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ラグビー部

2018.04.23

関東大学春季大会 対日体大 4月22日 早大上井草グラウンド

攻守にわたりミスに苦しみ、まさかの敗戦/日体大戦

 季節外れの暑さのなか、早大は関東大学春季大会(春季大会)初戦を迎えた。相手は日体大。1対1の部分にこだわった上で臨んだこの試合だったが、序盤に日体大に主導権を握られてしまう。その後は互いにトライを奪い合い、後半13分にSO加藤皓己(創理3=北海道・函館ラサール)のトライで早大が逆転に成功するが、その後は再び日体大に得点を許し22-32で試合終了。ミスが続出し、なおかつそれをトライにつなげられる場面もあるなど課題の残る試合となった。

 「自陣から攻めても疲労がたまると考えたので、キックで敵陣に入った」(SH貝塚陸、スポ4=東京・本郷)とキックも効果的に使いつつ攻めるプランを持って臨んだ前半。しかし、試合の主導権を握ったのは日体大だった。開始早々、日体大ボールのファーストスクラムからの一次攻撃でいきなりラインブレイクされると、フェーズを重ねられて最後は右大外へ展開され、あっさりと先制点を許す。さらに、6分にはPGも決められて0-10となる。反撃に転じたい早大だが、肝心なところでミスが出てしまい攻め切ることができない。しかし、相手にシンビンが出て数的優位となると、17分、敵陣10メートル付近のラインアウトから展開すると、CTB伊藤大貴(スポ4=愛知・春日丘)がディフェンスラインにできたスペースを突いてそのまま駆け抜けて5点を返す。さらに、27分にはゴール前でのラインアウトから左へ展開すると、ラックサイドにできたスペースを貝塚がついてこれで10-10の同点に追いつく。終了間際に互いに1トライずつを挙げるが、ラストワンプレーで日体大に再びPGを決められて15-20とリードを許した状態で試合を折り返した。

きょうのチーム初トライをもたらしたCTB伊藤

 後半、最初に試合を動かしたのは早大だった。13分、敵陣ゴール前ラインアウトから加藤がステップを切りつつ、相手を振り切ると自らインゴールへ持ち込む。ゴールも決まり、これで22―20と逆転に成功する。このまま早大に流れが傾くかと思ったが、流れはなかなか傾かない。前半と同様に要所でミスが出てしまい、ディフェンスでも前に出てプレッシャーをかけることができず、その結果相手のアタックを受けてしまう形となってしまう。すると、62分、大外で数的不利の状況をつくられると、ラインブレイクされてしまう。最後はカバーディフェンスも振り払われて被トライを許し、22-27と逆転を許す。その後も、早大は度々ゴール前まで攻め込むがやはりミスが出てしまい攻め切ることができない。終了間際にもパスをインターセプトされると、試合を決定づけるトライを許し、22-32でノーサイド。春季大会の初陣は攻守にわたって課題の残る試合となった。

SO加藤のトライで一時は逆転に成功した

 「1対1で引く場面が多かった」(フランカー西田強平副将、スポ4=神奈川・桐蔭学園)と振り返るように、ディフェンスではプレッシャーをかけることができず、アタックでも1対1で押し込まれる場面が散見された。ただ、「きょうの課題はメンタルですね」(相良南海夫監督、平4政経卒=東京・早大学院)と振り返る通り、ディフェンスでのプレッシャーも1対1での勝負もマインドセットを変えるだけで今後十分に改善していく余地はある。今後試合を積み重ねるなかで、チームとして成長し続けてほしい。

(記事 新開滉倫、写真 千葉洋介)

関東大学春季大会
早大 スコア 日体大
前半 後半 得点 前半 後半
15 20 12
22 合計 32
2/2 3/3 スクラム成功率 4/4 6/6
6/7 7/7 ラインアウト成功率 5/5 3/3
【得点】▽トライ 伊藤、貝塚、岸岡、加藤 ▽ゴール 桑山聖(1G)
※得点者は早大のみ記載

         

早大登録メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
小澤 祐仁 法4 東京・早大学院
  後半0分交代→16鶴川    
宮里 侑樹 スポ4 沖縄・名護商工
土田 彬洋 スポ2 茨城・茗渓学園
  後半0分交代→18久保    
中野 幸英 文構3 東京・本郷
  後半39分交代→19板垣    
星谷 俊輔 スポ2 東京・国学院久我山
  後半30分交代→20沖野    
◎西田 強平 スポ4 神奈川・桐蔭学園
柴田 徹 社3 神奈川・桐蔭学園
丸尾 崇真 文構2 東京・早実
貝塚 陸 スポ4 東京・本郷
10 加藤 皓己 創理3 北海道・函館ラサール
11 桑山 聖生 スポ4 鹿児島実
12 フリン 勝音 スポ4 福岡・筑紫丘
13 伊藤 大貴 スポ4 愛知・春日丘
14 梅津 友喜 スポ3 岩手・黒沢尻北
15 岸岡 智樹 教3 大阪・東海大仰星
リザーブ
16 鶴川 達彦 文構4 神奈川・桐蔭学園中教校
17 森島 大智 教3 東京・早実
18 久保 優 スポ2 福岡・筑紫
19 板垣 悠太 基理4 東京・玉川学園
20 沖野 玄 商3 北海道・函館ラサール
21 辺津 勘太 法4 東京・早実
22 武田 誠太郎 社3 島根・石見智翠館
23 佐藤 健 商4 東京・早大学院
※◎はゲームキャプテン、監督は相良南海夫(平4政経卒=東京・早大学院)
コメント

