組8着)

山口賢助(文1=鹿児島・鶴丸)   14分41秒14(21組10着)

森田将平(スポ2=広島・修道)    15分35秒19(22組26着)

太田直希(スポ1=静岡・浜松日体)  14分13秒59(25組4着)自己新記録

新迫志希(スポ3=広島・世羅)    14分36秒60(28組26着)

宍倉健浩(スポ2=東京・早実)    DNS

▽男子1万メートル

三上多聞(商3=東京・早実)     30分19秒75(5組3着)自己新記録

西田稜(政経4=東京・早大学院)   30分10秒36(6組6着)

伊澤優人(社3=千葉・東海大浦安)  30分19秒94(6組11着)

清水歓太(スポ4=群馬・中央中教校) 29分48秒08(7組1着)

真柄光佑(スポ3=埼玉・西武学園文理)  29分54秒25(7組3着) 自己新記録

遠藤宏夢(商4=東京・国学院久我山) 30分47秒22(7組24着)

渕田拓臣(スポ2=京都・桂)     DNS

▽女子800メートル

山本渚(教3=東京・早実)      2分27秒66(8組8着)

藤崎紗羅(スポ1=東京・早実)    2分14秒80(10組5着)

竹内まり(教3=愛媛・松山西中等)  DNS

▽女子5000メートル

古賀清華(文構4=福岡・筑紫女学園) DNS

▽女子1500メートル

田貝理紗(文構2=千葉・専大松戸)  DNS

コメント

清水歓太駅伝主将(スポ4=群馬・中央中教校)

――きょうのレースの位置付けは何でしたか

関東インカレ(関東学生対校選手権)が一番のピークだとしてきょうは今シーズンの初戦だったので自己ベスト付近で走れたら、という感じでそこまでガチガチでタイムを狙うのではなく気負わずに楽に走ろうと思っていました。ただ組がそこまで速い組では無かったので自己ベストで走れたらいいけど最悪、組の上位で走れれば、という気持ちを持っていました。

――1キロ3分のペースを刻んでいましたがそれは想定していたプラン通りなのでしょうか

本当ならば(1周あたり)70秒くらいで回ることが出来れば良かったのですが、自分で引っ張ってレースを作ろうというつもりは無かったので、それよりか最後しっかりと(タイムを)上げて終わって組でトップを取るつもりで走ろうと思っていたので、タイム的には理想通りにはいかなかったですがある程度は想定していました。

――終始表情にも余裕が感じられたのですがレース全体的にはいかがでしたか

ペースにしては少しキツく感じたのですが常にいっぱいいっぱいにはならず、ひとつ余裕を持って走れていたので良かったのですが、自分が(先頭に)出てから上げきることができなかったのでそこが課題だと思います。

――他にも見つかった課題はありますか

きょうはそのつもりは無かったのですが、できるならばもう少し早いペースで自分でレースを作ることができるくらいになれたらもう少し強い選手になれるかなと思います。

――3月22日までの鴨川合宿を経て初めての大会となりましたが成長を感じた点はありますか

鴨川は3月に毎年ある1つの合宿というだけで鴨川合宿で何かを得たというのは具体的には無いのですが、1月は箱根(東京箱根間往復駅伝)が終わって少し休んだのですが、2、3月とあまり落とし過ぎずに距離を踏んできて4月もここまでしっかり走れてきているのでレースの中盤以降でその溜めが使えているのでは無いかと思います。ここから関カレまで1ヶ月弱ありますが、そこまでもその辺を意識してしっかりと溜めを作って関カレではしっかり走れるようにしたいと思います。

――駅伝主将という立場から、きょうのチームの日体大での走り、また兵庫リレーカーニバルの結果を踏まえてどう捉えていますか

こっちの日体大組はタイムは良かった選手も悪い選手もいましたが、全体的に先頭付近でレースを進めてゴールもすることができた選手も何人かいたので、後ろでレースを進めた結果、タイムも良くなかったという選手はあまりいなかったのでそこは結果はともかくとして内容は悪くはなかったと思います。兵庫の方は太田(智樹、スポ3=静岡・浜松日体)は力がついてきているというのも分かっていたのでこのくらいはタイムを出してくるだろうと思っていたので欲を言えば全カレ(全日本学生対校選手権)のA標準を切って欲しかったのですが、でも次にいい機会があれば絶対に切れると思います。あと1年生では中谷(雄飛、スポ1=長野・佐久長聖)はしっかり勝ち切ってくれたのでその辺は良かったと思います。千明(龍之佑、スポ1=群馬・東農大二)も1週間前くらいからあまり足の状態が良くなかったのでそれにしてはよく走ってくれたなと思います。本人たちがどう捉えているかは分かりませんが、全体的に兵庫も力通り、練習通りのレースをしようとした結果がしっかり出ていると思うのでそこまで悲観するところは無いと思っています。

