ア式蹴球部

2018.04.15

第92回関東大学リーグ戦 4月14日 東京・味の素フィールド西が丘

昨季王者に逆転勝ち!外池ワセダが2連勝を飾る

 開幕戦に勝利し、関東大学リーグ戦(リーグ戦)で白星発進した『外池ワセダ』。2年ぶりに足を踏み入れた大学サッカーの聖地、味の素フィールド西が丘で昨季王者の筑波大を迎えうった。前半はお互い好機を演出できない展開が続いたが、42分に先制点を許してしまう。しかしアディショナルタイムにFW武田太一(スポ3=ガンバ大阪ユース)が同点弾をたたき込み、前半のうちに同点に追いつく。後半に入ると早大ペースで試合は進んでいき、68分に武田が再びネットを揺らし試合をひっくり返すことに成功。82分にはFW岡田優希主将(スポ4=川崎フロンターレU18)の2試合連続ゴールで筑波大を突き放した。アディショナルタイムに入る直前に1点を失うものの、そのままリードを守り切りタイムアップ。1部復帰のシーズンで連勝スタートに成功した。

 昨年の天皇杯全日本選手権における快進撃も記憶に新しい筑波大。大学サッカー界の盟主を相手取った早大は、MF相馬勇紀(スポ4=三菱養和SCユース)と武田を前線に置いた4—4—2の布陣で試合開始を迎えた。「スカウティングより相手の最終ラインが低めだった」と武田が言うように、筑波大は前節より最終ラインを低めに設定。そのために中盤でのせめぎ合いが激化し、お互いに相手を崩せないこう着した展開になる。最初にチャンスを迎えたのは早大。9分、MF栗島健太(社3=千葉・流経大柏)のロングボールに抜け出した相馬が相手陣地深くでタメをつくり、チャンスメイク。パスを受けたDF冨田康平(スポ4=埼玉・市浦和)のドリブルから生まれたこぼれ球に反応した武田が強烈なシュートを打つも、ボールはサイドネットへ飛んでいった。18分には、早大のCKから筑波大にカウンターを仕掛けられピンチを招くも、この日リーグ戦で初めてサイドバックに入ったMF鍬先祐弥(スポ2=東福岡)がボールをカット。すぐさま逆カウンターを仕掛け、最後は相馬がシュートを放つも相手DFにブロックされる。時計の針が30分を過ぎたあたりから、筑波大がサイドから再三攻撃を仕掛けるものの決定機には至らず、逆に空いたスペースを早大が利用してカウンターを仕掛ける場面が増える。先制点を奪うのも時間の問題かと思われたが42分、筑波大のFW西澤健太(4年)に右サイドの角度のない位置からシュートを放たれ、ゴールを許してしまう。しかし45分、岡田がドリブルで中央を打開。中盤から飛び出してきたMF金田拓海(社3=ヴィッセル神戸U18)へパスが渡り、マイナス気味のクロスを上げると、武田が芸術的なボレーシュートでゴール。試合を振り出しに戻し、ハーフタイムを迎えた。

鍬先は守備で存在感を示し、攻撃の起点になった

 後半になると試合の流れは早大へ傾く。49分、武田が中盤でボールを収めると相馬とワンツーで抜け出し、中央の岡田へ早いパスを送る。惜しくも呼吸が合わずシュートには至らないものの、武田のポストプレーが効果を発揮し始め、筑波大を押し込む時間帯が続いた。53分には左サイドの相馬が武田のポストプレーからチャンスをつくり、MF藤沢和也(商3=東京・早実)が決定機を迎えるもゴールならず。逆転への期待が膨らみ始めた68分、GK小島亨介(スポ4=名古屋グランパスU18)のロングフィードを武田が落とし、岡田がそれを拾うと、再び武田へパスを送る。迷いなく右足を振り抜くと、ボールはゴール右隅へ吸い込まれていき、早大がリードを奪った。82分には、相馬のスルーパスに岡田が相手DFの死角から抜け出し、GKとの一対一を冷静に沈める。勝利を決定づける3点目に沸き立つ早大ベンチとゴール裏。90分に筑波大FW窪田翔(2年)に得点を許すも、その後は反撃を許さず試合終了の笛が西が丘に鳴り響く。非常に大きな意味を持つ勝ち点3を手にいれた。

2得点1アシストで勝利の立役者となった武田

 「こんなにうまくいくとは」と、外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)も目を丸くする試合内容であった。外池監督が「今までのワセダなら絶対にやらなかったであろうことを考えてきた」と語るように、この日の筑波大対策は選手主導で従来理想としていたボールを支配するサッカーから、相手に合わせたリアクションサッカーをつくりあげたという。この日の勝利は強豪・筑波大の対策を立案し遂行する選手たちの高い能力と、外池監督の選手の自主性を重んじる懐の深さが呼び込んだと言っても過言ではない。次戦は全日本大学選手権王者の流通経大とあいまみえる。強豪との連戦で勝利し、『覇者ワセダ復活』を印象付けることはできるか。

スターティングイレブン

 

(記事 森迫雄介、写真 下長根沙羅、大山遼佳、守屋郁宏)