相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)

※囲み取材から一部抜粋

――岸岡智樹(教3=大阪・東海大仰星)選手をFBで起用した意図は

外側でボールのリンクプレーヤーとして動きやすいところと、加藤が自分で仕掛けられるので、そういう組み合わせでということでコーチと話し合ってそういう布陣にしました。SOをやっていてもそうなんですが、蹴り合いに対応するために後ろに帰る、いわゆるバックスリーの連携の部分に入ることがあるんですが、そこはまだ動きのレンジが狭い部分はありますね。

――ディフェンスの部分ではタックルを受けてしまう場面が多かったですが、ディフェンスについてはどのように感じていますか

前に出る圧力が足りないのかなと思いますね。それと「抜かれてはいけない」というマインドのほうが強いから、体を当てきれずつかまえにいってしまうのかなと思います。

 

――次の試合へ向けてどのような点にフォーカスしていきたいですか

スキルやユニットといったストラクチャーが完成しているわけではないので、早いセットだとかそういう意識は高めていきたいし、そこに必要なコンタクトスキルや短いパスのスキルだとかそういうところを一つ一つ積み重ねていきたいと思います。

――今後へ向けて一言お願いします

ラグビー的にはこれからは一歩一歩ステップアップしていくしかないので、きょうの課題はメンタルだと思うので、戦う気持ち、ファイトしてほしいですね。

フランカー西田強平副将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)

――今試合ゲームキャプテンでしたがどのような意気込みで挑みましたか

初戦だったので上手くいかないことも多くあると思ってたんですが、その中でいつもと違うことをやるのではなく、自分たちがやってきたことに立ち返れるように自分が率先してやろうと思っていました。

――きょうの試合で意識した部分はどこですか

1対1です。その1対1のところをフォーカスしていて。そういった意味では1対1で引く場面が多かったので、そこは本当に猛反省です。

――ディフェンスはどのような形で臨みましたか

ディフェンスはシステムがあるんですけど、ディフェンスシステムに凝るんじゃなく、そもそも1対1で勝っていくっていうことを試合前からやっていました。そこは自分たちの中では上手くいかず、引いてしまってタックルいかれてしまう場面が多かったので、そこがすごい反省点です。

――アタックはいかがでしたか

アタックも1対1の部分でレッグドライブして。そこでやっぱり点差もあって焦ってしまったと思うんですよね。それで自分たちの形じゃないことをやろうとしてしまって。そこが上手くいかなかったかなと。ミスがやっぱり多かったですね。セットプレーからのファーストアタックでのミスが目立ってしまって、試合中にそれを改善できなかったのが一番の部分だったと思います。

――次戦に向けての意気込みをお願いします

負けてしまってチームがこれですごく自覚を持ったと思っていて、自分もすごい自覚を持ったので。明日の練習から切り替えていきたいと思います。それで次の試合は今回出た反省を生かしていきたいです。

SH貝塚陸(スポ4=東京・本郷)

――今のお気持ちをお聞かせください

新チームとなって初の15人制での公式戦ということで、戦術に対する理解が甘かったです。

――ご自身としては初のAチームのスタメンとなりましたが、どのような意気込みで臨まれましたか

ずっと小さい頃から憧れだった赤黒を着て試合に出るということで気持ちは入っていたんですが、FWをコントロールする余裕がなくて自分のことに精一杯になってしまいました。

――自陣の中でボックスキックを使う場面が度々ありましたが、意図は何だったのでしょうか

きょうの天候的な問題で、自陣から攻めても疲労がたまると考えたので、キックで敵陣に入って、できるだけ長い時間敵陣でディフェンスをするために蹴りました。

――ご自身でもトライを挙げましたが、振り返っていかがですか

ああいう形をFWと練習していたんですが、アタックのところで連携できたシーンだったので、そういうシーンが今後も増えてくればもっといい戦術になっていくのかなと思います。

――現在齋藤直人(スポ3=神奈川・桐蔭学園)選手が遠征で不在ということもあり、アピールのチャンスだと思いますが、どの部分でアピールしていきたいですか

タックルが自分は得意なのでハードワークをしてタックルの回数を増やすのと、テンポのある捌きの部分ですね。直人に負けたくないのはタックルの部分とディフェンスの部分です。

――今後の試合へ向けて一言お願いします

今回の試合の結果を受けて、もっと早大のファンの皆さんに楽しんでもらえるような試合をこれからしていきたいと思います。