――関カレをターゲットに練習されていくとは思いますが、今後の出場予定の試合と目標があればお願いします

次は5月6日の法大記録会と言われているのですが、5000メートルでスピードも求められるのでそこに合わせるというわけでは無く、関カレに向けた1つの刺激として自分の状態を把握する意味も含めて使っていけたらと思います。関カレでは今のところハーフマラソンに出場する予定です。

飯島陸斗(スポ3=茨城・緑岡)

――自己新記録おめでとうございます。レースを振り返っていかがですか

結構風が強かったのでタイム出るか微妙だと思っていたのですが、タイムが出たので良かったです。

――目標はどこに置いてスタートしましたか

日本選手権参加標準記録Aの(3分)45秒切りを目指していたのですが、あと0.3秒及ばなかったのでそこは少し足りなくて悔しいです。

――レースの展開についてはいかがですか

出来るだけ集団で付いて行って誰かが出たらそれにいつでも対応できるように、と思って位置取りをして走っていました。

――先日の東京六大学対校大会に続いて見事なラストスパートでした

やはり今は練習が結構積めているので、そのラストに切り替えるところまで余力を持って走れている感じが自分の中でしているのでそれが最後の切り替えにつながっていると思います。

――きょうのレースに満足はされていないのでしょうか

そうですね、レース展開的には結構良いレースが出来たとは思うのですが、やはりタイム的にはもう少し物足りないかなと思います。

――日本選手権で勝負することも視野に入ってきていますか

そうですね、ことしはしっかり日本選手権で入賞、さらには3番以内に入ることを1番の目標にしていきたいと思います。

――次戦に向けての目標をお願いします

今後は1500メートルでタイムを狙うのと、ことしまだ800メートルをちゃんと走っていないのでとても豪華なメンバーなのでその中でどれだけ自分の力で戦えるか、そして勝負できるかというところに重点にやっていきたいです。

真柄光佑(スポ3=埼玉・西武学園文理)

――きょうのレースの位置付けはどのようなものだったのでしょうか

今、Bチームなんですけど、Aチーム昇格と、関カレ(関東学生対校選手権)ハーフ(ハーフマラソン)の出場が掛かっていた重要なレースでした。

――設定タイムはありましたか

特になかったんですけど、目標は29分半から40秒で自分の中で決めていました。

――レース展開を振り返っていかがですか

最初から8000まで出ないでラスト2000で上げるというのを考えていたんですけど、今振り返るともうちょっとベースを上げて8000まででもう少し稼げれば良かったかなと思います。

――タイムと順位はご自身でどのように評価されていますか

目標には届かなかったんですけど、自己ベスト更新と29分台が出せたのでそこは満足しています。順位は歓太さん(清水、スポ4=群馬・中央中教校)に勝てたら良かったかなと思います。

――鴨川合宿での練習の消化具合はいかがでしたか

鴨川は途中で足に違和感があったんですけど、全体的には継続して練習ができていたのでそこで溜めができて、きょうのレースに繋げられたと思います。

――次のレースの予定は決まっていますか

5月6日に法政の記録会(法政大学競技会)があって、たぶん5000に出ると思います。

――そこでの目標はありますか

まだ考えていないです。

太田直希(スポ1=静岡・浜松日体)

――自己ベスト更新おめでとうございます。きょうのレースを振り返っていかがですか

途中監督(相楽豊駅伝監督、平15人卒=福島・安積)から3000メートルまでは余裕を持ってそこからが勝負だというふうに言われていたのでそれはできたと思うのですが、結果的に関カレ(関東学生対校選手権)のA標準が突破出来なかったのが悔しく思っています。

――大きく自己ベストを更新されましたがその喜びよりも悔しさの方が大きいのでしょうか

悔しさの方が大きいですね。前の自己ベストが高2の時に出したタイムだったので走れば自己ベストが出るのかなとは思っていたのでA標準切れなかったことが悔しいです。

――レースの目標はどこに設定していましたか

自分は関カレのA標準突破を最大の目標にしてこのレースに臨みました。

――出走前の調子はいかがでしたか

調子は普通ぐらいではあったのですが練習もしっかりと積めていたので走ればベスト行けるかなとは思っていました。

――お兄さんの智樹さん(太田、スポ3=静岡・浜松日体)が結果を残されていますが何か影響を受けたり、感化されることはありますか

それはありますね。そこまで無いのですが兄がしている事を真似では無いですがやっていれば自ずと力はついてくると思っているので自分なりの方法を見つける事とともに少し兄を手本にしてみるというのもいいと思います。