JR東日本カップ2018 第92回関東大学リーグ戦 第2節
早大 1-1
2-1
筑波大
【得点】
(早大)45’、68’武田 太一、82’岡田 優希
(筑波大)42’西澤 健太、90’窪田 翔
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 小島 亨介 スポ4 名古屋グランパスU18
DF 鍬先 祐弥 スポ2 東福岡
→86分 20 牧野 潤 スポ3 JFAアカデミー福島
DF 杉山 耕二 スポ2 三菱養和SCユース
DF 大桃 海斗 スポ3 新潟・帝京長岡
DF 冨田 康平 スポ4 埼玉・市浦和
MF 金田 拓海 社3 ヴィッセル神戸U18
MF 栗島 健太 社3 千葉・流通経大柏
→86分 13 高岡 大翼 社4 広島皆実
MF 14 藤沢 和也 商3 東京・早実
→77分 19 杉田 将宏 スポ1 名古屋グランパスU18
MF 11 相馬 勇紀 スポ4 三菱養和SCユース
MF ◎29 岡田 優希 スポ4 川崎フロンターレU18
FW 武田 太一 スポ3 ガンバ大阪ユース
◎=キャプテン
監督:外池大亮(平9社卒=東京・早実)
関東大学リーグ戦1部 順位表
順位 大学名 勝点 試合数 得点 失点 得失差
順大 +6
明大 +4
早大 +2
法大 +2
駒大 +1
専大 -1
国士舘大  0
東京国際大 -3
桐蔭横浜大 -1
10 流通経大 -2
11 筑波大 -4
12 東洋大 -4
※第2節暫定(4月14日終了時点)
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ピンチの後に岡田のゴール。外池ワセダ、白星発進!(4/09)

コメント

外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)

――前節と比べて苦しい試合の入りだったのではないですか

そうですね。結構向こうもメンバーを変えてきていたんですけど、やっぱり能力が高い選手が多かったです。ただ(早大としては)狙いとしている部分は多少出せていたものの、相手も1敗していた中で、覚悟みたいなものは感じましたし、さすが筑波さんだなというのは感じましたね。

――狙いとしていた部分というのは

(相手は)思っていたほどは前から来なかったんですけど、前に来たところでしっかり圧をかけて、そこをひっくり返しに行くだとか、それがうまくいかなかった時はしっかりリトリートしてということでした。今までとは違って中を使わせないという形の守備に変えたので、そこに関してはまあまあできてたかなというのは感じます。ただなかなか攻撃がハマらなかったので、相馬(MF相馬勇紀、スポ4=三菱養和SCユース)のポジションとか岡田(FW岡田優希、スポ4=川崎フロンターレU18)のポジションとかを変えて、ちょっと打開を図ったという感じですかね。

――ハーフタイムはどんな指示を送りましたか

ちょっと不運な形で失点をして、(試合が)難しくなるかなとは思ったんですけど、途中から右サイドに相馬を置いて、そこからなら行けるかもなというのがあった中で、うまく武田(FW武田太一、スポ3=ガンバ大阪ユース)がゴールしてくれました。終了間際に同点になったのは非常に大きくて、みんな(ロッカールームに)帰ってきてからも落ち着いていたというか、このまま行けばいけるよという空気がありました。だからこそしっかり、(後半は)特に最初の10分で失点しないようにということは意識しましたね。

――選手主導で戦い方を変えていた部分も大きかったのですか

そうです。今週の筑波対策としても、選手たちがこう戦いたいというのを1回出してきたんです。それを見て、「今までのワセダだったら絶対やらなかったであろうことを考えてどうですかと言ってきたな」と。ぜひそれをやろうよと、木(曜日)、金(曜日)で確認をして、僕は微修正をしただけなので、基本は選手たちです。だから今日の試合前も、「君らが考えた君らのやり方で勝てたらめちゃくちゃ楽しくない?それを証明しようよ。きょう負けたって構わないし、こういう場をつくったのは君たちなんだから、チャレンジしようよ」みたいな話はしました。

――2連勝という結果に関してはいかがですか

試合終わった直後くらいは、こんなにうまくいくものなのかなと。でも、開幕戦の時と同じように、昨日の段階で「やることは全部やったな、やり尽くしたな」という思いはあったので、きょうは純粋に、僕も西が丘での大学サッカーというものを体感することを楽しみたいなと思って、後は任せようというような感じでしたね。

――少し期間が開きますが、今後に向けてどう準備をしていきますか

今年のチームは、自分たちで相手に対してどう向き合うかみたいなところを考えるというのがひとつの行動指針になっているし、変化を恐れないことが自分たちの成長であるという実感も持てているので、まずはそこに一旦ならうように、体もそうだし、頭のコンディションという部分で、良いリフレッシュをしっかりして、そういう(相手への向き合い方を考える)時間にしたいと思います。

FW岡田優希主将(スポ4=川崎フロンターレU18)

――きょうはどのようなイメージを持って試合に臨みましたか

フォーメーションを見てもらえば分かると思うのですが、相馬をFWにおいて筑波が背後に弱いとスカウティングで知っていたので、一回ウラに起点を置いて僕や藤沢(MF藤沢和也、商3=東京・早実)が後ろからアタックをする流れを考えていました。