――大学生になり環境が変わる中、いきなり自己ベストを出すことができた要因は何だと思いますか

ポイント練習をしっかりとこなすことができているということが大きいのではないかと思います。

――レース終盤には粘りが光りましたがご自身ではその辺をどう評価していますか

最後は粘れたのは良かったのですが、相楽さんにも言われたのですがあそこで自分で攻めるようにしていかないと今後勝負に勝つことができないと思うのでやはりもっと度胸強さというかもう一歩上のステップに上がれたらいいと思います。

――今後の出場予定の試合と目標があればお願いします

次は2週間後の法政大学記録会に出場するかどうかは分からないですが、準備をしとくように言われているので、出場するのであればしっかりとA標準を切って14分一桁を出して、もし出ないのであればしっかりと練習を積んで関東インカレ入賞という目標に近づけるようにしたいと思います。

山口賢助(文1=鹿児島・鶴丸)

――今大会の目標はありましたか

目標は関カレ(関東学生対校選手権)の5000メートルのA標準を切ることが目標でした。

――調子はどうでしたか

調子の方はかなりいい方で手応えもかなりあったのですが、良い走りにはなりませんでした。

――レースプランはありましたか

前半は前の方でレースを進めて3000を過ぎたあたりから一番苦しくなるところで粘って最後のペースアップに対応できるようにと考えていました。

――レースを振り返って

良い位置でレースを進めることができましたし、ずっと僕の目の前に向井(悠介、スポ1=香川・小豆島中央)が走っていたので向井には絶対負けたくないし、離れられないという良い目標がありながら走りました。ただ最初からずっと前に選手がいながら、最後離れてしまったので、そこは気持ちの面でどうにかできる部分だと思いました。そこは反省点です。

――課題はメンタルの部分ですか

メンタルもそうですし、走力の面もそうですし、やっぱりメンタルというよりは走力が一番課題かなと思います。

――日体大記録会、兵庫リレーカーニバルでは1年生の活躍も光りました

かなり良い報告も入っていたり、きょうは直希(太田、スポ1=静岡・浜松日体)も大幅に自己ベストを更新したりして良い刺激をもらいました。次以降負けないように自分もその流れにのってタイムを縮めていければと思います。

――次のレースの予定は

まだ決まってないのですが、おそらく5月中にどこかで5000メートルをまた走るのかなと思っています。

――今シーズンのトラックでの目標はありますか

1番良いのは5000で13分台、1万が29分30を切ることができれば良いですが、5000に関しては14分10を切ることが絶対的な目標として頑張りたいです。ただ、どちらかというと長い距離の方に重きを置きたいので、1万で29分30を切るということは達成できるようにしたいです。

向井悠介(スポ1=香川・小豆島中央)

――大学デビュー戦でしたが、どのような意気込みで

関カレB標準を切るのと、シーズン初めてのレースだったのでベストタイムを出すのを目標に走りました。

――ベストタイムに近いタイムでしたが、レースを振り返っていかがでしたか

3000メートルあたりまではしっかりと自分の走りを保ちながら集団で入ることができたんですけど、ラスト2000で疲れが出てきて流れに乗り切れず、ラスト1000メートルは上げきることができなかったことは課題としてあるんですけど、ベストに近いタイムっていうのは、納得はできていないんですけど、それなりにはよかったのではと思います。

――ラスト1周は少し切り替えたように見えましたが

ラストの1000メートルで10秒くらいはまだ変わると思うので、ラストスパートは課題として残るものだと思います。

――入学して、新しい環境での練習は

練習環境において自由が多いっていうのが一番に感じることであって、ポイント練習も質が高いなと感じているので 、高校時代とは違って自分でどのようにしてくかというのが大事になってくるかなと思います。

――力のある同学年の存在というのは

強いなとは思うんですけど、しっかりといい目標にして、僕はトップレベルではないんですけど、追いつけ追い越せの気持ちはしっかりと持っていきたいと思います。

――今後の目標は

いずれは箱根での区間賞、インカレでの入賞が目標なので、4年間の目標に向けて、今シーズンは夏の走り込みにしっかり取り組んで、秋以降チームの主力に食い込んでいくのを目標に頑張っていこうと思います。