――前半は試合の主導権を握ることができませんでしたが

相手の対応が思っていたよりも早くてウラの選択肢を消されてしまい、フォーメーションを変えるまでの30分間は我慢の時間帯でした。その後に僕が中に入って起点をつくって何回か攻めのかたちをつくれていたと思います。最初からできればよかったですけど。もっと僕自身もドリブルで突破したりできると思っているので、試合を積み重ねて改善していきたいです。

――相馬選手と流動的な動きが見られましたが

変えろって言われただけで、僕たちはある程度変われるし、そういう意図もシーズンオフの頃から色々試してきたのでスムーズに変わることができます。バランスを見て自分たちで変えています。

――ご自身の得点を振り返っていかがでしたか

ああいうボールを狙えるようになったのが、点を取れている理由です。ほとんどワンタッチゴールはこれまでなかったんですけど、試合終了間際に相手のクリアミスを拾ったのも狙っていたからで、ゴールを取れているいい状態だと思います。自分の直感を大事にしていて、ゴールからの逆算をして常にプレーしています。

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

奇跡だと思っています。筑波が外して、レフェリーの判断とかもあって自分たちが我慢しながらも決め切れたから勝てました。両方がなければきょうは勝てませんでした。こういう試合をずっとやっていかないといけないし、どんな相手であれ今後も勝ちたいです。

FW武田太一(スポ3=ガンバ大阪ユース)

――前年度王者の筑波大との対戦でしたが、どのような気持ちで臨まれましたか

相手が強いことは分かっていたので、自分たちは弱者であるという話はロッカーでしていました。でも、それはそれとして負けられない、絶対に勝つという話もしたので、意気込みとしては強いものを持っていました。

――前半は両チームとも攻撃の歯車がかみ合わずこう着状態でしたが、ピッチ上で感じたことは

前節のスカウティングで相手の最終ラインが高いという話はあったんですけど、今節は結構(筑波大が)引き気味だったので、逆に手前が空きました。そこを主将(岡田)が途中から使ってたので、チームとしては試合の流れを変えられたのかなと思います。

――先制された直後の同点ゴールを振り返って

あれはサイドから崩してゴール前まで運んできてくれたので、最初はシュートのこぼれ球を狙おうと思ってたんですけど、金田(MF金田拓海、社3=ヴィッセル神戸U18)がうまく折り返してくれたので、体を張って触らないとだめだと思って足を伸ばした結果ですね。そしたらスコーピオンキックみたいな感じになりました(笑)。

――前半と後半でポストプレーの成功率がかなり変わりましたが、ハーフタイムで何か指示があったのでしょうか

いや、ハーフタイムは前半のうちに追い付けたので、自分たちのペースで進められるという考えがあって、全体では色々な話がありましたが個人的にはあまりなかったです。前半は手前のサポートがあまりなかったので、プレーに迷いがあったんですが、後半になって結構サポートが増えたことによって安心して体張れるなっていうのがありました。

――2点目を振り返って

あれも主将がサイドから持ち出してくれて、自分にきたら絶対シュートを打とうと思ってボールを止めたところで、相手が来ているのが見えたので早めのタイミングで打ちました。トーキックで打ったら自分の思い描いたコースに飛んでよかったです。

――終盤に外池監督自らピッチサイドで武田選手に指示を出していましたが、どのような内容でしたか

あれは「体動けているからそのまま出し切れ」と言われただけです。もとよりそのつもりだったので「分かりました」とだけ言いました。

――最後の5分ほど攻め込まれて失点も喫してしまいました

そうですね、あの時間帯は完全に相手ペースで苦しかったです。前からプレスに行こうとは思っていたんですが、後ろが結構怖くて気になっていた部分があるので、そこはあと2週間で自分たちで修正できたらいいかなと思います。

――強豪校との3連戦の初戦に勝利し、次は流通経大との対戦です。意気込みをお願いします

また自分が点を取ってチームを勝利に導けるように、この2週間でチーム全体としても修正し、自分としてももっとやれる部分はないかと探り探り挑戦していく必要があると思います。

MF鍬先祐弥(スポ2=東福岡)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

相手は王者の筑波大ということで、自分たちはチャレンジャー精神でした。失うものは何もないという覚悟で相手を倒すことだけを考えていました。

――リーグ戦初出場でしたね

本職ではない右サイドバックだったんですけど、出ていない選手のためにも自分がしっかりチームの勝利のために頑張ろうっていう気持ちでした。

――本職ではないポジションでのプレーはいかがでしたか

対人とかはまあまあかなと思ったんですけど、ビルドアップとかボールを持った時にできることを増やしていかないとだめかなと思いました。

――前半は何回もピンチを救っていましたが

まだセンターバックとの連携っていうのが曖昧な部分がありますが、あのような場面で体を張るっていうのはDFだったら当たり前だと思うので、それを基準にして頑張っていきたいと思います。

――今後の目標をお願いします

これから厳しい戦いが続いていく中で、どこで出てもチームの勝利に貢献できるように頑張りたいと思います。